捻くれたRAILWARS〜日本國有鉄道公安隊〜比企谷八幡の闘い   作:おーあみ

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短期講習編、終了です〜

クロスオーバーの難しいところって、他作品のキャラをどうやって絡めるかだと思っていたり...


やがて、講習は終わりを迎える

 

 

 

この短期講習、もとい特設公安科短縮講習では、普通に生きていれば体験することのない多くのことを体験することになる

 

今日に到っては射撃訓練である

 

國鉄職員全員が拳銃を所持している訳では無い

 

しかし、鉄道公安隊には拳銃所持が認められているのだとか

 

...桜井には絶対に持たせてはならない、そう思うのは俺だけではないはず

 

鉄道公安隊員全員に年間50発の射撃訓練が義務付けられているのだとか

 

そして俺達は警察学校に連れていかれている

 

当たり前だが普通に生きていれば銃なんて使うはずがない

 

拳銃は38口径リボルバー6発弾倉

 

訓練は左右の壁にあるブースに一人ずつ入ってきたそれぞれ奥の標的に向かって撃つ

 

この銃、ダブルアクションという種類で、撃鉄を起こすことなくトリガーを引くだけで弾丸は発射される

 

両手首にしっかり力を入れ、一発目を撃つ

 

ダァーーン!!!!

 

目標から上にそれた

 

「びびってないで、しっかり持って連続で撃ち込め!」

 

「は、はい!!」

 

5発うち尽くせばカチッと空振りする音がする。そうすれば弾倉を横へ出し、薬莢を台の上に出し、また五発詰めて撃つ、これの繰り返し

 

ここまで40発、残り10発は検定に使う

 

目標となる小さな人形の標的をワイヤーに付いたクリップに固定し、赤いボタンを押すと奥へ移動し約20メートル先で止まる

 

さっきから撃っていると、狙った所から上にずれているのに気づいた俺は、目標の中心の少し下を狙う

 

ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!

 

五発撃っては弾薬を詰め替える

 

ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!ダァーーン!

 

10発撃ち終え、的を手元に戻す

 

10発中2発が中心近く、5発程が中心から10センチほどズレた所に散らばっている

 

俺がブースを出て、特にやることもなく眺めていると、なんかどっかで聞いたことのある声がした

 

「あ〜もう!どうして真ん中に当たらないのよ!」

 

西木野ですねそうですね。

 

仕方ない、座学の件もあるし軽くアドバイスしてやっか

 

「あー、そのなんだ、肩に力入れるな。手首に力入れるようにしろ」

 

「えっ!あ、こう?」

 

「あと、目標の若干下を狙え、多分そうしたらある程度は当たるはずだ」

 

「あ、ありがと」

 

その後検定の様子を見ていたが、10発中4発命中と、初心者の俺が言えることではないが、かなりいい方ではないのだろうか

 

「あ、あの、比企谷くん」

 

「ん?どうした、俺になにか不満か?」

 

「ち、ちがうわよ!その、さっきは、ありがと」

 

「お、おうそうか」

 

未だに女子と話すのってあまり耐性がありません

 

そして、またしてもあの女がやりやがった

 

「教官!私は男どもと同じ弾丸の使用を希望します!」

 

俺達と同じ弾丸とはどういうことか、これは女子が弾薬を半分に削って反動も少なくなっているライトロードという弾丸を使用しているからである

 

ジロリと教官は桜井を見ていった

 

「桜井か...お前少しは...」

 

「私は父に従って数十回海外で経験しています!」

 

目を閉じて少し考えた後、教官は言った

 

「ではいいか...よしっ、使用を許可する」

 

「ありがとうございます!」

 

パチんと指を鳴らした桜井はニコニコ顔で、男子と同じ弾丸を教官から受け取った

 

1連の動作を見る限り、只者ではないと予感させる

 

...検定を終えた標的を見ると、男子全員が凍りついた

 

人形の標的の頭に一発、心臓に一発、そして男の急所に八発穴が空いている

 

特に股間については撃ち込みすぎにより大穴になっている

 

「どう、私と打ち合いする?」

 

「なんでだよ!」

 

高山よ、ご愁傷様さまとしかいいようがありません

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

短期講習も最終週を迎える

 

もう残り1週間かと思うやつもいれば、まだ1週間あるのかと思うやつもいる

 

ちなみに俺は前者である。もっと過酷かと思っていました

 

だがしかし、この講習、あとに行けば行くほど険しい山になる

 

知識だけではなく体力も要求されるこの講習

 

その体力モノの最高峰が今から行う投炭訓練である

 

「投炭訓練を行う!全員第二車両整備場へ5分以内に集合!」

 

スピーカーから流れる教官の指示に従い、俺たちは作業服に着替えて大きな屋根のある整備場へ駆け足で集められた

 

......あちぃ、体が溶けちまいそうだ

 

「おはようございます整備班長!こいつらをよろしくお願いします!」

 

「おお、来たかゆとり教育世代。今年は何人残るかな」

 

「さあ、最近は全員ひ弱ですから、今年あたり全滅やもしれません」

 

「そりゃ楽しみだな」

 

教官は俺達の方へ向き直る

 

「本日は投炭訓練を行う。全員このC62で時速100kmを出すまで終われないからな!」

 

えっ、どーゆーことですか

 

「今更、こんなもんの運転を学んでどうすんだ?とか思ってんだろう!そこがお前達の浅はかなところだ。蒸気機関車は鉄道の父だ!蒸気機関車ができて初めて鉄道が出来たのだ。だから今の規格はすべて蒸気機関車の頃に合わせて作ってある。そういうことを理解しておかないと電車だろうが新幹線だろうが動かすことはできんのだ!分かったか!」

 

『はい!!』

 

「よし!二人ずつのチームを作れ!」

 

ピッと教官が笛を吹き、チームに分かれる

 

高山は既に岩泉と組んでいるようなので、仕方なく西木野と組むことにした

 

あっちもあっちで相手いなさそうだけど

 

「今、私が相手いないから困ってるとか思ってたでしょ」

 

「いや滅相もございません」

 

お兄さん感の鋭い子は嫌いよ

 

「まぁ、よろしくな」

 

「こっちこそ」

 

その後、高山にこっそり聞いてみた

 

「なぁ高山、100kmってどんぐらいやればいいんだ」

 

「大体1分で60キロぐらいの石炭を叩き込まないとかなぁ」

 

「...そうか」

 

絶望を見た気がした

 

俺と高山が話していると、横から何か入ってきた

 

「何、はるかのおしりジロジロ見てんのよ!」

 

桜井です。またです。高山くんお疲れ様です

 

「いっ、いやっ!?」

 

小海が慌てて隠そうとする

 

「桜井、女だけのコンビで大丈夫なのかよ?」

 

「女だからってバカにしないでっ、いつでも力で押さえつけられると思ったら大間違いよっ!」

 

「本当お前ら仲良いな」

 

そんな事を適当に行ってみれば

 

「「違うわ(よ)!」」

 

ほーら一致してんじゃん

 

ピッ

 

前を向くと教官が笛を口にくわえて、仁王立ちで立っていた

 

「元気そうだな!では、お前らからやってみろ!」

 

えっ?俺も?冗談だよね?

 

「見てなさいよ。男だけじゃないって教えてあげるわ」

 

「ったく、かわいくねーな」

 

「かわいくなくて結構よっ!」

 

桜井と高山が睨み合ってるのを横目に、俺と西木野は機関車に向かった

 

 

C622 C623 C6225

高山 比企谷 桜井

岩泉 西木野 小海

 

 

運転席に敬礼しながら、それぞれの機関車の運転台に乗り込む

 

運転席には整備班の人が座っていて、研修生はボイラーに石炭をくべる

 

「西木野、キツかったら言えよ」

 

「あ、べ、べつに大丈夫よっ」

 

「よーい。始め!」

 

教官の声で一斉にスタートする

 

ズウァァァァァ

 

シュ、シュ、シュ...

 

「先に俺がやるから、少しずつ疲れないように交代しながらやるぞ」

 

「わかったわ」

 

運転台の真ん中に石炭を入れる扉があり、足元のペダルを踏むと左右に開き石炭を入れることができる

 

無論、中で火が燃えているので、扉を開けば熱風が吹き込む

 

石炭を掬い、ボイラーに入れる簡単な作業だが、シャベルで黙々と入れ続けるのはかなり辛い

 

更に最悪の状況を想定してこそ訓練と、防毒マスクをしているのが追い討ちをかける

 

「代わるわ」

 

「おう、わりぃ頼む」

 

「まっかせなさい!」

 

そのあと俺たちはだいたい8分ペースで交代を続けながらやっていったが、ある時を境に高山と桜井達も80キロぐらいで止まってしまった

 

「...なんで上がんねぇんだ?」

 

「私に分かるわけないでしょ!」

 

「俺も蒸気機関車なんぞ触るのは初めてだし...」

 

すると、なんかデカい声が聞こえた

 

「燃焼効率だぁーーーー!!」

 

高山か

 

「...っ!そうよ!燃焼効率よ!」

 

「ん?なんだそれ」

「授業でやったでしょ、まぁいいわ。私が言う方に石炭を投げ入れて」

 

「おう、んじゃ指示頼むわ」

 

「了解。まずは右奥、次に右手前...」

 

そう入れてる内に、西木野も一緒に投げ込みを行っていた

 

他のやつとだったらもう俺は挫折していたかもな。西木野には感謝だわ

 

3つの機関車が同時にこんなことをやれば煙もすごいわけで、あたり一面が凄いことになっている

 

ピィィィィ

 

「ん?なんだ」

 

「比企谷、西木野と岩泉、高山そこまでだ!」

 

前の速度計を見てみれば速度は100キロに達していた

 

「はぁ...終わったか」

 

若干力が抜けてふらつく

 

「ちょ、ちょっと、大丈夫!?」

 

「あぁ、軽く疲れただけだ。それよりも、西木野。ありがとな。お前じゃなかったら諦めてたわ」

 

「えっ、その、私こそ、比企谷君じゃなかったら諦めてだろうし...あ、ありがとっ!」

 

こいつ根は優しいんだな

 

そこから少し間を置いて、桜井小海ペアも終わったようで

 

運転台で桜井が倒れれば教官が

 

「無理しやがって。岩泉、高山。そこの担架を使って桜井を医務室へ運んでやれ」

 

「はっ、はい!」

 

担架がすぐそばに常備されてるってどういう状況だよ

 

その後聞いたが、100kmに到達できたのは俺たち6人だけだという

 

「高山と岩泉にひっぱられて、桜井と小海、比企谷と西木野のチームも出来たってことか。まぁそれだけじゃないんだろうがな...」

 

と言って、なんと二日間テストが免除された

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

こんなに過酷な訓練だし、これ以上の地獄はないと思った時期が俺にもありました。はい

 

自衛隊の体験入隊

 

これも昔からの伝統らしく、材木座のように重いリュックを背負い、弾丸の入っていない銃を担ぎ、一日中コミケを戦い抜くと考えたらいい

 

そして列車防護訓練

 

発煙筒を持った右手を降ろさずに、学校の制服で600m先まで全力で走る

 

しかも靴は革靴で線路の枕木と呼ばれる部分を選んで走る。かなりきつい

 

更に、普段の日常ではまったく使わない動作まで覚えてしまった

 

それこそ、敬礼である

 

俺みたいな専業主夫ライフを目指すような人間からすれば、関わりのないようなものである

 

たがしかし、これも公安隊では挨拶。覚える他ない

 

毎日ずっとやっていれば、手の平の角度も揃ってきて、突然でもできるようになってしまった

 

そして遂に研修の最終日

 

流石に最終日は訓練無しで、午前中のオリエンテーションのみ

 

プルプルプルプルプルプルプルプルプル...

 

三十日前からずっと、遅れることなく五能教官が1秒も遅れること無く教室に入ってきた

 

「起立!」

 

流石に1ヶ月もすれば、椅子を立つ音、足を揃える音がすべて整う

 

「敬礼!」

 

...二の腕は水平に、手の平は下を向け指先派まっすぐに

 

「...着席」

 

全員一斉に座る

 

まるで1ヶ月前とは別人である

 

教官はこちらを見回してから、研修中で初めて笑顔でこちらを見た

 

「全員ご苦労だった...正確には機能を持って特設公安科短期講習は全て終了だ。今日からは半人前ではあるが諸君らは鉄道公安隊員だ。今日まで厳しくやってきたが、それは我々が人の命を扱う仕事だと認識してほしかったからだ。鉄道公安隊は警察でも自衛隊でもなく、お客様に楽しく旅行をしていただいたり、毎日快適に通勤していただくサービスを提供する鉄道会社『國鉄』の職員なのだ。だから...」

 

教官はチョークを手に取り、黒板に

 

強く・正しく・親切に

 

そう大きく書いた

 

「これが鉄道の安全を守る鉄道公安隊のスローガンだ。現場に出たらお客様を犯人のように疑うようなことは絶対にするな!お客様には親切に接しろ」

 

少し間を置いて、教官は最後に言った

 

「しかし、お客様の迷惑になるような奴には、どんな理由があろうとも戦え...いいな」

 

その後、現場に出る心得を1時間ぐらい聞いたあと、鉄道公安隊手帳が卒業証書のように、一人一人に手渡された

 

たった1ヶ月の講習であったが、緊張感が途切れたせいか、高山に岩泉、小海も泣きながら敬礼して受け取っていた

 

ちなみに俺はって?少し泣きそうになったけどギリギリで堪えました。OK超クール

 

ただ涙目の西木野はちょっとレアかも。ただ言ったら軽く絞められそう

 

そして、全員に手帳を渡し終えると、教官が退出し、研修の全てが終了した。

 

初めて全員同じ時間に終わることがてきたからか、高山に誘われて、揃って西国分寺駅まで歩いた

 

「いろいろありがとう...高山君」

 

「こっちこそ...みんなのお陰で、楽しくやれたよ」

 

あら、あっちでまたまた、高山は常に横に女子がいますね

 

「ねぇ、ちょっと聞いてるの?」

 

「うぉ、びっくりした」

 

「気づいてたんじゃないの?」

 

「いやマジで気づかんかった」

 

「そう...は、八幡も、しっかり現場で働きなさいよ!」

 

「お、おうそうか。まぁできるだけやるさ。善処する」

 

「私だって、アンタには負けないから!」

 

「あーそうか、わーったわーった」

 

「それじゃあ、じゃあね」

 

「おう、こっちこそ、ちゃんと働けよ」

 

「わかってるわよ♪」

 

「高山!女ばっか追いかけてないで、ちゃんと現場での研修やんなさいよ!」

 

あら、高山は今度は桜井に絡まれておられる。次から次へと...

 

「そっちこそ、男とうまくやれよ。女の人を優遇している國鉄とは言えまだまだ男社会だぞ」

 

「分かってるわよ!でも、戦わなくちゃ何も始まんないじゃない!」

 

ホームに東京方面行きの電車が滑り込んでくる

 

ちなみに俺は小町に八王子でもなか買ってきてくれと頼まれたもんだから、一旦八王子に行ってから帰る

 

「じゃねっ!」

 

桜井は小海の手を引っ張って改札口へ走り出した

 

「あっ、あおい〜。それじゃあ!また !」

 

顔だけ後ろを向けて転びそうになりながら、軽い会釈をして電車に飛び乗った

 

「それじゃな岩泉と比企谷もっ、帰ってから少しは勉強した方がいいぞ」

 

「高山も体力つけろよ」

 

「そうだぞ高山。俺が言えることではないが危機管理能力をもう少し高めた方がいいぞ」

 

「今から頑張っても筋肉バカにはなれないし、そんなに危機管理能力を高めることも出来んわ!」

 

「それは勉強と同じだな」

 

「そうだなっ」

 

珍しく3人で笑いあった

 

「じゃな!」

 

俺たちは敬礼で別れた

 

しかし、これは講習であって、研修ではない

 

現場での研修、これ以上って何が待っているんだ...

 

 

 




次回からは遂にあの班が...
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