捻くれたRAILWARS〜日本國有鉄道公安隊〜比企谷八幡の闘い 作:おーあみ
こっちの投稿遅れててすみません()
それは、突然訪れた
俺と高山、岩泉が女子達に置いていかれて、事務所内で昼飯を食べていた時
ガチャ
「はぁはぁ、たっ、ただいま、戻りましたっ、はぁはぁ…」
小海が息を切らせて事務所へ入ってきた
「いっ、飯田班長!」
「だからぁ、班長はいいって言ったでしょ?どうしたの小海さん。ランチもいいけどぉ、あんまりゆっくりしてたらぁ、午後からの仕事に間に合わなくなっちゃうぞ」
いつも通り笑いながら言っているが、小海の顔には余裕がまったくない
「それどころじゃないんです!桜井さんと!西木野さんがっ!」
「ねっ、とりあえず落ち着こうよっ、小海さん」
胸に手を乗せて、深呼吸を繰り返し息を整えた小海は、叫ぶ様に
「桜井さんと!西木野さんがっ!ひったくり犯を追いかけて行っちゃったんです!」
「ええっ!」
高山が飲んでいたお茶を吹き出しそうな勢いで言った
しかし目の前では大騒ぎだが、岩泉は眠ったままである。事件と聞けばすぐ起きそうだが
「桜井さん。ランチの帰りにコインロッカーの前を通ったら、荷物を入れようとしている女性からバッグをひったくるのを目撃しちゃって、私と西木野さんにはには相手が男二人組だから応援呼んできてって言ったけど、西木野さんが「私も行くわ!」っていって…」
「ロッカーの辺りって死角も多いしなぁ、人気のない時間だからぁ…それを狙われちゃったのねぇ〜。にしても…そう…桜井さんと西木野さん、まだ二日目なのにね…ふぅ〜ん」
飯田さんは腕を組んだまま、何度も頷いている
「班長!そんなに落ち着いてないで、何とかしてください!」
小海が焦っていうと、飯田さんは俺と高山の方に向かって言った
「じゃあ、高山君。君を班長代理、比企谷君を班長代理補佐にそれぞれ任命します。ひったくり犯を追いかけている桜井さんと西木野さんを4人でバックアップしてあげてください」
ガシャン!
「「はっ、はい(ひゃい)!必ず犯人を捕まえて戻ってまいります!」」
突然だったから噛んじゃったよ
「わっ、私はすぐに着替えて来ます!」
そうだ、岩泉が寝てるままだ。一応起こしておくか
「おーい、岩泉、起きろー」
「……」スヤァ
「事件だぞー、起きろー」
ガバッ
「俺は準備完了だ!早く行こう!」
事件と聞いた瞬間、急に跳ね上がり、腰に警棒を左右両側に1本ずつ差して立っていた
「では、行きます!」
「は〜い、いってらっしゃーい」
とりあえず廊下に出て、高山が桜井にコンタクトを取ろうとする
「小海さん!桜井の携帯番号知ってるよねっ」
「あっ、はい!知っています」
「すぐに電話かけてらそして桜井が出たら代わってくれ!」
「分かりました!」
「俺も西木野にかけてみるぞ」
「おう。なんかわかったら言ってくれ」
繋がるかは分からないが、とりあえずかけてみる
ちなみに連絡先は何故か短期講習の最終日に交換している
親父にお袋、小町しかなかった連絡先に、西木野が増えただけだから、探すのも容易である
プルルルルル、プルルルル
「もしもし、私だけど」
「手短に聞く、今どこだ」
「京浜東北線のホームよ。それより早く来て。犯人が電車で移動しそうだから」
「何行きに乗るんだ?」
「大宮行よ。それが何かある?」
「わかった。何とかして追いつくなり追い越すなりして間に合わせる。あとなんかあったらLI○Eで頼む」
「わかったわ。それと八幡。私達がいるのは二号車の所。犯人は金髪と赤い帽子の二人組よ。またなにか分かったら連絡するから」
そういって電話は切れた
その後LI○Eで、男達は「さいたまス○パー○リーナ」に向かっていると来た
ここで適当に短期講習の帰りに買った時刻表やらで身につけたいらん知識が役に立つ
「高山。西木野達は京浜東北線で移動する犯人を追いかけるそうだ。だから、俺達が大宮まで先回りするってのはどうだ?」
「よし。飯田さんに一応話入れとくよ」
「助かる。なぁ小海、東京から大宮だと新幹線の方が速いよな?」
「えっ、そ、そうですね。多分あおいたち乗る電車は、東京駅13時8分発で、大宮に13時50分に到着すると思うんです。そうすると、東京駅を13時20分に出る東北新幹線「なすの599号」に乗れば、途中で追い抜いて、大宮駅に13時45分に到着して、先回りできますよ」
俺と高山がぽかーんとしていると、高山が
「こっ、小海さん時刻表全部覚えているの?」
「えっ!?えっと…はい…」
「時刻表鉄だっけ?小海さん」
「いえっ…東京駅へ配属って聞いたので、一応…覚えておうかと思いまして…」
「それで、全部覚えたの!?」
「いえっ!そんなっ1冊は無理ですよっ。東京駅に来る列車だけですっ!」
「よしぅ、じゃあ新幹線乗り場へ行こう!」
「どうしてだ?」岩泉が不思議そうな顔で聞いた
「とにかく俺について来い!小海さんも行こう!」
4人で新幹線ホームへとひた走る。
しかし、地下通路にはお土産を買う人、これから旅行にでも行くのか大きな荷物を引っ張っている人等でいっぱいである
しかも小海は既にヘロヘロ
時間に少し余裕があるとはいえ、このままでは間にあうか分からない
「私は…ここへ置いていってください…」
すると岩泉が、とんでもない行動に出た
「小海、ちょっといいか」
岩泉がしゃがむと、足の後と腰に手をいれて一気に持ち上げた
俗に言うお姫様抱っことかいうやつである
「きゃっ!岩泉君…」
「お前がいないと困る。しっかり掴まってろ」
実は岩泉ってあざとかったりするのか?
そんな邪念は取り払い、ひたすら走る
「すいませーーーーーん!公安隊が通りまーーーーーす!」
高山に先導してもらい、東北、上越、北陸新幹線改札口を通り抜ける
なすの599号は23番ホームに来るようだ
岩泉は小海を抱えたまま、階段を一気に登りきった
ホームに上がると、新幹線は滑り込んでいた
ドアが開くと、俺たちは飛び乗った
デッキに入ると、岩泉は小海を降ろした
「あっ、ありが…とう…岩泉君…」
「警四の仲間だからな…」
グイッと伸びをした岩泉は
「疲れた〜自由席にでも座るか」
「お、そうだな」
「鉄道公安隊は、列車には立ったままで乗るんだっ」
「「えっ!?そうなのか?」」
「座席はお客様のものだからな。長距離移動の時だけは自由席が空いていれば、一応使っていい事になっているけど、短距離の場合は基本的にダメだ」
「げぇぇ」
「うっそだろ…マジか… 」
小町…もしかしたらお兄ちゃん数日中にダメになるかも
西木野達を乗せた京浜東北線、俺たちを乗せたなすの599号はそれぞれ大宮駅へと向かう
「高山、大宮に着いたあとはどうする」
「あぁ、まず俺が職質をかける。普通は認めないと思うけどさ。まぁ、とりあえず事務所へ行きましょうってことで、もっていくぞ。岩泉と比企谷は犯人が暴れた時に制圧を頼む。一応念の為に言っておくが…相手から攻撃された時なら、ある程度は正当防衛で成り立つからな…」
「おう!その時はまかせとけ!」
岩泉は歯磨き粉のCMのような真っ白い歯を輝かせて笑う
「小海さんは大宮の公安室に応援を呼んできて。犯人の身柄を押さえたら大宮の公安室の人達に引き渡すから」
「わかったわ。高山くん」
「一応確認しておくが、西木野が見た限りじゃ、1人は金髪。もう1人は赤い帽子が目印だ。乗ってるのは2号車だ」
「よし。何としても押さえるぞ」
「了解!」
「それと…公安隊は警察官じゃない…お客様を犯人のように疑うようなことは絶対にするな!」
そういや、短期講習の時、五能隊長が言ってたな
「ほかのお客様の迷惑になるような奴は、どんな理由があろうとも戦え」と
いくら捻くれてる俺でも、ひったくりみたいな卑怯な手は絶対に許さん
高山が交渉する傍ら、俺と岩泉は犯人の暴走に備える
「あのぉ、恐れ入りますが、少しお話を伺わせていただいてよろしいでしょうか?」
「おうこらっ!國鉄はお客様を犯人扱いする気かぁ!」
高山よ、心を強くもて
「いえいえお客様、わたくしどもはお話をお聞きしたいと言っているだけで、何も犯人扱いなんてーー」
「じゃあよけろよぅ!話聞きたきゃ礼状持って来て逮捕すりゃいいだろ!この國鉄の警備員ごときがっ」
「えーっとですね〜。我々は鉄道公安隊でございましてー現行犯であれば…そのぉ逮捕もーー」
そこに金髪がさらに前に出る
岩泉が「そろそろ行くか?」と鼻息荒く聞いてくるが、とりあえず「待て、まだその時ではない」と押さえる
「おぉ!誰が何見たってんだ!俺達が何したってんだ!こらぁ!」
「まぁそれも…事務所の方で詳しく…」
「私が見たって言ってんのよ!このひったくり犯!」
「関係ないやつはすっこんでろよ!」
桜井は不敵そうにニヤッと笑うと、公安隊手帳を出して言った
「東京中央鉄道公安室!第四警戒班、桜井あおい!」
「同じく第四警戒班、西木野真姫!」
…頼むから煽らないでください、お二人共
「この動輪にかけて、お前らが東京駅で女の子からかばんを奪ったこと、私が証言する!」
「なっ!?お前らが公安!?」
「つまり、アンタ達は現行犯ってことよっ!」
西木野が最後にダメ押しする
「私も見たよ。そいつらを東京駅のコインロッカーでな」
ふっと見ると、黒いスーツを着た人が立っていた
「ありがとうございます。応援感謝します」
「私も鉄道が好きでね。あまりこういう下品なのは好かんだけさ」
ニコニコと笑って軽く手を振った
…なんか、俺のぼっちセンサーが危険を察知した気がする。一体何だろうか…
そして次の瞬間、黙っていた赤い帽子が、高山に右手を突き出してきた
高山は後ろへよろけたため、バランスを崩し尻餅をついて倒れた
「岩泉、今だ!」
「おう!まかせとけ!班長補佐!」
岩泉はひったくり犯に向って飛び出すと、警棒を両手につかみ、手をクロスさせてから取り出す
伸びきったブレード部分は50cmほどの長さになり、グリップは滑り止めに黒い牛革が巻き付けられている
俺もこっそり犯人の後に回ろうとする
ステルスヒッキーを駆使すれば造作もないが、万一に備えゆーっくりと進む
「あんたもナイフ出さないの?そうしたら銃殺できるのに!」
「ごちゃごちゃうるせーぞ。要するにお前が証言できなくなりゃいいんだろうがぁ!」
金髪は桜井の顔へ突き出した
…そんなことしなけりゃ反撃されることもないのにな
桜井は顔をほんの少しずらして避けると金髪の腕を取り、その勢いのまま足を払った
「そりゃ!」
柔道でしょうか
「ひったくりの現行犯、確保!」
桜井が金髪を確保した頃、小海が増援を連れて戻ってきた
しかし、それに気を取られた岩泉に向って、ナイフを繰り出した
しかし!そんなものはステルスヒッキーを前にはもはや敵ではない
気付かれることなく赤い帽子の後に回った俺は、警棒を伸ばし、男の首に向って思いっきり警棒を振り抜く
聞いた話だが、首には神経が集まってるらしく、そこを圧迫すれば気絶させることも可能なんだとか
「とりゃあっ!」
「あはぅ!?」
赤キャップは苦しそうな音を出し、ホームに倒れると、何故か動かなくなった
「なぁ…岩泉。これ、大丈夫…だよな?」
「あぁ?首の裏を圧迫しただけだろ?そんなん気絶するだけで死にはしないさ」
「そうか…」
危うく人生真っ暗になるところでした
俺達が一段落したと油断したその時
金髪が起き上がり、高山の後頭部を殴ったのだ
「…たくっ……ガキがぁ…」
高山は桜井に被さるようにして倒れる
流石の桜井も身動きが取れなければ戦わない
しかし、金髪が狙ったのは桜井ではなく、その横にいた西木野だったのだ
「へへっ!お前もくらえっ!」
「西木野!危ない!」
どこにそんな勇気があったのか。俺は西木野に覆いかぶさるように飛び込む
そして俺の背中には、衝撃が来る……はずだった
「あうっ…」
後を見ると、今度は完全に白目を剥いて倒れていた
「大丈夫か?あおい君とそこの君、それに真姫君と君も」
さっきのスーツの人が、AEDをケースごと持って立っていた
「はい、大丈夫…みたいです。助かりました」
「君達のような勇気ある若者が、まだ国鉄にいたとはね」
「ご協力感謝します」
「國鉄、好きなんですか?」
「それはちょっと違うな…私は鉄道は好きだが、今の國鉄はどうも…」
「そうですか…すみません」
「いや、君が悪いわけじゃないさ、それにーー」
やはり何かあるな…そう思った時に大宮公安室の隊員がドヤドヤと駆けつけ、犯人達に手錠をかけて捕まえた
「危ないところを、本当にありがとうございます。よかったら、お礼もありますので事務所の方へ」
「それには及ばんよ。私は自分が正しいと思ったことをしているまでだ」
そして、大宮公安室の室長と思われる人がやってきた
「高山直人班長代理以下、東京中央鉄道公安室第四警戒班6名。ひったくりの現行犯を追って参りました」
その人は優しく笑いながらいう
「ごくろうさん。警四といえばまだ研修生なのにすごいな」
「いえ、たまたまです」
「飯田班長からすべて聞いているから、あとは任せてくれ」
…飯田さん。本当にありがとうございます
その後というもの、犯人を大宮公安室に引渡し、桜井はひったくりに関する証言をして、東京駅へと戻った
俺達が大宮公安室の事務所へ行こうとした頃には、スーツの男はAEDを残してその場を去っていた
「はぁ〜」
中央鉄道公安室入口の前で高山が大きな溜息をついた
「ただいま!戻りましたァ!!」
もはやヤケクソとも言える大声で高山が叫ぶ
「おかえり!」
「よくやった!怪我はしてないか?」
「おつかれさん!もう1人前だな!」
何故か拍手共々、歓迎の言葉をかけてくれる
多少照れながらも、警四まで歩き、飯田さんの前に並んで立った
「高山、岩泉、比企谷、桜井、小海、西木野、ひったくりの現行犯をとらえ、大宮公安室へ引き渡してまいりました」
飯田さんは席を立ち、いつも通りにっこり笑うと
「よくやったわね、怪我はないかな?」
「はい、大丈夫です班長!」
「そっかぁ…鉄道公安隊はスリを捕まえられれば一人前って言うのよねぇ。だから、君たちはもう1人前ってことねっ」
全くもってそんなことはございません
「いえっ!まだまだ半人前ですので、今後ともよろしくお願いします!」
「は〜い分かりましたぁ。でーも…研修期間中に犯人を逮捕した学生は、過去には一人しかいないんだからねっ。君たちはよほど優秀なのかなぁ、それとも…変な奴ってことねっ」
全くもって優秀でございません。超変人ですね
「今日は大変だったでしょう?もうみんなあがっていいわよ〜」
「よしっ!」
岩泉は大変喜んでいます。お前喜びすぎだって
「あっ、それから…高山君はしばらくそのまま班長代理ねっ」
よっしゃ!俺は無いんだな!やったぜ!
「あ〜、それと比企谷君も班長代理補佐ね〜」
えぇーー………
「おっ、俺には…」
「うまくできたじゃない」
「いやいやいや、それは本当に偶然であって」
「私はいいわよ…それで」
「うん。私も賛成です」
「別にいいんじゃない?」
女子3人は賛成するわ、岩泉に関しては「いいんじゃねーの」って感じで親指を立てている
「分かりましたよ…比企谷八幡、班長代理補佐、引き受けます」
「はいはい!高山直人、つつしんで班長代理をお引き受けします!」
「は〜い。じゃあよろしくねぇ〜」
今日は長い1日だった…さっさと着替えて愛しの千葉に帰ろ…
ロッカーで学生服に着替え、公安室を出ると、何故か西木野がいた
「あ、やっときた」
「いや、やっともなにも俺待たせた覚えないぞ」
「別に急かしたことは無いわよ。私が待ってただけなんだし」
「そうかそうか。じゃあ俺は帰るぞ」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!ちょっとつきあいなさい!」
「んだよ。ならさっさと済ましてくれ」
「その…次の非番の日、暇だったら…その…少し、付き合ってくれない?」
「あーちょっと予定「そうよね。暇よね。じゃあ、時間とか場所は後でLINEするから。じゃあね」
「お、おう…じゃなあ」
さようなら…俺の休日……
次もなるべく早く…