受験が終わるまで投稿が大幅に遅くなる、または完全にストップすると思います。ご理解お願いします。
それでは本編へどうぞ!
あ、今までの話を少し加筆修正しました。
さて、そういう訳で始めようか。
羽ばたくイメージはゴア・マガラのエリア移動。一瞬で飛び上がりそのまま風に乗る。
……よし、脳内のイメージは完璧だ。ゴア狂の私にゴア・マガラについての死角は無い。
四つの脚に力を込め、蹴りあげるように飛び上がる。翼に意識を向け飛び上がる時と同じように、しかし風を捕えられるように翼膜の位置を僅かに微調整する。これがあるのと無いのでは、飛行難易度がかなり違うのではないだろうか。
翼は意識せずとも繰り返し空気を捕らえる。これが本能なのだろう。……私にはよく分からないが。
とりあえず、空を飛ぶことには成功した。いやぁ、ここでグダグダしなくて良かったよ。
だが、安堵するのはまだ早い。天空山はその地形から気流が不安定だと予想される。コントロールは特に重要だ。身体のスペックの問題ではない、私の精神の問題だ。大袈裟だが少しでも焦ればその時点で『死』だと思うくらいの心構えで行かなければ。
僅かな気流の違いを感知して岩などの障害物を避けながら飛ぶ。かなり神経を使うが、この程度なら奇襲されても対応出来そうだ。まぁ、空中で奇襲してくる奴などいな……いや、天空山に生息するモンスターは大半が飛行能力を持っている。例えばレウスとかレウスとか。警戒して損は無いだろう。
そんな具合で普通に飛ぶよりはゆっくりと、しかし確実に安全に進んでいく。今の所は何かに当たることも無く順調だ。
そういえば、自分自身で体験して思ったことがある。
ゴア・マガラの飛行時の姿勢は身体が翼に持ち上げられたような一見アンバランスに見えるが、この姿勢は案外理にかなっているのかもしれない。
ゴア・マガラはリオレウスなどの飛竜種とは違い、飛行能力自体は高いものの(私の推測だが)骨格のせいか空中での細かい動きは苦手としているようだ。しかし、それを補う為のこの体制なのではないだろうか。
ゲーム内では、よく見るとゴア・マガラの飛行中の移動は翼ではなく体重移動が中心になっているのが分かる。そして、この姿勢は少しでも体重を前に傾ければ即座に前方に進むことが出来る。つまり、滞空から飛行速度の加速が瞬時に出来るのだ。これは過酷なこの世界では重要なのではないだろうか。
……生憎、これに気付いた所で事故の危険がある為私は使えないのだが。
それにしても、自分の身体一つで空を飛ぶというのは中々良いものだ。地面に足が着かないのは少し不安を煽られるが、それ以上に『自分の力で此処に居る』と実感できるのが良い。
それにしても身体は先程から空腹を訴えているものの特に疲れは感じない。なんと表現すれば良いか悩むが、何処までも行けるような気がするのだ。呆れるほどありふれた言葉だが私が知る言葉で今の状況に当てはまるのはこれだ。
……うん、堅苦しくせずに正直に言おう。飛ぶのめっちゃ楽しぃぃい!!
後は景色が見られたらもう言うことは無いのだが、こればかりはどうにもならない。シャガルマガラになるのを待つしか……いや、成体になったら狂竜ウィルスが強力になりそうだからかなり後でも良いか。
……ところで今はどの辺りを飛んでいるのだろうか。目が見えないせいで僅かな気流の変化を読むことでしか周りの地形を把握できない。
少し高度を落とすか?天空山と禁足地はベースキャンプを共有できる距離にある為、そこまで遠くは無いだろう。……もしかしたらフィールドを既に通り過ぎてしまったかもしれない。
周りの気流からまだ山中だということは分かるが、やはり周囲の様子が分からないのは痛い。人の姿でも飛べれば良いのだが、それではもはや人ではないだろう。それではこんなことをする意味がなくなる。
とりあえず高度を下げよう。いつまで経っても地面に脚が着かないなら飛行を続け、着くのなら気配を探った後人型になって探索だ。
……もしも脚に着いたのが地面ではない『別の何か』ならそれはその時考えよう。下手をすれば私の命が危うい。
さて、ゴア・マガラが地面に降りる時、どのようにして降りるのか。実は私もあまり知らないのだ。
サッと落ちるように着地しているのは何度も見たのだが、空中でどのような行動を取っているのか不明なのだ。ゴア・マガラのエリア移動の際急いで追いかけても、丁度着地した所で空中での様子は見ることができない。
……これは当たって砕けろ、もとい落ちて砕けろということなのだろうか。自分で確かめろということなのか。
まぁ、ここで頭ばかり使っていても何も起こらない。考えるよりまず行動。落ちて砕けろ?上等じゃねぇか!(震え)
翼の羽ばたきを減らし少しずつ高度を下げる。今は殆ど本能に従い身体を動かしているが、自分の意志だけで問題なく行動できるようにしなくては。
そんなことを考えながら高度を下げること数分、垂れ下げている尻尾に何か当たった。
もう少し高度を下げ、後脚がその『何か』に触れるほどの高さに調整する。そして脚を動かして探ってみると、どうやら人の腕程(私の詳しい大きさが分からない為推測だ)の太さの蔦が張り巡らされてるようだ。
そっと着地してみると意外と頑丈なようで、大型モンスターの中でもかなりの巨体を誇る
周りからは何の音もしない。いや、虫の羽音らしき音は微かに聞こえるが、恐らく相当遠く場所から響くものだ。そこまで警戒せずとも問題は無いだろう。
……ところで、まさかとは思うが
此処って天空山エリア2じゃね?
天空山エリア2は、頭上に蔦が張り巡らされ二重床となっているのが特徴のエリアだ。そしてその蔦はとにかく非常に頑丈なのだ。
例えば、甲虫類屈指の巨体も持ちその姿から『重甲虫』と呼ばれるゲネル・セルタスが尻尾を振り回そうが、飛竜種の代名詞とも言える火竜リオレウスの炎のブレスが燃え移ろうが、とにかく切れないし燃えないのだ。
もう何だろうこの世界……。
また、此処で採取できる素材は種類が多くお世話になった人も多いのではないだろうか。私はお世話になりました。
それにしても……
「ニャーニャー」
「ニャァ?ニャ」
「ミャウミャーウ!」
「ニャァー!」
何かニャーニャーうるさいんだけど……。アイルーかメラルーかは定かではないがそのどちらか(両方の可能性もある)が私の真下、つまり地面に群がっているようだ。
というか、コイツらはいつ来た!?
少なくとも数十秒前までは居なかっただろ!?あんたら!ス〇イクか!隠密行動的なスパイなのか!?もう訳わからん!
……ごほん、数はおそらく四匹程度だろうか。
目が見えないせいか周りの音や空気の流れに敏感になっているようで、耳をすませば大まかな数は分かる。まぁ、傍から見れば何もせずボーッとしているようにしか見えないが。
それよりも、此処がエリア2ならばアイルー(メラルー?)が居ることも説明がつく。まだ推測の域を出ないがエリア2である確率は高いのではn
グギュルルルルル
あ、不味い。この音は本当に不味い。
言っておくが(一応)私も女だ。女としてのそれなりのプライドはある(ハズ)だし、見た目や印象も(多少は)気にしている(と思う)。
まぁ、つまりだ。
「
いくら聞いているのが猫型の生物だけとはいえ恥ずかしいに決まってんだろ!!このやろー!
これは早急に何か食べなければ。このままでは私のプライド的な何かがお亡くなりになる。
うん?アイルー(またはメラルー)はどうするんだ?って?しばらく放置です。ごめんね。何故か蔦の上には登ってこないようで、放置していても問題は無さそうだと判断したからだ。何かアクションした方が良いんだろうけど、本当にごめん。
しかし、このエリアに私が食べられるものなんてあっただろうか。私の記憶が確かなら、ゴア・マガラの主食であろう草食獣はエリア1にしか姿を表さない筈だ。というか草食獣の肉をそのまま食べるのは私の精神が無理だ。
え?理由はなんなんだよ。だって?
……それは
私はスプラッター系が
本当に、
本当に、
ほんっとうに!
怖いんだよ!!!
笑うなよ!?はいそこ!笑うなって言ったでしょ!こっちだってふざけてる訳じゃないんだよ!本当に無理なの!内臓とか、大出血とか!過去に一回吐きかけた気がするもん!
幼い頃にただ転んで膝を擦りむいた時、痛みじゃなくて血を見て泣いちゃったもん!そんな気がするもん!
前世の死に際を思い出した時、魂だけだったはずなのに吐き気したもん!
スプラッター映画などに映るアレらは全て人の手で作られた偽物であるというのは百も承知だ。しかし、つい『自分がああなったら』を想像してしまう。
……何故だか記憶の片隅に、誰かが持ち込んだスプラッター映画を自分含めた何人かで見てそれを見た自分が誰かの背中を盾にしている、という風景が思い浮かんだのだが一体何なのだろうか。
そもそも私の状態が状態だ。草食獣を狩ろうとした所で目が無いのなら結果は見えている。ある程度の位置は足音で察知できるだろうが、あちらに先に見つかれば直ぐに逃げ出すだろう。
まぁ、狩ることができたとしても私には無理だ。無理だ。大事な事なのでもう一度言う、絶対に!本当に!グロいのは勘弁してください!本当にお願いします!
……とりあえず探索だ。下に降りて何か食べられるものを探そう。何も無ければ他のエリアに移ろう。木の実かなにかあればいいのだが……あ、下のアイルー(メラルー)どうしよう。
~~~
~~~
バリッガリッ!ガジッ!バリバリッ!ガギッ!
「
はい、ここで皆さんに問題です。私が今食べていたのは何でしょうか?ヒントはさっきの咀嚼音!
ピッピッピッピ-!………………
正解は!何とぉ!エリアで採集できる鉱石でした!
とりあえず、経緯を説明しよう。
あの後私は降りられそうな場所はないかと周囲を探り、ちょうど私の頭が通るほどの隙間を発見した。そしてそこから体全体を駆使して下へ降りることが出来た。
ちなみに、集まっていたアイルー(メラルー?)は潰されまいと距離を取っていたようだ。潰さなくて本当によかった……。
地面に降りた後、私でも食べられる物がないかと探していたのだがある物を除いて見つけることができなかった。そう、その見つけたある物が先程食べていた鉱石だ。
前世で幾度も見たモンスターハンターの転生小説では、主人公が鉱石を食べるというシーンが多く描写されていた(勿論人外限定で)。ならば『捕食した動植物及び鉱石などの特性吸収』という特典を持つ私なら良い効果が得られるのではないだろうか。
という考えに至り、エリア中央付近にある岩の柱にある採取ポイントを手探りで探し当て、試しに一欠片だけ爪で剥がし口に入れてみた。
流石に味は無いだろう。と思っていたがそんなことは無かった。むしろ、どちらかと聞かれれば『美味しい』の部類にはいるだろう。その味をどのように例えれば良いか分からないが、かすかな塩味のなかに何と表現したら良いか分からない旨味があった、ということは言える。
食感もそこまで悪いものではなく、通常よりも少し固い氷砂糖のようなものだった。
絶対に無味無臭だと思ってたのに……。まぁ、自分でも食べられるものが見つかったのは良い成果だ。
さて、と。とりあえずお腹も満たしたところで、探索を再開しようか。
ところで鳴き声も気配も無いのだがアイルー(メラルー?)はどこにいったのだろうか。それ関係か定かではないが、とても嫌な予感がするのだ。……何も起こらなければ良いのだが。
あ、これはフラグか。
~~~
~~~
さぁ、早くこっちに来るニャァ
で、でも
お説教は帰ったあとニャー、今は生き延びることだけを考えるニャー
そうだ、お前の家族も心配しているぞ、ミャ
ニャァァ……
早くオレの手を取るニャァー!
ニャ、うん!
ウオオオオオォォォォォォォォン!!
!?
マズイ!今度こそ崩れるミャ!
早く!手を!
ガァァァァッン!!!
ヨウゥゥゥゥゥゥ!!!
……
え?
……
……崩れてない、ミャ
ガウウウウゥゥ!?
ニャー!?
……モンスター、なのかニャァ?
黒い、竜?
飛翔~食事、数十分
救出、前話から進んで数分