週刊高校戦車道取材目録   作:sewashi

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サブタイトル通りサンダース戦が終わったばかりごろです。

途中に記事をはさんでサンダースへの取材になります。


サンダース戦終了後取材

全国高校戦車道大会

 

一回戦 大洗女子学園 VS サンダース大学附属高校

 

誰もがサンダースの圧勝を予想したがまさかの大洗女子学園の勝利と言う結果となった。

 

そしてこの俺『週刊高校戦車道』の記者である俺はここ、大洗女子学園の取材に来た。

 

「さて、アポなしの突撃取材だが、大丈夫だろ……」

 

何せ校舎には『祝・大洗女子戦車道チーム一回戦突破』とデカデカと垂れ幕がかかっているくらいだ。取材くらい予想できるだろう……そう思い、俺は学園に第一歩を踏み入れると――

 

「ちょっと! そこの貴方! なにを勝手に校内に入っているの!」

 

おかっぱ頭の女子生徒に引き留められた……

よく見るとその女子生徒の腕には『風紀委員』と書かれた腕章があった。

風紀委員か……たしかに彼女からしたら俺は学園に不法侵入した不審者だな……

 

「ああ、すみません。俺はこういうものです」

 

俺は『週刊高校戦車道 記者』としての名刺を渡した――

 

「週刊高校戦車道? 雑誌の記者さん? それがうちになんのようですか?」

 

「へ? いや、あんな垂れ幕かけてるくらいなんだからここの戦車道チームの事はわかってるよね?」

 

「ええ、たしかにそれはわかります。ですが今日雑誌の記者が来るなんて聞いていません。だから『何をしに来たか』を聞いているんです!」

 

あらら、やはりアポなしで来たのは不味かったか……?

 

「いや~、うちの雑誌は即日発行だから無名校対名門校の対決だと十中八九名門校の勝利予想だから無名校が勝つと取材のアポが間に合わないことが多くてアポなしの突撃取材になっちゃうんですよ。だから……」

 

そこまで言うとおかっぱ頭の女子はホイッスルを構えて――

 

「そんないい加減な雑誌は知りません! とにかく風紀委員室へ連行します! ゴモヨ! パゾミ! 風紀委員全員集合! スーパー風紀アタックよ!!」ピィィィ‼

 

おかっぱ頭の女子がホイッスルを鳴らすとおかっぱ頭の女子生徒がざっと百人近く何処からともなく現れて俺の周りを囲み出した!?

 

「へ? いや、ちょっと!?待って!! へ、編集部とここの生徒会に連絡を――ぎゃぁぁぁ!?」

 

このあと、俺は風紀委員に捕まり、編集部に連絡をしてアポをとってもらえたのは二時間後の話だった……

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

俺はあれからようやく風紀委員から解放され、丁度戦車道の授業が始まるとのことで俺は戦車のガレージの前に来た。

 

「本日は訓練を始める前に『週刊高校戦車道』の記者の方が取材に来ている。皆失礼の無いように!」

 

大洗女子学園戦車道チーム副隊長の河嶋さんが戦車道チームの皆に言う。すると戦車道チームの生徒達が騒ぎだす。

 

「取材だって~」

 

「サンダースを倒したんだから当然ですよ!」

 

「やだも~、これで私もモテモテ~」

 

なにやら皆期待しまくりだな……まあ、大洗のような無名でこれといった特色のない学園なら普通なら『雑誌の取材』ってワードだけで盛り上がるものだしな……

 

「えー、皆さんこんにちわ『週刊高校戦車道』の記者です。えっと……なにやら副隊長さんが期待させちゃったみたいだけど……今回するのは隊長の西住さんへのインタビューで一言二言貰うのと全員の集合写真撮影だけなんだけど?」

 

俺がこれを言うと、皆の反応がかわった。

 

「えー! みぽりんだけ!?」

 

「なにっ!? 聞いてないぞ!?」

 

「いや、いくら名門を倒したとはいえたかが一回戦突破ならそんなもんじゃないのか?」

 

お、わかってる子もちゃんといるようだ。

 

「そのとおりだよ、たしかに今は名門サンダースから大金星をもぎ取って注目こそされているけど所詮は初戦突破。流石に取材スペースも雑誌の隅っこ程度の記事にしかならないよ」

 

「まぁ、そうでしょうね」

 

「うぅ~、折角モテモテになるチャンスだったのに~」

 

「大丈夫ですよ。たぶんなにも変わりませんから」

 

「ちょ!? 酷くない!?」

 

えっとあの黒髪の娘はたしかサンダースのフラッグ車を撃破したⅣ号の砲手だっけ? 結構ズバッと言うな……

 

「そうだぞ、武部。それに我々は今年、必ず優勝しなくてはならない! ここで喜んではダメだ」

 

副隊長の娘が言う。

優勝? いやいや、無理でしょ? たかが一回戦突破したくらいで調子に乗りすぎよ……

 

「あはは、もしそんな事になったら大洗の戦車道チーム全員一人一ページの大特集号が発行されるよ。まぁ、それが目標だってことで取材を始めさせてもらうよ」

 

俺は西住さんの近くへ行き、ボイスレコーダーを構えてインタビューを始める。

 

「では隊長の西住さん。サンダースに勝利、おめでとうございます。しかし、ぶっちゃけてこの勝利はマグレだと思いますか? それとも実力?」

 

この質問をすると後ろにいた副隊長が『何をー!?』と騒ぎだしたがその声が入らないように隊長さんへの質問を続ける。

 

「……正直に言うと、サンダースの隊長さん……ケイさんが優しかったから勝てたと思ってます……ケイさんがうちと同じ数の車両で戦ってくれた事が私達の勝利に繋がったことは否定しません」

 

ふむ。予想通りのコメントだな……

 

「ですが、それがサンダースの敗因とは思いませんし、それだけでうちが勝てたわけでもないとも思います。うちにはキチンと実力もあります!」

 

「……つまり最初から5両対5両の戦いなら大洗の圧勝だったと?」

 

「ふえ!? い、いえ、そこまでは……ただ、サンダース戦は通信傍受機やメールでの連絡や予想外の展開が多かったので……」

 

「ああ、あれに関してはサンダース側も否があったと聞いているよ。戦車道委員会からは来年以降の使用禁止令も出るとか……」

 

「と、とにかく皆が諦めなかったから勝てたと思います!」

 

「なるほど、君のお姉さんも戦車道の勝利の秘訣は『諦めないこと』と言ってるしね。コメントありがとうございました。では戦車道チーム全員の集合写真を撮って終了にします」

 

俺はそのあと、戦車の前で21人の戦車道チーム隊員達の写真を撮って、編集部へ戻った。

 

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後日発行された週刊高校戦車道の主な記事

 

『黒森峰女学院VS知波単学園

  黒森峰圧勝! 元九連覇の実力は健在! 隊長、西住まほ、十連覇を逃した汚名を返上できるのか!? 知波単学園、来年に期待か?(以下略)』

 

『プラウダ高校VSボンプル高校

  プラウダ圧勝! 副隊長、ブリザードのノンナによる蹂躙劇、二連覇なるか!?(以下略)』

 

『アンツィオ高校VSマジノ女学院

  激戦の末、まさかのアンツィオ勝利! 隊長、安斎千代美(通称、アンチョビ)。高校最後の年に今年一番のダークホースとなるか!?(以下略)』

 

『聖グロリアーナ女学院VSBC自由学園

  聖グロリアーナ勝利! 隊長ダージリンによる紅茶を飲みながらの安定した戦いを今年も見せるか?(以下略)』

 

『継続高校VS青師団高校

  継続勝利。二回戦でも隊長のカンテレの音色が勝利を呼び込むか?(以上)』

 

『ヨーグルト学園VSワッフル学院

  勝者ヨーグルト学園! 急遽火力増強により勝利!(以上)』

 

『ヴァイキング水産高校VSコアラの森学園

  ヴァイキング水産勝利!(以上)』

 

『サンダース大付属VS大洗女子学園

  まさかの初出場大洗女子大金星!!

  隊長、西住みほによる初出場ながらも個々の個性をいかした安定した戦いで隊長曰く「実力はある」とのこと!

  副隊長曰く「今年の優勝は我々だ!」とのこと。今年の戦車道全国大会で奇跡を起こすのか!? extra』

 

二回戦組み合わせ一覧

 

黒森峰VS継続

 

アンツィオVS大洗女子

 

プラウダVSヴァイキング水産

 

聖グロリアーナVSヨーグルト学園

 

編集部注目カード アンツィオVS大洗女子

 この試合の勝者こそ今年一番のダークホースになるか!?

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

サンダースへのインタビュー

 

大洗の取材を終えた俺は今度は敗者側のサンダースへ取材に来た。

 

「ではインタビューを始めます」

 

「OK リポーター! どんどん質問しちゃって! ヘイヘイ!」

 

当然、インタビューを受けるのは隊長のケイさん。とてもフレンドリーで取材慣れしている感が凄い。

 

「えー、では大洗女子戦では通信傍受機を使用していましたが、あれは君の指示ではないですよね?」

 

「イエス! あれはうちのアリサが勝手に使ったものよ! 本当にアンフェアな事をするんだから!」

 

「なるほど、噂通りアンフェアは許さないと、しかし大洗はスパイを使ってサンダース側の作戦やフラッグ車情報を筒抜けにしたと聞いていますが?」

 

「ノー! それはアンフェアとは言えないわ! 偵察もスパイも公式ルールに存在する立派な作戦よ!」

 

「通信傍受機も厳密にはルールに使ってはいけないとはありませんが?」

 

「でも使って良いともないわ! どっちもないなら使うのはアンフェアよ!」

 

使っていいともないともないならアンフェアね。なるほど、なるほど。

 

「つまり仮に『使ってもよい』とルールにあったらアンフェアではないと?」

 

「え? ん~、確かにそれはイエスだけど、でも私は使うことを許可はしないと思うわ」

 

「ほほう、それはなぜ?」

 

「ザッツ戦車道! 戦争じゃないのだから勝たないと死ぬとかじゃないんだからまずは楽しまなきゃ! 勝つためだけに戦車に乗っていたら戦車が可哀想よ!」

 

「なるほど、勝つより楽しく。それでいてサンダースは強いから凄いですね。ケイさん、ありがとうございました。では次に来年の隊長であるアリサさんにインタビューしたいと思います」

 

「は、はい」

 

「通信傍受機は貴方の独断で使用したとたった今聞きましたが……」

 

「は、はい。大洗女子みたいな無名校が呑気に出てきてスパイまで使ってきて勝手にムカついたので使いました……でもあれが原因で負けに繋がってしまったので今後は絶対に使いません……反省会ももうしたくありませんし……」

 

うーむ、アリサさんのテンションが低い……すこし和やかな質問をして場を納めるか……

 

「えー、戦車道には直接関係ありませんがファンの間から『好きな異性のタイプはなんですか?』という質問がたくさんあるのでお答えできますか?」

 

「……好きな異性……たかしぃ!!」

 

うわっと!? アリサさんが行きなり大声をあげた。

 

「なんでたかしはあの娘が好きなのよぉぉぉ!! 私がずぅぅっと想ってるのに想いが通じないのよぉぉぉ!!」

 

何やら地雷を踏んでしまったようだ。これ以上のインタビューは無理だ。

 

「そ、それではインタビューを終わります。次にサンダース……及び高校戦車道でも再注目の砲手、ナオミさんお願いします!」

 

「ん、あ、ああ」

 

「君の砲手の腕は高校戦車道でも一二を争いますが君が一番注目している砲手は誰ですか?」

 

たぶんプラウダのブリザードのノンナか聖グロリアーナのアッサムさんかな?

と思っていると……

 

「大洗女子のⅣ号砲手、五十鈴華。彼女は今年から始めたばかりであの腕は今後目を話せないな」

 

ほう、負けた相手だからとか贔屓目に見ているわけではないようだ。

 

「なるほど、今後に期待ですね。ありがとうございました」

 

サンダースの三人がここまでいうとは、今年は大洗女子をピックアップしてみるか……




次回アンツィオ戦終了後取材。

ヨーグルト対ワッフルについてはトーナメントの画像を探していたらそこだけ勝敗の情報がなかったのでこうなりました。

意見感想文句罵倒歓迎です。

追記

ヨーグルト対ワッフルで意見をもらいました。ありがとうございます。
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