オッス、オラナッパワクワクすっぞ   作:nyasu

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約束されし毛根の死滅

オッス、オラの名前はナッパ。

いつの間にか禿げかけてる子供になっていた、何を言ってるのか分からないと思う。

俺も分からない、オラワクワクすっぞ。

 

……じゃねーよ!思わず変な事を考えていたが、まるで意味が分からんぞ。

超スピードとか超能力とかじゃねぇ、もっとも恐ろしい物の片鱗を現在進行形で味わっているぞ。

 

 

 

気付けば俺は、荒野に立っていた。

自分の事は分からず、大破した宇宙船が見える。

名前はナッパ、惑星ベジータ生まれのサイヤ人のエリートだ。

あと、名前は思い出せないが日本でサラリーマンをやっていた。

これはアレか、憑依って奴なのか?どっちかっていうと、どこかの誰かの記憶が俺の中に入ってきてる感じか?

 

「そんな、というかベジータ様が俺を殺すのか?」

 

いやいや、王子がそんなこと……するわ、アイツするわ。

俺の方が歳上なのに、マジで偉そうだし、やるわアイツ。

 

「なんてこったい、大人の俺ってば弱すぎ。アイツはもうただのベジータだ。呼び捨てでいいな、うん」

 

というか、まだ生まれてない件について。

混乱していたが状況を思い出してきた。

俺の名前はナッパ、年齢は三才、お前の戦闘力なら余裕だろと単身赴任で星の地上げをしにきた。

髪はまだあり、フサフサである。

いつかベジータに殺される運命を背負いし男である。

 

「そうだったよ。地上げだよ、戦うことを強いられてるよ」

「グギャギャギャ!」

「うわ、気持ち悪い」

 

今後の事に悩んでいたら、急に飛び出してきた緑色のタコみたいな宇宙人を反射でビンタする。

すると、それだけでタコみたいな宇宙人が吹っ飛んでいった。

うそ、サイヤ人強すぎ。

 

「あ、ありえねぇ……人が飛ぶとか、ひょっとしてギャグかよ」

 

試しに小石を全力投球してみれば、離れた地点で砲弾が着弾したように爆発が発生する。

今のはエネルギー弾ではない、ただの石投げだ。

 

「三才で既に化物、そりゃ赤ん坊を星に突撃させるわ」

 

一人で星を制圧とか無茶だろと思ったが、大した文明がないのなら物理でどうにでもなるのかもしれない。

毒とかミサイルとか、あのタコが持ってる気がしないしな。

 

「取り敢えず、強くならねば」

 

強くなることを決意した、三才であった。

 

「あと、育毛剤取り寄せよう」

 

そして、髪に気を付ける事を決意する三才でもあった。

 

 

 

オッス、オラナッパワクワクすっぞ(挨拶)

惑星ベジータになんやかんや帰ってきた。

なんか、満月見てたら身体が巨大化してその後楽に地上げしたんだよ。

大猿化しても意識を保つ、やはり俺はエリートだったか。

そんな俺はサイヤ人の癖して勉強していた。

だって、勉強するとか言わないと働かされるんだもん。

 

「おいナッパ、またお前は勉強ばかり、少しは外で喧嘩したらどうなんだ」

「えぇ……何言うてんのパパン」

「お前こそ、何を言ってるんだ?パパン?」

 

目の前にナッパがいた。

正確には、アニメで見たナッパそっくりのハゲ、間違えたナッパそっくりの親父、つまり未来の俺にそっくりな父親がいたわけだ。

まぁ、家族だから似ているわけだ。

俺は、彼を見て思うのだ。諦めないで、毛根を大事にしていこう。

 

「はぁ、やれやれだぜ。俺はサイヤ人のエリート、文武両道出来てこそエリートだ」

「難しいこと言ってないで身体鍛えろよ」

「何がわからないんだよ」

「うるせぇ、鍛えなおしてやる!」

「ちょ!?」

 

突然の暴力が俺を襲う。

あぁ、家庭内暴力?ハハッ、サイヤ人じゃ日常茶飯事だよ。

その後、俺は身体中の骨を折られた後にメディカルポットに入れられた。

親父には勝てなかったよ。

 

 

 

オッス、オラナッパワクワクすっぞ。

絶望しかしてないから、本当はワクワクしてないけどね。

四歳になった。親父の攻撃にも慣れてきた頃である。

ようやく、俺は良くわからない気という概念を感じる事が出来た。

親父とか他のサイヤ人が言うには身体の中にギュッとあるエネルギー的なのをブォンとすると飛べたりエネルギー弾が撃てるだろとの説明を受けた。

コイツら、脳筋だからわけわかんねぇわ。

とはいえ、気のコントロールである。

 

「戦闘力1、ゴミか……馬鹿な、戦闘力が上がっていくだと!?」

「ナッパよ、一人で何をしておるのだ」

「親父、いつからそこに!?」

 

一人スカウター爆発ごっこをしていたら親父が背後から俺を見ていた。

私は悲しい、この流れ、殴るんでしょバトル漫画みたいに!バトル漫画みたいに!

 

「よし、今日も修行するぞ」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

サイヤ人ナッパの朝は早い。

まず、親父の知り合いに作ってもらった特性スーツを来てからランニングすることが朝の始まりだ。

デザインは亀の甲羅であり、新聞配達などが俺の仕事だ。

なお新聞を取っているのはフリーザ軍の宇宙人達だけで、サイヤ人は誰も新聞は取ってない。

 

昼、部屋でネットを片手に勉強する。

正直、まるで意味が分からんぞな専門用語などがたくさん出てくる。

地球の科学力を超えてるから、最近は勉強は分かる程度で情報収集が主だ。

スカウターの作り方が調べて分かっても、作れないよ。

ねっ、簡単でしょって紹介してる人からして知能レベル高すぎ。

サイヤ人のエリートでも勉強には敵わなかったよ。

 

夜、親父に修行という名の暴行を加えられる。

青あざなんて可愛いもの、骨折がデフォである。

コヒューと死にそうになってメディカルポットに入れられるまでがセットね。

ヒュー、俺じゃなきゃ死んじゃうね。

やっぱ、サイヤ人って糞だわ。

 

 

 

オッス、オラナッパワクワクすっぞ。

最近、サイヤ人ナンバーワンの変人と言われているナッパさんだぞ。

俺がナンバーワンだ。なんでや、本読んで悪いか、サイヤ人だって本くらい読むわ。

そんな俺はご近所さんと話をして情報収集する。

ご近所さんは色々な宇宙人で、みんなフリーザ軍の人である。

えっ、親父?他、サイヤ人?アイツら、プロテインの話しかしないからどうでもいいよ。

 

「最近、戦闘力一万のサイヤ人が生まれたそうだよ」

「なんだって!?新しい必殺技考えたとかしか親父は最近喋ってないよ」

「あぁ、あるある。サイヤ人ってそういう所あるよね、君は何ていうか……強く生きろよ」

「おい、俺の事を憐れむとはどういう了見だ。ちゃんと説明してもらおうか」

 

俺が普通なんだ、みんなが異常なんだよ。

サイヤ人ってやっぱクソだわ。

まぁ、そんなサイヤ人も良いところはある。

俺達サイヤ人は腕っ節だけが取り柄で侵略とかするから、フリーザ軍で使われてる。

フリーザ様は宇宙の帝王、技術力もスゴイのである。

そんなフリーザ様の部下は、俺が頼めば片手間に前世の欲しかったものを作れたり意味分からない物も作れたりする。

そう、例えば重力を操作することができる部屋とかね。

 

「倍プッシュだ!……あっ、キツイ。重力五倍にしとこう」

 

インフレ上等な世界、嫌だけど修行に明け暮れる。

どうでもいいことだが、辛いのに楽しく感じてしまう俺はMかもしれない。

筋トレの疲労感が心地よい、サイヤ人の特性なのかもしれない。

痛いのとか、なんかちょっといいかなって、正直おかしくなってる。

 

「うおぉぉ、操気弾!……ぐわぁぁぁぁ!」

 

例えば、自分でエネルギーボール作って、自分に当てるとかね!

技の練習とダメージを受ける、合理的な訓練である。

俺は強くなれるし、良い修行だと思う。

……ハッ、俺の中のサイヤ人が俺を侵食してる気がする。

立ち去れ、脳筋思考!

 

 

 

オッス、オラナッパワクワクすっぞ。

最近、気に無限の可能性を感じる。

気とはつまり、念だった。

我が心の師、ゴンさんにあやかり一点集中して親父を殴った所、メディカルポット行きに成功させた。

さすが、ゴンさん。俺のジャジャンケンは最強なんだ。

絶を意識して、戦闘力をゼロにすれば気配が薄くなる。同時に意識も遠のく事から死にかけてるのかもしれないが、これはこれでありだ。

死にかければ強くなるからな、あと一応気配が薄くなるという効果はある。

そして、俺は自分なりに発を考えた。

それは、作中でナッパが使っていたクンッである。

周辺を爆発させるクンッだが、俺はこれを改良して飛ぶ拳を完成させた。

拳を振り抜く、拳圧が跳んで爆発する。

俺はこれを、バラと名付けたよ。べ、別にヤミーと似てるからってパクった訳じゃないし、リスペクトだし。

後口からレーザーが出せるようになったが、これはセロである。リスペクトだよ。

 

 


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