オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
海軍って正義の味方だから悪いこと出来なくて窮屈だね。
例えば海賊でいい女が居るとする、抱くことは出来ない。
だって正義の味方が無理矢理は駄目だろ、悲しい。
でも、これはいつか悪魔の実を食べるまでコソコソするという黒ひげムーブを強いられてるんだ!
「少佐、もう無理です」
「無理は嘘つきの言葉、無理なことも頑張れば出来る。つまり、無理じゃないんだ」
「人は空を飛べません」
「出来る出来る、海軍で飛べる人に飛び方聞いただろ!」
俺は今、訓練をしていた。
部下に六式を教えながら、俺も特訓していた。
生命帰還を会得し、髪の毛を生やすためだ。
だがしかし、これが中々難しい。
「なんだよ、空気を蹴るって!空気は蹴れません!」
「やってから言えよな」
「やってますよ、やって出来ないんですよ」
「筋肉が足りないに違いないな」
実際に見て、マジで飛んでるって言ったじゃないか。
オラ、走れ走れば出来る!自分を信じろ、足は速くなってるぞ!
「でも確かに、変な力は使えるんだよな」
「覇気って技術もあるし、実際飛んでたしな」
「っていうか、俺達出来たもんなぁ」
擁護するのは走りまくって六式モドキが出来た奴らだ。
飛んだり早く移動したり、指で貫通させたり身体を固くしたり、四つぐらい出来るようになった奴らだ。
まぁ、そんなに数は居ないけど次の段階に進んでもらっている。
石に武装色の覇気を纏わせて、普通の石を砕く修行だ。
そこ、どっかで見たとかやめるんだ。
「まったく、実戦の方が早いのに訓練したいって言うから付き合ってるのに」
「いや、訓練が厳しいのはどうかと思う」
「でも死なないだろ」
「えっ?」
「えっ?」
いや、だって死なない訓練だよ。
命が危険がないからいいじゃないか。
目隠しして、刃物を振り回す訓練とか見聞色を使えば大丈夫だろ?
「それにしても、暇だな」
毎日同じ日常を過ごしている。
ドラゴンボールの世界はまだいいよ、科学が進んでたからな。
なんでサイボーグいるのにテレビゲームないんだよ。
本もなんか難しいのばっかでラノベないし、アニメもないってなんだよ。
女も抱けず、酒と食事くらいしかやることがないってもうストレス溜まるわ。
主人公なんか、アラバスタいるっぽいじゃん。
クロコダイルが七武海やめさせられてんじゃん。
俺の知らない間に物語が進行してるじゃん、傍観すらしてないぞ。
まぁ、海賊じゃないと辛い世界なんだな、うん。
オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
暇すぎて海賊殺しまくってたら、上からお呼び出しかかった。
出世かなって思ったら何か違うらしい。
「お前を呼び出したのは訳があるウホ」
「ゴ、ゴリラ大佐……」
「色々な街で金を積んで、悪魔の実を探しているらしいウホな」
「バレてましたか……」
ま、まさか金を積んで裏ルートも探してたから海軍的にアウトだったんだろうか。
粛清待ったなしか、怖いわ。
「実は極秘でな、私の元に悪魔の実が届いた」
「マジで……」
「うむ、政府としては海賊などに金銭が与えられるのを危惧している。そこで我々が入手した悪魔の実を買う気はないかウホ」
「買うウホ」
まさかの話に俺は即答した。
でも、たしかに世界で一番大きな組織だ。
海賊から奪ってたりする可能性は高いだろう。
実際、戦闘前に用意されてたこともあるしな。
即金で払う俺、俺の前に渡されたのはベージュのバナナだった。
なんて卑猥な食べ物なんだ。
「行くぞ……うっ!?」
「ど、どうしたウホ」
「ま、不味い!」
口の中になんとも言えない味が広がった。
吐かずにはいられないが、能力が得られないと困るから飲み込む。
「ど、どうウホ?問題ないウホか?」
「な、何だか力が湧いてくるぜ」
俺の中の何かがどうすれば変化できるのか教えてくれている。
後は一押するように不思議な感覚に任せるだけだ。
「うっ、うぐぅぅぅ」
「か、身体が膨張して毛深く……」
「こ、これが俺の新しい力……だと……」
それは、太く伸びる尻尾だった。
うん自前の尻尾だね。
体表面を覆うように生えた体毛、毛深くなっただけだな。
肥大化した筋肉、そして鋭い爪、ちょっとしか変わってないな。
そして、細長くなり模様のような物が出ている顔。
「尻尾、そして全身の毛、人型……分かったウホ」
「嘘だろ」
「きっと、それはサルサルの実に違いないウホ!モデルはマントヒヒ!」
「結局、猿かよ!」
俺の悪魔の実、それは猿だった。
圧倒的な猿だった。
ゾオン系で、猿を引き当てたのだった。
「畜生ぉぉぉぉぉぉ!」
あんまり、嬉しくなかった。
オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
これで俺も悪魔の実の能力者になった。
ただの猿だけどな、大して変わってない。
俺、どうせならもっとカッコイイのが良かった。
人獣型とか普通に通常形態な件。
泳げなくなっただけで、悲しい。
「ぐおぉぉぉぉ」
「中佐、またやってるよ」
「溜まった水でもアウトらしい、海ほどじゃないが力が抜けるんだってよ」
「顔が猿っぽくなっただけで、可哀想だよな」
風呂が、風呂が苦痛だと!
馬鹿な、猿といえば温泉だろ!
これが、悪魔の実のデメリットかよ!
「もう、海軍なんて大嫌いだ」
これが組織に尽くした俺に対する仕打ちか。
いいぜ、そっちがその気なら俺にも考えがある。
オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
海軍中佐になって、偉い人の仲間入りしたぞ。
さて、嫌な職場をやめる一番効率がいい方法を教えよう。
それは職場に迷惑を掛けてからやめるんだよ。
「はぁ、まったく俺としたことが随分と甘くなったもんだぜ」
「だ、誰なんだえ!」
「やっぱり、こういうのが一番だよな」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
俺は変な服を来たオッサンの足を潰す。
そして、オッサンの目の前で妻の服を剥ぐ。
「し、下々民が触れるなでアマス!」
「下々民、違うなぁ!俺は海兵だ!」
「な、何を!?まさか、助け――」
「首から上はいらないよなぁ!」
首から上を思い切り潰して叫ぶのを止める、これからお楽しみなんだからうるさいのは敵わない。
「うわぁぁぁぁぁ!?」
「フフフ、お前達がよくやる事だろ?まさか、見たこともないのか」
「貴様ぁぁぁぁ!」
「見ろよ、死んだ魚みたいにビクビクしてるんだぜ!吐いてないで見ろよ、なぁ天竜人よ」
「どうして、どうしてこんなことするえ!妻は何も悪くなかったえ!」
「いや、だって天竜人じゃん」
一番迷惑が掛かるこの世界で偉い人物だもん、仕方ないね。
「フフフ、政府の役人や護衛の騎士は雑魚ばかりだ。無様だな天竜人」
「こんなことしてタダで済むと思うなえ!」
「知らねぇよ、大将が来るまで天竜人は犯して殺して嬲るって決めてんだ。顔に泥を塗られた海軍か……ふぅ」
まったく俺としたことが時間を無駄にした。
しかし、ブスは抱いてもつまらんな。
娘が確か美人だったが、奴隷との子かな?
「お前の娘、裸にひん剥いて奴隷の近くに置いてみようぜ」
「娘まで、やめるえ!」
「パパになにするえ、死ね!」
俺の楽しい話し合いを邪魔するやつが現れる。
宇宙服みたいなの着た、餓鬼だ。
でもって、餓鬼が俺に向かって銃を発砲していた。
まぁ、口の中で止まったりする訳だが。
「ぺっ……餓鬼が」
「銃弾が、化物だえ!?」
「お前、ひょっとして自分が死なないと思ってないか?」
男を抱く趣味はない、あと海兵がやった証人は父親だけでいい。
つまり、殺すか。
「く、くるなだ――」
「気円斬!」
「チャルロスぅぅぅ!」
「はっはー!10倍かめはめ波だ!うおぉぉぉぉ!」
その後、俺は大将が来るまで暴れるに暴れた。
そして、鮮烈な海賊デビューを果たしたのだ。
【首刈りのナッパ、2億3000万ベリー】
「ざまぁ、フハハハハハ!」