オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
クッソタレェ、大将強すぎワロタ。
あと部下が凹んでる件、仕方ないなぁ。
ということで俺は月に来ていた。
宇宙までとか余裕である。
「ヤハハハ、何――」
「うるせぇ!」
覇気パンチで目当てのオッサンを殴る。
お前、エネルだろ。
すげぇ、顔芸だな。
「よし籠を武装色の覇気で覆って」
ダメ元で実験を行う。
用意するのはリンゴと巨大な籠だ。
籠に悪魔の実の能力者を入れ、その上にリンゴを置く。
内側に入り、密閉空間を作るように覇気で覆いナイフでエネルを殺す。
「……やったぜ、成功だ」
俺の手元には模様の出来たリンゴがあった。
悪魔の実に宿る悪魔が逃げ出せず、宿る場所を作ることで行けるのではと思ったがどうやら成功だったようだ。
これ、ヤミヤミの実がアレば出来る事だな。
なお、俺に宿って死ぬこともありえたが大丈夫だった。
そして、ゴロゴロの実だと思われる物を持ってヤルキマンマングローブに戻る。
そのまま食わせても良かったけど、人を喰うのは嫌がりそうだったからな。
「よし、食え」
「……船長は、俺にこれを食えというのか!」
「うるせぇ、自分に意見を通したかったら強くなれ!」
「うむ……うおぉぉぉぉ」
「ドリー!船長、アンタ毒を」
「死ぬほど不味いんだ」
ブロギーは身体からバチバチと雷を出していた。
やった、実験は成功だ。
「まさか、悪魔の実か船長」
「そうだ、本当は悪魔の実の能力者を食わせても良かったんだが」
「巨人族に人を食わせるとか頭おかしい」
「えっ、巨人は人を食べるものだろ」
「食べねぇよ!」
自分の力に戸惑いをブロギーは隠せてなかった。
まぁ、おいおい頑張ってもらえばいい。
「次はドリーに悪魔の実を食わせたいな」
「そんな無茶な」
「出来る、出来ると思わねば出来ないんだ」
俺には当てがあるんだ。
オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
スリラーバークに俺は来ていた。
「なんで船長はログポースなしに移動できるんだ」
「見聞色を鍛えれば特定の個人を探すなんて余裕」
「絶対、無理だ」
気を覚えて、全世界を検索する感じだよ。
まぁ、うろ覚えだと微妙にムズいけど強いやつは大きいから覚えやすい。
「本当に、船の墓場だ」
「さて、どうするか」
モリア最強説というのが頭によぎる。
アイツ、影を奪うことが出来るのである。
その方法はハサミだが、おそらくなんか能力を伝達した武器ならなんでも良いんだろう。
能力でハサミを作ってるわけじゃないからな。
でもって、もしそれを日中でやられたら即死する。
日に当たると影が抜かれた奴は消えるから、つまり死ぬ。
死ななかったらゾンビ兵とか自分のパワーアップに使えるけどな。
モリア強すぎ、QEDである。
「スリラーバークで半殺しが一番って分かんだね」
スリラーバークに入ると、流石にあちらも分かっていたのかゾンビ兵が集まってくる。
「行けるぜ船長」
「やれ」
「行くぜ、覇国!」
巨人族の合体必殺技が、スリラーバークを切り裂いていく。
フハハハ、誰が敵の土俵に入って戦うか。
このまま、誘い出してくれる。
「首狩りィィィィ!」
「来たか、随分とデカくなっちまって」
どういう能力の応用か、ヤルキマンマングローブと同じくらいデカイモリアが現れた。
やっぱり、質量が大きいと強いもんな。
デカイは強いである。
「パワーボール!」
「キシシシ、何だそれは……」
「うぐっ、ぐぉぉぉぉ!」
変身完了、お前がでかくなるなら俺もデカくなる。
「巨大化だと、覚醒してやがったか」
「ブロギー、ドリー、ヤバそうなら逃げろよ」
俺の事前情報だが、海軍時代コイツはカイドウとタメ張れるくらいの実力者だ。
周りを気にするほどの余裕はない。
最悪、スーパーサイヤ人化による暴走も考えておかないとな。
「格の違いを見せてやるぜ、キシシシ!出る杭は打たれるってなぁ!角刀影」
「ほぉ、雨のように影を撃つのか、バリヤー!」
黒い銃弾のような物が、俺に向かって降り注ぐ。
それを気を張って作ったバリヤーで防ぐ。
しかし、それが軋む程の威力だ。
やるなぁ、だが能力者の弱点を知らないわけではあるまい。
格の違い、俺は地球規模で戦えるサイヤ人だぞ!
「弱点を突く、時間はあったからなぁ!喰らえ、海落とし!」
「アァ?な、何だアレは!?」
「海水だよ、それも島を覆うほどのな」
まるで滝の下にいるようなレベルの海水が、空から落ちてくる。
気で張ったバリヤーで確保していた海水を、島の上で開放したのだ。
俺がそのまま戦うと油断して、周囲の警戒を疎かにしたな。
「ち、力が……まさか、海水ッ!なんで、テメェが海水を!」
「消えた!?……いや、室内に瞬間移動したのか」
だが、影は消えたのは明白。
触れた瞬間、黒い塊が口から出ていったからな。
それにしても、影を控えて本体で挑んでくるとは用心深い男だぜ。
「だからどうした、逃げ場所はないぞ!魔貫光殺砲!」
城に向かってビームを放つ。
フハハハ、お前が安心できる場所など無いのだ。
そのまま飛び込み、城にタックルする。
物量こそ最強である。
「引き篭もり、出てきやがれ」
「デタラメな、このイカレ野郎」
「そこかァ……」
武装色の覇気を纏った手で、モリアを捕まえる。
自分の影を使って移動しようとしたんだろうが、ロギアに近いパラミシアでも遠隔で操れないだろう。
「影法師が、使えないッ!」
「ダメ元だったが、正解のようだな」
身体が影になるからと言って、光や砂の身体を捕らえられる武装色の覇気が効かないはずがない。
「クソ……がっ……」
「ネガティブホロウ!」
「生まれ変わってシジミになりたい」
二日酔いに効くのに、俺は食べても意味がない。
むしろ、俺を食べたら身体に悪影響だろう。
なんてことだ、生きてるだけで資源を消費する俺は世界の害悪じゃないか。
俺なんて、死んだほうがマシだ。
あぁぁぁぁぁ、もうダメだぁぁぁぁ!
「助かったぞ、ペローナ!死ね、首狩り!」
「船長、助けに来たぜ!」
俺の目の前に光の巨人が現れた。
モリアの影を打ち消すように、立ち塞がった光の巨人。
「船長、海水だ!」
「ち、力が……だが、助かったぜ」
マントヒヒ化は解除されたが、ネガティブも解除された。
やべぇ、忘れてたけどクソ強いぞ。
流石カイドウとタメ張れる奴だ、強い能力者の仲間がいるじゃねぇか。
「命拾いしたな、モリア!」
「テメェ、逃げるのか首狩ィ!」
「あぁ、別の方法で手を打つ」
俺はモリアに手首から先がない腕を見せる。
この意味が分かるか、俺の手首は別の場所にあるんだぜ。
姿は見えなくても、見聞色の覇気で捕らえたぜ。
「待て首狩ィ、首狩ィィィ!」
「フハハハ、勝負はまたの機会だぜ」
目的は果たしたからな、急ぎヤルキマンマングローブに避難した。
そして、気弾を打ち込みながら俺は出港する。
あばよ、モリア!貴様の実を奪えなくて残念だったぜ。
オッス、オラナッパワクワクすっぞ!
やっぱり七武海は強敵でしたねぇ……
でも、悪魔の実はゲットしたぜ。
「オロロロロ」
「やっぱクソの味だよな」
「よし、これでまた強くなった」
透明になるだけで、見聞色でバレちまうが武器が見えないのは強いぜ。
武器は気配がないからな、生きてないもん。
見えない武器、間合いが見えないなら強敵だろう。
「仲間だ、もっと仲間がいるな」
「どうするつもりだ船長、能力者狩りを続けるのか?」
「奴隷を奪う。ヒューマンショップを襲っちまおう」
出ていくと言ったが戻らないとは言ってない。
「その前に腹ごしらえだ、どっか街を襲おうぜ」
「牛が良い、牛の踊り食いは最高だ」
「樽も欲しいな、酒は命の源だ」
「さぁ、略奪だ!金がなければ、船も買えないからな!」
ウォーターセブンで船を買うのも良い、巨人の乗れる船だ。
この時代には不釣り合いだが、鉄の船を作ってもらおう。
なーに、潜水艦があるなら作れるに違いない。
作れないはずがないからな、うんうん。