オッス、オラナッパワクワクすっぞ   作:nyasu

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ヨガすげぇぇぇぇ!

二次試験に到達した。

俺はカードが刺さったまま会場入りしたのだが、まぁドン引きされた。

会場にはキッチンがあり、これからの試験が何か予測が出来る。

間違いない、食戟が始まる!

 

「メニューは豚の丸焼き!」

 

ドンッと言わんばかりに一言。

えっ、食戟は?そんなの知らんと走り出す受験生達、どうやら俺の勘違いのようだ。

仕方ないなと胡座で移動する。

 

「う、浮いてる!?」

「ブヒィィィィィ!」

「危ない!」

 

デデドン、俺に気付いた豚による襲撃。

気付いたクラピカらしき人が叫んでいたが、大丈夫だ問題ない。

俺は豚を睨みつけた。

そして、覇王色の覇気を送り込む。

 

「ブ……」

「口から泡吹いてるぞ」

「ヨガを極めればこれくらい朝飯前だ」

 

俺に近付くにつれて失速して眼の前で倒れる豚、やったぜ。

なお、その様子に驚くキルアに俺が嘘を教える。

 

「スゲー、ヨガってすごいね」

「いや、その理屈はおかしい」

 

ゴンさんだけが騙されていた。

俺も可笑しいと思う、騙されるとか大丈夫かコイツ。

 

「ヒャッハー、豚は頂きだぜ!」

「人から奪ったほうが速いぜ!」

 

俺が立ち上がろうとしたら、他の受験生が近付いてくる。

そして、俺の目の前で泡吹いて倒れた。

な、何がしたかったんだコイツら……取り敢えず俺の物を奪おうとしたので両足を折っておく。

命まで取らない優しさ、憧れちゃうなぁカッコイイなぁ。

俺は謙虚なハンターなんだ。

 

「俺はよくサバイバルを行っていた、その経験をここで活かす!」

 

俺はグルメなので、よく異星人を食べたりした。

ベジータは好き嫌いが激しく、俺を汚物を見るような目で見ていたがオークぽい奴とか豚っぽいのは食えるだろ。

虫型宇宙人だって虫の佃煮にしたら食えるじゃないか。

そう考えると、オークみたいな宇宙人と一緒で調理すれば良いのだ。

 

「でぇぇぇぇぇい」

「尻尾で首に切れ込みを!?」

「待て、待て待て待て、尻尾!尻尾が付いてるのか!?」

 

生きてるやつの首を斬ると心臓がポンプの役割をして血を吹き出させるんだぜ。

これマメな、これで血抜き出来る、血抜きは大事臭みを無くすからな。

 

「おりゃぁぁぁぁ!」

「腹を掻っ捌いた」

「待て、手刀で切れるってどういうことだ!?」

 

外野がうるさいが、出来るものは出来るのである。

これがトリコだってやってただろ、アレと一緒だ。

ホルモンはいらないので捨てます、汚いから匂いがヤバイのだ。

 

「行くぞ、みんな丸太は持ったか!」

「投げたぁぁぁぁ!」

「あのオッサン、何かすごい勢いで伐採してる、成形まで!?」

「さ、刺したぁぁぁぁ!成形した木を、刺した!人間業じゃねぇ!」

「だったら、焼けばいいだろ!もっと熱くなれよぉぉぉ!」

 

キッチンのところに油があったので高速で伐採して薪を作る。

作った薪を積み上げ、口の中に含んだ油をぶっかける。

その際、口の前にぶつかり合う気の塊を発生させる。

火花が発生し、引火した状態の油を薪に吹きかける。

 

「ヨガすげぇぇぇぇぇ!」

「あ、アレは……」

「知ってるのかゴン」

「ヨガフレイムという技があるって言ってた、もしかしたら……」

「いや、やっぱりその理屈はおかしい。なんなんだ、ヨガって」

 

後は鼻歌混じりに焼くだけである。

ぐるぐる回転させて、いい感じで引き上げる。

 

「上手に焼けました!」

「アイツ、何がしたいんだ?ハンターっていうか、大道芸人になったほうがいいだろ」

 

そして、俺は豚の丸焼きを提出した。

なお、半生だろうが肉の旨味が!とか言う味覚音痴だった。

焦げていても、焦げが良いんだとか言う味覚音痴だった。

なんだったら下処理してない豚の丸焼きを、俺の好物なんだとか言って食べてた。

あと、明らかに念能力で食えるようになってた、そこまでして食べたいのか!

 

「あたしのメニューそれは、寿司よ!」

「す、寿司だって!?寿司って何だ?」

「おまえ、アレだよ。寿司って、ほらアレをアレすんだよ」

「寿司ね、良く食べる。うん、上手いよね寿司って」

 

受験生達がざわつく。

この後寿司の作り方がバレて、卵取りに行く記憶がある。

なので、俺は適当に流すことにしよう。

 

「おい、アンタは魚を取りに行かないのか?」

「フッ、魚だけが寿司ではないのさ」

「お、おう。じゃあ、俺はこれで」

 

ゴンの知り合いであるレオリオが絡んできたが、優しさを感じる。

でもオッサンだからな、未成年とか絶対ウソだね。

それはそれ、俺は豚を狩りに行ってスライスする。

これでも王族に仕えていた身である、美味い料理を食ったことがある。

肉を美味そうに焼く、そしてシャリを握る。

この際、米の一つ一つを気でコーティングし空間を設ける。

なお、力いっぱい握って微調整する形だ。

そして、肉を上に乗せて調味料のタレを掛ける。

タレは市販のタレだが、きっとハンター試験で使うタレだしスゲェタレに違いない。

 

「出来た」

「アンタ、それ……」

「えっ?」

 

気付けば、俺の背後に女が立っていた。

こ、コイツいつの間に!?待て、それは俺の寿司である。

俺はひょいっと皿を奪い取り、取られないように距離を保つ。

 

「確かに、食材のヒントは与えていなかった。でも、まさか肉をネタにするとは……しかもその形、お前知ってるな?」

「だとしたら、どうする。俺から奪う気か、美食ハンター!勝機はいくらだ、千に一つか、万に一つか?」

「それが那由多の彼方だろうと、私には十分すぎる!美味いかどうかじゃない、食べたこと無いのなら食べる、それが私の信念よ!」

「肉を乗せるとかその発想はなかったなぁ」

 

肉を掛けて俺達の戦いが始まる!

 

「美味い!」

「えっ?」

「えっ?」

「あっ」

 

デブの男が賞品を食べてしまった。

この瞬間、美食ハンターと俺の目的が一致した。

 

「野郎ぶっころしゃぁぁぁ!」

「食べ物の恨み、アンタはいい友達だったわ!」

「だ、だって!そこに肉があったから!」

 

この後、滅茶苦茶走り回ってから自分たちで寿司を作って食べた。

どうやらこの時代では早かったようだ。

異世界知識、それも未来の知識を無意識に披露するとか俺ってばオリ主の鏡である。

ハンターハンターが連載してた時は、肉寿司ってなかったのかもなぁ。

 

 

 

なんやかんやあって、ハゲが作り方をバラしたので試験が厳しくなった。

これだからハゲは、なおナッパさんはハゲではなく薄毛、いいね?

合格者もいない、どうすっかと思ったら爺さんが落ちてくる。

でもって試験を見直すぞ、ということになった。

アレだ、卵とる流れである。

みんなで飛行船に乗る。

 

「何が始まるんです?」

「第三次ハンター試験だ!」

「いや、まだ二次試験の続きだぞ」

 

ゴンたちと軽快な会話、流石ナッパさんである。

俺ってばオリ主あるある、主人公達と絡むを達成していた。

さて、やって来たのは渓谷であった。

何、卵を取ってくるには飛ぶしか無い?

だったら奪えばいいだろ。

 

「あーよかった」

「こーゆーのを待ってたんだよね」

「走るのやら民族料理より、よっぽど早くてわかりやすいぜ」

 

あれ、みんな取りに行く流れなの?

仕方ないなぁ、俺は胡座を搔いたままフヨフヨ浮かんで卵を取ってくる。

俺の舞空術は最強なんだ!

 

「ヨガすげぇぇぇぇ!」

「やっぱり、その理屈はおかしい!」

「人は、空を飛べません!」

「馬鹿、魔法少女は飛ぶもんだろ。オッサンだけど」

 

クモワシの卵は、なんかクリーミーで、超美味かった。

なお、本来は専門の業者が道具を使って安全に採取するらしい。

まったく、みんな飛び込んで捕るとか蛮族かよ。

 

 

 

第三次試験はトリックタワーという場所だった。

名前からして、トリックがあるって分かんだね。

俺はコッチの道を行くぜ、的な感じで外側から挑戦した奴もいたが空に飛んでた鳥の餌になった。

軟弱な、これが本当の攻略方法だ。

 

「と、飛んだ!オッサンが飛んだぞ!」

「きぇぇぇぇぇい!」

「ちゃ、着地してる!オッサンを食べに来た怪鳥に乗ってやがる!」

「鳥の翼を掴んでやがる、下まで落下してくぞ!飛んだ、鳥を蹴飛ばして上手いこと着地してやがる!」

「ヨガすげぇぇぇぇ!」

「いや、ヨガは関係ないだろ!」

 

俺は華麗に着地して、固まった。

い、入り口……どこだ?

暫くして、試験の人が来るまで俺は待ちぼうけを食らった。

 

 

 


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