-月の宝石-   作:テディア

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初日

本日は晴天なりー。

 

ぶっちゃけやることないわ。

島を歩きながら皆の持ち場を転々とするだけだし。

 

「あー。 寝たい・・・。」

 

まぁ寝てる間に月に行ってましたとか笑えないんだけどね。

光が美味しい。こんな日は寝るに限る。

 

寝転んで移動できたらなぁ・・・。

砂の最大硬度は7で体が傷つくから駄目だし。

 

そもそも、月人は緒の浜や虚の岬のような海辺でよく表れるからなぁ。

こんな何の変哲もないただの浜辺じゃぁ月人もこないでしょ。

つーかそういう話聞いたことないし多分大丈夫。

 

「次の持ち場は・・・。ボルツ達かぁ。」

 

丁度いい。ボルツがいるなら安心安全。

そこで昼寝しようかな。

 

あー、でも確実に文句言われるだろうなぁ。

 

【役目を放棄して昼寝なんて僕が許さん!一回砕けて反省しろ!】

とか凄い言いそうだわ。 

 

最悪砕かれるかもだけどそもそも当たらないしヘーキヘーキ。

・・・お日様隠れなければ、ね。

______________________________________

 

「はーい、どーもデース。」

 

「・・・なんだ、そのふざけた口調は。」

 

第一印象駄目だったかー。

早速ボルツの目つきが険しくなる。

なんとかして寝るための権利を獲得しなければ・・・!

 

・・・。

 

「よし、寝よう。」

 

「はぁ!? いきなり何を言ってるんだお前は!?」

 

まぁ普通そうなるよね。

でもやっぱり無理だ。

今すぐ寝たい。 説得なんてしてられるか!!

 

「そこどいてボルツ!!じゃないと僕が寝られない!」

 

「知るか!! こんなところで寝させるなんてさせん!」

 

「ま、まぁまぁ2人とも。ボルツも、ね?」

 

すぐ横でオロオロしてたダイヤが声をかけてくる。

 

_が。

 

「ダイヤは黙っていろ。

    _一人で見回りするならばそれ相応の実力は見せてもらおうか!」

 

ボルツがこちらを睨みながらその腰の刀剣を抜き放ち、鞘を捨てる。

あの目はこちらを粉にする目だ、多分間違いない。

 

「あぁ。出たよ戦闘狂。 

    _君のインクルージョンってどうなってるんだろうね!まったく!!」

 

右手に持っていた槍は2,3回程右手の中で回りながら柄の一部を背中に隠し、

穂先を右下に向ける形で一度合わせられたかと思うと_

 

 今度は勢いよく穂先をボルツに向け、柄の下側を左手で添えた。

 

静寂。

黒と七色の白を虹が見守り、凶器(狂気)が互いを睨みあう。

 

半透明のボルツが動いてから合わせて三秒後。

きっちりと揃えて同時に飛び出す。

 

穂先をボルツに向けて突き出し、それをボルツは刀剣で逸らす。

その最中で逸らしつつ切り返される刀は素早い。

が、余裕をもって柄で同じように逸らす。

 

力比べも拮抗もなく、ひたすらに火花を散らしながら命がけの舞を舞う。

 

それは靭性も硬度も生半可でなお戦えるよう、

生まれながらにしての体質を生かした戦い方だった。

_まともに受けない、正面から挑まない。常に自然体でもって迎え撃て。

 

互いが互いの正面を向いていても、繰り出されるその武器(悪意)

一つ一つが体の軸から逸れた、あるいはその軸を切り落とし、砕かんとする一撃。

 

・・・だが正直言って基礎が、根底が、地力が違いすぎた。

 

ムーンストーンの靭性は中級で硬度は6。

ボルツの靭性は特級で、さらに硬度も最高の10。

 

ムーンストーンの武器がその『予知』ならば、ボルツは圧倒的なまでの力と耐久性。

 

ボルツの手は止まらない。

息切れもなく、顔色一つ変えずに強烈な一撃を惜しげもなく連続して撃ってくる。

 

だが一方はというと_。

 

「__っ。ふっ。_はぁ…!」

 

一撃を捌くごとに合わせて出されていた反撃も段々と数が減っている。

 

・・・あぁ。こりゃ駄目だわ。

   体が持たない。 というか疲れた。

 

            ___もう、いいよね。

 

 

 

風を切る音と地面に刺さる音。

それはボルツの刀剣ではない_

 

「・・・なんの真似だ?」

 

 _私の、槍だった。

 

 

「はぁ・・・なんの真似も・・・なにも・・・。」

 

「お前はまだ戦えるはずだ。・・・なぜ力を抜いた。」

 

あーもう疲れた。眠い。 ・・・そうだ。

 

「だって疲れたし。 こうなったのはボルツのせいだから寝る。」

 

「なっ!? って__もう寝ているのか・・・。…仕方ない。見張りの間だけだぞ。」

 

 全身に満たされる安息、快感。 そのまま、安らぎの中へと__

 

_

__

____ 落ちていった。

 

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