流血の錬金術師   作:蕎麦饂飩
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ちょっと短いです。
因みにタイトルは『君の名は』とルビをふります。


その業の名は

グリードはシルヴィオと分かれた後、イズミ・カーティスやエルリック兄弟となんやかんやあって、

その後に、実はホムンクルスで大総統なキング・ブラッドレイとなんやかんやあって、

今、諸悪の根源、悪の親玉たる『お父様』の前に、囚われていた。

 

周囲のホムンクルス達は勿論『お父様』側で、グリードを助けようとする者はいない。

 

「何故、この父を裏切った?」

 

『お父様』がそうグリードに問いかける。

グリードは自分が『強欲』として生み出された故に、その全てを満たすためには何かの下に居ては達成できないと答えた。

 

故に、グリードは溶鉱炉の中に落とし込まれて処刑される。

だが、死の間際に彼は姉弟達に言った。

 

「俺は親父殿にかくあれと造られた通りに生きただけだ。

おまえ達も同じだ。どうして自分達は裏切らないと言い張れる?

色欲の為、傲慢の為、嫉妬の為、暴食の為、怠惰の為…はなんか違う気もするが、後は憤怒の為。

どうして裏切らないと言い張れる?

おまえ達は俺だ。俺はおまえ達だ。偶々『強欲』が割り振られたのが俺だったてことだけだ。

俺の()に言わせれば、親父殿もおまえ達も、人間達も全部同じだそうだ。

対等の条件なら、どうして争って奪いに行かない!?

親父殿も覚悟した方が良い。何時までも思い通りに行くと思うなよ」

 

そう言って溶岩の如き灼熱の中に沈んだ。

『お父様』がそれを呑み込んだ後、各人その場所を去り、

その場にエンヴィーとラストだけが残った。

 

 

「思う所があるのかしら?」

 

「さあ、そっちこそあるんじゃね?」

 

そう言い終えた二人は互いに顔を背けて、何処かに去っていった。

 

 

 

 

 

ラストは、一人暗闇の中にいた。

 

グリードの言葉のせいか、それともそれ以外のせいなのか、

あの医者の青年の言葉と、触れた時の体温が何故か克明に思い出された。

 

ホムンクルスを人間だと、はっきり言い張る変わった人間。

そして『お父様』の計画の重要な存在である人柱。

 

彼がラストに話した事、そして彼にラストが語った事を思い出していた。

 

 

「構造や構成物質は同じで、

貴方達と変わらない外見に五感もある。

感情もある。親に対する感情もある人間…ね。

自分で言っておきながら、心のどこかで違う物だとも認識していた。

でも仕方ないわね、正体を知った人間達も誰一人私を人間扱い――――

一人以外誰も私を人間扱いしなくなったもの。

 

もし()られるなら、彼になら悪くは無い。

でも、彼を殺す物がいるとすれば、それは絶対に私。

他の誰にも渡さない。

他の誰かに殺させるくらいなら、人柱であっても私が殺してあげる」

 

唇を舐めながら、闇に似た色のドレスを纏った美女は、何処か優しく笑った。

殺意を混んだ執着、(タナトス)(エロス)が対のものであるというのならば、

その感情は、恋に似ていた。




ちょっと、ヒロインっぽくなったでしょうか?





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