流血の錬金術師   作:蕎麦饂飩
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銃は私が握ろう、装填も私がしよう、撃鉄も私が起こそう、照準も私が絞ろう、だが――――


引き金を引くのは汝の殺意

エドとアルは、ホムンクルスと遭遇するために、ロイからホムンクルスを治療したと聞いた、例の医者の所に向かったが、

ウィンリィの仇がスカーであるという話にすり替えられ、

その後、ウィンリィが将来が楽しみな美少女かどうかという話になり、

エドの言葉が詰まり始めた所で、恋愛がどうだこうだという話に誘導されて、

エドの言葉が詰まったところで、この町で幾つか用事があるからと体よく追い出された。

 

そして、追い出された時に、

「ホムンクルスと都合良く遭遇する方法があるなら私が知りたいくらいだし、

知っていても答えるつもりは無いでしょう」

 

と言われた。

 

 

それ故にエドはホムンクルスとの接触アプローチを変える事にした。

とにかく国家錬金術師(・・・・・・)として目立ちに目立って、スカーをおびき寄せて、

スカーと己が接触する事で、ホムンクルスをおびき出そうとした。

 

 

町中の到る所で困っている人を助けて、困っていない人も助けた。

時折、医療方面で人助けをして回っているシルヴィオとも遭遇したが、

今はとにかくスカーをおびき出すのが優先だった。

 

人助けをしながら回っている時に、エドはアルに一つ問いかけた。

 

「そう言えば、先生も僕達と同じような事をしているけどさ、

スカーに狙われたりなんかしないんだろうか?」

 

「先生は国家錬金術師ではないからね。たぶん大丈夫」

 

アルは一瞬、その先生も自分達と同じ目的で、町中を動き回っているのではないかと一瞬考えが浮かんだが、

その考えを頭を振って追い出す事にした。

 

 

その直後、スカーがエドたちの前に表れた。

闘争が勃発した。

エドとスカーは街中を駆け巡りながら、錬金術と破壊の応酬を行った。

 

それを知った憲兵たちが、スカーの情報を頼りにスカーを追いながら銃撃を加えるが、

流石はイシュヴァールの武僧。至近射撃を行う兵士など、一足飛びの内に既に彼の射程になる。

 

 

憲兵や建物を、エドと戦いながら次々と破壊。

そうしている間に、置いて行かれたアルがロイ達と遭遇して現在の状態を伝えた。

 

ロイ達はエドに協力するために、ケイン・フュリー曹長の通信設備を利用して、

アメストリス軍に錯綜した誤情報を垂れ流した。

それにより、統制した動きが兵士達には取れなくなり、

結果として無謀にスカーに突撃して肉の塊となる兵士は随分と減った。

 

 

アルがエドに追いついた所で、スカーも立ち止まり、会話が始まった。

何故、毛嫌いする錬金術をスカーが行使するのか、と。

 

その結果、壊す行為を神の御名の下に正当化するスカーに対して、

 

「てめぇを助けて、てめぇが殺した医者の夫婦に覚えが無いか!!」

 

エドはシルヴィオから聞いた、スカーこそがウィンリィの両親の仇だという情報を確かめる為に、

強く糾弾した。

 

そのタイミングは、余りにも、余りにも悪すぎた。

エドたちを心配して探しに来ていたウィンリィが、エドの死角である通路から駆けてきていたのだ。

 

エドの言葉に、目の前に両親の仇がいる。

両親は自分が助けた患者に殺されたのだという事実に、ウィンリィは膝の力が抜けたように座り込んだ。

 

一番聞かせたくなかった相手に聞かれてしまって、上手く言葉が出ないエド。

彼の掠れた言葉はウィンリィには届かない。

 

「帰してよ、父さんと母さんを返してよ!!」

 

そう悲痛な叫びをあげる少女の前には、憲兵の所持物であったのだろう血濡れた拳銃があった。

 

 

その拳銃に手を伸ばすウィンリィ。

 

「やめろ、やめてくれ…」

 

復讐に落ちた初恋の少女の姿は見たくない。

故に必死に叫ぶ幼馴染(エド)の声は、けれども少女には届かない。

少女は伸ばした手で、拳銃(殺意)を掴んで己の仇に向けた。

 

 

「あの時の医者の娘か、お前には()れを撃つ権利がある。肉親を殺されたお前には、その正当な権利がある」

 

だが…、その引き金を引く事、つまり殺す覚悟をするのなら、殺される覚悟もしろと冷酷に男は告げた。

 

ウィンリィに手を出すなと、思わず激昂するエドに対し、

スカーは告げた。

 

どちらかが滅ぶまで、憎しみの連鎖は止められない――――と。

 

 

 

 

 

 

 

そう彼が吠えた直後、4回の発砲音が鳴り、スカーは血を吹き出しながら地に倒れた。




スカーさんに言わせればこれは正当な復讐










勘の良い読者にはウィンリィが本当にスカーを撃ったのかおわかりですよね。





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