遊戯王GX 真精霊転生記   作:ベーシス2号

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約五年ぶりの復活


1 転生と出会い

輪廻転生という単語をご存知だろうか?

ヒンドゥー教や仏教などの東洋の宗教に関係する単語で、死後あの世に還った霊魂が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。

小説や漫画の二次創作では異世界トリップなどと並んでメジャーなジャンルだが実際に信じている人は信心深い人を除いて日本では少ないだろう。

だがわたしはそンな人間でもないのに信じている。

と、言うよりも信じざるを得ないと言った方が正しい。

何故なら…わたしは今あの有名な童実野町にいるのだから。

 

 

今から四年前、わたしは死んだ。

別に子供をかばって車に轢かれた訳でも神様のミスで殺された訳でもない。

単に遊戯王のアニメの展開について考え事をしていて赤信号に気付かず渡ってしまいトラックに撥ね飛ばされたのだ。おそらく即死だったのだろう。痛みも感じず意識を失ったわたしが最後に考えていたのは「アニメ見れないなぁ」という阿保なことだった。

そして、全てが暗闇に包まれ、気がつけば知らない建物の中にいた。

周囲はざわざわと騒がしく、壁際にはショーケースが並んでいて、カードが飾られている。どうやら何処かのカードショップらしい。自分は死んだはずなのにどうしてこんな所にいるのかぼんやりと考えていると、小学生ぐらいの男の子達が数人わたしのいる方にドタバタと走ってきた。

通路の幅は一メートルもなく、男の子達は走る速度を落とそうともしない。

避けることもできずわたしは衝撃に備え、目を閉じ手で体を覆った。

しかし、何秒経っても衝撃が訪れない。不思議に思いそろそろと目を開けてみると確かにそこにいたはずの男の子達がいない。

周りを見渡すと男の子達は何事もなかったかのようにレジで店員さんと話している。

何が起きたのかわからなかったわたしはとりあえず男の子達に話しかけようとその中の一人の肩に手を置いた。

正確には手を置こうとした。

何故言い直したかというと手が肩をすり抜けてしまったからだ。

「え?あれ?何で!?」

混乱して一人で騒ぐわたし。

その声も聞こえないようで男の子達はこちらを見向きもしない。

「やっぱり死んで幽霊になっちゃったのか、確かに未練あるけどさ、その未練が彼氏いない歴=年齢とかじゃなくてアニメ見れなかった事とか阿呆すぎるよぅ」

と若干落ち込んでいるわたしだったが店の隅に置かれている鏡がふと目についた。

「どうせ映らないんだろうなぁ」

と思いながら覗きこんでみるが、予想に反してそこには一人の少女が映っていた。

しかし、それは見慣れたわたしの姿ではなく

「水霊使いエリア?」

霊使いと呼ばれるモンスターの内の一体の姿だった。

どうやら幽霊ではなく精霊になってしまったようです。

 

 

 

わたしが精霊になって早一ヶ月。カードショップにやってくるお客さんや店員の話やデュエルの様子、壁に貼ってあるチラシやポスター等からいくつかわかった事がある。

一つ目はわたしがいるのは遊戯王の世界だということである。まあわたしが水霊使いエリアの精霊になっている時点で薄々感じてはいたことではあるのだけれど。

二つ目はバトルシティ編から数年後でデュエルアカデミアがあるということ。

三つ目はこの世界にはまだシンクロやエクシーズ、そしてそれらに深く関係するカード。例えばチューナー等が存在しないということ。

四つ目はステータス重視で低級モンスターが軽視されていること。

五つ目は気合いを込めれば実体化できるということ。

 

話は変わるがどうやら精霊には自分が宿るカードがどの辺にあるのかなんとなくわかるらしい。

そして今わたしの目の前にあるのは一枚十円のストレージコーナー。

ここまで言えばわたしが言いたいことがわかるだろう。

そう、六つ目はわたしにとって最も重要なわたし自身が宿るカードがこのストレージコーナーに埋れているということなのである。

 

初めの一週間はそのうち誰かが買ってくれるだろう。と気楽に考えていたが時間が経つにつれてわたしの心はどんよりと沈んでいった。

というのも

「何で誰もストレージ漁らないのさぁ!?」

ステータス至上主義ここに極まれり。

しかもこの店の客は殆どが小学生の男の子ばかりで、使っているカードも

「暗黒のマッドドッグにデーモンの斧を装備してゴブリン突撃部隊に攻撃!これで僕の勝ちだ!」

「そうはいかない!トラップ発動!鎖付きブーメラン!暗黒のマッドドッグを守備表示にしてゴブリン突撃部隊に装備!」

「っ!?でも、次のターンでモンスターを召喚されたとしても僕のライフは2500もある!問題無い。ターンエンドだ!」

「いや、このターンがラストターンだ!オレはゴブリン突撃部隊を生け贄に偉大魔獣ガーゼットを生け贄召喚!そしてその効果で攻撃力は4600だ!」

「こ、攻撃力が4000を越えた!?でも暗黒のマッドドッグは守備表示。いくら攻撃力が高くてもダメージは受けない!(手札にはハンマーシュートとバードマンがある。次のターンで僕の勝ちだ!)」

「言った筈だぜこのターンで終わりだってな!オレは偉大魔獣ガーゼットにメテオストライクを装備!その効果で守備表示モンスターを攻撃した時攻撃力が守備力を越えていればその数値分のダメージを相手に与える!」

「な、なんだって!?」

「偉大魔獣ガーゼットで暗黒のマッドドッグを攻撃!」

「うわぁぁっ!?」

 

といった具合に攻撃力が高いモンスターばかりでステータスの低いカードが詰め込まれた十円ストレージには見向きもしない。

このままストレージの肥しになっちゃうのかなぁと悲嘆にくれるわたしであったが、ふと顔を上げてみるとわたしをジッと見つめる十五、六歳くらいの黒い長髪の少女がいて

「どうしたの?」

とわたしに話しかけてきた。

 

何かが動きだす音が聞こえた気がした。




あらすじにも書いてある通りの理由で新しいアカウントで復活しました。
そのまま前の作品を投稿するのも芸がないのでちょっとずつ変えて投稿していこうと思います。
復活詐欺にならないように頑張ります。
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