遊戯王GX 真精霊転生記   作:ベーシス2号

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ちょこっと前アカウントのときと変わってるとこがあります。


2 入学試験

「おい」

『そして、わたし達はデュエルアカデミアで何人もの強者を倒し、千尋にはエンプレスという二つ名が』

「その話はもういいから」

わたしと千尋が出会ってからの出来事をダイジェスト風に語っていると、携帯電話を耳に当てた少年に遮られた。

この少年の名前は津川荘太。

わたしが宿るカードを買った津川千尋の弟である。

『暇だから何か面白い話してくれって言ったのは荘太じゃんか』

遮られたことに文句を言うと、うんざりした声で

「確かに姉さん達の話は面白いんだけどさ、何度も同じ話を聞かされる身にもなれよ。この一ヶ月の間ほぼ毎日聞かされてるんだぞ」

と言ってくるので

『毎日じゃなくて二日に一回だよ』

訂正しておいた。

「…たいして変わらねえよ」

面白い話は何回してもいいと思うんだけどなぁ。

『それにしても電車遅いね』

「踏切が壊れたせいであと十分は待たなきゃいけないみたいだな」

あと十分かぁ…間に合うかな?確か実技試験は二時に受け付け開始でこの駅から降りる駅までが十分で駅から会場までが走って五分。今が一時半だから…そういえば会場の近くに川が流れてたよね…そうだ!

『ねえ』

「なんだ?」

『水属性モンスターを実体化させてそれに乗って川を移動すれば時間短縮できるよ!』

「バカか!そんなことしたら今日の夕刊の一面に載っちまうだろうが!」

『えー、いい案だと思ったのにー』

「だいたいモンスターを実体化させたらお前疲れるんだろ?」

『あれ、心配してくれるの?』

「誰が心配するか。後で何を要求されるかわからないからな」

人を悪女みたいに言うな。

 

 

 

そんなバカなやりとりを繰り広げている間に十分が過ぎていたらしく目的の電車がやって来た。

わたしと話すためのカモフラージュ用の携帯電話をしまった荘太に続いてわたしも電車に乗る。まあ乗ると言っても空中に浮いているのだけど。

発車の音と共にドアが閉まりかけた時

「その電車待ってくれ〜!」

そんな言葉と共に少年が一人飛び込んで来た。

膝に手を付いてゼーゼーと荒い息を吐く少年。あれ?何だか見覚えがあるような?

「駆け込み乗車は危ないぞ」

いつ見たのか思い出そうとするわたしを放って荘太が少年に注意する。少年は息を整えると

「わりーわりー、これに乗らないと試験に間に合わなくってさ」

と軽い調子で謝る。

………ん?試験?

「もしかして、デュエルアカデミアの入学試験か?」

わたしと同じことを考えたのか、荘太が少年に尋ねる。

「おう!実技試験のために遅くまでデッキを弄ってたら寝坊しちまってさ。……もしかしてお前も受験生か?」

「ああ。俺の名前は津川荘太。よろしく」

「俺の名前は遊城十代だ。こっちこそよろしくな」

ああなるほど、チートドローこと十代か。GXのアニメは見てないからヒーローを使うってこととドローがすごいってことしか知らないんだよね。

そんなことを考えるわたしを他所に意気投合した二人は親交を深めるのであった。

 

 

 

―――海馬ランド前、海馬ランド前~。網棚にお荷物などお忘れ物無いようお気を付け下さい―――

………毎回思うのだが、この駅名は何とかならなかったのだろうか?確かにわかりやすいけど。

わたしとは違いそんなことを気にする余裕が無い二人はドアが開いた途端に走り出した。

何故二人はこんなにも焦っているのかその理由は

「ちくしょう!何で一つ手前の駅で電車が止まるんだよ!?」

……これが答えである。現在二時二十五分。当然、受け付け開始時刻は過ぎている。

「荘太!受け付け終了時刻って何時だっけ!?」

「二時半っ!あと五分だ!」

「っ!?このままじゃ間に会わねえっ!」

「大丈夫ここから会場まで走って五分…っ!?いくら何でも藪を突っ切るな!!迷ったらどうすんだ!?って」

『行っちゃったね』

舌噛みそうだな〜と思いながら見ていたら突然十代が藪に突入して見えなくなった。

『どうするの?荘太も突入する?』

「何で目輝かしてんだよ。俺はやらないからな」

『えー、薄情者ー』

「何とでも言え。俺は自分の身が大事なんだ」

そんなやりとりをしていたがわたし達は十代も何だかんだで間に合うんだろうなと思っていた。

 

 

会話しながら走っていたのだが受け付け終了時刻の二分前に受け付けを済ませることができていた。

これは別に荘太の足が前より速くなったとかそういうのではなく

「お前俺に何か言うべきことがあるんじゃないか?」

『わたしのおかげで早めに行動できて良かったね!』

「ふざけんな」

わたしが荘太の携帯や腕時計の時間を早めていたのが原因だった。

『ごめんごめん。でも遅れるよりはいいじゃん』

「そうだけどさぁ…」

『そんなことより観客席で他の受験生のデュエルを観ようよ』

釈然としない顔の荘太と共に観客席に向かう。すると後ろから

「おーい!荘太ー!」

十代が駆けて来た。

「お前擦り傷だらけだぞ。というか、俺より後に来たってことは結局迷ったのか。あの状況で迷ったのに間に合うってどうなってんだ」

「いや、迷いはしなかったんだけどさ、ある人にぶつかっちゃってさ」

「お前その人にちゃんと謝ったのか?」

「当たり前だろっ。で、そしたらその人が俺にこのカードくれたんだよ。『ラッキーカードだ。こいつが君のところに行きたがっている』だってさ」

「へぇ、《ハネクリボー》か。良かったな」

話しながら観客席に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「罠カード《破壊輪》発動!フィールド上の表側表示で存在するモンスター1体を破壊しお互いにその攻撃力分のダメージを受ける」

ブラッドヴォルスの首に装着された爆弾が爆発し、そのダメージで試験官のライフがゼロになる。

『……あの罠喰らいたくないなぁ』

アホ精霊が何か呟いているが無視する。

俺の前の席では十代と水色の髪の眼鏡君が話している。

「あの1番、見事なコンボだったな」

「そりゃそうさ。受験番号1番。つまり筆記試験第1位の三沢君だよ!?」

「ふーん、受験番号はそういう意味か」

「合格は筆記の成績とデュエルの内容で決められるんだ。デュエルには何とか勝ったけど受験番号119の僕じゃ受かるかどうか」

「心配すんな、運がよければ合格するさ。俺だって110番だ」

「俺は14番だけどな」

ボソッと呟くと

「ええっ!?荘太、お前頭よかったのか!?」

失礼な奴だな、おい。

「君達も受験生!?」

「ああ」

「でも10番代と100番代のデュエルはもう1組目と10組目でとっくに終わったよ!?」

「「え?」」

『あ~あ』

エリアの声にイラッとした。結局間に合ってないじゃんか。

 

 

 

その後十代と共に試験官に事情を説明して何とか試験を受けさせて貰えるようになった。のだが……

「……何だ、あの厚化粧の外人は」

『あー、クロノス先生だ。相変わらず白いねえ』

「ああなるほど。あれがブルー贔屓の」

『ブルー贔屓っていうか、レッドを見下してるんだよね。あれさえ無ければいい先生なんだけど』

「ふーん」

エリアとそんなやりとりをしていると十代が

「なあ荘太、あの先生が俺たちに相手するらしいんだけどさ、どっちが先にデュエルするのか決めろってさ」

ふむ。なら

「十代、先にやっていいぞ。」

「え、いいのか?」

「ああ、お前の顔に早くデュエルしたいって書いてあるからな」

「よっしゃぁっ!サンキュー荘太!行ってくるぜ!」

「頑張ってこいよ」

デュエル場に向かって駆けて行く十代に声援を送る。

そんな俺に向かってエリアが半目で一言

『程のいい偵察員にしたな……』

なんのことやら

 

 

 

 

荘太がせっかく譲ってくれたんだ勝たなきゃ男が廃るぜ!

って何だあの厚化粧!

「シニョール十代。私はクロノス・デ・メディチ。学園では実技担当最高責任者をやってマスーノ」

「光栄だなぁ、実技の責任者が対戦してくれるなんて。きっと俺それだけ期待されてるって事かなぁ、へへへ」

っと危ない危ない。厚化粧にきを取られて挨拶し損ねるとこだった。

「あきれてものもいえまシェーン」

「クロノス教諭が直々なんて!」

「あの十代って奴相当大物なのか!?」

おおっ!?俺観客にも注目されてる!?

「デュエルコート、オ~ンヌ」

何だあのコート!?

「すげ~かっこい~。先生、そのコートって俺も買えるの?」

「ノンノン、これはKC製のオーダーメイドナノーネ。あなたのような試験に遅れてくるようなドロップアウトボーイじゃ簡単には手に入れられマシェーン」

遅れてきたのは電車の遅延が原因だって説明したのになぁ…

「それデ~ワ、試験をハジメルーノ」

「「デュエル!!」」

「試験デュエルでは受験生に先攻後攻の選択権が与えラレル~ノ」

「じゃあ先攻は貰うぜ!ドロー!」

十代:ライフ4000、手札6。

この手札なら…まずは様子見だな。

「俺は《E・HEROフェザーマン》を守備表示で召喚。ターンエンド!」

場:フェザーマンDEF1000

手札5

クロノス「ヒーローデッキねぇ、さしずめどこカ~ノ、スモールタウン~ノ、ヒーローだったのデショウ~ネ。世界の広さを私が教えてアゲル~ノ」

「私のターン。ドロ~ニョ」

クロノス:ライフ4000、手札6。

「ワタ~シは魔法カード《押収》を発動ナノ~ネ」

げっ《押収》だって!?

「ライフを1000ポイント払い、相手の手札を確認してその中から一枚を墓地に捨てマス~ノ」

十代の手札:《死者蘇生》《E・HEROスパークマン》《はさみ撃ち》《戦士の生還》《増援》

「ふふん、ヤッパ~リ、ドロップアウトボーイのデッキデス~ノ」

くそっ俺のデッキにケチつけやがって。絶対見返してやる!

「《死者蘇生》を墓地に送ル~ノ。さらに《強引な番兵》を発動!その効果により今度はスパークマンをデッキに戻すノーネ」

くそっニ枚も手札が減らされちまった!

「そして場に2枚のカードを伏せ、魔法カード《大嵐》を手札から発動。その効果によりフィールド上の魔法・罠カードを全て破壊スル~ノ」

?自分のカードしか無いのに何でそんなカードを?……もしかしてプレイミスか?

「プレイミスではナイノ~ネ!」

うおっ!?あの先生エスパーか!?

「破壊された二枚の《黄金の邪神像》の効果発動ナノ~ネ。その効果により邪神トークンを二体守備表示で特殊召喚スル~ノ」

場:邪神トークン×2DEF1000

「あれは入試用のデッキじゃない! クロノス教諭自身の『暗黒の中世デッキ』」

暗黒の中世デッキ?

「あのデッキに勝てる受験生なんて」

「いないよな~」

そんなに強いのか。……おもしれえ!絶対勝ってやる!

「まだまだ続きマス~ノ。ワターシは二体の邪神トークンを生け贄に《古代の機械巨人》を攻撃表示で生け贄召喚!」

場:古代の機械巨人ATK3000

「こ、攻撃力3000だって!?」

「それだけではアリマセン~ノ。このモンスターが攻撃する時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できないノ~ネ!さらに!このモンスターが守備モンスターを攻撃した場合攻撃力が守備力を上回っていればその数値分のダメージを相手ライフに与えマス~ノ」

「なんだって!?」

「《古代の機械巨人》で《E・HEROフェザーマン》を攻撃!『アルティメット・パウ~ンド!』」

「うわぁぁあぁあっ!?」

十代:ライフ4000→2000

手札3

「これでターンエンドデス~ノ」

クロノス:場《古代の機械巨人》

手札1

 

 

 

 

 

攻撃を喰らった十代は俯いたまま動かない。

「これはマズいな…」

『うん、でも十代君は大丈夫だよ』

「何でそんな根拠もないことを言えるんだ?」

『精霊としての勘!』

「勘かよ!?」

『それに、まだ十代君は諦めてない。強い絆で繋がったカードはデュエリストが諦めない限り力を貸してくれる!』

 

 

 

十代が動かないのを見たクロノス先生が嘲るように言う。

「早くも戦意喪失デス~ノ?これだからドロップアウトボーイは嫌いナノ~ネ」

その言葉に十代が顔を上げ、

「ふふふふ、へへへ、感動してるぜ。最高責任者の先生が本気でデュエルしてくれて!」

 

 

 

『ほらね』

「なんてお気楽な奴だ、どう考えても潰しに掛かってるだろあの先生」

 

 

 

 

 

ここから俺の本当の力が試される時だ。

「俺のターンドロー」

手札3→4

―――クリクリ~

ん? 誰だ?っと今はデュエルに集中だ。ドローしたのは…よしこれなら

「俺は《ハネクリボー》を守備表示で召喚!」

ハネクリボーDEF200

「更にカードを二枚伏せ、魔法カード《増援》を発動。デッキからレベル4以下の戦士族モンスター《E・HEROバブルマン》を手札に加える。バブルマンは手札がこのカード一枚だけの時手札から特殊召喚できる。守備表示で特殊召喚。ターンエンドだ!」

「ヴァラララララ、羽の生えた《クリボー》。珍しいカードを持ってマス~ネ。そして一ターンで二体のモンスターを出したことは褒めてアゲルーノ。しかしどちらも所詮は低級モンスターデショ。守備表示で出した所で《古代の機械巨人》の貫通効果を防ぐ事はできまセ~ンヌ。雑魚には雑魚モンスターがお似合いデス~ネ。私のターンデスネ。これで終わりデ~ス。《古代の機械巨人》《ハネクリボー》に『アルティメット・パ…」

「そうはいくか!メインフェイズ終了時に罠発動!《はさみ撃ち》!俺の場のバブルマンとハネクリボー、そして先生の場の古代の機械巨人を破壊する!」

バブルマンとハネクリボーが飛び上がり古代の機械巨人に突撃して行く。

「ノンノンまだまだ甘いノ~ネ!速攻魔法《禁じられた聖槍》発動ナノ~ネ!古代の機械巨人の攻撃力を600ポイント下げることにより、発動ターンこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けマセ~ンノ」

古代の機械巨人ATK3000→2400

そんな!?

「最後の悪あがき終わりデス~カ?それでは改めて、古代の機械巨人でダイレクトアタ~ック『アルティメット・パウ~ンド!』」

迫ってくる拳に思わず目を瞑る。

けど

「な、何でライフが減ってないノ~ネ!?」

まだ俺のライフは尽きちゃいないぜ!

「ハネクリボーのモンスター効果!このカードが破壊され墓地へ送られた時、それ以降の戦闘ダメージを全てゼロにする!」

サンキューハネクリボー。お前のおかげで助かったぜ。

「ヌグググ。小賢しい真似ヲ~……しかし、場は伏せカードが一枚手札もゼロ!ライフは初期ライフの半分の2000ポイント。サッサと諦めるのがよろしいデス~ノ。ターンエンド」

クロノス:ライフ3000場古代の機械巨人ATK2400→3000手札0

十代:ライフ2000場伏せ一枚手札ゼロ

「俺は俺のことを信じてくれるカード達のためにも、先にデュエルしたいっていう俺に譲ってくれたあいつのためにも俺は絶対に諦めない!!ドロー!!」

十代:手札ゼ0→1

………

「……へへへ、はははは」

「……絶望の余り笑うしかアリマセン~カ?」

「あははははははっ!!確かに笑うしかないぜ。でもな絶望のせいじゃない!」

「何を言っているノ~ネ。どう見ても私が有利、逆転は不可能ナノ~ネ」

「ピンチがあるからこそチャンスがあるんだ!!リバースカード《戦士の生還》!墓地の戦士族モンスターバブルマンを手札に加え、召喚!」

バブルマンDEF1200

「バブルマンが召喚された時場に他のカードが無ければデッキからカードを二枚ドローできる!」

十代:手札1→3

「さらに!《強欲な壺》発動!」

十代:手札2→4

来た!

「魔法カード《黙する死者》発動!墓地の通常モンスター、フェザーマンを守備表示で特殊召喚。魔法カード《Eエマージェンシーコール》発動!デッキからE・HEROと名のついたモンスター《E・HEROバーストレディ》を手札に加える」

「ふん、ペラペラのコミックス~のヒーローに何ができマ~ス? ノーマルモンスターに過ぎマ~セン」

「フェザーマンとバーストレディ。攻撃力の低いノーマルモンスターというのは仮の姿。その本当の姿を見て驚くな、先生。魔法カード《融合》発動。フェザーマンとバーストレディを融合。融合召喚、マイフェイバリットカード《E・HERO フレイム・ウィングマン》!!」

フレイム・ウイングマンATK2100

「特別講義してアゲ~ル。イイデスカ~、デュエルにくだらない御託はイラナ~イ。覚えておきなサ~イ。融合召喚した所デ~攻撃力は2100。私の《古代の機械巨人》には及びマセ~ンヌ」

「じゃあ、先生に教えてやるぜ。ヒーローにはヒーローに相応しい戦う舞台があるんだ。フィールド魔法《スカイスクレイパー》発動!」

フィールドが高層ビル街へと変わり、ビルの天辺にはフレイム・ウイングマンが立っていた。

「さぁ、舞台は整った。行け!フレイム・ウィングマン!古代の機械巨人に攻撃!」

「冗談デショ。フレイム・ウィングマンの攻撃力など古代の機械巨人の足元にも及ばなイ~ヌ」

すごい速さで古代の機械巨人に近づくフレイム・ウイングマン。

「ヒーローは必ず勝つ! スカイスクレイパーの効果は自分よりも攻撃力が高いモンスターとヒーローが戦う場合にその攻撃力を1000ポイントアップさせるフィールド魔法!」

フレイム・ウイングマンATK2100→3100

「オゥ、ヒーロー!」

「食らえ『スカイスクレイパー・シュート』!」

パワーアップしたフレイム・ウィングマンが、上空から古代の機械巨人に攻撃する。

その攻撃を受けた古代の機械巨人が爆発し、その残骸がクロノスの頭に当たる。

クロノス:ライフ3000→2900

「マンマミ~ヤ!我が古代の機械巨人が~!?」

「フレイム・ウィングマンの効果により破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらうぜ、先生」

「ナニ~!?」

古代の機械巨人が崩れ、その下敷きとなるクロノス。

クロノス:ライフ2900→0

「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ、先生!」

 

 

 

 

 

クロノス先生に勝利した十代が観客に向けて手を振りながら戻って来る。

「ナイスファイト」

「おう!サンキュー。荘太も頑張れよ」

「ああ、任せとけ」

これはかっこ悪いとこは見せられないな。

 

 

 

「こうなったら次の受験生をコテンパンに伸して名誉返上シ~テ、汚名挽回スル~ノ」

……独り言聞こえてますよクロノス先生。しかも間違ってるし。まあ、別にいいけど。

「お願いします」

一応挨拶はちゃんとしないとな。

「それデ~ワ、試験をハジメルーノ」

「「デュエル!!」」

 

「先攻は俺が貰います。ドロー」

荘太:手札5→6

古代の機械に攻撃反応系の魔法罠は効かない…なら、これでいくか。

「俺はモンスターをセット。さらにカードを二枚セットしターンエンド」

荘太:場、モンスター一体(裏側守備表示)伏せカード二枚

「私のターンドロー。んっふっふっ全力で叩き潰してアゲル~ノ。手札からフィールド魔法《歯車街》発動ナノ~ネ」

舞台の床から歯車でできた街がせり上がって来る。

げ、これはマズいかも。

「さらに魔法カード《大嵐》!魔法・罠カードを全て破壊シマ~ス」

破壊される街と俺の伏せカード。

「あの先生また自分のカード破壊してるぜ!」

おい十代またプレイミスとでも思ってるのか?

「フフ~ン。伏せていたのは《奈落の落とし穴》と《収縮》デシタ~カ。結構危なかったケ~ド発動されなきゃノープロブレムナノ~ネ。そして破壊された《歯車街》の効果発動デス~ノ!このカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキ、手札、墓地から《アンティーク・ギア》と名のついたモンスター一体を特殊召喚デキル~ノ!私はデッキから《古代の機械巨竜》を特殊召喚シマス~ノ!」

古代の機械巨竜ATK3000

出やがった…

「さらに二枚目の《歯車街》を発動スル~ノ」

っ!?

「そして永続魔法カード《古代の機械城》を発動。このカードが存在する限り《アンティーク・ギア》と名のついたモンスターの攻撃力は300ポイントアップスル~ノ。さらに歯車街の効果で《アンティーク・ギア》を召喚する時の生け贄は一体少なくナル~ノ。《古代の機械合成獣》を召喚シマス~ノ」

再び現れた歯車の街に機械の城と機械の獣が出現する。

古代の機械巨竜ATK3000→3300

古代の機械合成獣ATK2300→2600

ヤバイヤバイヤバイ!

「再び歯車街を破壊したいところデス~ガ無理ナノ~ネ」

た、助かった…

「先ずはそのコソコソ隠れてるモンスターを排除シマス~ノ。古代の機械合成獣でセットモンスターに攻撃『トライプレシャス・ファング』!」

セットされていたカードがひっくり返り緑色の宝石に彩られた亀が現れる。

ジェムタートルDEF2000

慌てて甲羅に引っ込む亀だが鋼鉄の牙でなす術もなく噛み砕かれる。

「ナカナカ高い守備力デス~ガ、古代の機械合成獣にとっては豆腐の様なモノデス~ノ」

だが、こいつの役目は果たされた!

「ジェムタートルのリバース効果発動!デッキから《ジェムナイト・フュージョン》を手札に加える」

荘太:手札3→4

「何をしようとムダナノ~ネ。古代の機械巨竜でダイレクトアタ~ック『ギアフォースブレス』!」

巨竜の口から放たれる閃光に思わず腕で顔を庇う。

荘太:ライフ4000→700

「ターンエンドデス~ノ」

クロノス:場、古代の機械巨竜ATK3300、古代の機械合成獣ATK2600、古代の機械城(カウンター1)、手札1

「俺のターンドロー」

手札4→5

まだ足りないか…

「魔法カード《手札抹殺》発動。お互いに手札を全て捨て、捨てた枚数分のカードをドローする」

よし、このターンで決着だ!

「ワザワザサーチしたカードを捨ててまで手札交換とはよほど手札が悪かったようデス~ネ」

「いや、最高の手札さ」

「ホワット?なら何で捨てたノ~ネ?」

「手札から墓地に送られて効果を発揮するカードもあるってことさ!手札から墓地に送られた《ジェムナイト・オブシディア》効果発動。このカードが墓地に送られた場合、墓地に存在するレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚できる。《ジェムナイト・ルマリン》特殊召喚!」

黄色の鎧を纏った騎士が現れる。

ジェムナイト・ルマリンDEF1800

それを見た観客の一人が騒ぎだした。

「ジェムナイト!?何であんな奴が持ってるんだ!?」

え?そんなに珍しいのか?何となく隣でふよふよと浮いていたエリアを見てみる。

『あー。荘太は千尋に貰ったから知らないんだっけ、世界に数枚とかじゃないけどそこそこ珍しいカードだよ」

「何でそんなカード姉さんが持ってたんだ?」

『いくつか契約してるスポンサーの内に宝石店があってさ、そこの社員から貰ったんだって』

「それ、もしかして姉さんに使ってほしかったんじゃ…」

『千尋はそういうとこニブイよね』

まったくだ、見た目は良いのにニブイせいで俺が今までどれだけ苦労したことか。

「何をブツブツ言っているのデス~カ」

おっと今はこっちが大事だ。

「墓地に存在する《ジェムナイト・フュージョン》の効果発動!」

「墓地から魔法!?」

「墓地に存在する《ジェムナイト》と名のついたモンスター、オブシディアをゲームから除外することでこのカードを手札に加える。そしてそのまま発動。場のジェムナイト・ルマリンと手札のジェムナイト・サフィアを融合!雷帯びし秘石よ、堅牢なる蒼き意志よ一つとなりて新たな騎士へと生まれ変われ。融合召喚!希望の未来を掴み取れ!《ジェムナイト・パーズ》!」

ジェムナイト・パーズATK1800

ルマリンより濃い黄色の騎士が俺の場に降り立ち、両手の稲妻型のダガーを構える。

「ププププ~。何ナノ~ネその攻撃力は?貧弱にも程が有ル~ノ。融合した意味無いノ~ネ」

「ジェムナイトは攻撃力が低くても仲間との結束によって真の力を発揮する!《ジェムナイト・ガネット》を召喚!」

パーズの隣にオレンジ色の騎士が並び立つ。

ジェムナイト・ガネットATK1900

「ムダナノ~ネ。いくらモンスターを並べたところでどちらも古代の機械合成獣の攻撃力より低いノ~ネ!」

「言った筈だ!ジェムナイトは仲間との結束で力を発揮するって!魔法カード《受け継がれる力》発動。自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送り、

選択したモンスター1体の攻撃力は、エンドフェイズまで墓地に送ったモンスターの攻撃力分アップする。ガネットを墓地に送り、パーズを選択する」

ガネットがオレンジ色の光へと変化し、パーズの体を包む。

ジェムナイト・パーズATK1800→3700

「いくら攻撃力を上げテ~モ、私のライフは無傷!削り切れないノ~ネ!」

「ジェムナイト・パーズで古代の機械合成獣に攻撃『ライトニング・ジェム・スラッシュ』!!」

パーズが機械の獣の懐に潜りダガーで切り裂く。

クロノス:ライフ4000→2900

そして、これからがパーズの本領発揮だ!

「ジェムナイト・パーズの効果発動。このカードが相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、相手ライフにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。『トパーズ・ボルテックス』!」

パーズが地面に突き刺したダガーからクロノスに向かって電撃が奔る。

「アババババババババ!?」

クロノス:ライフ2900→600

「で、ですがこれで「まだ俺のバトルフェイズは終わっちゃいない!」!?」

「ジェムナイト・パーズは一度のバトルフェイズで二回攻撃できる!古代の機械巨竜に攻撃『ライトニング・ジェム・セカンドスラッシュ』!!」

『いっけぇ―――!!』

俺がパーズに指示を出すのと同時にエリアも叫ぶ。

はるか高く、天井近くまで飛び上がったパーズが落下の勢いそのままに巨竜の首を斬り落とす。

クロノス:ライフ600→200

「これで終わりだ!パーズの効果発動。『トパーズ・ボルテックス』!!」

「ペペロンチ~~ノ!?」

謎の奇声をあげて舞台から転げ落ちるクロノス先生。

クロノス:ライフ200→0

「しょ、勝者、受験番号14番!」

審判の宣言と共に会場内がたくさんの声や拍手に包まれた。

「おーい荘太ーー!すっげえかっこいいモンスターだったな!今度は俺とデュエルしようぜ!」

そんなことをのたまう十代に呆れていると、エリアが

『荘太、ナイスファイト。でもデッキが上手く回ったのはわたしの加護があったからだよね』

と、たいして無い胸を張る。

その態度に素直に感謝する気を失った俺は

「俺のデッキ構築力のおかげだろ」

と思っていることと正反対のことを言う。

だが俺は俺の言葉に頬を膨らませるエリアに心の中で少しだけ感謝するのだった。

 

 

 

 

新たな舞台で彼らの物語が始まる。

 

 




こっちに移すために修正してる途中重大なミス発見
十代の手札が途中で使っていないのに減ってる!どうしよう…
そうやクロノス先生《押収》使ってるしもう一枚ハンデスカード使わせたろ!
結果現禁止カード二連発という酷い事態に
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