スターウォーズ クローン・ウォーズ とある戦術ドロイドの一生…?   作:トッキー

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第九話 議長誘拐

パルパティーン議長誘拐の一報が各所に知れ渡る少し前、様々な場所でジェダイは己の力を振るっていた。

 

 

 

 

 

2人のジェダイ・マスターによって、第四区画は完全に戦況が覆ったと言っても過言ではなかった。彼等は己の体術やライトセーバー、更にフォースを駆使しバトル・ドロイドの軍勢を押し返していったのだ。

しかし、バトル・ドロイドの軍勢を次々と破壊する中、彼等には共通の疑問を抱いていた。

 

 

「敵は一体何を考えておるのじゃ?」

 

「ジェダイ聖堂も議事堂も襲わないというのは解せませんな。軍事施設は別として、民間施設すら襲わないとは…」

 

「或いは陽動作戦かも」

 

「本当の目的を隠す為…!?」

 

「「パルパティーン!」」

 

 

分離主義勢力の真の目的に気付いた彼等は、バトル・ドロイドの軍勢を適度に叩き、ウィンドウは真上を飛んでいたLAAT/iガンシップの編隊の内の一機に飛び乗った。

 

 

「ウィンドウ将軍!?」

 

「騎士団に引き返せ!早く!!」

 

「イエス・サー!!」

 

 

ウィンドウを乗せたLAAT/iガンシップは、すぐさまの進路を変更し騎士団に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共和国行政府ビルは行政府アネックス・ドーム等と呼ばれ、元老院地区にある巨大なドーム型ビルの建物は元老院ビルの裏手に位置していた。

そこは窮屈になった元老院ビルの混雑ぶりを解消する目的で作られ、議長の特別室もこのビルの最上階に存在していた。最高議長はそこから忠誠派委員会や元老院議員、ジェダイ最高評議会等のメンバーとの会合を指揮していた。

 

最高議長であるパルパティーンは、市内の各所から響いてくる振動や砲声、更には肉眼で確認できる所まで降下して来ている敵味方双方の艦船、そしてすぐ側の元老院ビルにドロイド軍が接近しつつある中ですら、自身の特別室で優雅に紅茶を飲みながら、まるでギャラクシーズ・オペラ・ハウスで観劇するかの如く、外の戦況の行方を眺めていた。

 

 

「ふむ、やはりアールグレイに限る(プーップーッ)来たか…。どうぞ」

 

 

彼は一瞬ではあるが、紛れも無くシス卿の目で扉に目をやった。

そして三人のジェダイ、シャク・ティ、ロロン・コロブ、ファル・ムダーマに率いられたクローン・トルーパーとセネイト・ガードの一団が特別室に雪崩込んできた。

 

 

「最高議長!今すぐ、シェルターに避難して下さい!!」

 

「だが、まだ戦いは遠いではないか」

 

「お願いです、議長!緊急時の保安マニュアルに従って是非とも…!!」

 

「こんな卑劣な攻撃に、私が怯えると思うか?」

 

 

定められた保安マニュアルに則って、彼等は元老院の人間を避難させながらここまで来た。

当然、最高議長である彼にも同じように安全な地下避難所へ向かうよう勧める。

だが、パルパティーンはまだそこまで緊迫した状況ではないと感じており、そして自身の意志の強さを見せつけるかのように、そう断言した。

 

 

 

 

“………ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン!”

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

その時、特別室に何か不審な音が響き渡った。

砲声とも違うそれは足音のように聞こえたが、何処から聞こえるのか彼等には見当もつかず、しかもその音は段々近づいて来ていた。

 

 

「…はて、何の音だ?」

 

「……!?逃げなくては!早く!!」

 

「…?」

 

 

シャク・ティが、響いてくるその音から彼女自身だけでなく、最高議長の身に何か重大な危険が迫っているのをフォースによって感じる事が出来た。

その事から彼女は議長に避難を勧めたが、彼は相も変わらず気にしない素振りを見せつつ、それに応じようとはしなかった。

そこでふと、今まで響いていた不気味な音が唐突に止んだ。

 

 

「…フゥム、何だ。何ともないわ」

 

 

最高議長はそうつぶやき、安心するような素振りを見せていた。しかし次の瞬間には、その背後にはとある人物が顔を覗かせていた…。

 

 

「議長!!」

 

「ぬぉっ!?」

 

 

窓を突き破り特別室に侵入してきた者とは、独立星系連合のドロイド軍の総司令官を務め、ジェダイからも恐れられているサイボーグ———グリーヴァス将軍であった。

 

ジェダイ・マスターの三人と、クローン・トルーパーとセネイト・ガードの混成部隊はその姿を見て戦慄した。

特にシャク・ティは、惑星ハイポリの戦いにおいて、自分の部下のクローン・トルーパーだけでなくジェダイ・マスターのククラークやター・セイア、そしてジェダイ訓練生のシャア・ギ等を目の前で殺害されている為、彼の戦闘力の高さをよく知っていた。

 

 

「儂のプライベートの住まいに無理矢理押し入りおって…。一体何様のつもりだ!!」

 

「議長、どうかそいつは…!『いいから私に任せなさい!』ぎ、議長!!」

 

「私は銀河共和国最高議長パルパティーンだ!お前らの如きならず者の脅し等に、屈すると思うか!…ウォッ!?」

 

 

だがパルパティーンはそんな事を意に介さないとばかりに、猛然と独立星系連合の将軍に抗議したが、サイボーグ将軍が掴み上げる直前に痺れを切らしたシャク・ティがフォースを使い、議長をグリーヴァスから引き離す事に成功した。

 

 

「安全な場所にお連れして…!!」

 

 

彼女が特別室から退避すると即座にクローン・トルーパーとセネイト・ガードの混成部隊が展開し、グリーヴァスに攻撃を開始した。

しかし、ジェダイ・マスターでさえ手を焼く敵を混成部隊がどうにか出来るものだろうか。

 

答えは「否」である。

 

発砲を開始した混成部隊は、即座にグリーヴァスの反撃を受ける事となった。

ある者はライトセーバーの斬撃を、ある者は外に放り出され、ある者は盾代わりにされた後に壁に叩きつけられ死亡した。

 

 

そこに存在するものは「死」しかなかった。

 

 

だが彼等は共和国の、ひいては議長を護衛する為に組織されている部隊でもあったのだ。彼等にとっては、議長の為に時間稼ぎする事でさえ名誉なものだったのだ。

…例え、それが後世において「犬死に」と呼ばれるような行為であっても。

 

 

 

特別室で戦闘が行われている隙に、ジェダイ・マスターと僅かばかりの護衛を伴った一行は議長を逃がすべくエレベーターに向かっていた。

 

彼等はすぐにそこに辿り着いたが、最悪な事にすぐにはエレベーターが来なかった。

 

そして一行がエレベーターを待っていると、パルパティーンの部屋から聞こえていた戦いの音が唐突に止んだ。

彼等は不安を抱きながら、ロロン・コロブに至っては苛立ちから何度もエレベーターのボタンを押した。

 

 

そうしている時、突然グリーヴァスがドアを破って飛び出してきた。

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 

そしてその背後に見える光景は、地獄絵図と言っても可笑しくはなかった。

 

足止めの為に展開した部隊は、一人残らずグリーヴァスの手に掛かりその命を絶たれていたのだ。

それは最早、虐殺と言っても過言ではなかった。

 

彼等はその惨状を目にし、一瞬の間呆然としたがグリーヴァスはその隙を突いて突撃して来たのだ。

 

すぐさまロロン・コロブやファル・ムダーマがフォースによる攻撃を開始したが、これを難なく回避する事に成功したが、シャク・ティが回避のタイミングを読みフォースの直撃を食らわせる事に成功した。

 

そこへ丁度エレベーターが来て、彼等はすぐさま乗り込んでいった。

だがそれでも彼を仕留めるに至らず、すぐに復活し前進を止める事をしなかった。

 

そこでロロン・コロブは、自身の生まれながらにして備わっている特色を生かし、この恐るべきサイボーグ将軍に攻撃を敢行した。

 

 

「ヴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……………………!!!!!!!!!」

 

 

なんと彼の喉から発せられたフォースの衝撃波が天井を崩壊させ、僅かばかりだが将軍の突撃を食い止める事に成功したのだ。

 

そうしてエレベーターが動き出し、彼等はその場から何とか離れる事に成功した。

グリーヴァスの手から逃れる事に成功した一行は、エレベーターの中で一息ついていた。

 

 

「彼のあの技は何なのかね?」

 

「イソーリアンの彼は、非常に強力な4つの喉を持っていてそこから発する音を武器にしているんです」

 

「成程…道理で強力な訳だ」

 

 

パルパティーンは、先程のロロン・コロブの喉から発せられた衝撃波に耳を塞いで耐えていたが、それでもその全ての音を防いだ訳ではない。

余程堪えたのだろう。事実、彼はシャク・ティの説明を聞きつつも耳をマッサージしていた。

 

暫くしてエレベーターが展望区画に入ると、あちこちで火の手が上がり、煙が登っているコルサント市内の光景が見て取れたが、それよりも更なる衝撃的なものが彼等の目に飛び込んできた。

 

 

 

なんと先程攻撃を受けたグリーヴァスが、エレベーターのカプセルと並んでビルの側面を駆け下りていたのだ。

大胆にも、デュラスチール製のプレートに覆われた顔を彼等の方を向けている。

 

もしこのサイボーグ将軍の表情が読み取れるのならば、彼はきっと余裕の笑みを浮かべていた事だろう。

 

すぐにジェダイ達は議長を守るように前に立ち、クローン・トルーパーの一人がこのサイボーグ将軍に向けてロケット・ランチャーを発射した。

そして彼等の目の前で爆発が起きたが、カプセルに充満した煙が晴れるとグリーヴァスの姿は消えていた。

彼等の心の中には、様々な思いが過ぎていった。

至近距離でロケット・ランチャーを食らったら、いくらジェダイ・キラーとして名高いグリーヴァスとは言えただでは済まない事は明白であった。

 

しかし、もし無事であったならば…。

彼等のそのような思いを余所に、エレベーターは地上レベルに到着した。

 

 

「早く、船の所へ…っ!?」

 

 

だがそこで彼等の目の前に現れたのは、無数のB2スーパー・バトル・ドロイドとドロイディカからなる軍団が待機していたのだ。

やがてグリーヴァスが最前列に降り立ち、命令を下すと配下の軍勢は前進を開始した。

 

 

「手間取らせたな、ジェダイが。かかれ!!」

 

 

しかしその進行を阻もうと、コロブはすぐさま最高議長の前に立ち、再び衝撃波を発した。

 

 

「ヴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ……………………!!!!!!!!!」

 

 

衝撃波によって大半のドロイドが吹き飛んだが、グリーヴァスは体を幾分か変形させ、更に足の鍵爪を使って踏みとどまり、ゆっくりと彼らに向かって前進してきたのだった。

ファル・ムダーマがパルパティーンを抱え、ジェダイ達はクローン・トルーパーと共に逃走を開始した。

 

 

「トルーパー、至急増援を呼んで!」

 

「駄目です!妨害電波で、交信不能!助けは来ません!!」

 

「何て事…!!」

 

 

すると突然、彼らの前に2体のIG-100マグナガードが現れた。

このバトル・ドロイドは、ドゥークー伯爵がグリーヴァス将軍の望む通りの最先端ドロイド戦士を開発するべく、インターギャラクティック銀行グループの出資会社、ホロワン・メカニカルズ社を設立させた。その中で数々のバトル・ドロイドを試作し、その最終結果となったものが、この自発式実践型プログラム戦闘ドロイドのプロトタイプとなるIG-100だった。

 

このバトル・ドロイドは、数多くの戦いの中で失敗を通じて技術を向上させていた。その戦いの中には、当然ジェダイとの戦闘も含まれている。

 

 

ジェダイとパルパティーンはこのドロイドのエレクトロスタッフを避ける事が出来たが、クローン・トルーパー達はそうは行かず、無残にもこの戦闘ドロイドの犠牲となってしまった。

パルパティーンを護衛するジェダイ達は、プラットフォームからプラットフォームへとコルサント中を飛び渡り、グリーヴァス率いるマグナガード達もそのすぐ後を追っていた。

 

彼らは浮遊バージに着地したが、その直後に2体のマグナガードが降り立ってきた。

 

 

「マズイッ…!」

 

 

そして浮遊バージの狭い足場の上で、彼等はライトセーバーを、そしてバトル・ドロイドはエレクトロスタッフを互いに相手に必殺の一撃を入れるべく振るっていたが、共に隙がなく、拮抗していた。

 

その中で新たに現れた一体が、ファル・ムダーマのフォースによって浮遊バージから落された。しかしこのドロイドはすぐに腕のワイヤーを伸ばし、何とか市内に落下するのを防いでいた。

 

またその直後に姿を現したのは、2体のマグナガードを率いるグリーヴァスだった。彼は浮遊バージの両方のリパルサーリフト・ジェネレーターを破壊した為、ホログラムの広告にぶつかりながら地下鉄の駅付近に墜落した。

 

彼等は駅に逃げ込み、高速に移動する列車の間を縫いながらも懸命にライトセーバーを振るった。それは列車が通過する度に死にかけながらも、プラットフォームで、そして線路上でマグナガードと戦った。

やがてシャク・ティが1体のドロイドをバラバラにし、もう1体をフォースで列車に叩きつける事で倒し、コロブが議長を抱えていたファル・ムダーマを助ける事で、もう1体を破壊する事に成功した。

 

 

「なんと、見事な働き!マスター・ヨーダもきっと…」

 

「急がないと。敵がすぐそこに…っ!!」

 

 

なんとまたも今しがた通過したばかりの列車から、恐るべきサイボーグ将軍が姿を表した。

グリーヴァスは2本のライトセーバーを巧みに使いこなし、ジェダイ達をトンネルへと後退させていった。

そしてコロブとムダーマを蹴り飛ばし、シャク・ティとパルパティーンを壁際に追い詰めたのだ。

 

 

「ここまでだ。よく戦ったが、貴様らのその働き全てが無駄であった!…さぁジェダイよ、準備は良いか?あの世へ、旅立ってもらおう!!」

 

「それはどうかしら?」

 

「何?ぬ、ぬあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………!!!?」

 

 

なんと彼女はフォースを使い、油断していた将軍のマントを列車のパイプに巻きつけたのだ。そして彼女が列車を発車させると、グリーヴァスはトンネルへと引っ張られていったのだった。

 

 

「はぁ、はぁ…」

 

「流石じゃな、マスター・ジェダイ!」

 

「…まずい!早くこちらに!!」

 

 

グリーヴァスを退けたものの、彼等の目の前にはサイボーグ将軍の配下のマグナガード達が迫っていたのだ。

そうして彼等は近くの窓を壊し、駅から脱出していったのである。

 

 

 

一方、電車に引き摺られていったグリーヴァスはマントを破る事で何とか現状を打破する事に成功したが、引き摺られている内に何時の間にか外に出てしまっていた。

彼はジェダイに対し怒りを炎のように燃やしていたが、どのように追いつくか考えていた時、頭上に一機のリパブリック・ガンシップが飛び去ろうとしていた。

 

 

「ふん、丁度いい…」

 

 

彼は即座にこのガンシップに飛び移っていった。

 

 

「な、何だ…ぐあああっ!!」

 

「こ、こいつ…ギャアアア!!」

 

「司令部!きゅ、救援を…や、止めろ!止めてくれ!!うああああっ!!!」

 

 

グリーヴァスは瞬時にリパブリック・ガンシップを瞬時に奪い取り、パルパティーンを追いかける事を決めたのだ。

哀れにもガンシップの乗員だったクローン達は、その屍をコルサントの空へと散らしたのだった。

 

「これで良い。…TO-KK1、聞こえるか!」

 

『ハイ、閣下。聞コエマス』

 

「あと少ししたら、儂は軌道上の船に戻る!それまで貴様の艦隊は、脱出する儂の船を援護していろ!!」

 

『ハッ!?シ、シカシ閣下、<インヴィジブル・ハンド>ハ大気圏外ギリギリノ所マデ降下シテイマス。今我々モ降下スレバ、被害ハ更ニ拡大シテシマイマス。ソレニ閣下ノ船ニモ、護衛ノ艦隊ガイル筈デスガ…』

 

「つべこべ言わずに、貴様は言われた事をすればいいのだ!分かったな!!」

 

『ハ、ハイ閣下…』

 

「以上だ!!通信終わり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方的に通信を切ったグリーヴァスは、パルパティーンを追いかけるべくガンシップを飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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