スターウォーズ クローン・ウォーズ とある戦術ドロイドの一生…?   作:トッキー

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皆様お待たせしました。

ようやく書けた・・・。


第十四話 不穏

 惑星ウータパウにある竪穴のいくつかに、バトル・ドロイド達に護衛された独立星系連合の経営幹部首脳陣は集まっていた。

 その中にはヌート・ガンレイはもちろん、それに伴う副官のルーン・ハーコ、そして改修を終えたばかりのTO-KK1の姿もあった。

 半壊寸前までなっていたこの戦術ドロイドは、部品の欠乏などの理由から、様々なパーツが使われていた。

 

 壊れた片目の光受信機はマグナガードの物が使われ、両腕には本来ならば存在しない機器が組み込まれていた。

 左腕には、様々な車両――果ては宇宙船まで――を操作するのに必要な端末が、右腕には隠蔽式の小型ブラスターと、小型のグレネード発射機が組み込まれていた。

 また上半身と背中には、グリーヴァス専属の医師である、EV-A4-D――通称 ”ドクター”――と似たような機械の腕が、いくつか取り付けられていたのだ。この腕の一つには、小型レーザーが搭載され、いざという時には武器にもなる代物である。

 

 改修を受けたその姿は、パッセル・アージェンテの下で働いていた‘‘ドクター’’―――EV-A4-Dとは異なり、Tシリーズ戦術ドロイドの派生型のドロイド―――に似通った姿になっている。

 

 そしてその多くの機械の腕には、各地の戦況を知らせる端末や、携帯式ホログラフが握られていた。

 通商連合のトップであるヌート・ガンレイは、顔色を悪くしながら、修復を終えた戦術ドロイドに戦況を訪ねていた。

 

 

「TO-KK1、戦況はどうなっているか?」

「ハッ、L-72星系方面ニ展開シテイル艦隊カラノ報告デハ、地上部隊ニ大キナ被害ガ出テイマス。H-58方面ニ展開サセタ艦隊カラ支援艦隊ノ要請ガアリマス。ソレニフェルーシアヤ、マイギートー、サルーカマイヤキャッシークニ展開シテイル部隊カラモ、至急増援ヲ送ルヨウニトノ連絡モ」

「・・・もういい。分かったから、その口を閉じていろ」

「ハッ、デスガ・・・」

「わしは、黙れと、言ったはずだぞ」

「失礼シマシタ。総督」

「・・・増援が必要な場所には、望むものを出来るだけ早急に送れ。出し惜しみはするな」

「ヨロシイノデスカ?」

「構わん」

 

 

 ニモイディアンの総督は、言葉を一度切り続けた。

 

 

「今部隊が展開している場所は、どこも必要なところばかりだ。下手に渋って、負けたとなれば我々は今度こそおしまいだ。もう一度言う、出し惜しみはするな。負けは許されんのだ。ありったけの戦力を投入しろ!分かったな?」

「承知シマシタ」

 

 

 ヌート・ガンレイの命令を受け、新たに命令を出そうとした戦術ドロイドに、バトル・ドロイドからの報告が上がった。

 

 

「司令官。ネクサスルートの艦隊からの報告がありました。『予定通り進行中。まもなく指定箇所に到達予定』とのことです」

「・・・分カッタ。ナラバ、指示シタ予定時刻ニ行動ヲ開始サセロ」

「ラジャー、ラジャー」

 

 

 

 通商連合の総督や、部下の戦術ドロイドが指示を出す間、プラットフォームを降りてきた首脳陣の何人かは、周囲や階下を眺めていた。

 

 そこには、共和国に悟られないように集められた、何千ものバトル・ドロイドの軍勢が存在していた。

 後々この軍勢によって、共和国軍はこの惑星における戦闘で、大いに苦戦する事になる。しかし、今それを知るものはいない。

 

 だがそれらの軍勢を見ても、彼らの表情は曇ったままである。

 

 それはそうだろう。

 今この瞬間、彼らの影響下にある惑星の多くでは、彼らを守るべき軍隊のほとんどが、共和国軍との激闘が繰り広げているのだ。

 さらにはコルサントの奇襲失敗を受け、軍事バランスが崩れ始めてきている。

 

 秘匿工場のほとんどが、フル稼働で戦力を生み出している。だがそれでも戦線を押し戻すほどには至っていない。

 さらには輸送艦艇や、その護衛部隊も新たに生み出さなければならなかったのだ。

 

 コルサント急襲で、多大な戦果を上げたあのオルトラント級バトルシップでさえも、生産が追いついていないのが現状だった。

 実はこの戦艦一隻を建造する間に、ルクレハルク級バトルシップが2~3隻ほど建造できる。

 

 とてもではないが、既存のルクレハルク級シップ全艦を改装する時間もない。

 この新型戦艦の多くは編成を解かれ、今ではそれぞれの激戦区において、司令船として機能している。

 

 

 ちょうどそこに、シス・マスターであるシディアス卿との通信を終えたグリーヴァスが入ってきた。

 このサイボーグ将軍は、今度はどんな指示を持ってきたのか、その場にいた者の多くは緊張の面持ちであった。

 

 

 

 

 

 

 

 分離主義の襲撃を受けながらも、コルサントは徐々に、そして確実に復興しつつあった。

 その数多くの建造物の一つであるコンパートメントの中で、アナキンは窓の外に流れる流星やクルーザー、時には共和国軍の軍用機を眺め、佇んでいた。

 

 彼はここ数日の出来事を、思い返していた。

 

 

 まず姿を消した独立星系連合の実質的なリーダーだった男のこと。

 あの時の彼は、もはや敵ではなく、ただの老人だった。

 

 彼をあの時殺さなくてよかった。

 

 いや、敵だ。何故自分はあの時殺さなかったのか。行方不明とはいえ、いつまでも野放しでは、平和は訪れない。

 だが・・・。

 

 

 それに評議会のこともある。

 確かに、今の自分の若さで評議会のメンバーになったことは前例がないだろう。

 だが同時に、マスターではないということについても、前例がない。

 いかに評議会のメンバーになったからとて、恐らく評議の場では発言する権利はあったとしても、到底聞き入れてもらえないのではないのか。

 

 

 師であるオビワンに近づくため、シス卿を打ち倒すため、共和国のため。

 マスターではないことに、若きジェダイはこれまでの苦労を、まるで全てなかったようにされる感覚を覚えた。

 

 しかし同時に、何故か心のどこかでマスターではないということに、安堵する自分もいた。

 

 

 それと同時に愛しき人―――パドメを考えた。

 

 

 一時ほどではないが、時たま視るあの悪夢では、パドメはひどく苦しんでいた。

 だが最近では、双子の赤ん坊を抱き、自身を笑顔で見つめる。

 そして決まって最後には、母の安心させる笑顔があった。

 

 “大丈夫よ、アニー”

 

 そう呟くと同時に目が覚める。

 

 

 だが一抹の不安から、この夢のことをヨーダに尋ねてみた。

 

 

「予兆じゃと?予兆とな。おぬしの見たものは・・・」

「最初の頃は、苦悩と苦痛。そして、死でした」

「それは、おぬし自身のことを言っておるのか、それとも・・・他の誰かか?」

「他の、誰かでした」

「親しい者か?」

「・・・はい。ですが」

「どうした?」

「この頃は、安定した未来が見えることが多くなっています。その人が幸せそうに笑い、そして最後に、行方不明になっている母が出てきて『大丈夫』だと、僕に言い聞かせてくれます」

「ふうむ、それは・・・ひとつの予知夢じゃ。おぬしの身の振り方で、その幸福にも、そして破滅にもなりかねん。じゃが、注意せねばならんぞ。未来を感じるときはな、アナキン。喪失への恐れは、ダークサイドへと至る道なのじゃ」

「悪夢の方を、嫌な予見を実現させるわけには、決していきません。マスター・ヨーダ」

「・・・じゃがのう、アナキン。死はあらゆる者の定めなのじゃ。隣人たちが、フォースと一体となることを、喜ばねばいけないのじゃ。悲しんではならん、寂しがってはならん。フォースと共になることを、喜んで送り出さねばならんのじゃ。執着は嫉妬へと通じる。欲望の影じゃ、それはな」

「僕はどうしたらいいんです、マスター・ヨーダ?」

「あらゆる者を送り出さねばならんのは、辛いものじゃ。生きとし生きるものは、それを絶えず見送らねばならん。じゃがの、アナキン。そうならないためにも、己を鍛えるのじゃ・・・失いたくないものすべてを送り出すためにな」

 

 

 最初これを聞いた時、マスター・ヨーダは何かを隠していると感じた。自分に、フォースに隠された何かを知られたくがないために、このようなことを言うのだと、そう考えていた。

 だがそれだけではないだろう。

 でも・・・。

 

 

「僕は・・・どうすれば」

 

 

 

 

 彼はいつの間にかうずくまり、義手は、今まで掴んでいた手すりの一部を粉々にしていた。

 

 

 

 

 

 

 

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