スターウォーズ クローン・ウォーズ とある戦術ドロイドの一生…? 作:トッキー
前世では大学生だった彼は、ふと今の自分の地位等を考えてみた。
スターウォーズ世界に転生してから思い出した事でもあるが、戦術ドロイドとは予想以上に高い地位にいる事が多い。
その最たる例が、提督や将軍、そして他の経営首脳陣の補佐や、作戦の内容等によっては艦隊戦や陸上戦とかの指揮を任される事等である。
しかし転生した彼は、生まれてから―――つまりこの世界で製造されてから―――一度も前線に立った事は無かった。
その代わりとして、今まで後方で色々な仕事に就いていた。
将軍や提督達の事務等の補佐は勿論の事、捕虜の尋問や新兵器の開発・実験の補佐等、多岐に渡る内容をこなす事で前線指揮等の厄介事から離れようとしていたのである。
そしてドロイドとして転生した彼は、平和な時代の人間の名残からか、尋問も拷問等せず、普通に誘導尋問や催眠療法、場合によっては自白剤で対処している。
そしてそれは図らずも、ハト派の経営幹部達から高評価を得ていた。
だが新兵器の開発・実験というのが厄介な問題でもあった。
その新兵器とは、あのデフォリエーターや悪名高いブルー・シャドウ・ウイルス、そして初代デス・スターだったのである。
いずれも忌みすべき兵器であり、拒否しようとも考えたが、時代がそれを許さなかった。
そしてそれ等の兵器を熱望したロック・ダード将軍やヌーヴォ・ヴィンディ博士といった人物も、ろくでもない人物達であったが、ある意味では彼等も戦争の被害者と言えなくもないだろう。
だが彼は、それ等兵器の設計技師の一人として名を連ねてしまっている事に、危機感を抱き始めていた。
特にデス・スターの開発等、本来は戦術ドロイドが関わる仕事ではない。しかし長引く戦争によって技術者が死亡、もしくは共和国等の反分離主義組織へと亡命する者が少なからずいた為に、急場をしのぐ形で彼が配属されたのである。
また彼は、自分の行動が分離主義勢力のリーダー達の機嫌を損ねないか、危惧していた。
それは少しでもおかしな行動をすれば、口封じの為のスクラップや共和国のスパイ扱いで、溶鉱炉に意識があるまま叩き込まれる可能性を考えていたからである。
そうして表舞台に立たないように与えられた仕事をこなしていく内に、逆に物語りに深く関わってしまっている事に気が付いたのである。
皮肉にも、身の安全を考えた結果が逆に共和国に目をつけられる事になっており、人知れず頭を抱える結果になってしまったのだ。
だがそんな中、クローン戦争の終わりも見え始めてきた中で、彼は分離主義勢力の本部で過ごしていたら、グリーヴァス将軍から突然召集がかかったのである。
解体されるのかと危ぶんだが、それは「次の作戦に貴様も参加せよ」との命令だった。初陣という事もあり、どのような簡単な命令なのかと楽観的に構えていたら、与えられた作戦はとんでもない内容のものであった。