スターウォーズ クローン・ウォーズ とある戦術ドロイドの一生…?   作:トッキー

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ほんの少し修正しました。


第三話 コルサント上空

 「司令官!ハイパースペース抜けます!」

 

 艦長のその報告の直後に、全艦がハイパースペースを無事に抜け、リアルスペースに現れた。

 これが混戦の最中だったらと考えた時、、TO-KK1は感じるはずのない背中に、思わず埋めたいものを感じていた。

 もしこれが混戦の最中だったならば、ハイパースペースを抜けた後に、戦艦通しが正面衝突という事も十分に考えられるからである。

 

 敵の艦にぶつかるならまだしも、味方の艦にぶつかる事は、悪夢以外の何物でもないだろう。

 

 

 TO-KK1が率いている艦隊は、先発隊の内に入っていた為にそのような事は起きるはずもなく、また同時に共和国側の意表をつく事も出来た。

 相手側が驚き、戸惑っている隙に部隊を上陸させる。

 

 

 「艦長。マズ、ハイエナ・ボマーデ上陸地点及ビソノ周辺ヲ爆撃シ、露払イヲシロ。ソノ後、直チニ全テノ上陸部隊ヲコルサントニ向ケテ進撃サセルンダ。アト全ヴァルチャー・ドロイドノ三割、イヤ半数ヲ護衛トシテ送リ込ムヨウ命令シロ」

 「ラジャー、ラジャー!全部隊に告ぐ、全部隊に告ぐ!!ハイエナ・ボマーは上陸地点及びその周辺を爆撃せよ!その後直ちに上陸部隊はコルサントへ向けて、上陸を開始せよ!!繰り返す、ハイエナ・ボマーは上陸地点及びその周辺を爆撃し、その後直ちに上陸部隊はコルサントへ向けて、上陸を開始せよ!また、ヴァルチャー・ドロイドの半数は護衛として出撃せよ!」

 

 こうしてTO-KK1は、首都コルサントに向かっていく上陸部隊が送り出されていくのを眺めていた。

 しかしその直後に、彼は自分が命令し忘れていた事を一つ思い出し、慌てて艦長に命令した。

 

 

 「アァソウダ、艦長。今回ノ作戦ハ陽動作戦デモアル。民間区画ヤ公共施設、退却スル敵、及ビ敵ノ負傷兵ニハ攻撃スルナト、全部隊ニ厳命シロ。場合ニヨッテハ、降伏モ呼ビ掛ケロ。余計ナ戦イハシナクテモ構ワン」

 「ラジャー、ラジャー。…あー、でも司令官。もし民間区画に敵がいて、攻撃してきたらどうしますか?あと負傷兵なんかも攻撃してくると思いますが…」

 「ソレデモダ!タトエ民間区画ニ敵ガイタトシテモ、攻撃シテハナラン!負傷兵ニモ関シテモ同様ダ!トニカク、コレハ命令ダ!!」

 「ラ、ラジャー、ラジャー!全部隊に告ぐ、全部隊に告ぐ!!今回の作戦は陽動作戦でもある。民間区画や公共施設、退却する敵、及び敵の負傷兵には攻撃するな!場合によっては、降伏も呼び掛けろ!余計な戦いはしなくて良い!繰り返す、今回の作戦は…」

 

 慌てて艦長が命令を飛ばしているのを聞いて、大規模な改良を施された戦艦にいた戦術ドロイドは、心の底で安堵していた。

 

 

 

 

 今回の作戦は敵首都への侵攻、及び首脳の誘拐だったが、それは暗に民間人にも被害が出る事を意味している。そうならない為に、今回の上陸部隊の集結地点を民間区画から程遠い場所に指定していた。

 

 つまりは敵部隊の目の前で部隊を上陸させる訳である。双方の被害も相当なものになる事が容易に見て取れるが、民間人に被害を出させない為にも、仕方が無いと割り切るしかなかった。

 

 負傷兵に関しても、攻撃出来ず苦しむ相手を撃つといった真似は、元日本人の彼には許せる問題ではなかった。

 もしそうなってしまえば、もう戦争とは関係なく単なる虐殺でしかなくなるからである。

 

 

 矛盾している事は分かっていた。

 

 けれどもドロイドという歯車として攻撃を命令されている以上、命令に逆らう事は許されない。こうなってしまった以上、現場レベルで命令を改変するしかないのである。

 

 どんなに民間人に被害を出させなくしても、その行動はグリーヴァスとあまり変りない。「偽善」と呼ばれるかもしれない。だが、そうなる事は覚悟の上である。

 

 

 

 

 TO-KK1がそのような事を考えていた時、突然轟音が響き艦全体が揺れた。彼と他のドロイド達も大きく揺さぶられたが、踏み留まる事が出来たのは不幸中の幸いであった。

 

 「司令官!敵艦からの攻撃です!」

 「分カッテイル!艦長、被害ハドウダ?」

 「被害は、あー…。どうも流れ弾だったらしく、被害はありません」

 「ソウカ。今ノ攻撃ハ、ドノ艦カラノダ?」

 「ええと…。分かりました!攻撃してきたのはあの艦隊です!!」

 

 

 艦長が示した先、つまり左前方には二隻のヴェネター級スター・デストロイヤーに、三隻のアクラメーター級アサルト・シップからなる計五隻の艦隊があった。

 

 このパトロール艦の他にも、周囲には多く味方の艦がいる筈である。

 しかし、いきなり目の前で敵艦が現れ部隊を上陸させているのを見て、慌てて編成した事は一目瞭然であった。

 

 

 ヴェネター級スター・デストロイヤーが脅威である事は、疑いようがない。

 

 しかしアクラメーター級アサルト・シップは大型艦船を攻撃する為の装備を持ってはいるが、本来この艦は惑星への攻撃が目的だった。艦隊戦用の武器もそれ程の精度を持っておらず、砲塔の向きを変えるにも数分間の時間が必要となる。

 その僅かな時間が、致命的な結果を生み出す事が容易に知れる為、些か役不足の感もある。

 

 だがその攻撃力は無視する事も出来ず、馬鹿には出来ない。

 

 

 この戦術ドロイドが率いている艦隊は、旗艦<ワーカージ・ボエズ>を始め、プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーが5隻、ミューニフィセント級スター・フリゲートが3隻、レキュザント級ライト・デストロイヤーが1隻、ルクレハルク級バトルシップが2隻の、計12隻からなる堂々たる艦隊であった。

 

 これだけ見れば簡単に勝てると思うかもしれないが、ここはコルサント上空であり、敵の首都防衛艦隊が編成を整えたら、攻撃してくる事はまず間違いない。

 

 しかし敵が編成を整え攻撃して来たとしても、こちらも続々と艦隊が到着する手筈になっている。そうなれば、混戦は必至であった。

 

 TO-KK1は今更ながらに、先発隊の中に入っていた事に感謝していた。

 

 

 「司令官、敵艦隊が攻撃を始めました!」

 「分カッテイル!全艦シールド展開!全砲門、敵艦隊ニ照準ヲ合ワセロ!」

 「ラジャー、ラジャー!」

 

 

 こうしている間にも、敵艦隊は砲撃を続けて来ているが、遠すぎるのか、もしくは敵の艦長が新米で慌てているのか、さっきの一弾以来全く当たっていない。

 しかしただ撃たれ続けるというのも納得はいかない。

 

 

 「司令官!全艦シールド展開、完了しました!また全砲門、射撃準備完了致しました!」

 

 

 艦長の報告を受け、戦術ドロイドの覚悟は決まった。

 

 

 「目標、左前方ノ敵艦隊!全艦、撃チ方始メ!!」

 「ラジャー、ラジャー!!」

 

 

 

 

 

 こうして、コルサント上空における戦いが、今まさに幕を切って落とされたのである。

 

 

 

 

 

 

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