スターウォーズ クローン・ウォーズ とある戦術ドロイドの一生…?   作:トッキー

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第七話 それぞれの戦い

ジェダイ・マスターであるヨーダは、この日ジェダイ聖堂の自室で瞑想をしていたが、突然激しい衝撃に見舞われ、彼はその瞑想を中断する事となった。

 

そして彼はフォースで窓のブラインドを上げたが、そこには本来であるならばあり得ない光景が広がっていた。

 

窓の外には本来は民間のスピーダーやそれに混じった共和国軍のガンシップ等が飛んでいる筈である。しかし今はヴァルチャー・ドロイドやトライ・ファイター、それに混じった少数のハイエナ・ボマーや、戦車や大型兵員トランスポートを満載したC-9979上陸艇からなる大規模な独立星系連合の大編隊で溢れていたのである。

 

 

「こ、これは…!?」

 

「マスター・ヨーダ、敵の攻撃です!!」

 

「街を守るんじゃ!!」

 

 

丁度そこにメイス・ウィンドゥがヨーダの部屋に駆け込み、コルサントが攻撃されている事を告げ、ヨーダはすぐにウィンドウに命令を下し、自身も戦いの最中に身を投じていった。

 

その間にも、独立星系連合の上陸艇は次々と着陸し、バトル・ドロイドとAATの大軍が次々と都市の大通りへ送り出され、オクタプタラ・コンバット・トライ=ドロイドはその自身の体を上下させながらレーザーを吐き散らしていた。

 

 

 

 

 

一方その頃、共和国の戦闘機の格納庫にやって来たウィンドウに、セイシー・ティンが現状を伝えていた。

 

 

「マスター・ウィンドウ!!新手が次々とハイパー・スペースから出てきています!応援を送らないと、支えきれません!!」

 

「分かった!急ごう!!」

 

 

そうして2人のジェダイはそれぞれの戦闘機に乗り込み、

『フォースと共にあれ!!』

 

『あなたも!!』

通信機越しではあるが、互いの無事を祈るようにそう言い、戦場へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

その時地上では、ヘイルファイヤー・ドロイドが無差別にミサイルをあちこちに撃ち込んでいた。

この巨大な車輪型ホイールを持つ殺戮兵器は知る由もなかったが、その内の一発がパドメ・アミダラのアパートのあるビルを直撃したのである。

 

その攻撃を目の当たりにしていたC-3POがパニック状態に陥り、それを脇目にグレガー・タイフォ隊長がパドメを避難させようとしていた。

 

 

「あああぁぁぁぁ!敵の攻撃です、お助けを!!」

 

「議員、安全な場所に早く!!」

 

「いいえ、住民の避難が先です!皆を早くシェルターに!!」

 

「はい!!」

 

「信じられません、ドロイドがこんな事を!?まったくアイツらのプログラマーに問いただしてやらないと『さぁ早く、いらっしゃい!!』あぁぁああ!!!」

 

 

 

 

 

C-3POがパドメに連れられていった丁度その時、ウィンドウが乗ったイータ2・アクティス級ライト・インターセプターがそのビルのすぐ側を通過していった。

彼はその類稀な操縦技術によって、都市上空を飛び行く手を遮る何十体ものドロイド・スターファイターを破壊していった。

 

しかし、建物の隙間を利用しトライ・ファイターの編隊を振り切った次の瞬間、彼の戦闘機はヴァルチャー・ドロイドとトライ・ファイターとの大編隊の中に突入してしまい、両翼をバラバラに引き裂かれてしまったのである。

 

制御不能に陥り、墜落していく戦闘機から脱出した彼は、暫く自由落下した後偶然その下を飛んでいたヴァルチャー・ドロイドの上に飛び乗り、ライトセイバーでそのドロイドの頭部を切り裂くとおもむろに中の配線を掴んだ。

その間にドロイドは墜落していき、地面にぶつかるか否かという危機敵状況で、何とか彼のフォースによって戦闘機が言う事を聞くようになった。

 

彼は敵戦闘機を駆ってコルサントの空を飛んだ。

 

 

その時、3機のドロイド・トライ・ファイターに追い掛け回されている一機のARC-170スターファイターが目に入った。

彼はすぐに、そのスターファイターの助けに向かった。

 

 

「ケツに三機付かれた!…いや、四機!!」

 

「撃ち落せ!!」

 

 

しかし、彼等からすれば敵機が一機増えたように見えた為、そのスターファイターの後部銃座は狂ったように射撃を開始した。

 

だが彼はそれを気にもせず、共和国のファイターを追い掛け回していたトライ・ファイターをライトセイバーで切り裂き、ARC-170スターファイターの3人のクローン・パイロットを驚かせたのだった。

 

 

「良い腕だ!」

 

「い、いや…俺じゃないぞ?」

 

「何?ってウ、ウィンドウ将軍!?」

 

「え!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

離れ技を見せたジェダイ・マスターはその驚くパイロット達を尻目に、別の戦場へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイシー・ティンは、戦闘機中隊を率いてコルサントの大気圏外へ飛び出していった。

 

そこで彼が見たものは、何百隻もの独立星系連合の戦艦や共和国のヴェネター級スター・デストロイヤー、そして両軍のファイターが入り乱れ、その一つ一つが互いに高威力のレーザーを撃ちまくっている模様であった。

 

 

今また、一隻のプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーがハイパー・スペースから飛び出してきたが、運悪くその目の前にはヴェネター級スター・デストロイヤーが航行していた為に、その土手っ腹に突っ込んでしまった。

スター・デストロイヤーは衝突によって船体を真っ二つにして沈没したが、プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤーは艦橋及び艦首を大破したにも関わらず、何故か機関が停止せずに、迷走を始めてしまっていた。

 

彼は丁度出撃したばかりの戦闘機隊とすれ違いように、右舷を大きく損傷した一隻のスター・デストロイヤー<インパヴィッド>に着艦した。

 

 

「テ、ティン将軍!何故こちらに!?」

 

「状況はどうなっている!?」

 

「ハッ、右舷をやられました!!なんとか航行はしていますが、被害は甚大で脱出するしかありません!!」

 

「何…だったら新しい船を手に入れるさ」

 

「はっ!?」

 

「とにかく、今すぐ部隊を集め、左舷デッキに集結させろ!」

 

「イ、イエス・サー!!」

 

 

暫くして、ティンが乗ったスター・デストロイヤー<インパヴィッド>は一隻のプロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー<プロスペラス>と砲火を交えながら、すれ違おうとしていた。

彼等は知る由もなかったが、この艦もまたTO-KK1の率いる艦隊に合流しようとしている真っ最中だった。

 

そしてティンは自身の専用の呼吸器を身に付け、左舷デッキに集結したクローン兵と共に集結し、出撃しようとしていた。

 

 

「乗船用意!!」

 

『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『ハッ!!』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』

 

 

すぐにデッキの扉が開き、その目の前には敵艦の巨大な艦影が姿を表した。

 

 

「かかれ!!」

 

 

そうして彼等はティンを先頭に、すれ違いながらも<プロスペラス>に次々と取り付いていった。

 

 

すぐさま多くのターボ・レーザー砲塔が、照準を艦に取り付いてくる敵兵士に定め、艦体が傷つく事も構わず発砲を開始した。

クローン達は物陰に身を伏せながら、その砲塔群を何とか黙らせようと攻撃を繰り返していた。

 

 

「撃て撃て!!あの砲塔を黙らせるんだ!!」

 

「おい、ティン将軍はどうした!?」

 

「ああ、今『何とかしてる』最中だろうよ!!」

 

「『何とか』って何だよ!?」

 

「喋ってる暇があったら、とにかく撃ちまくれ!!」

 

 

彼らが砲塔からの攻撃を惹きつけているその時、ティンはライトセイバーで船体に穴を開け、部隊を引き連れて艦橋を目指していった。

 

 

「ジェ、ジェダイだ!!撃て撃て!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!邪魔だあああああぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「ぎゃああああああああああ……!!」

 

 

 

途中で艦内防衛の為のバトル・ドロイドが多数いたが、そんなものは彼にとって何ら障害になるものではなかった。

 

 

 

 

その頃、艦橋では別の戦いが始まっていた。

 

艦隊と合流しよう矢先に、船体に敵が取り付き、同時に艦内には敵が侵入したのだ。

ブラスト・ドアを使ってまでブリッジを封鎖していたが、ジェダイがいる以上それがあまり役に立たない事は目に見えており、破られるのは時間の問題でもあった。

 

 

「司令官、申し訳ありません!艦内に敵が侵入しました!!どうやらジェダイがいるようです!!」

 

『何!?…クソッ、ドウニカシテ敵ヲ追イ払ウ事ハ出来ナイノカ?』

 

「駄目です!侵攻が早すぎます!!今防衛部隊を当てていますが…とても持ちこたえられません!」

 

『何ダト!……艦長、デストロイヤー艦ノ何隻カニ<プロスペラス>ノ救援ニ向カウヨウニ「…もう無理です、司令官」…何ダト?』

 

「敵がもう目と鼻の先まで、ドアの向こうまで来ています。この艦はもう助かりそうにありません」

 

『…オイ、何ヲ言ッテ』

 

「司令官、お世話になりました!」

 

『オ、オイ!』

 

 

通信を取っていた艦長はそのホログラムを切ると同時に、最後の抵抗とばかりに部下達に命令を発した。

 

 

「進路を変更しろ!司令官のいる艦隊からこの艦を引き離すんだ!!司令官の事を悟らせるな!!急げ!!」

 

「ラジャー、ラジャー!!」

 

「全員武器を取れ!!白兵戦だ!!」

 

 

進路を変更し、TO-KK1の艦隊から離れていった<プロスペラス>は、偶然にもその艦首を一隻のヴェネター級スター・デストロイヤーに向けていた。

しかし艦長以下、ブリッジのクルーがそれに気付く事はなかった。

 

————いや、「気付けなかった」が正しいだろう。

 

なにしろ、ブラスト・ドアを突破し艦橋に雪崩込んできたティン率いるクローン部隊と、超至近距離におけるブラスターの撃ち合いを演じていたからである。

 

 

「共和国の犬どもめ!」

 

「分離主義に栄光を!!」

 

「くそっ、ブリキ野郎共が!!」

 

「応戦しろ!!」

 

 

ティンがライトセイバーを振るい、彼の部下達はブラスターで猛射しながら、なんとか艦橋を制圧し艦の制御を奪い取る事に成功した。そうして彼等は急いで進路変更を行い、最寄りの敵の戦艦に対する攻撃を始める事に成功した。

 

その様子を見ていた艦に張り付いた兵士達は歓声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

接近してくる敵艦にヴェネター級スター・デストロイヤー<エグモント>のブリッジにいたクルー達は、自艦に近づいてくる<プロスペラス>に気付いていた。

しかし、先程の敵艦に乗り移ったクローン達がまだ数多く残されており、またティンも艦内にいた為、攻撃する事が出来なかった。

 

<エグモント>は急速に接近してくる敵艦に対し、僅かな迷いが生まれたが攻撃する事なく進路を変更する事しか出来なかった。

 

 

————しかしこの一瞬の迷いが<エグモント>の命運を分ける事になった。

 

 

なんと避けるように進路を変更したその先に、先程艦橋を破壊され迷走していた敵艦がまっすぐ向かってきたのである

 

主人を喪いあちこちを漂流し、敵味方双方の艦にぶつかり、無数のターボ・レーザーを受け崩壊寸前になりながらも進む事を止めなかったその巨艦は、自身の最後の相手を見つけたとばかりに共和国の戦艦に進んでいった。

 

 

 

 

 

 

それに気付いた時には全てが手遅れであり、<エグモント>の艦橋にいたクルー達が最後に見た光景は、艦首が破壊されながらもまっすぐ向かってくる敵の巨大な艦影であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええい、またやられたぞ!!」

 

 

<プロスペラス>が拿捕され、更に<エグモント>と味方の艦が衝突したのを、プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー<ウォーバード>の艦橋から見ていた一人のニモイディアンが喚くように怒鳴っていた。

 

彼は分離主義勢力の記章が入ったニモイディアンの法冠を被り、高価なベルトや階級章、更に自身の自己顕示欲を満たすかのように宝飾品を散りばめたラモーディアン・シルクの上着を身に纏っていた。このロック・ダード以上の種族至上主義者であり、なおかつ肥満体の彼のその姿は、正直言ってこれ以上無く不釣合い極まりなかった。

 

 

「ええい、クソッ!他の味方はどうしている!!何故私を助けようとしない!!」

 

「あの~、将軍?多分、他のどの艦も自分の事で手一杯だと思いますけども…」

 

「うるさい、黙っていろ!貴様は大人しく艦を操縦してればいいのだ!!」

 

「ラ、ラジャー、ラジャー…」

 

 

部下のOOMパイロット・バトル・ドロイドに、当たり散らすように怒鳴ったこのニモイディアンの名前はウォード・ヴォードと言う。

彼も今回のコルサント侵攻戦に参加していたが、この醜く太った将軍はとても苛立っていた。

 

彼は自分の艦を含め六隻の艦隊を率いていたが、ハイパースペースから出た途端に目の前に敵の大艦隊がいた為に、彼の艦隊は避け切る事が出来ずに衝突する事となってしまった。

運良く彼の艦と他の二隻は避ける事が出来たが、瞬く間にその数を半分にまで減らしてしまったのである。

 

 

更に上陸部隊を満載した上陸艇も、出撃した矢先に敵艦や敵戦闘機のターボ・レーザーの攻撃により、一隻も地表に下りる事が叶わなかった。

この事も、彼の怒りに油をそそぐ要因となった。

 

 

そしてそんな状況にも関わらず、彼は如何にして「自身の身の安全」や「戦果を得ればいいのか」と、その事ばかり考えていたのである。

 

すると目の前に、味方を多数引き連れた艦隊の姿があり、それを引き連れている旗艦の姿を見て、彼は思わずほくそ笑んだ。

 

 

「おい、あの艦隊の旗艦に連絡を取れ」

 

「ラ、ラジャー、ラジャー!」

 

「(あの艦隊を私の指揮下に入れれば…ククッ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令官、<ウォーバード>より通信が入っております。どうしますか?」

 

 

<プロスペラス>の艦長と最後の通信を交わしてから、すぐに<ウォーバード>から通信が入って来た。

<ウォーバード>に乗艦しているニモイディアンの将軍は、あまり良い噂を聞かない為に通信に出る事を戸惑われた。しかし、取り敢えず味方でもある為に無碍に出来ないのも事実であった。

 

「繋ゲ」

 

「ラジャー、ラジャー」

 

 

ホログラムに映し出された太ったニモイディアンの将軍は、相も変わらず見ている者を不愉快にさせる笑みを浮かべていた。

 

 

 

「何デショウカ?ヴォード将軍」

 

『丁度良かった、貴様の艦隊を寄越せ。私が体良く扱ってやろう』

 

 

 

俺はその命令に思わず思考が停止してしまっていた。それは向こうのクルー達も同様に、自分の上官が言った事の内容が信じられないようであった。

 

 

「アノ、将軍?言ッテル意味ガヨク…」

 

『だから貴様の艦隊を寄越せと言っとるんだ。聞こえなかったのか?さっさと命令に従え』

 

 

暫く呆気に取られていたが、ようやく頭が働き始めた時、怒りが沸き上がってきた。

自らのミスのせいで部下を喪っただけでなく、それを気にしていないばかりか、手塩にかけてきた自分の部下達も奪おうとする事に対し、この将軍に対する態度が決まった。

 

 

 

「…申シ訳アリマセン、将軍。アナタノ命令ニハ従エマセン」

 

『何だと!?』

 

「貴方ニハ、私ニ対スル命令権ハ存在シマセン。ヨッテ、アナタノ命令ヲ聞ク必要ハアリマセン」

 

『何だと!?ドロイドの癖に逆らいおって!いいからグダグダ言ってないで、すぐに貴様の艦隊を寄越せ!このポンコツが!!」

 

「ポンコツデ、結構デス。イキナリ通信シテキタカト思エバ、「艦隊ヲ寄越セ」?巫山戯ルノモ大概ニシテ下サイ。セメテソノ少ナイ脳味噌ヲ、別ノ事ニ使エバ良イノデハ?将軍」

 

『き、ききき貴様、よくも!!おい砲撃手、今すぐあの裏切り者の艦を破壊しろ!!』

 

『は!?し、しかし…』

 

『いいから、今すぐやるんだ『将軍、失礼します』何d』(ブツッ!)

 

 

自分の言う事に従わないばかりか、あからさまに馬鹿にされた将軍は、自分の配下に俺の艦を破壊するよう命令しようとした時、いきなり通信が切れた。

 

 

「通信手、一体ドウシタ?」

 

「ハ!えーと少々お待ち下さい」

 

 

通信手が手間取っていると、再び<ウォーバード>から通信が入って来たが、そこにいたのは艦長の姿しかいなかった。

 

 

『いきなり通信を切ってしまい申し訳ありません、司令官』

 

「イヤ、構ワン艦長。トコロデ、ヴォード将軍ハドウシタ?」

 

『将軍ですか?え~と…席を外してもらいました』

 

「……ソウカ、ナラバ<ウォーバード>以下ノ艦隊モ、コチラニ合流スルヨウ伝エロ」

 

『ラジャー、ラジャー』

 

 

『席を外した』と聞き、将軍がどうなったのか概ね見当がついたが、戦闘中という事も有り、それを敢えて追求する事はなかった。

通信を終えた俺は、本来ならば感じる筈のない疲労感を感じていた。

 

そこに丁度、橋頭堡を確保した地上部隊から連絡が入って来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目的地に駐屯していたクローン部隊を壊滅させ、橋頭堡を確保したバトル・ドロイドの軍勢は、新たな命令が下される前に、その隊列を完璧に整えていた。

そして少佐と呼ばれているAATに乗った、一体のOOMコマンド・バトル・ドロイドが衛星軌道上にいる味方の艦隊と連絡を取っていた。

 

 

「司令官、予定通り橋頭堡を確保しました」

 

『ヨシ。ナラバ、コレヨリ敵ノ軍事施設ニ向ケテ進撃ヲ開始シロ。既ニ他ノ部隊ガ展開シテイルト思ウガ、合流シタラソノ部隊ヲ援護シロ』

 

「ラジャー、ラジャー。…あの〜ところで司令官、大丈夫ですか?」

 

『何ガダ?』

 

「いえ、あの…何か、お疲れのように見えたのですが…」

 

『………気ニスルナ、一寸色々アッタダケダ』

 

「は、はぁ…」

 

『ソレト分カッテイルト思ウガ、絶対ニ民間人ヤ敵ノ負傷兵、居住区トイッタ民間施設等ハ攻撃シテハナラン!イイカ、絶対ニダ!!』

 

「ラ、ラジャー、ラジャー!!」

 

『宜シイ。デハ少佐、進撃ヲ開始セヨ』

 

「ラジャー、ラジャー!!」

 

 

命令を受けたOOMコマンド・バトル・ドロイドの少佐は、AATから身を乗り出したまま無数のバトル・ドロイドに命令を発し、命令を受けた軍勢はその矛先を共和国の軍事施設へ向け進撃していった。

 

その進路上には、無数のクローン兵の死体や、それに混じった数両のAT-TEが横たわっており、誰も進軍するその足を止める者は居ないかのように思えた。

 

 

しかし突然、少佐を一つのレーザーが襲いかかった。

 

 

「ギャアアアア!」

『何ダ!ドウシタ!?』

「司令官!共和国軍が攻撃してきました!!」

 

指揮権が変わって、すぐに別のOOMコマンド・バトル・ドロイドがTO-KK1に通信を送ってきた。

その間にも、そのOOMコマンド・バトル・ドロイドの周囲を複数のレーザー砲火が襲った。

 

 

『馬鹿者!ダッタラ反撃スレバ良イダロウ!!』

 

「そ、それがどうやら敵は狙撃兵らしく、しかも一人じゃなくて、複数から撃たれています!!」

 

『何ダト!?』

 

 

彼等は知る由もなかったが、この時の第十区画の通りに面している、無人となった居住区画にはとあるクローン部隊が展開していたのだ。

 

それは、クローン・シャープシューターの中でも更なる精鋭達によって構成された、クローン・コマンダーのバーク大尉率いる第98狙撃大隊———通称「ビンゴスモーキー隊」———と呼ばれる一団であった。

彼等は第十区画が攻撃を受けた時、一番近い位置に居りバトル・ドロイドの部隊が隊列を整えている間に、それぞれの位置に展開する事が出来たのだ。

 

 

『クソッ!ナラバコチラモ狙撃兵ヲ投入シ、MTTヤAATヲ前面ニ押シ出シテ、前進セヨ!!』

 

「ラ、ラジャー、ラジャー!」

 

 

命令が下され、すぐさまバトル・ドロイド・アサシンが二個中隊程が出て来た。

 

バトル・ドロイド・アサシンはB1バトル・ドロイドの1つで、彼等は極めて精密なプログラムを与えられており銀河共和国のクローン・トルーパーにとって非常に恐ろしい存在でもあった。

これ等のドロイドは標準的なSE-14ブラスター・ピストル、V-1サーマル・デトネーター、オートタレットに加え、BAW E-5sスナイパー・ライフルを装備していたのである。

 

彼等は、すぐにMTTやAATを盾にしながら何処に敵が潜んでいるのか用心深く探りながら、前進を始めた。

 

 

 

しかし、彼等は一つ間違いを犯していた。

 

 

 

今一台のAATが前進し、その後ろにバトル・ドロイド・アサシンの一分隊が随行していた。

 

だがAATにレーザーが数発命中したと思った次の瞬間、突然AATが随行していた部隊を道連れに大爆発を起こしたのだ。

 

 

 

「敵が使う銃は歩兵用」、その考え自体が間違っていたのだ。

 

 

 

第98狙撃大隊は他の狙撃部隊とは違い、人員やその装備もその部隊独自のものとなっていた。

また彼等は特殊な狙撃訓練の他、投薬等によって更なる視力の向上に成功していた。そしてその装備も、通常のクローン・シャープシューターが使うDC-15xスナイパー・ライフルではなく、一見するとアドベンチャラー・スラッグスローワー・ライフルと酷似した狙撃銃を使っていた。

 

————ただ、その銃身の下に本来ではあり得ない大型の弾倉が無かったらの話だが。

 

彼らが使っている改良型DC-15xスナイパー・ライフルは、正確無比で性能が高いアドベンチャラー・スラッグスローワー・ライフルの特色を生かし、かつ大口径の弾丸を射撃する事を可能にしていた。

その弾丸は当たり所によっては、今しがた起きたように、僅か数発でAATを破壊する事が可能であった。

そしてこのライフルは反動が最小限に抑えられ、完全自動で発砲させる事が出来たのだ。

 

更にこの銃はDC-15xスナイパー・ライフルとは異なり、それ以上の倍率レベルや破壊力の向上を実現していた。そしてE-5sスナイパー・ライフルのような、長距離射撃の際には精度が落ちるという欠点すらも克服していたのである。

 

 

 

その事は露程も知らなかった彼等は思わず足を止めてしまったが、その間にも敵からの砲火は止むことがなかった。

 

 

「司令官、駄目です!AATが破壊されました!!」

 

『何ィ!?』

 

「我々は一体どうすればいいのですか!?」

 

『少シ待テ!…ヨシ。ナラバ正面デハナク…前達…右……ル少…細……ケ』

 

「司令官!?司令官!!」

 

『ナ…通…可笑……大…カ…』

 

「クソッ!!」

 

「中尉殿、どうしますか?」

 

「…こうなったら前進だ!このまま前進させろ!!」

 

「ラ、ラジャー、ラジャー!!」

 

 

至近弾によるものか分からないが、ホログラムの通信装置が故障し、途中から影像が乱れ始め、衛星軌道上の味方が何を言ってるのか全く分からなくなってしまったのだ。

 

そんな状況にも関わらず、中尉と呼ばれたOOMコマンド・バトル・ドロイドは、なんと無謀にも前進するよう命じてしまっていた。

恐らく、彼等の司令官である戦術ドロイドを失望させてはならないと思い、そのような命令を下してしまったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれにせよ彼等は、先程迄の楽観的な空気から一転して、絶望に近い状況で共和国艦隊司令部に直結する道を前進するしかなくなってしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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