黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~   作:マイン

10 / 31
サブタイを気にしてはいけない(真顔

ベリアル陛下の新フォーム、アトロシアス…正直あんまりぴんと来なかった。確かに強かったけど、ダークルギエルとエンペラ星人のフュージョンライズと言うぐらいだから、てっきりスパークドール化してくるとかウルトラマンのくせにレゾリューム光線ぶっ放してくると思ってたけど、単純に強いだけな感じで…。
まあ、まだ本調子じゃあないみたいですし、次の最終回では大暴れしてくると期待しましょう。…この作品の今後の為にもそうしてもらえるといいので

あと、新規の読者の方々の為に1話に略式ですが時系列乗っけときました。もちっと詳しい内容は本編にあるオーブ編の予告を見てね(ステマ


※今回、本編3部におけるネタバレを多大に含みますので、ご了承ください。


ちなみに今回の更新を以て本編にあるオーブ外伝は削除します。


登場人物

ウルトラマンゼロ 登場!


君の名は…

『キュォォォォォ!!』

『ふぅぅぅぅ…!』

 対峙し合うマガイガンとオーブ。その二体を皆はオーブの足元から見上げていた。

 

「なん…だと!?」

「え…ええええええッ!?か、会長が…あの巨人だったの!?」

「あら、やっぱりゴン太は気づいてなかったんだ」

「ウルトラマンの正体が『人間』なんてお約束…って、そういえばゴン太君子供の頃は森で暮らしてたんだっけ」

「ならウルトラマンの事を知らなくてもしょうがねえな」

「…向こうの僕が、ウルトラマン…!?」

 苗木がオーブへと変身したことにそれぞれ十人十色な反応をする中、ふとオーブが皆の方へと視線を落とす。

 

『…皆、聴こえる?』

「ッ!?今の…苗木の声?でも、なにこの感じ…」

「頭の中に、直接響くような…まさか、テレパシー?」

『うん。僕のテレパシー能力で皆の頭に直接呼びかけてるんだ。…皆、ひとまずここから離れてくれ。流石にここにいられると巻き込んでしまいかねない、…できれば学園の中に避難してくれ!そこには、絶対に行かせないから…!』

「わ、分かった!」

『…それと、キーボ君。君はここはいいから、『向こう』のサポートに回ってくれ。あの魔王獣の能力は、君には相性が悪いからね…』

「分かりました!…先輩、気を付けてください!」

『ああ。そっちも任せたよ!』

 キーボが飛び立っていったのを見送って、オーブはマガイガンへと向き直る。

 

『ギョォォォォ!!』

『…行くぞォ!』

 互いに構えを取り、オーブとマガイガンは同時にぶつかりあった。

 

 

 

 一方その頃、マガイガンの後方にあるビルの屋上にいたスラン星人も、オーブの出現に歓喜していた。

 

「ようやく現れたなウルトラマンオーブ!貴様を倒せば、代行者様も俺の事を認めてくださる!その時こそ、俺は『本当の意味』でこの地獄から抜け出すことができるのだ!…さあ行けマガイガン!オーブを八つ裂きにしろぉ!!」

 ウルトラマンを倒す、それは主である絶望の代行者に対する何よりの忠義の証となるだろう。それを確信したスラン星人はマガイガンに戦うよう命令する。…そこに

 

「…随分楽しそうじゃあねえか、俺も混ぜて貰うぞ!」

「何ッ!?」

 

ドゴッ!

 後ろから聞こえた声に振り返りつつ咄嗟に防御すると、いつの間にかそこにいた『日向』の蹴りを間一髪のところでガードできた。

 

「チッ!勘のいい野郎だ…」

「き、貴様…どうしてここが分かった!?」

「…さっきあのデカブツとやり合ってた俺の後輩がよ、ここでちゃんちゃか喚いているテメーを遠目に見つけたんだよ。んで、おそらくあのデカブツはお前の仕業だろうと思って、こっそりここまで来させてもらったぜ。…とはいえ、さっきの現象は流石に焦ったけどな」

「くッ…あのロボットめ、なんて目のいい奴だ…!」

「さあて…怪獣にばっか戦わせてないで、テメーも土俵に上がってきやがれ!」

「…ほざけ地球人風情がぁ!」

 マガイガンとオーブの戦闘の傍で、スラン星人と地球人…日向の戦闘も始まった。

 

 

 

 

『キュアアアアアア!』

『ムンッ!シュワッ!』

 マガイガンの振り下ろす鎌の応酬を、オーブは悉くいなしながら肘や蹴りを叩きこむ。マガイガンの得物は大きいが故に攻撃のモーションも大ぶりであるため、近接戦闘ではオーブに分があったが、同時に鋼鉄のボディを持つマガイガンには拳や蹴りによるダメージはさほど与えられてはいない。

 

『…キュオオオ!』

 

ギャルルルルルルッ!!

 マガイガンの胸部に備えられたチェーンソーのような刃が駆動し、懐に潜り込もうとするオーブを逆に抱え込んで『削り裂こう』とする。

 

『ムンッ!』

 

キュピン!

 すると、オーブの体色の『紫の色』が光りだし、それと同時にオーブはマガイガンの抱擁を躱しながら軽やかな挙動で空へと跳び上がった。フュージョンアップしているティガの『スカイタイプ』の力を解放し、スピードとジャンプ力を強化したのだ。

 

ドスゥン!

キュピン!

 マガイガンの頭上で宙返りしてその背後に回ると、オーブはマガイガンの尻尾を掴み、今度は『赤色』が光を放つ。

 

『…ハァッ!』

 

グオオオオオ…ッ!

 気合と共にオーブが力を籠めて尻尾を引っ張ると、マガイガンの推定3万トンはあろうかという巨体が尻尾に引き摺られるように持ち上がった。『パワータイプ』の力を解放したことで、オーブの筋力が瞬間的に強化されたのだ。

 

『うおおおおおおおッ!!』

 オーブはそのままマガイガンの尻尾を掴んで振りまわし、ジャイアントスイングの要領でマガイガンを遠くへと放り投げた。

 

だが

 

シュバッ!!

 放り投げられたマガイガンの背中の羽が展開され、慣性の法則に従って飛ばされていただけのマガイガンはその勢いを逆に利用し、滑空するように空を飛び始めたのだ!

 

『キュィィィィ!!』

『…流石に、一筋縄じゃあいかないか!』

 

 

 

 

 その頃、日向とスラン星人の戦いは、一方的な展開になりつつあった。

 

「『タスク』ッ!」

ドドゥッ!

 日向の指先から放たれる『タスク』の爪弾。しかし…

 

ヒュバババババババ…!

 それは『無数に広がるスラン星人の残像』に命中し、虚しく空を切る。

 

「フハハハハハハ…!どうした、どこを狙っている?」

「クソッ!シャボンフィールド!」

 

ボボボボ…!

 今度は辺り一帯に波紋を籠めたシャボン玉を展開し、スラン星人の動きの軌道を読もうとする、が…

 

パパパパパパパンッ!!

 スラン星人はそれを嘲笑うかのように凄まじいスピードで残像を残しながら動き回り、張り巡らせたシャボンの全てを丁寧に割り切ってしまった。

 

「どうしたどうしたぁ!大口叩いておいてその程度か人間んんんッ!」

 

ドパパパパパッ!

「シャボンバリアーッ!…くぅッ!?」

 日向の周囲を残像で取り囲むように移動しながら、スラン星人は腕から光球を放つ。日向はシャボンバリアーでそれを受け止めるが、その手数の多さゆえに反撃に転じることができずにいた。

 

「この野郎…二つ名通りのすばしっこさだぜ…!」

『山田一二三の助言を聞いておいて正解でしたね。『高速宇宙人スラン星人』…これほどのスピードとは。事前に聞いておかなければ不意打ちでやられていたかもしれません』

「最初に不意打ちしたの俺らだけどな…ッ!」

「そうして亀のように引き篭もっているだけかぁ!?ならばそろそろ終わりにさせて貰うぞぉ!!」

「…ああ、そうだな。そろそろ『時間』だからな…」

「何…?」

 

ボシュゥゥゥ…!

 

遠くから、ジェット噴射の音が聴こえてくる。

「5…」

 

ゥゥゥゥウウウウッ!

 

 音が徐々に近づいてくる。

『4…』

 

ジャキッ!

 

 音の正体…援護に駆け付けたキーボがスラン星人に銃口を向ける。

「3!」

「ッ!?貴様…さっきのロボット!」

 

…タタタタタタタッ…!

ドギュンドギュン!

 

 ビルの下から聴こえてくる『足音』を掻き消す様に、キーボのキャノン砲がスラン星人に放たれる。

「チッ…だが、そんな攻撃が当たるとでも…!」

「2…!」

「…貴様ら、さっきからなにを…?」

 

…ダダダダダッ!

 

「「『1!』」」

 

 

ッタァーンッ!!

 ビルの『壁』を駆けあがり、屋上の手すりを足場に跳びあがった『何か』の影がスラン星人に被さる。

 

「何だッ…」

 

 

 

 

 

 

 

『『ザ・ワールド・BC(ブレイクチェイン)』!!時よ止まれ!!』

 

ガチィィィンッ!!

ドギュゥゥゥン…!

 跳びあがった人影が従える『スタンド』…DIOのスタンド『ザ・ワールド』に瓜二つな外見のあちこちに『千切れた鎖』が繋がれたそのスタンドが両拳を打ちつけると、その瞬間…世界の時間が『止まった』。

 当然、残像を残すほどの高速移動ができるスラン星人と言えど時間そのものを止められては意味がなく、残像は全て消え中途半端な体勢で固まったまま動かない。

 

 

 

『キュワァァァァ!』

『デヤァ!』

 …時が止まっているにも関わらずなんでもないように戦闘を続けるオーブとマガイガンを横目に、時間を止めた『そいつ』はスラン星人の方へと駆け寄り

 

「…バルルルルルァッ!!」

 

ドゴォッ!

 キーボの射線上へと思い切り蹴飛ばした。

 

『…時は動き出す』

 

…ゥゥゥゥン…!

「…ッ!?なん…」

 

ババリィッ!

「うぎゃぁぁぁぁ!?」

 いきなり空中に投げ出されたと思った直後にキーボの砲撃をもろに喰らったスラン星人は、訳も分からぬまま倒れ伏した。

 

「バルルルル…!」

「…殺すなよ『最原』。こいつには聞きたいことが山ほどあるんだからよ」

「…(コクッ)」

「…最原君、ナイスアシストでした!」

「…!(ニッ)」

 

 そう。スラン星人への警戒を怠らないまま、親しげに声をかける日向やキーボにぎこちなくも柔らかな笑みを浮かべるその者の名は、最原終一。しかし、その姿は先程とは一変していた。

 

 短髪の黒髪はまるで鬣のように逆立っている。トレードマークのアンテナのように跳ねた毛は、まるで昆虫の『触角』のように変質している。端正な顔には目の周りを中心に『ひび割れ』のようなものがあり、その奥に底冷えするような殺気を孕んだ眼が見える。

 全身の筋肉が硬質化し、その皮膚はまるで鉄板のように硬い。そして制服の袖を引き裂くように腕から隆起しているのは、硬質化させた皮膚を『刃』のように研ぎ澄ませた武器…名を、武装現象(アームド・フェノメノン)『バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン』。

 そこにいたのは、『人間』ではない。秘密結社『ドレス』によって生み出された生物兵器…『バオー』。その『人型モデル』の唯一の成功例としてこの世に産み落とされた少年。それが最原終一であった。

 彼は戦う、バオーの力を自分の物にする為に。こんな自分を受け入れてくれた、仲間たちを守る為に。

 

「ミンナハ…ボクガ、マモルッ!」

 

 

 

 

 

『…今一瞬だけど、時間が止まった。どうやら最原君達の方は順調みたいだね』

 マガイガンと戦う中で最原のスタンド能力が発動したことを感じたオーブは、彼らの居る方を見てホッとする。…自分と同じ『DIOの遺伝子』を持って生まれてきた最原はオーブ(苗木)にとって後輩であると同時に『弟』のようなものであるため、彼への気配りは人一倍である。そのことで最原の恋人の赤松から時折ジェラシーを受けることもあるのだが、それはご愛嬌。

 

『さて、僕も負けてはいられないな…!』

 オーブは再び上空のマガイガンへと視線を戻す。

 

『キュワァァァァ!』

 

ビィィィ!

 マガイガンは上空からオーブ目掛けてビームを放つ。

 

『アタックタイマー・フラッシュ!』

 それに対しオーブは腕を胸の前で交差させる。そしてその腕を引くと、オーブのカラータイマーからスプリング上の光線が発射され、マガイガンのビームに命中する。

 

バチュン!

ババババッ…!

 拡散する前にオーブの光線によって貫かれたマガイガンのビームはエネルギーの行き場を失い、その場で暴発するように爆散した。

 マガイガンが上空から放つ攻撃をオーブが多彩な光線技で相殺する。…先ほどから幾度となく行われる光景であった。

 

『ギュワァァァァ!』

 先に痺れを切らしたのはマガイガンであった。ビームの爆風に紛れて突撃し、オーブを直接切り刻もうとする。

 

『…!?』

 しかし、爆風を超えた先でマガイガンが見たものは

 

 

ギュワワワワワ…!

 身の丈ほどもある巨大な『光刃』を抱えたオーブであった。

 

『スペリオン光輪!』

 突撃してきたマガイガンに待ってましたとばかりに、オーブは巨大化させた光輪を投げつけた。

 

『ギュワァ!』

 

グゴゴゴゴ…!

 マガイガンは咄嗟に『マガ磁力』を発動し、真下から瓦礫を引き寄せるとそれを壁のようにして自分の手前に突きだす。

 

ガガガガガッ!!

 瓦礫の壁はスぺリオン光輪を受け止めるが、光輪はお構いなしに壁を切り進み、マガイガンへと迫る。

 

『グガガ…ガォァ!』

 マガイガンは直前に腕の鎌で光輪を防ぐが、勢いを殺しきることができず真っ二つこそ避けられたものの弾き飛ばされ、地面に墜落してしまった。

 

ドガァンッ!

『ギュワァァ…!』

『よし…これで止めだ!』

 マガイガンが起き上がって体勢を整える前に、オーブは必殺の一撃を決めにかかる。

 

ギュウウウウウ…!

 右腕を垂直に上に突きあげ、左腕は直角に横に突き出す。オーブの前に紫の光が収束し、それが最高潮に高まった時…それは放たれた。

 

『スペリオン光線!!』

 

ビィィィィーッ!!

 スペシウムゼペリオンのオーブの最強技、スペリオン光線。L字に組んだオーブの腕から放たれた光線は、狙い違わず起き上がったばかりのマガイガンへと迫る。

 

 

「決まった!」

 それは誰の声であったろうか。否、この光景を見ていた誰もがそう思った。ウルトラマンの光線が放たれた時、それは怪獣が倒される時だと。そう信じて疑わなかった…

 

 

 

 だが、『絶望』とは常に予期せぬものであった。

 

『…ギュワッ!』

 

ガコン!

 迫りくる光線を認めた瞬間、マガイガンの『胸部』が突如『開き』、そこからまるで鏡のようなキラキラしたパーツが現れる。そしてそこへスペリオン光線が命中した…その時。

 

ピカカカカァッ!!

 光線が命中した瞬間、パーツがまばゆい光を放ちながら光線をまるで『吸い込む』ように掻き消してしまった。

 

『!?』

 その事態に驚いたオーブが構えを解いた瞬間

 

 

ギュパァァァァッ!!

 ガイガンの胸部パーツからスペリオン光線のようなビームがオーブ目掛けて放たれた。

 

『くッ…!』

 

デュオン…!

バババババババッ!!

 咄嗟にバリアを貼ってそれを防いだものの、光線の威力はオーブの想像を遥かに超えており、じりじりと押し込まれていく。

 

ババリィンッ!!

『ぐああああああッ!!』

 

ドガシャァァンッ!

 ついにはバリアを破られ、今度はオーブが弾き飛ばされて近くのビルに叩きつけられてしまった。

 

 

 

 

 

「…な、何ィィィ!?」

「ウルトラマンの光線が…跳ね返された!?」

「んな馬鹿な…ガイガンにあんな設定は無かった筈だぞ!ブリッツブロッツやガクゾムじゃああるまいし…」

「…あの胸のキラキラしてんのが光線を跳ね返したみてーだな」

「見たところ『鏡』のようだけど…あの形状が『プリズム』に似ているネ。光線も光だから、反射して跳ね返すことができたってことかナ?」

「鏡…ハッ!お、思い出しましたぞ…あれは確か、ゴジラシリーズに登場する兵器『スーパーX2』に搭載されている『ファイアーミラー』にそっくりですぞ!確か吸収した熱線を『1万倍』に増幅して跳ね返すとか言ってたような…」

「い、一万倍ぃぃ!?…って、どれぐらい凄いんすかね?」

「…ウルトラマンのスペシウム光線が大体『50万度』って設定だったから、その一万倍は…『50億度』?」

「け、桁が違い過ぎて意味不明だべ…」

「とにかくやべーってことだろ!…クソッ、苗木!負けんなーッ!」

「誠君ッ…!」

 

 

 

 

ガラガラ…ガラ…

『ぐうッ…く、まさか…あんな能力があるだなんて…!』

 崩れたビルの瓦礫を掻き分けながらオーブは立ち上がろうとする。それをマガイガンは許さない。

 

『カオッ!』

 

ドシュドシュ!

ギュルルルル!

 マガイガンの両腕に内蔵されていた『ワイヤー』が射出され、それが体勢を整えようとしたオーブを拘束する。

 

ジババババババッ!!

『グウワァァァァァ!?』

 更にワイヤーを通して高圧電流が流され、オーブは苦悶の叫びを上げる。

 

 

 

 

 

 スラン星人を取り押さえていた日向たちも、オーブの苦戦に焦りを憶えていた。

 

「せ、先輩ッ!」

「糞ッ!…おい、テメエ!さっさとあの怪獣大人しくさせろ!お前が連れてきたのならできるだろう!」

「バルルルッ!」

 最原にがっちり取り押さえられたスラン星人にマガイガンを止めるよう促すが、スラン星人は不敵に笑いながら言い放つ。

 

「く、クク…それは、無理な相談だな…」

「何?」

「あの魔王獣を連れてきた奴は言っていた…魔王獣は、自らを封印した『ウルトラマン』を憎んでいると。奴はその憎悪によって動いている…私が命令したところで止まるものかよ…!」

「そ、そんな…」

「…チッ!おいキーボ、俺をあそこまで連れて行けるか?」

「え?あそこって…あの怪獣のところですか?」

「そうだ。…一か八か、あのワイヤーを俺の『タスク』でぶった切る!」

「!?む、無茶ですよ日向先輩!」

「無茶でもなんでもやるしかねーだろ!…苗木は、命がけで怪獣と戦ってるんだ。そんなアイツを孤軍奮闘させたままにはできないだろうッ!」

「……分かりました!先輩、掴まってください。飛ばしますよ…!」

「おう!…最原、ちょっとばかしここは任せたぞ!」

「…バルルッ!」

 キーボは日向を掴むとマガイガンとオーブの方へと飛んでいった。

 

 

 

『グウウ…ッ!こいつめッ…』

 マガイガンの電流攻撃に苦しむオーブ。そこに

 

シュボォォォォ…!

『…!あれは、日向君にキーボ君…!?』

「…よし、キーボ!ここでいい、俺を投げろ!」

「はい!」

 オーブを拘束するワイヤーを射程に捉えると、キーボは掴んでいた日向を反転するジェットの勢いを利用してワイヤー目掛けて放り投げた。

 

ゴォォォォッ…!

「おおおおおおッ!!…『タスクAct4』ッ!」

 放り出されながらも空中で姿勢を逸らし自ら『黄金長方形』となると、日向は『タスク』を呼び出しつつ自分の手に波紋を籠めた大きな『シャボン玉』を作り出し、風圧を利用してそれを薄平べったく引き伸ばす。更にシャボンの中心に黄金回転する『鉄球』を埋め込むことでシャボン玉を高速回転させる。それはまるで、先ほどオーブが使った『スペリオン光輪』のようであった。

 

「さっきのお前の技、使わせて貰うぜ!…行くぞぉぉッ!」

『チュミミ~ンッ!!』

 巨大な『シャボンカッター』と『タスク』を伴った日向はそのままワイヤー目掛けて突き進み…

 

 

「シャボンカッター…ギガント(巨大)ッ!!」

『オラオラオラオラオラオラァッ!!』

 

シュパァンッ…!!

 擦れ違い一閃、感電を避けるために投擲したシャボンカッターと『タスク』により、ワイヤーを断ち切った。

 

『日向君…済まない!』

「ヘッ…ついでに新技完成…!さて、次は着地を…」

『…ッ!創!!』

「あん?どうし…」

 

 

『キュワァァァァッ!!』

 

ビィィィィッ!!

 カムクラの警告の直後、攻撃を邪魔されたマガイガンが怒りのままに日向へ向けてビームを放った。

 

「やべッ…!?シャボンバリアー…ッ」

 

バババババッ!!

「ぐあああああッ!!」

 寸前でシャボンを纏って防御したが、マガイガンのビームはあっけなくシャボンを割って日向を焼き尽くす。

 

 

「…ッ!日向君ッ!!」

『日向君!』

 七海とオーブの悲鳴を受けながら、ボロボロになった日向は墜ちていく。

 

 

(…ちっく、しょう…!こんなところで、終われねぇ…俺達は、絶対に…負けない…ッ!)

 撃墜されても尚諦めない日向。しかしその意志に反して体は動くことなく地面に向けて墜ちていく。そしてそのまま地表に叩きつけられようとした…その時。

 

 

 

 

ドガァァンッ!!

 突如轟音が鳴り響き、上空のドビシの群れの一箇所から爆炎が噴き出し風穴を作った。

 

キュォォォォ…!

 穴は周囲のドビシによって瞬く間に塞がれるが、それが完全に閉じられる刹那、物凄いスピードで『赤い光の球』が飛び込んできた。

 その光は迷うことなく落下していく日向の許へと突き進み

 

 

シュワァ…!

 地面に叩きつけられる寸前、日向を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…う、ん?」

 日向が目を覚ますと、そこは不思議な赤い光で包まれた空間であった。

 

「ここは…」

「…気が付きましたか創」

「ッ!?…カムクラ?」

 隣からかけられた声に振り向くと、そこには自分と同じ顔をした足まで届く黒髪の長髪の青年…自分の相棒であるカムクライズルが立っていた。

 

「お前、なんで…?ていうか、その身体は…」

「…生憎、僕にも事情は分からないのです。気が付いたら、貴方と共にここに…貴方と肉体を共有している以上、僕と君は同時には存在できない筈なのですがね…」

「だよな…一体、何が起こって…」

 

 

『…気が付いたかよ?』

「「ッ!」」

 その場に響き渡る様な声に身構える日向とカムクラ。すると目の前に周囲から光が集まっていき、それはやがて『形』を成した。

 

「…!あ、アンタは…!?」

「その姿…もしや、アナタも…」

『悪いが、今は説明している暇がねえ。単刀直入に話をさせてくれ』

「あ、ああ…」

 現れたその存在の姿に日向やカムクラは驚くが、『彼』は酷く急くように話を切り出す。

 

『遠まわしに言ってもしょうがねえからハッキリ言うぜ。…まず、このままだとお前らは地面に叩きつけられて死ぬ。今は時間を引き延ばしてるが、それももう持たねえ』

「…お、おう」

『そして、俺もワケあってこのままだと姿を保てない。ここまで来るのにだいぶ消耗しちまったし、ここじゃエネルギーも回復できそうにねえからな』

「……」

『俺は現状をなんとかしたい。…それにオーブの恩人であるお前たちを死なせたくもねえ。…だから『提案』がある。お前と俺の身体を『一体化』させてくれないか?』

「一体化…!?」

『一体化すれば、お前を助けることができる。そして俺も、お前と言う体に留まることでこの星での一定の活動時間を得ることができる。要するに…なんだ、『Win-Win』な関係って奴だな』

「…その割には歯切れが悪い物言いですね。何か僕らにデメリットがあるのでは?」

 カムクラの指摘に、『彼』は複雑そうに俯いたまま言う。

 

『…俺は、『……』として戦わなければならねえ。だが、一体化してしまえばお前も戦いに巻き込むことになっちまう。できる限りお前たちに負担をかけるつもりはねえが、それでも危険なことに変わりはねえ。…だから、無理にとは言わねえ。嫌なら別にいい、なんとかお前らだけでも助けて…』

 

 

「よっしゃ!その話乗った!」

「…ですね」

『…あれェ?』

 言い終わる前に即決されたことに『彼』は間の抜けた声が出てしまう。

 

『い、良いのかよ?何度も言うが、危険なんだぞ!』

「何を今更なこと言ってんだよ。…波紋戦士としての修業を受けると決めた時から、常在戦場。戦いの覚悟はできている。アンタが『……』の使命として戦うように、俺も波紋戦士として悪と戦わなければならない。それが例え、無謀な戦いと分かっていてもな…!」

「貴方の提案は、我々にとって『メリット』でしかありません。僕たちが求めていた『巨大な敵と戦う力』…それが手に入る以上、貴方の提案を蹴る理由は有りません。この状況をどうにかできるのなら尚更です」

『お前ら…』

「…それに、今戦っているアイツは…俺の『後輩』で、『恩人』なんだよ。そいつ一人にばっか戦わせるってのは、我慢ならねえと思ってたんだ。だから、俺達も戦うぜ!皆の為に…そして、七海の所に帰る為に!」

『…へっ!言うじゃねえか、お前ら。気に入ったぜ!…っと、そういやお前らの名前はなんて言うんだ?』

「俺は、日向・Z・創だ!」

「僕はカムクライズル…カムクラで構いません」

『そうか。…よっしゃぁ!行くぜ創、カムクラ!俺の名は…』

 

 

 

 

 

 

ピカァッ!

 日向の身体が叩きつけられる直前、突如飛来した『赤い光』が日向を包み込み、強い輝きを放つ。

 

「うわッ!?」

「な、なんだ!?」

 日向を凝視していた皆がその光に目が眩んだ、次の瞬間

 

 

ドズゥゥンッ!!

 重々しい音と振動が響き渡り、それが皆を我に返した。

 

「うえッ!?な、なんすか今の…お、と…」

「…日向、君?」

 目を見開いた皆が見たもの。日向が落ちていった場所に居たのは日向ではなく、膝を突いて着地する『巨人』であった。

 

 赤と青の二色の体色に胸から肩にかけて覆われた銀のプロテクター。ややつり上がった三角形の目。頭には父親譲りの2本の武器『ゼロスラッガー』がついている。一見して悪役にも見えなくもない面構えであったが、そして胸についた『カラータイマー』がその正体を物語っていた。

 

『あ、アナタは…!』

『ギュワァァァァッ!!』

 自分たちの戦場に現れた闖入者に驚くオーブとマガイガンに、その巨人は立ち上がって叫ぶ。己が誇りあるその名を。

 

 

 

 

『俺はゼロ…『ウルトラマンゼロ』!セブンの息子だッ!!』

 

 

 ウルトラマンゼロ、推参ッ!!

 




ウルトラダンガンナビ!…という名の解説

今回は本邦初登場のバオー最原とそのスタンドについて

最原終一…希望ヶ峰学園79期生、『超高校級の探偵』の才能を持つ少年。本職が探偵である叔父の元でその才能を開花させ、まだまだ未熟ではあるものの霧切も認めるその素質は超高校級と呼べるにふさわしいものである。

…というのが表向き。その正体は、某国の秘密結社「ドレス」によって生み出された人造生命体「バオー」の人型モデルの唯一の「成功作」である。最原の両親はドレスの研究員であり、自分たちの受精卵に様々な動植物の遺伝子と共にバオーの寄生虫の卵を移植し、将来最原終一となる赤ん坊を創り出した。しかし、怪物とはいえ我が子。愛情を抱いてしまった二人は秘密裏に最原を叔父に預け、実験体を失った二人はその責任により粛清されてしまった。
その後、最原はバオーの力に目覚めることなく成長し、やがて叔父の元で探偵としての資質を見出され希望ヶ峰学園にスカウトされた。…しかし、そこにドレスの追手がたどり着いた。自分を狙ってきたドレスの刺客により自身の出生の秘密を知った最原はその怒りと悲しみによりバオーに覚醒、そのまま刺客を返り討ちにしてしまう。落ち着いた後もなにもかもを拒絶し引きこもっていたが、赤松が単身乗り込んで説得したことで自分の運命と闘う決意をする。
その後、苗木や日向たちと共に自分を生み出したドレス、そしてバオーの創造者である霞の目博士との死闘を繰り広げるのだが…それはまた別のお話。


ザ・ワールド・BC(ブレイクチェイン)
破壊力:A スピード:A 持続力:A 射程距離:C 精密動作性:B 成長力:A

最原の操るスタンド。人型バオーである最原終一を生み出すために、ドレスは数多の生物の遺伝子を組み込んだ。…その中には、秘密裏に採取された「吸血鬼DIO」の細胞も含まれていた。結果、吸血鬼としての特性は引き継がれなかったものの、DIOのスタンドである「ザ・ワールド」を最原は受け継ぐことになった。当初はバオーの力と共にDIOの遺伝子も受け入れきれずにいた為、全身を鎖でおおわれ力の大半を無意識に封じ込まれた「ザ・ワールドOC(オーバーチェイン)」という姿であった。(全ステータスが2段階低下、時止めも一秒未満)
しかし、バオーの力を使いこなせるようになるたびにスタンドもパワーアップし、最後には自ら鎖を引きちぎり本来の姿である「BC」形態となった。時止めも現状5秒間程度止められる
しかも、最原が精神的に未完成であるため、ザ・ワールドもまだまだ進化の可能性を秘めている…が、それはまた別のお話。どうやら赤松のスタンドが関係しているようだが…?
名前の元ネタはニューダンガンロンパV3のED曲「断鎖」より。彼もまた、運命を断ち切る者なのである
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。