黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~ 作:マイン
そしてロッソとブルは一度は圧倒されるもリベンジでオーブリングNEOによる連携と合体技のトリプルオリジウム光線で勝利!やっぱり2つのパワーで戦ってこそのオーブの力だよね
…と思いきや、最新話で平和だった湊家に不穏な影が…。アサヒの正体はやっぱりあの人なのか…だとすればやはり彼女も宇宙人なんでしょうかねえ…?そして前話で名前だけ出てきた黒幕らしき人物「オスカー・ワイルダー」…名前からしてアメリカンですが、何者なんでしょうか?ルーブも後半分ですが、今後がとても楽しみですね
ではどうぞ
「燃やすぜ、勇気!!」
『ウルトラセブン!』
『ウルトラマンレオ!』
『ウルトラマンジード! ソリッドバーニング!』
『デュワッ!!』
『キュロロロローッ!!』
ジードとマガキングギドラの戦いは苛烈を極めていた。マガキングギドラのタフさを思い知ったジードは『プリミティブ』のままでは押し切れないと判断し、防御力と近接戦闘に特化した『ソリッドバーニング』へと姿を変える。
レオのような角が生えた頭にはアイスラッガーによく似た『ジードスラッガー』が装着されており、さらには全身がまるで『機械の鎧』のように無機質じみたものへと変化している。時折稼働する装甲の隙間からは蒸気が勢いよく噴き出し、『生物』としてのウルトラマンとはかけ離れた『サイボーグ』を思わせる姿、それが『ウルトラマンジード ソリッドバーニング』である。
「おおお!?終一もタイプチェンジできんのか!あの見た目は…セブンとレオか?師弟の融合とか熱いぜ!」
「ウルトラマンと言うよりロボットみたいだな…めっちゃ蒸気噴き出してるし」
「どことなくシンパシーを感じます!こうしては居られません、入間さん!僕の調整はまだですか!?」
「急かすな早漏!もうちょっとかかんだから待ってろ!」
過去に無いメカメカしいウルトラマンにいつになくテンションが上がったキーボが再出撃を急かす中、ジードはマガキングギドラへと攻撃を仕掛ける。
ボシュゥゥゥッ!!
頭の『ジードスラッガー』を腕の装甲に装着すると、背中のブースターを吹かして爆発的なスピードで斬りかかった。
『ブーストスラッガーパンチ!』
拳を叩き込む直前に腕のブースターを点火したことで加速をつけた一撃は、マガキングギドラの鱗を切り裂き胴体に深々と拳が突き刺さった。
『ギャオオオオオオッ!!?』
流石にこれは痛いのか狂ったような金切り声を上げたマガキングギドラは、3つの頭でジードに噛みつき引き剥がそうとする…が、ジードの方が一手早かった。
『ストライクブーストォォォォッ!!』
ビィィィィッ!!
ジードは腕が突き刺さったまま、光波熱線をマガキングギドラの体内へと放った。
『―――――――ッ!!』
パァァァンッ!!
もはや聞き取ることすら困難な断末魔と共に、マガキングギドラの胴体が内側から弾け飛んだ。依り辺を失った3つ首が宙を舞い、地へと墜ちていく。
「や、やった!!…けどグロッ!?」
「か、怪獣の身体が…風船みたいに…。スゴい…」
「流石にあのザマじゃあいくらなんでも…」
「…それ、フラグじゃないカナ?」
…その予感は、的中であった。
『…!?』
爆散しても尚警戒を怠らずにいたジードの眼前で、信じがたいことが起こる。突如ふわりと浮き上がったマガキングギドラの3つの首を中心に、飛び散った肉片が集まり始めたのだ。肉片はまるで粘土のように繋がりあい、もの凄いスピードで輪郭を形作っていく。やがてその内側に骨格が形成され、表面を我先にと言わんばかりに金色の鱗が覆い尽くしていく。
『…キュロロロロロロッ!!』
そしてものの数十秒もしないうちに、バラバラになった筈の肉体が元通りに再生したのだった。
『な…なんだありゃあ!?あの状態から復活したこともだが、それ以上にあの『再生スピード』はどういうことだ?いくら魔王獣だからって、無茶苦茶過ぎるぜ!』
『ああ…通常、あんな速度で再生すれば細胞分裂による消耗に肉体の方がついて行けなくなる。よしんば再生したとしても、疲労困憊は必死の筈なのに…奴はピンピンしている。あれはもはや生物としての範疇を超越している…!』
ゼロとカラレスもマガキングギドラの異常な生命力に驚く中、ジードはライザーを通してレムと会話をしていた。
「レム、奴の異常な再生力はどういうことなんだ!?」
『…観察の結果、どうやらあの怪獣にとって肉体は生存の為の重要なファクターではないようです。肉体はあくまで破壊行動を成すための道具に過ぎず、『核』となるものは通常の生物とは異なる場所にあるのかもしれません』
「核…?そんなものどこに…」
ガキィンッ!!
『ジュワッ!』
『デリャアッ!』
『…え!?』
ジードが打開策を考えている所に、剣戟を交わしながらザージダークとオーブが飛び込んできた。
『せ、先輩!?』
『ザージ!?』
『え…まさか最原君!?なんで君までウルトラマンに…』
『それは、その…色々あって。それより、先輩が戦っているのって…ウルトラマン、ですよね?』
『…ああ。彼はザージさん、カラレスさんたちと同期だった光の国の戦士だよ…ですよね、カラレスさん?』
『あ、ああ…!まさかとは思っていたが、やはりザージ達も囚われていたのか…ッ!』
悔しげに拳を握るカラレス達の前で、合流を果たしたザージダークとマガキングギドラが並び立つ。
『…オーブ、ザージとは私が戦う!彼は私の戦友だ、あのような姿になどこれ以上させるわけには行かないッ!』
『…分かりました、僕も援護します。最原君…』
『ジードです。今の僕はウルトラマンジード、そう呼んでください』
『そうか、ならジードとゼロさんは魔王獣をお願いします。ザージさんを元に戻すためには僕の持つレジェンドさんの力が必要なので』
『はい!』
『ああ、任せとけ!』
『…来るぞ!』
『デュワッ!』
『キュロロローッ!!』
向かってくるザージダークとマガキングギドラに、それぞれ二人のウルトラマンが立ち向かっていく。
『ジュワッ!!』
『せいッ!』
ザージダークの放つ正確無比な剣捌きを、オーブは二刀流を縦横無尽に振るい防いでいく。辺子山から仕込まれた『実戦向きの剣術』に加え、光の国の『ウルトラコロセウム』にて若手戦士に混じって剣闘士として経験を積んだオーブ。そこにヒカリとアグルの力が加わったことで、剣士としては遙かに格上であるザージ相手にも応戦することが出来ていた。
『…今です!』
『ハァッ!!』
ドゴォッ!!
オーブの剣がザージダークの剣を挟み込んで封じた隙に、カラレスの拳が鳩尾を強かに打ち据える。
『グムッ…!?ク…『リオート』!!』
シュバババババッ!!
一瞬怯んだもののすぐに立て直したザージダークは、残像がハッキリ見えるほどのスピードでオーブとカラレスの周囲を駆け回って攪乱する。
『これは…ザージの得意技のリオートだ!気をつけろ、ザージは光の国随一の俊足の持ち主。残像であっても本当に斬られるぞ!』
『成る程…ならば、『避ける』のは『諦めましょう』』
『…何?』
今にも斬りかかって来そうなザージダークに対し、オーブは構えを解いたばかりか剣を籠手に仕舞って棒立ちになってしまった。
「苗木!?アイツ、何考えてんだ!あんなの斬ってくれと言ってるようなものじゃあねえか!」
「誠!何やってるの、早く逃げてッ!」
その無謀としか見えない行為に朝日奈達が悲鳴をあげるが、それを見ていた辺子山だけが『苗木』の『真意』に気づいた。
「…ッ!待て、そういうことか…!」
「ペコ?お前何を…」
九頭竜がその言葉の意味を問う前に、ザージダークが棒立ちのオーブへと斬りかかった。
『死ねぇッ!』
『オーブ!』
「ああ~ッ!!?」
「…そこだァーッ!!」
シパァンッ…!
ザージダークのいくつもの残像がオーブを交錯するのと同時に、オーブは瞬時に剣を出現させ振り抜いた。
『……』
『……』
ピキキ…!
しばしの沈黙の後、オーブのプロテクターの一部が凝結し…
『…グオ、オ…』
ズゥン…!
ザージダークが呻き声を上げて膝をついた。
「や、やった!…でも、一体どうして…」
「…『居合い』だ」
「い、居合い?」
「古来よりある抜刀術の一つだ。苗木はただ棒立ちになっていたのではない。限界まで脱力し、攻撃と防御をギリギリまで捨てることで『観る』ことにのみ神経を集中させ、敵の攻撃が届くより一瞬早く剣を抜き、防御と攻撃をコンマ一秒の瞬間に成立させる…現代においては時代劇のような八百長でも無い限り不可能な芸当だ。いくら相手が素早いとはいえ、『攻撃の瞬間』ならば実体は『一つ』。その瞬間を狙うのならば居合いこそが最善の一手…私ですらその域には至れていないというのに、やってくれる…!」
自分が目指す『剣の極地』でしか為し得ない技に、辺子山は思わず背負った竹刀の柄を握って獰猛な笑みを浮かべる。
無論、いくら『苗木』とて『超高校級の剣道家』である辺子山ですら困難な技が出来るはずが無い。だが、ヒカリから借りた『叡智』とアグルがもたらす大洋の如き『心』により、『苗木』は一時的にではあるが『明鏡止水』…幾多もの剣豪達が求めた究極の思考に至ることが出来たのだ。
『よし、これで決める…カラレスさん!』
『ああ!』
ザージダークが立ち直る前に、オーブとカラレスは完全に戦闘不能にするべくダメ押しの技を放つ。
『ナイトスクリューショット!!』
『ストリウム光線!』
カラレスはストリウム光線を放ち、オーブは両腕を交差させエネルギーを蓄積した後、大きく広げてから右腰まで引き、思い切り突き出す。すると掌底のように突き出した両手から結晶状の光波熱線が渦を巻きながらザージダークへと向かっていく。
『ッ!ウオオオオオ…!?』
ドガァァンッ!!
二条の光線が炸裂し、ザージダークの叫び声と共に爆発が起きた。
『や、やった…!これで後は、カラレスさんと同じようにして元に戻せば…』
『…違う、まだだ!ザージさんの生命エネルギーは『減っていない』ッ!ザージさんへの攻撃は失敗したッ!』
『え…!?で、でも光線は当たって…』
訳が分かっていない苗木と警戒を強めるオーブの前で爆煙が収まっていき、その光景が明らかになっていく。
ズゥゥゥン…
『…グオ、オ…』
『…!?』
ザージダークの前に立ちはだかって代わりに光線を受け倒れたのは、全身を刺々しい岩石のような甲殻で覆われた亀のような『怪獣』であった。
『か、怪獣が…ウルトラマンを庇った!?』
『あれは…『フリーザス』!ザージの相棒のカプセル怪獣だ!…まさかザージの奴、フリーザスを盾にしたのか!?』
『盾に…あの体勢から?しかしそれにしては…』
愕然とするオーブ達の眼前で、ザージダークは立ち上がると倒れたフリーザスの傍に向かう。
『クォー…オ…』
『……』
もはや死に体であるにも関わらずザージを気遣うような鳴き声を上げるフリーザス。そんなフリーザスをザージダークはジッと見つめ…
「…はい残念~!お涙頂戴とか、そういうのマジ要らない~!と、言うわけで…レッツ・リザレクションーッ!!」
『…!』
徐に、氷の剣を天に掲げた。すると…
ゾワワワワワッ…!
上空を覆い尽くしていたドビシの一部が群体となって地上へと向かってくる。
『な、なんだ!?』
ドビシたちはオーブやカラレスに一切構うこと無く、一目散に倒れたフリーザスを覆い尽くしてしまう。
「な、何が起こったというのだ!?あの虫たちは何故あの怪獣に…」
「…キーボ、見えないか!?」
「やってみます!」
学園の方でもその光景は見えており、メンテナンスを終えたキーボが望遠機能を使って詳しい様子を探る。
「…ッ!?な…こ、これは…」
「どうした?何が見えたんだ?」
「…あ、あの虫たち…『食べている』…!あの怪獣を『生きたまま』食べていますッ!!」
「なッ…!?」
キーボが見たのは、か細い悲鳴をあげるフリーザスにお構いなしでその身体を貪るドビシの醜悪な姿であった。…そして相棒が無残な目に遭っているにもかかわらず、ザージダークはそれを見つめたまま何もしない。
『ザージ!何をやっているんだ、今すぐ止めろッ!フリーザスは…お前の大切な仲間じゃあ無かったのかッ!?』
『……』
『ザージッ…!』
激昂するカラレスの叫びにもザージは何も答えない。
…ピカッ!
やがてフリーザスを覆い尽くしていたドビシの群れが突如輝きを放つ。
『くっ!一体何が…』
ズズ…
光が収まった後、倒れていたフリーザスがゆっくりと起き上がった。
『フリーザスッ…!?』
『これは…!』
…だが、『立ち上がった』ソレはもはやフリーザスでは無かった。
4つ脚を着いていた体躯は2足歩行へと変化し、より戦闘向きなフォルムへと変わっている。岩石のようだった甲殻は刺々しさはそのままに『甲虫』のような軽さと強度を兼ね備えたものへと変化し、両腕の先には二叉に別れた『鎌』が生えている。荒々しさの中にも優しさが垣間見えていた瞳は狂気に歪み、額には大きく見開かれた『3つ目』がある。
『ギャオオオオオオッ!!』
雄叫びを上げるその怪獣こそ、ドビシの群れがフリーザスを喰らいその身体ごと合体した怪獣…『凍結魔甲虫 ドビシフリーザス』である。
『ドビシが、フリーザスを取り込んだままカイザードビシに…!?』
『ザージ…何故、フリーザスをこんな…』
『…ジュワッ!』
『ギョワァァァァッ!!』
カラレスの悲痛な声にも耳を傾けず、ザージは空いている方の手にも氷の剣を創り出し『二刀流』になってドビシフリーザスと共に襲いかかってくる。
『チィッ…カラレスさん、今は戦いましょう!呆けていたらこっちがやられます!』
『ぐうっ…おおおおおおおッ!!』
友の非道に怒りの雄叫びを上げながら、カラレスはオーブと共にそれを迎え撃った。
ウルトラダンガンナビ!…と言う名の解説
今回はこの話で出てきたオリジナル要素について
ナイトスクリューショット…ナイトリキデイターの今作オリジナルの技。フォトンスクリューに似た構えから渦状のナイトシュートを放つ。隙が大きいが、高い威力と貫通力を誇る
凍結魔甲虫 ドビシフリーザス…ドビシがフリーザスの力を奪って合体したカイザードビシの亜種。フリーザスの防御力と氷結能力が加わり、通常のカイザードビシより遙かに強い。…こんな扱いでゴメンねフリーザス。
同時更新の本編の方もよろしく!
ではまた次回