黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~ 作:マイン
面倒な人は後書きにさらっと纏めてあるのでそっちだけでもどうぞ
じゃあハイ、スタート(棒
「さーて…なんか最近こんなのばっかだが、説明して貰うぜ…最原」
「…はい、分かってます」
マガキングギドラとの戦いの後、後始末を済ませると一同は再び食堂に集まった。目的は当然、突然ウルトラマンの力を手にした最原の事情を聞くことだ。
とはいえ、全員が集まっているわけでは無い。天願は昨夜以来『学園の資料室』に籠もったまま姿を見せず、グレート・ゴズや万代に忌村、未来機関側の雪染は今回の戦いによる被害の救済の為に外に出ている。安藤や十六夜に至ってはいつの間にか何処かに行ってしまい、御手洗は新たな構想を得たのか再び缶詰状態に。…そして、戦闘の中で行方不明になってしまった逆蔵も当然居ない。詰まるところ、未来機関側の出席者は78期生と宗方を除くと全員が出払ってしまっていた。…さほど問題は無いため特に誰も気にはしなかったが。
「最原君、まずは質問させて欲しい。…君は『僕たちの知っている最原終一』なのか?」
代表して問う『苗木』に、最原は少し考えた後に答える。
「…はい。僕は希望ヶ峰学園79期生、『超高校級の探偵』最原終一です。…少なくとも、『この身体』はですけど」
「…?おい、そりゃどういう意味だ?」
「まさか…終一の身体に『誰か』が取り憑いてるってんじゃあねえよな?」
「いやいや、まさかそんな…」
『その認識は、おおよそ的外れではありません』
「…へ?今の声…誰?」
「声の感じは日寄子ちゃんに似てたっすけど…」
「私じゃないよ!」
「じゃあ一体…」
『ここです』
「え…うおッ!?なんだありゃ!」
声の出所を辿っていくと、最原の後ろにテニスボールほどの大きさの『球体の機械』が浮遊していた。
「あ、そういえばまだ言ってなかったっけ…レム、自己紹介を」
『初めまして、希望ヶ峰学園…そして未来機関の皆さん。私は才囚学園生徒生活寮『星雲荘』の管理システムです、『レム』と呼んでください。…今は機能の一部をこの無人探査機『ユートム』に移しているに過ぎませんが』
「さ、『才囚学園』?…なんだそれ?」
「名前からして学校のようだけど…ここまで高度な人工知能をシステムとして導入しているとなると、ただの学校じゃなさそうネ」
「う、うん…!僕の『アルタ-エゴ』でもここまで高度な知能を得るのは難しいし、このユートム…?だって、どうなって動いているのかさっぱりだよぉ…!」
『それは当然のことかと。私やユートムは地球外の技術によって生み出されたものなので』
「地球…外?」
『その前に、まず前提として話しておかなければならないことがあります。…現在、彼…最原終一の肉体には『2人分の精神』が宿っている状態にあります』
「二人?」
『一人は、貴方方の知る『希望ヶ峰学園の最原終一』。そしてもう一人は…』
「…才囚学園の元生徒、『超高校級の探偵』にして『ウルトラマンベリアルの息子』である最原終一の魂だよ」
「「「「「!!?」」」」」
最原の口から告げられた言葉に、ウルトラマン一同は度肝を抜かれる。
「なッ…!?べ、ベリアルの息子だとッ!」
「そういえば…確かに、目元がベリアルさんに似ていたような。最原君が変身してたジード…」
「ベリアル…!あの戦いでてっきり死んだものと思っていたが…」
「生きていたとは…しかも、その息子がこうして目の前に居るとはな…」
「…あのぉ~、ウルトラマンの皆さん?そのベリアルって…どなたなんでしょ?正直聞いたことも無いのですが…」
置いてけぼりを喰らった皆を代表して山田がおずおずと質問する。
「ああ…そういえばあっちじゃまだベリアルさんは知られてないんだったか。…でもどこから説明したものか、ええと…」
(ウルトラマンベリアルの活躍は『ウルトラ銀河伝説』、『超決戦!ベリアル銀河帝国』を観よう!)
「…と、いうことをした人なんだ」
「光の国を一度ならず二度も滅ぼしかけて、その上別の宇宙で帝国創って宇宙を支配しようとしていたとか…とんでもない奴だな、そのベリアルって奴…!」
「我々にとっては司令やゾフィーの父上と共にエンペラ星人の侵略から光の国を守った英傑の一人だったのだが…一度目の侵攻の時は歯が立たず、二度目の時にはキーの中から見ていることしか出来ず歯噛みしたものだ」
「…で、そのおっかねえウルトラマンが最原の中に居る『もう一人の最原』の親父ってワケか?やれやれ…俺が言えた義理じゃあねえが、お前さんもどこまでも『平凡』とは無縁って感じだな」
「言わないでよ星君…」
「ってことはだ…お前らもモルやロラと同じ、俺達の世界ともこの世界とも違う世界から来たってことか?」
『はい。…ですが、あながち無関係というワケではありません』
「?」
疑問符を浮かべる皆に、レムは衝撃的な言葉を発する。
『私たちがいた世界は、江ノ島盾子による『人類史上最大最悪の絶望的事件』…並びに『二度のコロシアイ学園生活』が起きた後の世界…。すなわち、この世界における『未来』…その可能性の一つの世界より我々はやって来たのです』
『は…!?』
レムの言葉に、今度は未来機関所属組が愕然とする。
「き、君は…この世界の、『僕たちの未来』から来たのか!?」
「…苗木君、落ち着いて。彼女…でいいのかしら。レムさんは今『可能性の一つ』と言ったわ。それはつまり、厳密に私たちの世界の未来とは限らないという訳かしら?」
『はい。この希望ヶ峰学園が元々あった世界…『人類史上最大最悪の絶望的事件』とそれを発端とする『コロシアイ学園生活』が起きなかった世界があるように、今この瞬間にもこの世界を起点として無数の可能性が生じ、それに応じた数の平行世界が存在します。私たちの世界はその一つに過ぎません。なので、貴方方がこれから辿る歴史が私たちの世界に繋がっている可能性は低いと考えられます』
「そ、そうなんだべか?」
「…でも、ちょっと気になるよね。未来で何が起きたのかって…」
「…レムさん。済まないが教えて欲しい。我々の未来に、一体何が起こったというのだ?」
『…分かりました。では、この映像と共にお聞き下さい』
レムはユートムの『プロジェクター機能』を使い、食堂の壁に映像を映しながら語り始める。
『人類史上最大最悪の絶望的事件より始まった、絶望の残党と未来機関の争い…。不毛と思えるまでに果ての無いその戦いは江ノ島盾子の死により転機が訪れ、未来機関は犠牲を出しながらも徐々に絶望の残党を減らしていきました。そして、コロシアイ学園生活の生き残りである希望ヶ峰学園78期生を中心として再建された『新希望ヶ峰学園』を象徴に、世界は再び元あった姿に戻りつつありました…』
映像に映し出された花畑の中の新希望ヶ峰学園、そして学園長となった未来の苗木誠の姿に78期生は驚き、苗木は葉隠や朝日奈にからかわれ恥らいでしまう。
『…そんな時でした。この星の外より、『新たな戦いの火種』が持ち込まれたのは』
…しかし、映像が転換し一転して火の海に飲み込まれる学園とその横に立つ『黒い巨人』が映し出された途端、その表情が凍り付く。
「こ、こいつは…まさか!?」
「ああ…こいつが、ベリアルだ…!」
『…ウルトラマンゼロによって倒されたと思われたベリアルが、部下を率いて地球を侵略しようと襲ってきたのです。ウルトラ戦士達は時空を超えて地球に集まりベリアルと戦いを繰り広げましたが、そのこれまでに無い規模の戦いにより復興しかけていた地球の文明は再び破壊され、多くの命が失われました。…貴方方も含めて』
「なッ…!?俺達が死んだだと…!」
「そんな…」
未来機関に所属する以上覚悟はしていたが、自分たちが死んだという事実を目の当たりにした苗木達は顔を青ざめてしまう。
『そして、戦いは唐突に終わりを告げました。…ベリアルが解放した最終兵器、次元を歪め宇宙そのものを崩壊させる『超次元消滅爆弾』により地球を起点とした次元崩壊、『クライシス・インパクト』が起きたのです。地球はベリアルと共に次元の渦に消え、それに飲み込まれる形で周囲の惑星はおろか銀河すら消滅し、一つの宇宙が消えゆこうとしました…』
「……」
とんでもないスケールへと発展した戦いの結末に、皆は唖然とするほか無かった。
『…ですが、その崩壊は間一髪のところで免れました。『ウルトラマンキング』によって』
「き、キングって…あのキング!?」
『はい。キングはウルトラ戦士の能力である『他者と一体化し傷を癒やす』力により、『宇宙そのものと同化』することで崩壊しかけた世界を繋ぎ止めたのです。当然、地球もそれにより復元し、結果的にではありますが人類史上最大最悪の絶望的事件によるダメージから立ち直ることが出来ました』
「宇宙そのものと同化…!?そんなことが可能なのか?」
「…もし僕たちが同じ事をしようとすれば、力が足りずに中途半端に終わってしまうだろうね。よしんば上手くいっても、力を使い果たして存在そのものが完全に消滅してしまう。規格外の力を持つキングさんだからこそ出来た偉業としか言えませんね」
『…こうして地球は元に戻り、再び平和な時代が訪れようとしていました。…ですが、ベリアルはそれら全てを『織り込み済み』だったのです』
「なんですって?」
『ベリアルは崩壊の際、密かに異空間を創りそこに逃げ込んでいました。ベリアルは確信していたのです、宇宙が崩壊することになれば必ずキングが表に出てくると。…そして、思惑通りキングが宇宙を再生するのに合わせ、再構築される地球に僅かな『闇』を混ぜ込んだのです』
「闇…」
『再生された地球では、人類史上最大最悪の絶望的事件のことは忘れ去られ、希望ヶ峰学園も存在しませんでした。これは、苗木誠の遺志でもあります。江ノ島盾子という怪物の温床となった希望ヶ峰学園さえ無ければ、あのような悲劇は二度と起こらないだろう…と』
「僕が…そんなことを」
『ですが、ベリアルはそれを利用したのです。クライシス・インパクトの際、ベリアルと共に部下の一人が生き残っていました。そいつは人間に擬態し、作家として『とある作品』を世に送り出しました。…その内容は、超高校級の才能を持つ高校生達がとある学園に閉じ込められ、学園長を名乗る謎のぬいぐるみにコロシアイを強制される、と言うものです』
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!それって、もしかして…」
余りにも聞き覚えのある設定にざわめく皆を肯定するように、レムは言い放つ。
『その作品の名は…『ダンガンロンパ』。そう、その部下は崩壊前の世界で本当に起きたことを『フィクション』として世に広めたのです』
「僕たちの歴史を、物語にしたっていうのか…!?」
「ふぅ~ん…ダンガンロンパ、ねぇ…」
「だ、だが…そんなことをして一体何になると言うのだ?」
『それこそが、ベリアルが地球に残した『闇』の引き金となったのです。…再生された地球の人々はクライシス・インパクトの際に死亡した人々が転生した存在なのですが、ベリアルの闇により多くの人々の魂に『絶望の残党であった時の感覚』が僅かながら刻み込まれていたのです。それ故に、人々は崩壊前の世界に比べ『死』に対する抵抗が少なく、決闘や死の危険が伴うゲームなどを娯楽として享受するのが『当たり前』の世界になってしまいました』
「なッ!?そ…そんな非人道的なことが許される筈が無いだろうッ!!」
「…そこんとこも込みってことだろ。『人殺しがいけないこと』だっつー『常識』そのものが歪められちまったんだろう」
「…あり得ねえ」
レムが語った彼らの世界における『常識』。その余りの異常さにそれ以上の言葉が無かった。
『そのような世界であるため、ダンガンロンパという作品は世間で大いに受け、やがて小説からゲーム、アニメ…そしてついには『実写化』にまで漕ぎ着けたのです』
「…あの、その実写って…いわゆる『お芝居』なんだよね?」
『…いいえ。この作品における実写化とはダンガンロンパの世界観の忠実な『再現』…即ち、作品内における死は『出演者の本当の死』に直結するというものだったのです。事実、ダンガンロンパシリーズの実写化第一作…希望ヶ峰学園を舞台としたコロシアイでは、貴方方が体験したコロシアイにて死亡した生徒役の出演者は、全員『同じ死因』で死亡しました』
「…ッ!!」
「嘘だろ…あんなのを、マジでやったってのかよ…!?」
『当然ですが、自分が死ぬことを事前に分かっていては演技に影響が出るということを考慮し、出演者は自分の配役を知らされることなく事前に記憶を調整され、あたかも自分が『本物の希望ヶ峰学園の生徒である』という『ニセの記憶』を刷り込まれた上で、撮影されていることを知らされないままコロシアイをさせられました。…彼らはきっと、死ぬ寸前まで自分が殺される本当の理由を理解できないままだったでしょう』
「…狂っているわ」
自分たちが命懸けで生き延びたあのコロシアイを、ドッキリでもするような軽い感覚で再現されたということに、未来機関の78期生は怒りと困惑を滲ませた表情で聴き入る。
「…だが、まだ分からない。確かに地球人をそんな風に変えちまったのは恐ろしいが、そんなことしてベリアルに何の得があるってんだ?」
『…ダンガンロンパを世に広めたのは、コロシアイを娯楽として世に定着させる他にもう一つの目的があったのです。ベリアルが人々に闇を植え付けたように、キングもまたベリアルの闇に対抗する為の『光』…『リトルスター』と呼ばれる力を選ばれた人々に残したのです。リトルスターに選ばれた人間はベリアルの影響を受けず正しい感性を持ち続け、更に他に類を見ない『超人的な才能』を有していました。彼らは『ギフテッド』と呼ばれ世間の注目を集める一方で、ウルトラマンゼロと融合したことでその世界で唯一の『前の世界の人間』となった日向創が秘密裏に結成した『レジスタンス組織』に所属し、何時の日か正しい世界を取り戻すために活動していました。…その力に、ベリアルは目を付けたのです。かつて自身が憧れ欲した、キングの力を継承した者達を』
「俺、そっちでもゼロと一体化してたのか…」
「…ベリアル、やはり貴方は…」
『ベリアルはダンガンロンパの制作統括を務める『チームダンガンロンパ』のリーダーとなった部下に命じ、ギフテッド、或いはその候補者をダンガンロンパの出演者に紛れ込ませました。…勿論、シナリオの中で必ず死ぬキャラクターに配役して。そうして死亡したギフテッドからリトルスターを奪い、自らに取り込もうとしました。ですが、リトルスターは仮にもキングの力の一部、闇の存在であるベリアルには扱うことは出来ません。そこでベリアルは一計を案じました。…自身の『遺伝子』を用いて『限りなくウルトラマンに近い自分の血縁者』を生み出し、その存在にリトルスターを集中させた後に丸ごと取り込んでしまおう…と』
「…その結果生み出されたのが、向こうの世界の最原終一…僕の中に居る、もう一人の僕なんです」
レムに説明を任せていた最原が、自分の胸に手を当ててそう言う。
「最原君が…そんな…」
『ベリアルは部下に命じて自身の遺伝子と、人間社会に溶け込めるよう地球人の遺伝子を掛け合わせシュウイチを生み出しました。そしてダンガンロンパの参加条件である『現役高校生』になるまで、ウルトラマンの素質を失わぬよう比較的善性のある人間の元で育てさせました。…そして、シュウイチが16才になった年に行われたのが、ダンガンロンパシリーズ『53作目』に当たる『ニューダンガンロンパV3』なのです』
「53作目ぇ!?…マジありえねえだろ。どんだけコロシアイがしたいんだって話だよ…」
「それに、最原ちゃんが参加させられてたってワケ?」
「うん。…ちなみにだけど、僕だけじゃ無く王馬君や百田君たちも居たよ。才能もこの世界の皆と一緒だった…赤松さんだけはちょっと事情が違ったけどね」
「え?私?」
『向こうの世界の赤松楓は、レジスタンスの中でも特に強い力を持った存在でした。…それだけでなく、彼女は『クライシス・インパクト以前の記憶』をそのまま持っていたのです。それ故彼女はピアニストとしての才能を示す一方で、秘密裏に剣の修行を積みダンガンロンパに呼ばれる時を待っていたのです。…前の世界で『姉』を奪った絶望に、ダンガンロンパに『復讐』するために』
「姉…?赤松、お主姉が居たのか?」
「あ…うん、皆には言ってなかったけど。と言っても、私が小さい頃に親の離婚で離ればなれになっちゃったからあんまり憶えてないんだけどね」
「…ッ!?」
赤松が何気なく言ったその言葉に、七海がハッとしたような表情で反応したが、後ろの方で聞いていたために他の皆には気づかれることは無かった。
『…話を戻しましょう。赤松楓やシュウイチを含めた16人の超高校級の生徒によるコロシアイの舞台となった場所…それこそが才囚学園なのです。私もそもそもはベリアルの部下により才囚学園とコロシアイの管理、そして生徒達の監視のために生み出されたプログラムでした』
「僕たちは今までのダンガンロンパと同じように記憶を調整され、自分の超高校級の才能に関すること以外でっち上げの記憶を持った状態でコロシアイを強制された。…最初は皆当然コロシアイを否定していたけど、脅されたりニセの記憶を餌にして誘導されたりして…誰かが誰かを殺して、そのたびに学級裁判が開かれて犯人も死んで…そうして、徐々に減っていったんだ」
「ぼ、僕たちがコロシアイを…!?」
『そうして死んでいったギフテッドから抽出したリトルスターは、ベリアルの目論見通りシュウイチの元に『ウルトラカプセル』の形で集まっていきました』
「ウルトラカプセル!?そっちじゃ完成していたのか…」
「…ゼロ、だよな?なんだそのウルトラカプセルって?」
「ああ…ウルトラカプセルってのは、ウルトラマンヒカリが開発を進めている光の国の新技術だ。俺達ウルトラマンの力を『純粋なパワー』として小さなカプセルに内包し、『ライザー』っつーアイテムを使って解放するらしい…俺も詳しくは知らねえんだがな」
「こういう物ですよ」
最原はいくつかのカプセルとジードライザーを見本として机の上に出した。
「ほほうコレが…」
「確かに、こんな小さいのにスゴいパワーを感じる…!僕のフュージョンカードと同じように、先輩方の意思が有るわけではないみたいだけど」
『リトルスターに籠められたキングの力を、それぞれが持つ『才能』に応じたウルトラ戦士の力を宿したカプセルに変換することで、学級裁判が進むごとにシュウイチは力を手にしていくことが出来たのです』
「…仲間の犠牲と引き換えに力を得る、か。素晴らしいことだよ!…って、ちょっと前の僕なら言ってたかもね」
「…今は?」
「…そういう希望は、もうこりごりかな…」
最原のリトルスターを入手した経緯に、狛枝は自嘲するようにそう呟く。
「…ていうかそもそもさー、向こうの最原ちゃんって曲がりなりにもウルトラマンだったんでしょ?だったら、その才囚学園を脱出してコロシアイを終わらせることもできたんじゃない?」
「あ、確かに!」
「…それは、僕も自分の力を知ったときに最初に試したよ。…すぐにその希望を打ち砕かれたけどね」
『才囚学園は、ベリアルの指示により地球では無く『月面』…それも地球からは観測できない『月の裏側』に建造されていました。シュウイチ一人ならともかく、他の生徒を連れて脱出するのは当時のシュウイチの力では不可能でした。また、そのことを隠すために学園の周囲はドーム状に壁で覆われ、その壁にはヒッポリト星人の『ヒッポリトカプセル』の技術が使われており、許可無く学園からの脱走やウルトラマンの力を使えばその場でブロンズ像にされてしまう制約が課せられていたのです』
「閉じ込められたのは辺境どころか星の外、おまけにルールと偽の記憶で雁字搦めにされた状態でのコロシアイか…控えめに言っても、『詰み』としか言えない状況ダネ」
「…だが、その最原はこうしてここに居る。であれば、そうで無かったと言うことだろう?」
『はい。…完璧と思われたベリアルの計画でしたが、たった一つだけ『誤算』がありました。シュウイチの『ウルトラマンとしての成長』、その速度がベリアルの想像を遙かに超えていたのです。シュウイチはリトルスターの力と共に死んでいった生徒達の『想い』も引き継ぎ、それらはシュウイチのウルトラマンの力をより強める源となり、ベリアルの部下がコロシアイの動機として嗾ける怪獣を次々と撃破していきました』
「…そして、参加者の数が半分を切った時点で、これ以上僕が力を付けることを危険と判断したベリアルが才囚学園に乗り込んできたんだ。僕は精一杯戦って…一度目は敵わずにあやうく取り込まれそうになったんだけど、赤松さんたちが僕をベリアルの支配から助け出してくれたんだ」
『そしてその後の戦いで、シュウイチは残りの生徒達が持つリトルスター…そして、赤松楓より『ウルトラマンキングのカプセル』を託され、その力を以てベリアルとその部下を打ち倒し、コロシアイに終止符を打ったのです』
「ベリアルを…倒したのか!?あの『絶望』が形になったような存在を…」
「…皆の力があったからです。その後、なんとか学園を脱出して地球に居るゼロやレジスタンスの人たちと合流し、今なおベリアルの影響が残る地球の人たちを元に戻す活動をしていたんですけど…その最中に、『ゾーリム』っていう怪獣と戦うことになって…」
「ゾーリム!?あのガイアに出てきためっちゃデカい奴か!」
「うん。勝つことには勝ったんだけど、倒した後に残ったワームホールに飲み込まれてこの世界に飛ばされて来ちゃったんだ。しかもワームホールの中でかなりのダメージを受けてしまって、この世界にやって来たときには人間の姿を取ることもままならない状態だったんだ」
『そこで私がこの世界を調べたところ、偶然にもこの世界にも『最原終一』が存在していることを知り、彼を誘導してシュウイチと一体化してもらうことで一命を取り留めたのです』
ウルトラダンガンナビ!…と言う名の解説
今回は長々と書いた本文の内容をさらっと纏めます
今作品でのジード世界は、アニメのダンガンロンパ3希望編の後にベリアルが地球へと侵略し、光の国との戦争に発展、その中で日向を除いた皆は死んでしまいます。そしてベリアルにより崩壊しかけた地球をキングが復元させた結果、ベリアルの意思が介在したニューダンガンロンパV3の世界軸へと一新してしまったと言うことです。簡単に言うと
希望編→ジード冒頭、クライシス・インパクト→ジャンボ☆チート→V3の世界 と言うことです。
この世界でのリトルスターは原作ジードのような超能力では無く、「超高校級の才能」として反映されます。言うまでもありませんが、赤松はライハポジです。文中で出てきた「姉」に関しては、原作での「双子」設定を今作品限定でちょこっといじくらせてもらいました。ちなみに…その姉は、既に劇中に登場しています。つまり…フフフ
色々細かいところはすっ飛ばしてますので、次回でその辺を補填しつつ次の舞台へと移っていきます
ではまた次回。本編にて同時更新のこの作品に繋がるバオ-外伝のほうもよろしく!