黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~   作:マイン

23 / 31
SAOエグゼイド書こうと思ってたんですが中々進まなかったのでこっちを進めます

ジョジョ5部アニメ、ようやく僕の好きなシーンであるギアッチョ戦になりましたね。キレ芸に定評のある岡本さんのギアッチョは実にしっくりきてますねぇ。所々カットされた台詞もありましたが、その代わりにリゾットの写真解析シーンなど展開の変化を補完するアニオリが入ったのでスムーズに見れる気がします。…ところで今更なんですが、ギアッチョはどうやって最初に車の上に乗ったんでしょうねぇ?車で追いつこうとすればすぐにバレますし、スケートモードだと尚更怪しいですし…。ブチャラティたちと分かれた時に追いついていてこっそり跳び乗ったんでしょうか?
次回はミスタの見せ場ですし楽しみに待ちましょう

ではどうぞ


搭和シティ編:正義とは

 搭和シティに降り立った最原たちが目の当たりにしたもの。それは絶望の代行者の刺客と思わしき怪獣『ギャオス』の群れを、同じ代行者の部下であるはずの『ゼブブ』とその僕である『マガデストロイア』が殲滅する光景であった。

 

『ガァァァァッ!!』

 マガデストロイアの額にある角状のマガクリスタルが発光し、そのまま頭を大きく振ると光の軌跡がまるで鞭のように撓り、本来の射程より遙かに伸びた光の刃となってギャオスの群れを切り裂く。ミクロオキシゲンの『分子結合を弱める』性質を利用して一時的に角を分解し、薄く引き延ばされることで刃となって敵を切り裂く『ヴァリアブルスライサー』だ。

 

『キィァァァァァッ!!?』

 圧倒的な力で暴れ回るマガデストロイアに、ギャオス達も得意技である口からの『超音波メス』で攻撃するが、頑強な外皮に弾かれてダメージを与えることすら叶わず、先ほど自分たちが追い回していた人間たちのように右往左往と逃げ惑っていた。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

「やれーッ!クソッタレの蝙蝠ヤロー共をぶち殺せーッ!!」

 無双状態のマガデストロイアに民衆達は歓喜の声を上げ、それを見たゼブブは満足そうに頷く。

 …そんな光景を前に、苗木達はぽかんとしたまま動けず、最原に至ってはバオー状態のまま戻ることすら忘れていた。

 

「ど、どうなってんだこりゃあ?」

「アイツら…どっちも絶望の代行者の手下の筈だよね?なんでそいつらが殺し合ってんの?」

「わ…わかんねーよ、んなモン…!」

「…ん?なんだあんたら、ゼブブ様のことを知らねえのかよ?」

「え…あ、はい」

「なんだぁ~?もしかしてアンタ達ガキ共にビビってずっと引き籠もってたのかよ?…まあそこの若い連中はともかくそっちの牛面のデカいのぐらいはしっかりしろよな!でもそういうことなら教えてやるぜぇ~」

 近くに居た男の一人がそんな苗木達に気づき、完全にハイになっているのか、未来機関の服装をした苗木達やバオー状態の最原を気にも止めずに語り始める。

 

「あれは昨日の夕方…つったってこの空じゃ昼も夜も無いんだけどな。俺達はガキ共の襲撃に備えて見回りをしてたんだ。そしたら…いきなり空の彼方からあの『プテラノドン』みたいな化け物共が襲ってきて、危うく全滅しそうになったんだよ。その時…だ!ゼブブ様があのマガデストロイアを引き連れて現れて、化け物共を退治してくれたんだよ!」

「…うっさんくせ、どう考えたって怪しいだろそんなもん?」

「…確かに、最初は俺達も怪しいと思ったさ。けど、ゼブブ様はこうおっしゃったんだ…」

 

『私は、絶望の代行者を名乗るあの者の無道に愛想を尽かし、こうして奴の戦力を引き抜いて皆様のお力になるべくやって来ました!しかし、私を信用できないと思われるのは当然のこと…だが私は、それでも構わない!例え誰一人として私を信じてくれずとも、私は皆さんの、『希望』の為にこの命を燃やし尽くすことをここに誓いましょうッ!』

 

「…なんて言葉を言われた日にゃあ、信じるしかねえだろッ!確かにあの人はどう見たって人間じゃあねえ、けどそれがなんだってんだッ!俺達のために戦ってくれる人を、守られてる俺達が信じなくてどうするって話しだぜッ!」

「……」

「今じゃガキ共への『復讐』なんざどうでも良くなっちまった…。俺達はゼブブ様の為に、この街に新たな『希望の国』を創るんだぜッ!さあ、お前らもゼブブ様を応援しようぜ!」

 そう言うだけ言って、男は再び人々の輪の中へと戻っていった。

 

「…どう思う、皆?」

「どうって言われても…なぁ?」

「おい王馬、実際どうなんだよ?」

「…あのオッサン自体は『嘘』をついては居ないよ。ただ、『言葉そのもの』がどうにも嘘臭いね…まるで誰かに『言わされてる』みたいだよ。そんで、あのゼブブとか言う奴は…もう嘘の匂いしかしないね。どう考えてもアイツが怪しいよ」

「…どういうことですかな?」

「ああ、王馬君は『人の嘘を見抜ける』特技があるんですよ」

「俺は『超高校級の総統』だからね~。総統っていうのは、どんなときでも周りに『自分が正しい』ってことを示せなきゃ務まらないからね。その為には『嘘』と『ホント』を上手に使いこなす必要があるんだよ。…で、そんな風に嘘ばっかりついてたらいつの間にか『他人が嘘をついているか』が分かるようになったんだよね」

 王馬は『秘密結社DICE』(秘密結社とは言っても王馬の『幼馴染み』数人で結成された程度のものだが)のリーダーとして、時には見た人が思わず笑ってしまうようなつまらない悪戯から裏であくどいことをしている政治家や芸能人などを様々な手段で風刺するなど、『悪い奴は許さない、但し誰も傷つけない』ことをモットーとした活動をしてきた。

 しかし、やっていることは下らなくとも犯罪には違いないので、王馬は自分たちが捕まらないよう警察や関係者たちに対して巧みに『嘘』をつくことでDICEという組織の存在を知らしめつつも自分たちへの疑いを逸らしてきた。結局最後には他のメンバーは逃がせたたものの組織の主犯として正体がバレてしまったが、その『人心掌握術』と『世渡りの巧さ』を黄桜に見いだされて『超高校級の総統』として希望ヶ峰学園に入学したのだ。

 

「それは…なんとも羨ましい特技ですな。しかし、そうなるとあのゼブブという者が街の人々を良いように操っているということですかな?」

「ん~…普通に考えればそうなんだけど、それにしてはちょっと『変』なんだよね。前にカルト宗教に洗脳されてたバカ共を見たことがあるんだけど、そいつらと違って一応この連中は『正気』ではあるみたいなんだよね」

「となると…『洗脳』と言うよりは『思考誘導』されているのかもしれないネ。命の危機に瀕しているときに救われれば、相手が誰であろうと縋りたくなる気持ちにつけ込んだのかもネ…」

「…でも、それってなんだかズルいよ!」

「ふん…どうだってかまわん、奴が何を企んでいるかなど直に分かることだ…」

 

『ガァァァァッ!!』

 十神がそう言った矢先、ギャオスの群れの大半を撃破したマガデストロイアの勝利の咆哮が響き渡る。残ったギャオスも空の彼方へと逃げていったようだ。

 

「や、やった…俺達は助かったぞぉッ!」

「流石はゼブブ様だ!ゼブブ様バンザーイッ!」

 手放しで喜ぶ街の人々に、ゼブブは妖しげな笑みを浮かべながら告げる。

 

『ホッホッホ、ありがとうございます皆さん!皆さんの応援のお陰で、今回も私たちが勝つことが出来ました!…しかし、まだこの街の…否!『この場』の脅威は去ってはいません!』

「ど、どういうことですか?」

『…ほら、あそこをご覧なさい!皆さんのすぐ後ろで、おぞましい『怪物』が皆さんを狙っていますよ!』

「え…?」

 

「…ッ!?」

 ゼブブが指さした先にいたのは、ギャオスの残党が居ないかを警戒していた『バオーに変身したままの最原』。街の人々はそこでようやく、自分たちのすぐ傍に居た異形の存在に気がついた。

 

「なッ…ば、化け物だぁッ!?」

「ひぃっ…ぜ、ゼブブ様!お助けをぉ!」

「なぁッ…!?て、テメーら何言ってやがる!さっきテメーらを守ってたのは終一じゃあねーかッ!」

「そうですよ!真っ先に皆さんを守ろうとした最原さんを化け物呼ばわりなんていくら何でも酷すぎですッ!」

 バオーの見た目に怯え、ゼブブに縋りながら罵声を飛ばす人々。それを見かねた百田や茶柱が間に割って入ろうとするが、それを更に掻き消すようにゼブブが追い打ちをかける。

 

『騙されてはいけません!よく考えてみてください、あそこにいる彼らを今まで皆さんはこの街で見かけましたか?…いいえ、きっと皆さんの誰もが彼らを見たことなど無い筈です!それもそのはず、彼らこそがあの怪獣達を嗾け、その邪魔をした私を倒しに来た『絶望の代行者の追手』なのです!』

「…ふ、巫山戯るなぁッ!我らは誇り高き『未来機関』の一員だぞ!絶望の手先になぞなってたまるものかぁッ!!」

『ほほぅ…ではお聞きしますが、貴方がたが絶望で無いという『証拠』はあるのですか?未来機関などという肩書きだけで、どうして『自分たちが絶望では無い』などと言い切れるのですか?』

「そ、それは…」

 ゼブブの思わぬ指摘にゴズや万代は言葉に詰まる。絶望の本質が『目には見えないもの』である以上、自分たちにそれが無いと言うことなど証明のしようが無いからだ。

 

「そ、それを言うならアンタだって!絶望の代行者を『裏切った』とか言って、本当に裏切ってるかなんて分からないじゃ無いの!」

『ほう…では今し方私がしたことはなんです?奴の戦力である魔王獣を利用して、奴の手下である怪獣を倒した。私があの代行者を裏切っていないのなら、奴にとって不利益にしかならないこの行為の意味をどう説明するというのですか?』

「…そんなの、この人達を騙すための『必要経費』とでもなんとでも言えるじゃ無い!」

『…やれやれ、埒があきませんね。こんな問答を続けたところでキリがありません。なので…どちらが正しいかは『皆さん』に決めて貰うとしましょう』

 白銀の反論を無理矢理打ち切るようにゼブブは眼下の人々へと問いかける。

 

『さあ皆さん、今こそ『選択』の時です!貴方がたが信じる『希望』は一体誰ですか?『未来機関』ですか、それとも『私』ですか!?』

 

 ゼブブの問いに、人々は少しの間ざわめきあい…やがてその喧噪がピタリと止むと、民衆の一人が呟く。

 

「…ゼブブ様万歳!」

「なッ…!?」

「ゼブブ様万歳…ゼブブ様万歳…!」

「ゼブブ様、ゼブブ様ッ…!」

 それに続くように声が連なり、やがて一つの斉唱となる。

 

『ゼブブ様こそ俺達の希望!ゼブブ様の邪魔をする未来機関に粛正を!!』

 異常とも言えるほどに統率されたその声を皮切りに、人々は最原達に敵意の籠もった目を向け、各々手近に落ちていた鉄骨や石などを手に詰め寄り始める。

 

「そ、そんなッ!?皆、目を覚ましてよ!こんなの絶対おかしいよッ!?」

『ゼブブ様万歳、ゼブブ様万歳…!』

「お…おいッ!王馬っち、これマジで洗脳されてねえんだべかッ!?明らかに異常だべよッ!」

「…そうだと、思ってたんだけどねぇ~。どうにもこれ、俺の許容範囲を超えてるレベルっぽい?」

「チッ…!面倒な、制圧しようにも数が多すぎる…!」

「いやそれ以前に、『絶望の残党では無い』人々に手を上げることなど出来ませんッ…!」

「…ッ、苗木君、最原君!ここは私たちが食い止めるわ、貴方たちはあのゼブブと魔王獣を倒して!奴らさえ倒せれば、きっと街の人たちも正気に戻るはずよッ!」

「わ、分かった!…行こう、最原君!」

「ウォォォム…ッ、…はい苗木さん!」

 霧切たちが人々の相手をしている間に、苗木とバオーから戻った最原がそれぞれカラレスバッジとジードライザーを手にする。

 

「ジーッとしてても…ドーにもならねぇッ!」

「カラレースッ!」

 

『ウルトラマンジード! プリミティブ!』

 

『デェアッ!』

『ハァッ!』

『ガァァァァァッ!!』

 同時に変身を終えたジードとカラレスがマガデストロイアと対峙する。マガデストロイアの体長は『約120m』、魔王獣になった影響なのかオリジナルのデストロイアに比べれば半分ほどしか無い。しかしそれでも、ジードとカラレスの倍以上の巨体であり、向かい合った彼我の差は『横綱と子供』の様にも見えた。しかしそれでも、2人のウルトラマンは決して怯んだりなどしない。

 

『行くぞぉッ!』

『シュワッ!』

 突っ込んできたマガデストロイアにジードの跳び膝蹴りとカラレスのタックルが同時に決まり、その足が止まる。が…ダメージらしいダメージを受けた様子はない。

 

『ガァッ!』

『レッキングロアーッ!!』

 二人纏めて薙ぎ払おうと放たれた『オキシジェン・デストロイヤー・レイ』を、ジードの口から放たれる音波攻撃『レッキングロアー』が相殺する。相殺の余波で互いにのけ反ったところに、ジードの後方で待機していたカラレスが追撃を仕掛ける。

 

『ストリウム光線!!』

 

ボゥゥゥンッ!!

 ガラ空きになったマガデストロイアの胴にストリウム光線が直撃する。しかし…

 

『…コァァァァッ!!』

 真正面から喰らったにも関わらずマガデストロイアはなんの痛痒も受けていないかのように平然と向かってくる。

 

『効いてないのか…!?』

『私の光波熱線を受けても平然としているとは…奴は不死身か…?』

 

 

「…やっべぇ、これは『人選ミスった』かもしれねえぞ…!」

 それを見ていた百田が、落ちていた標識を盾代わりにして街の人々を食い止めながら呟いた。

 

「どういうことっすか百田君?」

「…デストロイアは『低温』に弱いんだ。そんでその代わりに『高温』に異常なまでに耐性がある…!『炎の技』がメインのカラレスじゃあ相性が最悪なんだよ…ッ!」

「げッ…マジかよ」

「ザージと宗方さんがこっちに来てりゃ良かったってことかい…。やれやれ、事前に分かりっこ無かったとは言え、ちょいとばかし運が悪かったかこいつぁ…?」

「頼みの綱は最原ちゃんってことか…。最原ちゃん、そういうことだからガンバ!」

 

 

『…王馬君め、勝手なことを言うなぁ。でも、確かにやるしかないんだよな…!』

 足下の王馬の言葉に苦笑しつつ、ジードは状況を打開できる姿へと変わる。

 

「融合!」

 

「I GO!」

 

「Here we GO!」

 

『フュージョンライズ!』

 

「示すぜ、未来!!ハァッ…ハッ!!」

 

「ジーーーードッ!!」

 

『ゾフィー!』

『ウルトラマンメビウス!』

 

『ウルトラマンジード! ファイヤーリーダー!』

 

『セァッ!!』

 ジードが変身したのは、体格こそプリミティブに似ているが赤と青の左右非対称な体色をした姿。ウルトラ兄弟の『長兄』であるゾフィーと年齢で見れば『末弟』であるメビウスの力を使った変身態、『ファイヤーリーダー』である。

 

『これでも…喰らえッ!ウルトラフロスト!』

 ジードが『青の左腕』を突き出すと、そこからガス噴射の如く強烈な『冷気』が吹き付けられ、それを喰らったマガデストロイアの身体がみるみる凍り付いていく。

 

『ガァァッ…!?』

『おお!奴が凍り付いていくぞ!』

『もう一発!火炎流星キック!!』

 胸元を凍らせ切った所でジードは跳び上がり、ほぼ直角の角度から炎を纏った『赤の右足』を突き出したキックを凍った箇所に叩き込む。

 

ビキビキ…バカァンッ!!

 すると、胸部の氷が弾け飛ぶようにして砕け、その衝撃で下の甲殻に罅が入る。マガデストロイアの甲殻はマグマですら耐えられるほどの耐熱性があるが、一度強烈に冷やされたことで細胞が一時的に縮小、そこに高温の一撃を叩き込むことで急速解凍され、『熱膨張』により膨れ上がった細胞が耐えきれなくなり崩壊し、強固な甲殻にダメージが入ったのだ。

 『炎』と『氷』を使いこなし、敵に合わせて様々な攻撃手段を使いこなすのが『ファイヤーリーダー』である。

 

 

「お、おおッ!?効いてるんじゃあねえか、今の!」

「炎と冷気を同時に使いこなすのか…!アレなら行けるぜ!」

『…おやおや、器用なことをするものですね。このままではやられてしまうかも知れません…なんと嘆かわしいことでしょう!』

「…その割には随分余裕そうだな、何か『隠して』いるんじゃあ無いだろうな?」

 宙に浮きながら戦いを眺めているゼブブの態度に十神がそう言うと、ゼブブは十神の方を向いて話し出した。

 

『隠す…?そんなことを言ってるんじゃあありませんよッ!私が危惧しているのは、このままではまた『人間とウルトラマンに怪獣が倒される』という下らない展開になってしまうことなのですよ!』

「な~に言ってんだ、それが『お約束』って奴だろうが?」

『お約束…?お約束ですって!?それが気に入らないんですよッ!そのお約束とやらは、一体何処の誰が決めたのですか?…貴方たち『人間』でしょう!貴方がたが勝手に『ウルトラマンは味方、それ以外の宇宙人と怪獣は悪』と決めつけたが故に、そんなお約束がまかり通ってしまったんでしょうが!よもや貴方がた、本当に『人間が正義』だとでも思って良いるのですか!』

「…な、何言ってるのコイツ?」

『そもそも何故我々が『悪』なのですか?我々はウルトラマンという『正義』を成立されるために『悪』として祭り上げられただけだ!ならば今度は、我々が『正義』となる番だ!この星を支配し、お前達に我々こそが『正義』であると認めさせたその時、今度はウルトラマンが倒されるべき『悪』となる!それこそが我らの望み!ウルトラマンの『敗北』の時なのだッ!!』

「な、なんだとッ!?」

「…正義とは、常に大衆の『民意』によって決まるモノ。多くの人々がウルトラマンの勝利を願うのなら、『ウルトラマン=正義』という図式は成立する。その観点で言えば、成る程筋は通っているネ」

「けれど、傍迷惑極まりない理屈ではあるわ」

「そうじゃそうじゃ!最原、そんな奴さっさとやっつけてしまえい!」

 

 

『言われなくても…決めましょう、カラレスさん!』

『ああ、いくぞ!』

 一気にケリをつけるべく、2人はマガデストロイアに必殺の一撃を放つ構えを取る。

 

『バーニング…』

『ストリウム…』

 

 そしてそれが放たれようとした、その時

 

 

『…今です!』

 

バゴォンッ!

ギュルルルルッ!!

『何ッ!?』

『うわッ!』

 突如2人の足下のアスファルトが砕け、その下から『4本の鞭』のようなものが伸びてくるとジードとカラレスに絡みついて攻撃を封じる。

 

『な、なんだ!?』

『これは…まさか、敵は『一体では無かった』のか!?』

 ジードの推測を証明するように、地面の下から鞭…否、『触手』を伸ばした張本人が姿を現わす。

 

『コゥゥゥゥンッ…!』

 今までの怪獣とは趣の異なる静かな鳴き声を上げて現れたのは、両腕に加えて肩口と腰から『4本の触手』を生やした怪獣。胸元や肩は甲殻で覆われているが、覆われていない部分は異様に艶めかしく、向かいあうマガデストロイアに比べると一層な不気味さを感じさせる。背中には皮膜のような翼があり、膝と両腕、そして頭部は嘴のように鋭く尖っている。腹部には青く輝く発光体と、その中でたった一つ赤く輝く『マガクリスタル』が存在する。

 

 

「んなッ…!?あ、あれは…まさか、『イリス』ッ!邪神イリスかよぉッ!?」

『フハハハハハッ!どうやら間に合ったようだな、我が盟友ゼブブよッ!』

「こ、今度は何!?」

 

パキィィンッ!!

 笑い声が聞こえてくると同時にゼブブの隣の『空間』がガラスのように『割れ』、その奥から異形の存在が現れる。

 

『ホホホ、お陰で助かりましたよヤプールさん』

『ふん。我が僕たる『マガイリス』ならばこの程度造作も無いわ』

「ヤプールって…あの『ヤプール星人』!?」

 新たな魔王獣『命の魔王獣 マガイリス』を伴ってきたのは、絶望の代行者の手先の一人である『異次元超人ヤプール』であった。見知らぬ宇宙人と怪獣の出現に流石に戸惑う街の人々に、ゼブブは大声で呼びかける。

 

『搭和シティの皆さん、落ち着いて…そしてお喜び下さい!この方は我が友ヤプール、この度私と同じく絶望の代行者に見切りをつけ、魔王獣を従えて我らの仲間に加わってくれた同士です!この方もあの怪獣も、我々の味方です!なので皆さんは安心してください!』

「…そ、そうだったのか!」

「ゼブブ様万歳!ヤプール様万歳!」

『くっくっく…中々上手くやっているようじゃあないか。それともこの街の連中が単純なだけか?』

『ホホ、なんのことやら?そんなことより…さあ、そろそろ止めといきましょうか!』

 ゼブブの意を受け、マガデストロイアがマガイリスに拘束されたジードとカラレスの方へと歩き出す。

 

『くっ…このッ!ジードクロー!!コークスクリュージャミング!!』

『ファイアースフィアッ!』

 当然ながら2人も黙って見ているはずが無く、ジードは『コークスクリュージャミング』で自ら回転、カラレスはファイアースフィアで触手を焼き切ってそれぞれ脱出しようとする。

 

『クォォォォッ…!』

 

バババババッ!!

『『うわぁぁぁぁッ!!?』』

 しかし、マガイリスが一鳴きした瞬間、触手から身を切り裂くような衝撃が2人の身体に伝わってくる。マガイリスが触手の先端からギャオスよりも遙かに強力な『超音波メス』を直に撃ち込んだのだ。ビルすら軽々と切り裂く威力をゼロ距離で叩き込まれ、ジードとカラレスの抵抗は中断させられてしまう。そして…

 

『キィィィアァァァァッ!!』

ザシュゥゥッ!!

『ぐああああッ!!?』

 マガデストロイアのヴァリアブルスライサーが、カラレスの左肩から右腰にかけて袈裟懸けに切り裂いた。

 

シュォォォォッ…!

 切り裂かれたカラレスの身体から血のように光の粒子が噴き出す。

 

「か、カラレスがッ!」

「苗木ィッ!?」

「苗木君ッ!!」

 

『う…ああ…』

 それを見てしまった皆の悲鳴が響き渡り、カラレスは呻き声と共に掻き消えるように消滅した。

 

『カラレスさんッ!…糞ォォォォッ!!』

 目の前でカラレスが倒された怒りで、怒号と共にジードの目が赤く明滅し、全身を貫く痛みにも構わず眼前のマガデストロイアに両腕を突きつける。

 

『ムッ…いかん!』

『メビューム87光線んんんッ!!!』

 

ガガガガガガッ!!

 ジードの両腕から放たれた超高温と超低温の光波熱線が、マガデストロイアに直撃した…かに思われた、が。

 

バババババッ!!

『…ッ!?光線が、弾かれている…ッ』

 マガデストロイアを包み込むように突如発生した『紫の稲妻』。それが『メビューム87光線』を当たる直前で食い止めていたのだ。

 

『ど、どうして…』

『ハッハッハッハ!どうやら『バリア』が間に合ったようですね、流石に今のは肝を冷やしましたよ。火事場のクソ力とやらも侮れませんねぇ!』

 その正体は、ゼブブがすんでの所で割り込ませた『電磁バリア』であった。

 

『貴様ァッ!』

『おやおや、私なんかを気にしていて良いのですか?そんな至近距離で膨大なエネルギー同士が反発しあっていたら…どうなるかぐらい分かりますよね?』

『…下がれ、マガイリス!』

『ッ!』

 ヤプールが異次元空間にマガイリスを引き込んだ瞬間、ジードはゼブブの意図を察した。

 

『しまッ…!』

 拘束が解けたジードは急いでその場を離れようとするが、もはや間に合わない。

 

 

ズドォォォォンッ!!!

『うわぁぁぁぁぁッ!!』

『クァァァァァァッ!!』

 電磁バリアに弾かれ、行き場を無くした光線のエネルギーの暴発。それが生み出す大爆発に、ジードとマガデストロイアは飲み込まれていった。

 




ウルトラダンガンナビ!…と言う名の解説

今回は新たな魔王獣マガイリスについて。ネタバレも少し含みますのでご注意を

命の魔王獣マガイリス…平成ガメラ3部作の3作目に登場した怪獣。前作にてガメラがレギオンを倒すために地球のマナを使い尽くした為に大量発生した「ハイパーギャオス」が突然変異を起こし、進化した姿。技の一部や顔以外にギャオスの面影は殆ど無いが、その性質は数多の怪獣の中でも特筆して狡猾。親をガメラに殺された少女の憎しみにつけ込み、最初はか弱い姿で油断させて近づき、頃合いを見て融合することで人間の性質を取り込もうとした。その過程で数多の人間を喰らい、後にガメラと戦った際にはガメラすら取り込もうとしたがガメラの「バニシング・フィスト」を受けて爆散した。
胸の発光体の一つがマガクリスタルになっている。

マガ転輪…マガイリスの魔王獣としての能力。マガイリスが「命の魔王獣」と呼ばれる所以がこの能力であり「他者の生命を吸収、それを別の命に生まれ変わらせる」ことができる。街を襲っていたギャオスも、マガイリスが密かに喰らった搭和シティの人々の命から生み出したものである。ギャオス自体は単体生殖が可能なので一匹居れば無尽蔵に増やせるため、多くの人々を襲う必要は無く誰も気づかなかった。
従っているのがヤプールであるため、やろうと思えば怪獣だけでなく超獣すら生み出せる。ただしそれ相応の命が必要であるため、搭和シティの街の人間を全て喰らったとしてもゼットン一匹生み出すのが関の山。元いた世界ではこの能力でギャオスやソルジャーレギオンなど小型怪獣を次々と生み出して隠れた人々を追い詰め続けた。
元ネタは特にないが、ギャオスの親玉なのにそれっぽい能力が無かったのでこんな能力にしました

今作の最原君はジョースターの血筋の影響で原作よりプッツンしやすいです

ではまた次回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。