黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~ 作:マイン
転職先で仕事が本格化して忙殺されたのと、祖母の葬式等が重なってなかなか書く時間が取れず遅れてしまいました。スンマセン…
内容も予定より進められず、お楽しみの場面は次回になりました。クオリティに関してはお察しで…
今後も仕事は増えると思うのでペースは落ちると思いますが、それぞれの続きは気長にお待ち下さい
それはそうとして…ゴジラ最新作観ましたよ!キングギドラがあれだけしっかりボスキャラやってたのは久しぶり…ってか初めてな気がする。今まではストーリーの中盤で倒されたり、アニゴジもマクギ…じゃない、メトフィウスがやられたら雑魚同然でしたし
それとギドラのあの再生能力…またウチとネタかぶりした気がする。アニゴジのギドラを観る前に書いた話なのであれぐらいしかパワーアップ策が見つからなかったんだけど、もうちょっとぐらい強化してもよかったかな…マガキングギドラ。
…ところでコング君、あのゴジラとそのお供に勝てるの?一応まだ子供らしいのでデカくなる可能性はあるけど、どうやって戦えと…。昭和シリーズみたいに尻尾掴んでジャイアントスイングするんだろうか。そんで買い取られたギドラの首…「アレ」を期待していいんでしょうか?明らかに敵役なのは分かるけど、それでもハリウッドのCGで見てみたいなぁ…メカ…
長々と失礼しました。ではどうぞ
ズゴゴゴゴゴゴッ…!!
「うおおおおおッ!?」
「じ、地震かぁッ!?」
灰慈を連れて搭和ヒルズから出ようとしていた百田たちは、その途中で轟音と共に凄まじい『揺れ』に見舞われ、その場で揺れに耐えていた。
「…この音と振動の感覚、地震ではなさそうね。何かの『爆発』か、『落盤』でも起きたのかしら?」
「ば、爆発?」
「とにかく早く外に出ようぜ!そしたら何か分かるだろうからよ!」
「そうですな。なら、急ぎましょう!」
大急ぎで階段を駆け下り、ヒルズの外に出た百田たちはとんでもないものを目撃する。
「こ、これはッ…!?」
搭和ヒルズが搭和シティの中でも小高い場所に作られていたが故に、そこからでも百田達にはハッキリと見えていた。街の中心部に半径10メートルほどに至ってぽっかりと空いた、地下を貫くほどの巨大な『陥没痕』が。
「う、嘘だろ…搭和シティが、こんな…」
「アレが揺れの正体なのか?けど、なんだっていきなりあんな…」
「…ねえ、私王馬の馬鹿の顔がちらついてしょうがないんだけど」
「そ、それは…否定しきれませんね」
「思えば、王馬君は何か考えがあるようだったわ。その結果が『アレ』なのかもしれないわね」
「で、でも…ちょっとやり過ぎでしょ!それに、あんなことになったら地下の皆まで…」
「さ、流石にそこまでは大丈夫でしょう…多分」
余りの大惨事に揃って呆然としていると
「…百田君!」
「ん…おお、終一!」
「無事だったんですね!」
「おーい…!」
「あ、アイツらまで来やがったぞ!」
「どうやら無事だったようね、良かったわ…」
ビルの屋上を伝って最原が、近くのマンホールから地上に戻ってきた赤松達が百田たちと合流する。
「あ、灰慈さん!助けてくれたんですね!」
「どーにかな。このヘにゃチンが『死なせてくれ~』とかウゼえからクソ面倒だったけどな」
「う…うるせぇッ!今更生きてたってしょうがねえだろうが、もう良いからさっさと殺せよ…」
「…想像以上、否!『想像以下』のクソ男死ですねこの人は!」
「し、死にたいなんて言わないで下さい!僕たちは、そうならないために戦って…」
「何言ったって無駄よ苗木…。コイツは都合良いときにしか顔の上がらないモグラ男なんだから…」
「やれやれだな……ん、ありゃあ…?」
ため息を吐いた星がそっぽを向くと、丁度その先から王馬と白銀が姿を現わした。
「王馬君、白銀さん!」
「おー、やっぱしここに来てたね。探す手間が省けたよ」
「おい、王馬!さっきの揺れ、テメーの仕業だろ!?一体全体なにやらかしやがった!」
「そんなカリカリしないでよ百田ちゃん。今回の俺の『嘘』は、『皆のための嘘』なんだからさ。むしろあの宇宙人共とレギオンを一網打尽にしてきたんだからちょっとぐらい労ってよね」
「一網打尽じゃと?」
「信じられないよね…。王馬君ったら、あの秘密基地で『粉塵爆発』やらかしたのよ!しかも即席の『テルミット爆弾』まで仕掛けて…危うくこっちも死にかけたよ」
「…ッ!?アンタ…馬鹿じゃ無いの!素人がそんな危ないモノ使わないでよッ!!」
「はいはいゴメンナサ~イ」
「まるで反省の色が無いっすね…」
やらかしたことの重大さを分かっていないようにヘラヘラしている王馬に春川が怒りの声を上げる。そこに、『聞き捨てならないこと』を耳ざとく聞き取った灰慈が声を上げる。
「…ち、ちょっと待て!宇宙人共って、まさか…あのゼブブとかいう奴のことか!?」
「ん?そーだよ。そいつともう一人のヤプールって奴と、地下に居たレギオンを纏めて爆破したワケ。死んだかどうかは分からないけど生き埋めにしたからしばらくは…」
「……は、ハハ…ハハハハハハッ!!そうか、アイツら吹っ飛んでくたばりやがったのか!ザマアねえぜ、くそったれ!これで街の皆も元に戻る筈だ、そうすりゃ…まだ『やり直せる』!搭和シティは、まだ死んじゃいねえ筈だ!」
無気力だった先ほどとは別人のようにテンションの上がった灰慈は、そのまま皆を置き去りにして市街地の方へと走っていった。
「…な、なんなのあの人?」
「言ったでしょ…。都合の良いときにだけ勇ましくなるのよ、あのモグラ男は…」
「調子の良い人っすねぇ。…こりゃ子供達を事前に『隠して置いて』正解だったっすかね」
「ああ…。あのはしゃぎようじゃあ、ゾロゾロ連れてきた日にゃ何しでかすか知れたもんじゃあねえからな」
子供達と大人達との『対立』のことを聞いていた赤松達は、搭和ヒルズに向かう前に近くの『神社』に子供達を匿い、新月達に任せてからここに来ていたのである。
「しかし…本当に行かせて大丈夫なのかの?王馬も言っていたが、死んだと『決まったわけでは無い』のじゃし、そもそも奴らが死んだとして街の連中が元に戻る保障も無いじゃろうに」
「確かにね…。術者が死んだら術も解けるのは洗脳とかの『お決まり』だけど、相手は何せ宇宙人だしねぇ」
「…どのみち、街の様子は確認しておきたいからね。僕たちも灰慈さんを追いかけよう!」
「しょうがねえなぁ…んじゃ、とっとと追いかけようぜ!」
灰慈の後を追って、最原達も街の方へと向かっていった。
一方その頃、市街地の方では…
「…う、うう…。一体、何があったんだ…?」
「いきなりもの凄い揺れが起きて…あれ、それまで俺達なにしてたんだっけ?」
「分からないわ…それより、今の揺れと音はなんだったの?」
建物の中で寝ていた市民達は、突如起きた揺れと轟音により目覚めさせられ、そのまま必死に揺れが収まるのを耐えていた…のだが、その途中に今まで靄が掛かっていたようだった思考が急にクリアになり、揺れが収まった頃にはここ数日の記憶がまるで思い出せないでいた。
「…ッ!?お…おい皆ッ、外を見てみろッ!!」
「へ…?」
その時、たまたま窓の外を見ていた一人が大声を上げ、釣られて視線を向けた皆は愕然とする。
「なぁッ…!!?」
彼らの視線の先にあったのは、寝泊まりに使っていたビルから少し離れた交差点の中心が、まるでごっそり抜け落ちたように『陥没』していた光景であった。それを見た人々は、『それ』こそがさっきの揺れの原因であることを悟る。
「ど、どうなってんだ?なんでいきなりあんな…」
「とにかく行ってみるんだ!原因を確かめるんだぜッ!」
ビルを飛び出し、崩落した交差点までやって来た市民達は、目の前の惨状に改めて呆気にとられていた。そこに…
「…おい、お前ら!」
「え…あっ、は…灰慈さんッ!!」
穴の向こう側から現れた灰慈が声を上げながら近づいてくる。
「灰慈さん、無事だったんですね!…ていうか、今まで何処に?そもそも何時俺達と離れて…?」
「…は、ははっ!良かったぜ、どうやらお前ら『元』に戻ったみてーだな。これで一安心だぜ」
「…どういうことなの?」
「なんだ、何も憶えてねえのかよ?お前ら、あの気色悪い『宇宙人共』に操られていたんだよ。けど、お前らが元に戻ったんなら奴らはくたばったみてーだな」
「う、宇宙人…?」
「それまで憶えてねーのか?一昨日あのギャオスとかいうバケモノどもを引き連れてきた『ゼブブ』って…」
「…『ゼブブ、様』?」
「あ?」
「そうだ…ゼブブ様は?ゼブブ様は何処にいるんだ!?」
「そういえば、灰慈さん今『奴らがくたばった』って…まさか、ゼブブ様が!?」
「そんな…ッ!ゼブブ様!応えて下さい、ゼブブ様ァッ!!」
ゼブブの名を聞いた瞬間、先ほどまでがまるで嘘だったかのように人々は焦燥を浮かべてゼブブを乞い叫ぶ。
「なッ…!?お、おい…どうなってんだよ、これは!?」
「灰慈さん!」
そこに、最原達がおいついて来た。
「こ、この有様は…まさか、洗脳が『解けなかった』のですか!?」
「…お、おいお前ッ!奴らはくたばったんじゃあなかったのかよ!?なんでアイツらはまだおかしくなったままなんだよ!」
「…だ~から、死んだかどうかまでは分かんねーって言ったっしょ。俺は爆発起こして奴らを瓦礫の下敷きにしたってだけで、別に死体を確かめたワケじゃないんだからさ」
「……そ、そんなの…ぬか喜びさせんじゃあねーよッ!!」
「テメーが話聞いてなかっただけだろうが、この腐れペド豚!」
「じゃが、あの連中がまだ元の戻っておらんということは…」
「奴らは…『まだ生きてる』ッ!」
ドゴォンッ!
その時、穴の底から音が響き、それに続くようにして『2つの黒い光』が地上へと飛び出てきた。
「あれは…!」
上空高く舞い上がったそれを目で追う最原たちの前で、光はみるみるうちに質量を増し、何かの形へと変貌していき…
『ムァァァァァッ!!』
『ファァァァァッ!!』
怒りの雄叫びと共に、光はそれぞれ『50メートルほど』にまで巨大化したゼブブとヤプールとなったのだった。
『王馬小吉ィ、白銀つむぎぃッ!よくもやってくれたなぁ…たかが人間の分際でぇッ!!』
「う…うわぁぁぁぁぁッ!!?」
「あ~らら…やっぱり生きてたよ。しかも割とピンピンしてるし…」
「アハハー、キレてるキレてるぅ!」
「言―とる場合か!?」
もはや『ウルトラマンサイズ』に慣れてしまった王馬たちとは裏腹に、灰慈は初めて目の当たりにする『巨大星人』に悲鳴をあげて腰を抜かしてしまう。
「や、ヤプール様!?無事だったんですね…じゃあ、ゼブブ様は何処に…?」
『んん?…ふん、ゼブブの『玩具』だった連中か。どうやら変身したことで少しは『頭が冷えた』ようだな。どうでもいいことだがな』
「ヤプール様ッ!ゼブブ様は何処に?無事な筈ですよね?」
『やかましいッ!…ゼブブならとっくに『目の前』に居るであろうがッ!』
「え…?」
『ファァァァァッ!!』
困惑する市民達の目の前に居るのは、爆発により『左の複眼』を灼き焦がされ、その痛みと屈辱に地団駄を踏んでいる蠅のような巨大な怪物。
「…ま、まさか…コレがゼブブ様なのか!?」
「そんな…嘘よ、ゼブブ様がこんな…こんなの、バケモノじゃ無いのッ!」
『ふん…お目出度い連中だ。多少姿が変わった程度で、会話が成り立たなくなった程度で散々縋り付いていたコイツに掌を返すのだからな。成る程、お前の言うとおり中々に滑稽な話じゃあないか。ゼブブよ?』
『ファファファ…』
「ど、どういうことだ!?…まさか、俺達を騙していたのかッ!」
「今更かよ…」
『…いいだろう、これからどうせ死ぬ貴様らに教えてやろう。貴様らはゼブブを随分と信仰していたようだが、それはゼブブがそうさせたのではない。貴様らが『自分の意思』でそうしていたのだよ』
「な…!?」
『ゼブブが貴様らにしたことはたった一つ、貴様らが『諦めない』ようにほんの少しだけ『前向き』にしてやっただけだ。ギャオスやレギオンの脅威に屈して、途中で心中などしないようにな。…結果、貴様らは諦めないためにゼブブに『希望』を求めた。最初は疑っていたかもしれんが、貴様らは生き残るためにゼブブに縋り…やがて疑うことを忘れ、ゼブブの力を『自分たちの力』と過信し、増長した。その結果がこのザマと言うわけだ。何のことは無い…貴様らは勝手に期待し、勝手に思い上がり、勝手に騙された。全てはお前達の『希望』が招いた結末なのだよ!』
「…そんな」
「…なーるほどね、そういうことだったワケ。要するにこいつら、全員揃って思考を『単純化』させられてたってことだね。目の前のことにしか頭が回らないから、『目の前のことしか信じられなくなる』。そこにどんな『嘘』が仕込まれているのかも疑わずにね…」
「『信じること自体』は悪いことじゃあない。何かを信じる気持ちは、『希望』なんだから。…でも、その気持ちが行き過ぎれば大切なことを忘れてしまう。何かを『信じる』為には、『疑う』ことも必要なんだ。盲目的な希望は、時に『絶望』と同じになる。…江ノ島先輩が言っていたのは、こういうことだったんだね」
「…『希望』を、こんな形で利用するなんてッ…!」
「なんという悪辣なやり口だッ!!」
真実を知った市民達がその場に崩れ落ちる様に、最原達はその残酷なやり方に侮蔑し、苗木達は自分たちが信じている筈の『希望』が生み出した惨劇に怒りを覚えていた。
『ククククッ…!絶望したか?貴様らの『根本』となっていた希望が、どれほど薄っぺらなものだったかということがよく分かっただろう!その絶望が、『希望が絶望に変わった』その瞬間こそが、あのお方に捧げるに相応しい『供物』なのだ!貴様らは、いいやこの搭和シティはこのときのための『生け贄』だったのだよ!!』
「……」
『…ふん、もはや反応する気力も無いか。ならば貴様らはもはやただ生きているだけの肉塊でしかない。そんなゴミなど…もう用済みだ!ギャオス共ッ!!』
バサバサバサッ…!!
『ギャァァァァァッ!!』
ヤプールの声に応えるように、ビルの谷間からどこに隠れていたのか凄まじい数のギャオスが飛び上がってきた。その数は最初に街に着いたときは元より、先ほど最原に群がっていた時よりも多いと感じるほどである。
「わ…わぁぁぁぁッ!!?」
「な、なんだこの数は~ッ!!?」
「奴ら…姿が見えねえと思っていたら、隠れて数を『増やして』いやがったのか!だが、いくら何でもこんな短時間でここまでどうやって…?」
「あ…!そ、そういえばギャオスは『単為生殖』…一匹だけでも繁殖出来るんだったッ!しかも卵から孵ってからの成長スピードもとんでもねぇから、戦うのを止めて繁殖にのみ専念していれば…確かに、この数は別に不思議じゃあねえ…!」
「とことんまで生物として逸脱したものばかりだネ、怪獣という奴は…!」
空を埋め尽くすギャオスの大群に、流石に最原達もたじろいでしまう。
『今までギャオスは必要最低限しか増やさせずにいた。それはこいつらを生かしておく必要があったからだ。ギャオスは喰うモノが無くなると『共食い』してしまうからな、折角作ったのにそれでは勿体ない。…だが、もうその必要は無くなった!これだけのギャオスを相手に、果たしてどれだけ『ウルトラマンの力』を温存しておけるかな?』
「くっ…それが狙いか!」
「ヤバいっすよ…。ここでギャオスを倒したとしても、まだ奴らと奴らの魔王獣が残ってるっす。こっちは『3分』…2人足しても6分しか戦えないのに、その時間を削るわけには…」
「でも、ここままじゃ皆が…!」
「…王馬君、どこまでやれそう?」
「ん~…死ぬ気でやれば『十分の一』くらいはなんとなかるんじゃない?」
「十分の一…かぁ。私が加勢してもその倍ぐらいが関の山かなぁ…?」
「…ここは僕が戦う!最原君は今は戦わないでくれ、…僕とカラレスさんじゃアイツらには勝ち目が薄いだろうからね」
「僕も戦います!例えここでスクラップになってでも、僕が皆を守ります!」
「苗木さん、キーボ君…!」
以前の戦いから自分が戦力として心許ないことを自覚していた苗木とカラレス、そしてキーボが最原達を下がらせて前に出る。
『行けぇッ!!奴らを食らい尽くせぇーッ!!』
『ギャァァァァーッ!!』
「く、来るぞ!」
「カラレ…」
ガガガガガガッ!!
『ギョワァァァッ!!』
『ッ!!?』
人々に襲いかかろうと上空から急降下してきたギャオスの群れを、最原達の『背後』から放たれた『無数の銃弾』が打ち落としていった。
「な、何!?」
「今の銃撃は…」
ガションガションガションッ!!
突然の出来事に困惑する最原たちに追い打ちをかけるように、頭上から『正体不明の5体のロボット』が人々を取り囲むようにして現れた。
『ギャハハハハハー!くまたせー!!』
「こ、今度は何!?」
「こ、このロボットって…新月君達が使ってたロボに似てる…?」
「ていうか、今の声って…」
「まさか…『モノタロウ達』なのか!?」
『ピンポーン!間に合ったみたいで良かったよー!』
5体のロボの内『赤色』のカラーリングがされた機体から、モノタロウの声がスピーカーを通して聞こえてくる。
『ヘルイェーッ!!待たせたなテメーら、これがミー達のとっておき…高機動人型殺人兵器『エグイサル』だぜーッ!!』
「ひ…人型殺人兵器だぁ!?お、お前ら…いつの間にこんなもん作ってたんだよ!?」
『あー勘違いせんといてやー。これ作ったのは『ワイらの世界のモナカちゃん』やねん。ワイらがこっちに来た時に一緒に飛ばされてきたんや』
『…実を言うと、こっちに飛ばされたときアタイ達このエグイサルの『試験運転中』だったのよ。でも、こっちに来た時に壊れちゃって、もう使えないからずっと隠してたの』
『デモ…昨日れむサンに見セタラ、搭和ノ『地下工場』ノ機材ヲ使エバ修理出来ルッテ言ワレテ、トリアエズ修理シテオイテモラッタンダ』
「レムが…!?」
思いがけない名前に驚く最原に、モノタロウの機体からユートムが飛び出してくる。
「レム…姿が見えないと思ったら、そんなことをしてたのか」
『黙っていたことは申し訳ありません。…ですが、地球の諺でもあるでしょう?『敵を欺くにはまず味方から』…と。修復に際し、私の持つデータを使って『対怪獣用』に武装を強化しておいたので、ギャオス程度であれば十分戦えるはずです』
「…って、ちょっと待って!レムちゃんやモノタロウたちがここにいるって事は…あの子達は?まさか置き去りにしてきたの!?」
『大丈夫!ここに来る前に、子供達は地下工場の『格納庫』に避難させておいたよ。それで、大門君達は…』
『…俺っちたちなら、ここだぜ!』
朝日奈の疑問に答えるように、モノタロウと同じスピーカーから『大門の声』が聞こえてくる。
「へ…?な、なんで大門君の声がそこから!?」
『…このエグイサルは、オイラ達だけじゃあ操縦出来ないんだ。オイラ達はあくまで機体をコントロールする『頭脳』、機体そのものを動かす『パイロット』が必要なんだ。そしてそれが出来るのは、モナカちゃんが設定した『DNA』を持つ人物…つまり、大門君達だけなんだ』
『ワテらも正直迷ったんやけどな…。コイツを動かすには、どうしてもモナカちゃん達に乗って貰う必要があったんや。幸い、マスターと違ってこっちのモナカちゃんたちは『出自自体』はワテらの世界と同じやったからな、ちゃんと認証できてよかったで』
「そういうことを言ってるんじゃあないよッ!どうして、彼らを戦いに巻き込んだんだ!?…確かに、あの子達になんの『罪』もない訳じゃあないけれど、それでも…こんな危険なことに関わらせなくなっていいじゃないか!」
「お兄ちゃん…」
『…それは違う。僕らはこいつらに強制されて乗ってるんじゃあない。僕らは、僕らの『意思』でここにいる!』
「え…!?」
苗木の非難に返答したのは、モノクマーズでは無く新月であった。
『言っときますけど、別に『罪滅ぼし』とかそんなんじゃあないですからね!私は、貴方たちみたいな『オトナ』が『大人っぽいこと』をしているのが気に入らないんです!いくら良い人ぶったって、所詮ちょっと調子に乗れば貴方たちの中身はゲドゲドの『魔物』なんですから!だから、自分のことぐらいは自分で守ります!』
『ぼ、僕チンは…臆病で臭くて根性無しのダメダメだけど、そこにいる奴らみたいに…諦めてなんにもしない役立たずなんかにはなりなくないんだよぉ!』
『モナカはさー、別にオトナもコドモもこの街もどうなったっていいんだけどさー。…ただ巻き込まれて死ぬだけの『モブ』になるのはイヤなんだよね。だからまあ、精々面白おかしく暴れてやっちゃいまーす!そもそもコレを作ったのは『モナカ』なんだしー、私のモノを私がどう使ったって問題ないでしょ?』
『…そういうわけだ。お前達がどう思っていようが、これは僕たちの『選択』だ。既に僕たちの『理想』は無い、それでも…諦めてたまるもんか!じゃなきゃ…僕らは何のために生まれてきたっていうんだッ!!』
『うおおおおおッ!ぶちかませーッ!!』
ドガガガガガガッ!!
銃身が擦り切れんばかりに放たれる弾幕が、絶望的な数だったギャオスの群れを徐々に減らしていく。…しかしそれでも、ゼブブとヤプールは余裕の態度で文字通り『高みの見物』を決め込んでいた。
『ほー…面白い玩具を隠していたではないか。成る程、ギャオス共では少しばかり役者不足のようだな。ならば…『真打ち』登場と行くか!』
『ファァァァァッ!!』
ピキキッ…パキィーンッ!!
ヤプールが片手を挙げると、ヤプールとゼブブの両隣の空間に『罅』が入り、ガラスが割れるような音を立てて『空が砕け』、その奥…ヤプールが造り出した『異次元』より何かが飛び出してくる。
『ガァァァァァッ!!』
『コゥゥゥンッ…!』
当然それは、巨体故に異次元に格納されていたマガデストロイアとマガイリスである。
「ま、魔王獣かッ!」
『ゲゲッ!な、なんか強そうなのが出てきたぞ!?』
『あれは…別格だな。おいモノキッド、アレは倒せそうか?』
『当然だぜーッ!…って言いてぇけど、ぶっちゃけ無理だぜヘルイェーッ!!』
『ちょ…じゃあどうするんですか!?』
「…レム、『時間』は?」
『…冷却完了。いつでも行けます、シュウイチ』
レムからの確認を受けた最原の手の中で、クールダウンの済んだカプセルに光が満ちる。
「よし…!苗木さん!」
「うん!」
互いにうなずき合い、最原と苗木は前に出る。
「今度は負けない…!絶対に、守ってみせる!」
「行くよ、カラレスさん!」
『ああ!』
「ジーーードッ!!」
「カラレースッ!!」
ウルトラダンガンナビ!…という名の解説
今回は今作におけるエグイサルについて
エグイサル…平穏に飽きた搭和モナカが、苗木を困らせたい一心で作り上げた機動兵器。モノクマーズを制御システムとし、大門、蛇太郎、新月、言子、モナカの5人がそれぞれ搭乗することでのみ動かすことが出来る。子供でも動かせるよう、操縦は絶対絶望少女の勇者ロボなどと同じコントローラーで行う
元のスペックでも一機で「軍隊の一個大隊」に匹敵するが、レムによるパワーアップで今では「一個師団」に相当する戦闘力がある
…一応、最後の良心として全ての武装は着脱可能になっているため、万が一苗木を怒らせてしまった時には武器の類いを撤去してパワードスーツとして商品化する予定だったらしい。
動かすのが子供なので爆発物の類いは一切搭載されていないが、ある条件を満たした場合にのみ機体そのものを強力な爆弾にすることが出来る
今回はここまで、次回からは搭和シティ編クライマックスです。ではまた次回