黄金の言霊 外伝 オーブの奇跡~希望と絶望の力、お借りします!~ 作:マイン
中々職が安定せず四苦八苦している所に、待ちに待ったモンハンとドラクエの新作が立て続けに来て時間が取られ取られ…ようやく書き上げることが出来ました
余りイイ出来ではないかもですが、楽しんで貰えると幸いです
ちなみに今回、かなりフライングになりますが79期生達のスタンドを名前だけ公開します。ほぼ全員オリジナルスタンドになります。能力はまだナイショで…
筆が進まないうちにニューヒーロー、ウルトラマンタイガが始まってしまいましたが、今回のウルトラマンは本編もですがボイスドラマが面白いですね!タイガ、タイタス、フーマのそれぞれの境遇や背景、素の表情が垣間見えてより本編を楽しむエッセンスになりますね。…しかし、フーマ編のOー50の意思、どこぞの花の魔術師並のグランド糞野郎じゃない?(声同じですし…)
力を本当に求めている奴にはそっぽ向いて、あくまで「将来性」だけで力を与える奴を選んでいるような…。最終的に「正しい」のかもしれないけど、「善」であるとは言えないよなぁ
こんなんじゃ俺、Oー50を守りたくなくなっちまうよ…
長々と失礼しました、ではどうぞ
『デヤァッ!』
『シュワッ!!』
変身すると同時にジードとカラレスはマガイリスとマガデストロイアに挑みかかった。前回の戦闘を踏まえ、火炎攻撃に強いマガデストロイアにはジードが、マガイリスにはカラレスがそれぞれ分担して戦いを挑む。
『ジュワッ!』
ドゴォッ!!
『ゴガァッ!?』
ジードの全体重をかけたフライングラリアットを受け、巨体のマガデストロイアが地に叩きつけられる。今回ジードは『プリミティブ』ではなく、最初から『マグニフィセント』に変身している。パワー負けしないためだけではなく、あの絶大な威力を持つ『マガ光波』を撃たせないよう、近接戦闘で決着をつけるための判断であった。
マガデストロイアを押し倒したジードはそのまま馬乗りになって殴りかかろうとするが、土をつけられたことに苛立ちを憶えたマガデストロイアの『マガクリスタル』が赤く煌めく。
『ギガァァッ!!』
『…ハッ!』
ギュリリリリッ!!
マガクリスタルより伸びた『ヴァリアブルスライサー』と、寸での所で反撃に気がついたジードの稲妻を纏った角…『スラッガーホーン』が激突し、甲高い音を立てて鍔迫り合いになる。そのまま押し切ろうとするマガデストロイアに対し、ジードはその状態のまま拳を握りしめ腕を引く。そして…
『デヤァァァァッ!!』
バキィィィンッ!!
『ギャァァァァッ!!?』
真横から叩きつける要領で放たれたジードの『メガボンバーパンチ』が、『ヴァリアブルスライサー』を形成していたマガデストロイアの角…『マガクリスタル』を半ばからへし折った。弱点であるクリスタルへの攻撃に、マガデストロイアは絶叫しながらもんどり打つ。
『よしッ!これで…』
『シュウイチ!防いで下さい!』
『…ッ!?』
ライザーを通じて聞こえてきたレムの警告に反射的に両腕をクロスさせた、その直後
ガガガガガガッ!!
『うわぁッ!?』
至近距離で放たれた『オキシジェン・デストロイヤー・レイ』がクロスさせた腕に命中する。頑強なプロテクターを身に纏った『マグニフィセント』といえど流石に近すぎたため、ジードはガードしたまま遙か後方へと吹っ飛ばされ、後ろにあったビルに叩きつけられる。
ドゴォォッ…!
『ぐうッ…』
『シュウイチ、大丈夫ですか?』
『な、なんとか…。それよりレム、アイツ…クリスタルを砕いたのに全然弱ってないんだけれど?』
『…そのことですか。確かに魔王獣にとって『マガクリスタル』は最大の弱点ではあります。ですが、それは魔王獣が自身の『能力』にどれだけ依存しているかによります。マガキングギドラは不死身の『再生能力』と『流星を降らせる能力』が最大の脅威であったが為にクリスタルを破壊することで弱体化しましたが、あの怪獣…マガデストロイアは能力に頼らずとも元々強かったので、クリスタルの破壊による弱体化はマガキングギドラほど顕著ではないと推測できます』
『成る程…要するに、真正面からぶっ倒せってことだよね!』
レムのあまり嬉しくない報告に、ジードは半ば開き直って立ち上がると雄叫びを上げて再びマガデストロイアへと向かっていった。
『デヤァッ!』
『ガァァァァッ!!』
一方、カラレスとマガイリスの戦いは空へと舞台を移していた。
『コゥゥゥゥンッ…!』
『ジュワッ!』
蜻蛉のような美しい2対の皮膜を翻し、その妖艶さとは裏腹にカラレスと共にマッハを超えるスピードでシティの上空を飛び回るマガイリス。その触腕から放たれるレーザーのような『超音波メス』を、カラレスは時に旋回し、時に湾曲させたバリアで軌道を変えることで回避し続ける。
『…カラレスさん、どうしましょう?このままだと埒があきませんよ』
『フム…私に考えがある。任せてくれたまえ』
防戦一方な状況にそう尋ねた苗木にそう言って、カラレスは一気にスピードを上げ、『雲』の中へと突っ込み、マガイリスもそれに続く。
『よし、誘いに乗ったな…!これでも…喰らえッ!』
カラレスは雲の中心までマガイリスを引き付けると、そこで停止し『ファイアースフィア』で炎を身に纏う。
『おおおおッ!!』
更にカラレスはそこで止まらず、炎を纏ったまま体を『高速回転』させる。その勢いは凄まじく、カラレスの動きは瞬く間に目にも止まらぬスピードとなり、やがて『炎の竜巻』となって周囲の『雲』を、そしてマガイリスまでもを巻き込んでいく。
『クォォォォッ…!?』
皮膜を広げていたが故にカラレスの巻き起こした竜巻の影響をモロに受けてしまったマガイリスを待っていたのは、竜巻の内部を吹き荒れる『太陽の温度』に匹敵するほどのカラレスの炎…そしてその炎によって瞬く間に溶かされた『雲』が姿を変えた『超高温の水蒸気』による熱風であった。元々それほど火に強い耐性があるわけではないマガイリスにとって、そこは逃げ場の無い焦熱地獄も同然である。
『キュ…ィィィィッ…!』
ものの数十秒程度で周囲の雲を全て蒸発しきり、回転を止めたカラレスから解放されたマガイリスは、全身を焼け焦げと水疱で爛れさせた無残な姿となっていた。
『新たな技…『ファイヤートルネード』と言ったところかな?以前は不意打ちで無様を晒したが、今度の私はそう甘くは無いぞ…ッ!』
「おおッ!強えぞ、今度のジードとカラレスはよ!!」
「こ、これならいけるかも…!」
順調に魔王獣にダメージを与えていくジードとカラレスに、赤松たちも街の人々を避難させながら歓声を上げる。
…それとは対照的に、ヤプールとゼブブは攻めあぐねる魔王獣に悪態を吐いていた。
『チッ…!小癪な奴らめ、あのままでは少々マズいか…ならば、ゼブブ!』
『ファァァッ!』
ヤプールとゼブブは目配せすると、背後で避難活動をしている赤松たちの方を向く。
「…ッ!危ない、皆逃げてッ!」
「へ?」
ドゥンッ!!
いち早く『死神の足音』を聞いた霧切の警告が届く間もなく、ヤプールとゼブブの放ったエネルギー光弾が皆に迫る。
「ッ!?きゃあッ…!」
しかし、最も近くにいた赤松が反射的に手を突き出した瞬間
『…ハッ!』
バチィンッ!
赤松の体から再び溢れ出た『光』が『壁』となり、凶弾を半ばで防いでしまった。
『ファッ!?』
「お、おお…!?これまたアレか?赤松の『キング』の力か?」
「ふん、どうやら奴ら…苗木と最原に勝てないとみて俺達を『人質』に取ろうとしたようだな。…もっとも、期待通りにはならずに済んだがな」
『ファァァァァッ!!』
目論見が外れたことに空中で地団駄を踏むゼブブ。…それとは対照的にヤプールは黙り込んだままゼブブ、そして2人のウルトラマンと交戦する魔王獣へと視線を向け…やがて呟く。
『…やむを得んな。こうなれば、『最後の手段』に出るほかあるまい』
『ファ?』
『貴様が知らないのも当然だ。これはこの街に来る前に『代行者様』が俺のみ授けてくれた力だからな。『ヤプール』という『超獣を生み出す』存在である俺と、貴様のマガイリスの『マガ転輪』の能力があって初めて可能な策なのだよ』
「…な、なんだべ?まだ奴らなにか企んでるのか?」
「イヤな予感がしがやるな…何をする気だ?」
赤松たちが不安げに見上げた先で、ゼブブは煙に巻いたような態度のヤプールに催促する。
『ファァァッ!ファッ!』
『分かっているとも、そう焦るな…直ぐに見せてやるとも』
『ファファファファ…』
ドシュッ!!
「…え?」
『…ァ?』
赤松達を嘲笑うためヤプールに背を向けたゼブブ。…その背中を、エネルギーを纏った『ヤプールの腕』が貫いた。
『ファ…ガッ…!?』
「な、何!?」
「仲間割れ…?」
『…おい、王馬とかいう小僧!貴様には感謝せねばな…貴様の小賢しい策でコイツの『眼』を、面倒な『バリアの生成器官』を潰すことが出来たおかげで、こうも簡単にコイツを仕留めることが出来たのだからな…!』
「…あら~、もしかして俺なんかやっちった?」
『ヤ、プール…キサマ…』
『そう睨むな…俺は別に代行者様や貴様らを裏切った訳ではない。むしろコレこそが代行者様の『望み』、あのウルトラマン共を『絶望の底』へたたき落とす『準備』なのだよ!』
ダメージにより『死神』の姿に戻ったゼブブの怨嗟を意にも介さず、ヤプールはそのままマガイリスとマガデストロイアに向けて叫ぶ。
『マガイリスよッ!お膳立ては整ったぞ、今こそキサマの『真の力』を使うときだ!…そしてマガデストロイアよ、キサマにも『最後の勤め』を果たさせてやろう!』
『ヤプール…!?何をする気だ?』
『さあ、マガイリスよ…『喰らう』がいいッ!『ゼブブ』を、『マガデストロイア』を…そして『我』をッ!!』
『何ッ!?』
『クォォォンッ…!!』
ヤプールの命令を受けたマガイリスはマガクリスタルを光らせながら『触腕』を伸ばし、ヤプールとゼブブ、そしてマガデストロイアを捕らえると強引に引き摺り寄せる。
『ガァァァァッ!!?』
突然のことにマガデストロイアは暴れて抵抗しようとするが、ヤプールがゼブブを介して抑えつけているのか、その抵抗は緩慢で力が無い。
『…何をする気か知らないけど、碌でもないことは確かみたいだ!』
『止めるぞ、ジード!』
目の前の事態に危機感を感じたジードが手から光輪『メガスライサークロス』を、カラレスがストリウム光線を放ってマガイリスを攻撃する。…が
『…させんッ!』
『ガァッ…!?』
ヤプールの放ったエネルギー弾とマガデストロイアが無理矢理撃たされた『オキシジェン・デストロイヤー・レイ』がそれぞれの攻撃を相殺し、マガイリスを守る。
『ッ!クソッ、もう一度…!』
『馬鹿め、もう遅いわッ!』
ジードが追撃をしようとするも間に合わず、マガイリスはヤプールたちを一気に引き寄せると
『コウゥゥゥンッ…!』
バサッ!!
背中の皮膜を大きく広げ、自分の身体ごと包み込んでしまった。
『何…!?くっ、キサマの思い通りにはさせん!』
カラレスが丸まったマガイリスに攻撃を仕掛けようとした、その瞬間
ビカビカビカビカッ!!
『うわッ!?』
『な…なんだこの光はッ!?』
マガイリスの全身がまるでマガクリスタルのように激しく輝き、明滅する眩い光がウルトラマンや人々の目を眩ます。当然ギャオスの群れも巻き込まれ、中には余りの眩しさに墜落してしまう個体までいた。
『ぐ…一体何が…?』
やがて光が収まり、再びマガイリスの方へとジードが視線を向けると
『こ、これは…?』
そこにあったのは、先ほど丸まったマガイリスがそのまま覆われたような、マガクリスタルのような『赤い結晶の塊』が宙に浮いていた。
「な、なんだありゃ?」
「あそこにあるってことは…アレがさっきの怪獣?」
「…だがなんなんだあれは?あんなモノになって、何が目的だというのだ?」
皆がマガイリスの変貌に戸惑う中、ふとゴン太が何気なく呟く。
「…まるで『卵』みたいだ」
「『卵』…?」
「…まさか」
と、その時
パキィィンッ!!
突如結晶の一部が『内側』から砕け、そこから『三つの爪を持った触腕』が飛び出し、高速で近くにいたカラレスへと迫る。
ガスッ!!
『グアアアッ!?』
『カラレスさんッ!』
バスッ!
不意の一撃に為す術も無く叩き落とされたカラレスであったが、即座に間に割って入ったジードが受け止めたことで墜落は免れた。
『す…済まない、ジード…』
『いえ…それよりも、アレを…!』
『ム…!』
パキッ…ビキビキ…バキキッ…!
そうこうしている間に、結晶のあちこちが次々と砕けていき、カラレスを打ちのめしたものと同じ『触腕』が合計『4本』現れる。それだけでなく、結晶そのものも全体に罅が入ると共にはち切れんばかりに『膨張』していく。そして
バキィィンッ!!
空気を劈くような音を立てて結晶が砕け散り、中から現れたのは。
『ギュォォォォォンッ!!』
マガデストロイアを上回る程の巨躯。小さいながらも凶悪な顔つきの頭部に、肩から背中にかけてを大量の『棘』で覆われた胴体。そして4本の触腕だけでなく、本来の『腕』もまた三つ指に鋭い爪を携え、その太さはウルトラマンの胴体ほどもある。体色は『青と金』で統一されており、それは『赤と銀』の体色が多いウルトラマンとは『対照的』にも見えた。そしてその『額』には、魔王獣の証である『マガクリスタル』が煌めいている。
「あ、あ…な、なんだあのバケモンはぁッ!?」
「アイツは…ッ!?まさか、『Uキラーザウルス』!?」
「知ってんのか?」
「ああ…メビウスの映画で出てきた、ヤプールが作り出した『究極超獣』って言われてる最強の超獣だッ!!」
『その通り…!』
百田の説明を肯定するように、Uキラーザウルスに被さるようにヤプールの顔が浮かび上がる。
『これぞ我が奥の手…!マガイリスの怪獣を生み出す『マガ転輪』の力と、超獣を生み出す『ヤプール』という概念が合わさり、そして『2体の魔王獣』と『ゼブブ』を莫大なエネルギーとして取り込むことで生まれた最強最悪の魔王獣…『転生魔王獣 マガUキラーザウルス』だッ!!』
「転生魔王獣…マガUキラーザウルス…!?」
「まさか、『魔王獣』と『自分自身』を糧にして新たな怪獣を『作り出した』というのか…ッ!」
『ギュァァァァァッ!!』
マガUキラーザウルスの甲高い鳴き声と共に、その背を覆う大量の『棘』がまるでミサイルのように『射出』される。『ザウルス・スティンガー』である。
ドガガガガガッ!!
『ぐああッ!?』
「きゃああああッ!!」
地上へと降り注いだ『ザウルス・スティンガー』は、ジードとカラレスだけでなく赤松達や街の人々、そして搭和シティそのものを無差別に穿ち、破壊していく。
『マズイ、皆が…!』
『止めるぞ、ジード!』
『ハイッ!』
街と人々への被害を食い止めるべく、ジード達はマガUキラーザウルスの元へと飛び上がる。
『ギュォォォォッ!!』
しかしマガUキラーザウルスもそうはさせじとばかりに、『ザウルス・スティンガー』だけでなく胸の『発光体』から放つ光弾『テリブル・フラッシャー』や4本の触腕を鞭のように振るってジード達を近づけさせない。
『ぐうっ…なんという手数だ、これでは近づけないッ…!』
『だったら…これだッ!』
道を切り開くべく、ジードは『新たな姿』へと変わる。
「融合!」
「I GO!」
「Here we Go!」
『フュージョンライズ!』
「目指すぜ、天辺!!ハァッ…ハッ!」
「ジーーーードッ!!」
『ウルトラマン!』
『シャイニングウルトラマンゼロ!』
『ウルトラマンジード! シャイニングミスティック!』
『ハッ!』
『金色』の体色と『銀色』のプロテクターという一際目を引くカラーとは裏腹、二の腕に装着された『ゼロスラッガー』に似た刃以外はシンプルな姿。ウルトラマンの力と、ウルトラマンゼロの『最強形態』であるシャイニングウルトラマンゼロの力を融合させたジードの形態『シャイニングミスティック』だ。
変身を終えたジードに、レムからの通信が入る。
『…シュウイチ。分かっていると思いますが、そのシャイニングウルトラマンゼロのカプセルは最初期に作られた謂わば『試作品』です。強大な力を持つ反面、他のカプセルに比べて『持続時間が短い』ことを忘れないで下さい』
『分かってるよ!だから…『一撃』で決める!』
そう言ってジードはマガUキラーザウルスを見据え、片腕を上げる。
『『向こうの世界』では上手く扱えなかったけど、『ザ・ワールド』を持つ今の僕なら…行けるはず!ハァッ!』
気合いと共に挙げた掌に光が収束し、それが弾けた瞬間
ドギュゥゥゥンッ…!
『……』
ジード…最原にとって馴染みのある感覚と共に、世界の『時間が止まった』。人々だけでなくカラレスやマガUキラーザウルスも、そして彼らの放った攻撃やその余波により壊れた建物の瓦礫や粉塵までもがその場で停止し、動かなくなる。シャイニングウルトラマンゼロの『時間の流れを操作する力』の一部を使うことで、周囲一帯の『時間そのもの』を停止させたのだ。
その隙にジードは停止された攻撃の合間を縫うように飛び、一気にマガUキラーザウルスとの距離を詰める。
『スペシウムスタードライブ!』
シュィィィンッ!!
ほぼゼロ距離から放たれた光波熱線がマガUキラーザウルスに直撃し、ソレと同時に停止した時間が動き出す。
…ゥゥゥゥンッ…!
ドガァァンッ!!
『ギャァァァァッ!?』
「…ッ!?アレは…ジードか?いつの間にあんな所に…しかもまた新しい姿に…!」
「でもあの距離からの攻撃なら…」
『…舐めるなぁッ!!』
一体化したヤプールの一喝が響き渡った瞬間、マガUキラーザウルスのマガクリスタルと『胸の発光体』が紅く煌めく。そして
『ガァァァァァッ!!』
ビィィィィィィッ!!
空気を劈くような音と共に、マガUキラーザウルスの発光体から『紅いレーザー光線』が無数に放たれ、今度はジードが至近距離でその攻撃を受けてしまう。
『グアアアアッ!!?』
ドゴォォォンッ!
レーザーに灼かれたジードは真下の地面に叩き落とされ、その弾みでプリミティブへと戻ってしまった。
『大丈夫かジード!?』
『は、はい…!まだ、戦えますッ…!』
ピコン、ピコン…
気丈にそう言うジードではあるが、それを否定するように胸のカラータイマーが点滅を始める。それに引き換え…
『ギャォォォォォッ!!』
マガUキラーザウルスの方はと言うと、先ほどの攻撃を放った直後からジードから受けたダメージがまるで『無かったかのように』息を吹き返したのであった。
『フハハハハハッ!無駄だ無駄だ、貴様ら程度の攻撃などマガUキラーザウルスの『能力』の前では無力!今の攻撃程度のダメージなど、そっくりそのまま『お返し』してやったわッ!』
そう、今の『レーザー攻撃』こそが、マガUキラーザウルスの魔王獣としての『能力』なのだ。受けたダメージを一時的に『蓄積』し、そのダメージに等しい威力の光線として放出することで、それまでに受けたダメージを『帳消し』にしてしまう攻防一体の能力、それこそが『マガ反射』なのである。
「これは…少し不味くないかイ?あの怪獣、さっきのダメージを全然感じていないようだけド…」
「タフにも程があるんじゃあないですかッ!?」
「クソッ…奴の見境無しの攻撃でギャオス共の動きも鈍くなっているが、こっちも動けないのでは意味が無いぞ…!」
マガUキラーザウルスの無差別攻撃により下手に動けなくなってしまった赤松達は、上空の苦戦を見上げながら顔色を悪くする。あのままでは、先に根負けするのは『時間制限』のあるジード達なのは明白である。そうなってしまえば、もはやエグイサル程度ではギャオスはともかくマガUキラーザウルスに勝ち目など無い。
「どうしよう…どうすれば、どうすればいいの…!?」
視線の先で傷つきながらも何度も立ち上がるジード…最原の姿に、赤松は何も出来ない自分自身に歯噛みし、ただひたすらに『祈った』。
「お願い…お願いします!誰でも良いから、最原君達を助けて…ッ!」
…ピカッ!
「…え?」
その瞬間、突然赤松の胸の辺りに眩い『光』が灯った。
「な、なんだ?」
「赤松、それって…」
その異変に気づいた皆が光へと視線を向けると、光は皆の前で徐々に光量を増していき、やがて赤松だけで無くその場の全員を包み込んでしまった。
「え…き、きゃあッ…」
「…う、ん…?」
眩しさに目を塞いでしまった赤松が目を開けると、そこは先ほど居た廃墟の中では無く、何も無いただただ『真っ白な空間』へと変わっていた。
「え…な、何コレ!?ここは一体…」
「う~ん…え!?ここ何処!?」
「おいおい…一体何がどうなってんだこりゃあ?」
赤松だけで無く、光に包まれた全員が同じ場所へとやって来ていた。
「何が起きたんだよ…?確か、赤松から出てきた『光』に包まれた瞬間ここに…ってことは、まさかこれって…」
『…聞こえているかな?地球人の諸君…』
「ッ!!?」
皆が右往左往していると、どこからともなく『声』が聞こえてくる。
「だ、誰だッ!?これはテメーの仕業なのかよッ!!」
『案ずることは無い、少女よ。ここは私の力で一時的に時間から『隔離』させて作り出した空間…ここに居る限り、外の時間は一秒たりとも動くことは無い。君たちに危害が及ぶことはない…』
「…そいつはどうかな?アンタが俺達に『危害を加えない』なんて保障は無いんじゃあねえか?」
「そうですッ!味方だというのなら、転子たちに姿を見せたらどうなんですかッ!?」
「ちょ、お前らそんなことを言うんじゃあッ…」
薄々『声の主』の正体に感づいた百田が失礼極まりない言動をする入間たちを咎めるが、『声』はそれに呵々と笑いながら応える。
『勿論だとも、その為に私は君たちをここに呼んだのだから…!』
シュォォォォォッ…!
赤松の身体から先ほどと同じ『光』が飛び出し、今度は大きくはならず『粒子』となって分散し、皆の眼前で『人の形』を型取り始める。やがてその人型の光の内側に、『声の主の姿』がハッキリと映し出される。
「あ…!」
「あ、アンタはッ…!?」
『初めまして、と言うべきかな。絶望と戦う勇気ある者達よ。私の名は…『ウルトラマンキング』。全ての宇宙の安寧を見守る者だ』
他のウルトラ一族とは明らかに異なる威厳と存在感を醸し出す風体。ウルトラ戦士が『4万5千年』という永き時を生きることで生えてくるという『髭』はその人物が想像できないほどに永い時を生きてきたことを示し、頭部に宝玉があしらわれた装飾はまるで『王冠』のようである。
それこそが、宇宙の垣根を越え『ウルトラマン』という存在の頂点に立つ者…ウルトラマンキングであった。
「あ、貴方がウルトラマンキング…!?じゃあ、貴方が今まで私たちを助けてくれたんですか?」
『そうだ。私はジードからカプセルが離れた際、悪しき者の手にこれが渡ることを恐れ、再びリトルスターの形となって君の身体に宿った。例え世界は違えども、君が『赤松楓』という運命を歩んでいる限り、私が宿る資格は十分にあったのでな』
「…あの、今まで助けてくれて…ありがとうございました!」
「あ…ありがとうゴザイマス…」
独特の『威圧感』はあれど決して重々しいモノでは無いキングの雰囲気に、赤松に釣られて皆も思わず礼を言ってしまう。
『…いや、礼など不要だ地球の諸君。…正直な所を言えば、私は本来君たちを『助けるつもりは無かった』のだから』
「え…?」
『仮に、ジードがこの世界で実体を取り戻す手段が無く、この世界の危機に立ち向かうことが出来ないと言うのであれば、私の力で手助けをすることも考えた。しかし、彼は今君たちの世界の最原終一と肉体と意思を同一の物とし、戦う力を取り戻した。ならばそれはジードに課せられた運命とし、私はリトルスターのままで静観していただろう。…既に、『君たちの世界の光の国』も動き始めているようだからな』
「…じゃあ、どうして?」
『…しかし、相手が『レイブラッド』であるというのであれば話しは別だ。奴はかつて光の国が生み出した『奇跡の輝き』を狙い、蘇りかけた光の国を滅ぼしかけた。私と、共に戦った『光の勇者達』が居なければ、全宇宙は奴の手に堕ちていただろう。その奴が蘇ったというのであれば、『私』にもその責任の一端がある。故に、君たちを助けようと考えを改めたのだ』
「…だったら、早く最原君の力になってあげて下さいッ!私たちを守るより、最原君の方にこそ力が必要なんです!だから…」
赤松の懇願に、キングは静かに首を振る。
『それは、私には出来ない…』
「ッ!どうして…?」
『今の私はリトルスター…『本来の私』から切り離された『力のほんの一部』でしかない。多少の力は使えるが、私自身の意思では君から離れることが出来ない。…それが出来るのは、『君』だけだ。私の意識を呼び起こしたように、君の『祈り』が私を彼の元へと送り届けるのだ』
「…でも、どんなに祈ってもそれが出来なくて…」
『ならば『やり方』が違うのだ。ただ祈るのでは無く、君にしか出来ない、『赤松楓の全てを懸けた祈り』を彼に捧げるのだ』
「私にしか…出来ない、祈り…?」
キングの言葉に、赤松はその意味が分からず頭を抱える。そんな赤松に、王馬と春川が声をかける。
「にしし、何難しいこと考えちゃってんのさ赤松ちゃん?悩むことなんか全然無いじゃんかよ」
「え?」
「アンタに出来ることなんて、『一つ』しか無いでしょ?なら、それがアンタにしか出来ない『祈り』って奴なんじゃないの?」
「私に出来ること……ッ!!」
やがてハッとしたように顔を上げた赤松は、振り返った先にいた灰慈に問う。
「灰慈さんッ!この近くに『ピアノ』が置いてある場所ってありませんか!?できるだけ大きな物がいいんですけど!」
「ハァ…?ピアノ?そんなもんで何を…」
「説明は後で!とにかく教えて下さいッ!!」
「…多分だが、『搭和タワー』の『展望室』にイベント用の『グランドピアノ』が仕舞ってあるはずだ。他にも探せばあるかも知れねーが、一番近くにあるとすればそこだ。…もっとも、あのバケモノに壊されてなけりゃあな…」
「搭和タワー…この街で一番高いあの塔ですね!僕の記憶ログによれば、少なくともついさっきまでは無事だった筈です!」
「…だったら、決まりっすね」
「うん!僕たちで、赤松さんを搭和タワーまで『送り届け』よう!!」
事情を知らない灰慈以外の皆が、『やるべき事』を認識して意気を高める。
「皆…!」
「へっ…気にすんな、赤松。俺達は『友達』なんだからよ」
「大切な人の為に全力を尽くす…それが、私たちが憧れた先輩達の『覚悟』なんだからさ」
「…何をやるつもりかは知らんが、どうやら『アテ』はあるようだな。ならば、精々やってみせろ」
「後のことは任せて頂戴。…それがきっと、苗木君たちの助けになるのでしょう?」
「…はい。皆…ありがとうッ!」
『…どうやら答えが出たようだな』
「はい…ッ!」
『ならば行け、若き勇者たちよ!君たちの勇気で、この街を…世界を救うのだッ!』
カッ!
…キングの激励を最後に再び光に溢れた視界が晴れると、赤松達は元いた廃墟へと戻ってきていた。
「…な、何が起きたってんだ?あのキングとかいうジジイは何処に行ったんだ?」
未だ理解の追いついて居ない灰慈に、赤松が声をかける。
「…灰慈、お願いがあります。私たちは今から、あの搭和タワーに行かないといけません。その間、霧切さんたちと一緒に街の人たちを『地下』に避難させてください」
「さっき俺と白銀ちゃんでレギオン共は全滅させたから、少なくとも地上よりは安全だと思うからね~」
「なッ…お、おい待てよッ!お前らまさか、『本気』なのか?外の状況分かってんのかよ!?…あんなか突っ切って行くってのか、お前らはッ!!?」
灰慈が指さした先…廃墟の窓の外には、最早街としての原型すら止めていない搭和シティの中で奇跡的に未だ屹立する『搭和タワー』が存在している。…しかし、その手前では尚も猛威を振るうマガUキラーザウルスが放つ、何時タワーに直撃してもおかしくない光弾の嵐の中で抵抗を続けるジードとカラレスの姿があった。
「…そうだネ。グズグズしているとあの怪獣に先にタワーを倒されかねない、そうなる前に急ぐ必要があるネ」
「ウチ、足が遅いんじゃが大丈夫じゃろうか…?」
「大丈夫です夢野さんッ!いざとなったら転子がおぶるなり抱っこするなりして一緒に連れて行きますともッ!!」
「…おんぶはともかく抱っこはイヤなんじゃが」
「…ッ!!そういうことじゃあねえだろうがッ!!分かってんのか!?行ったら絶対『死ぬ』ぞッ!!何しに行くのか知らねえが、そこまでする必要なんざねえだろうがッ!?」
「…ここでジッとしてたって結果は同じなんじゃあねえのか?灰慈さんよ…」
「ぬっ…ぐ…ッ!」
全く自分の言いたいことを理解していない風な皆に灰慈が怒号を飛ばすが、星の一言に返す言葉も無く沈黙する。
「…おい腐れチ○毛、オメーの言いてえことなんざこちとらとっくに理解ってんだよ。行けば多分死ぬ、ここに居てもその内死ぬ。んなもん分かりきったことじゃねーか、…だったら、『自分が後悔しない選択』をすることの何が悪いってんだ?」
「後悔しない選択だと…?」
「その通りですッ!例え結果が同じだとしても、ここで『何もしないで死んだ』としたら、僕らはきっと死んでも死にきれませんッ!!外で大切な『友達』が戦っているのに、僕らはまだそれに何も『報いれていない』んですからッ!!」
「キーボの場合は元の鉄屑に戻るだけだからあんまり変わらないけどね~」
「揚げ足取らないで下さい王馬君!…というか、今のは揚げ足にすらなっていませんッ!!」
「ま、そこは置いておいて…信じられないかもしれないっすけど、俺達にはあそこに辿り着きさえすればきっと最原君を助けられるっていう『確信』があるっす。それを分かった上でこんな所で『傍観者』のままで居るってのは…ちょっと座りが悪いんすよ」
「…この間、最原君が教えてくれました。『ウルトラマンジード』…その由来の一つが、『あっちの最原君』の座右の銘、『ジーッとしてても、ドーにもならない』って言葉。…きっと、今がそうなんです!今ジーッとしてたって、この先はドーにもならないんです!だから、例え無茶でも…今動かなくちゃいけないんですッ!!」
チカッ…!
「…!赤松さん、また貴女から光が…」
「え…!?」
突然またも赤松の胸に『光』が灯ると、その光は『12の光』に分かれて王馬と白銀以外の『79期生』の身体へと吸い込まれていった。
「ッ!?な、何…?」
「この…感覚は…!?」
「なんだこりゃあ…?身体の中から…『何か』が湧き出て来たような…」
得体の知れない感覚に皆が戸惑っていると、再び頭の中にキングの声が聞こえてくる。
『…心配することは無い。それは君たちにとって悪い物では無い。…彼の言うように、今の君たちではあそこに辿り着くのは至難の業であろう。故に、君たちには今それを成し遂げるための『力』を授けたのだ』
「力…?」
『ウム。…君たちは既に、『君たちの世界』と『この世界』、そして『ジードの世界』という『3つの歴史』を認識している。そして世界とは、その3つだけでは無く無数に枝分かれするようにして幾つも存在しているのだ』
「…『平行世界』、という奴カイ?」
「あ…俺も聞いたことあるぜ!確か、『マルチバース理論』…っつったかな?」
『その通りだ。…そしてその中には、君たち全員が『スタンド能力に覚醒した世界』も存在する。その世界の一つから、『その世界の君たちが所持していたスタンド能力』を君たちに引っ張ってきた。尤も、あくまで一時的なものではあるがな…』
「…ッ!?ってことは…」
「俺達も、今なら『スタンド能力を使える』…ってことっすか?」
「まさか…『機械』の僕にまでスタンド能力が使えるだなんて…!?一体どういう理屈なんでしょう?飯田橋博士に聞いたら分かるでしょうか…?」
「キーボ!今はそんなことどうだっていいぜッ!…感謝するぜ、キングの爺さん!これで、俺達も戦える…!終一や赤松を、今度は俺達が守る番だぜッ!!」
「…何が何だか分からんが、どうやら問題は解決したようだな」
「なら、貴方たちは貴方たちの成すべき事をしなさい。こちらのことは、私たちに任せて…」
「応ッ!未来機関の威信に懸けて、この街の人々は我々が守りますともッ!!」
「…はい、お願いしますッ!!」
霧切やゴズ達に後を託し、赤松達は外へと飛び出した。今まで後ろで見ているだけしか出来なかった最原の背を、今度は自分たちが助けるために。
「いっくぜぇぇぇぇッ!!『ウィー・アー・ザ・チャンピオン』ッ!!」
「力を貸して…『ダンシング・クイーン』!」
「にしし、もういっちょ踊るよ『U2』!」
「私の力を、皆のために…『オネスティ』ッ!」
「さーて、やってみるっすか『カルチャー・クラブ』!」
「姉さん、一緒に行くよ…ええ、是清…『ミー&マイ』!」
「やってやるぜ、『スキャットマン』!」
「これが、僕に宿った心です!『アイ・アム・ロボット』!」
「派手に行くぜ、『ザ・フー』…!」
「これが転子の!『テイク・ミー・オン』ッ!」
「ウチもやるぞ!『ビー・ジー』じゃ!」
「ゴン太は戦う、皆を守る紳士として…!『ビートルズ』!」
「アハハー!行くよ神様、『ニルヴァーナ』!」
「ちょ、ここに来て私地味じゃ無い?…まあいいや、『ショー・マスト・ゴー・オン』!!」
「お願い…『ヘイ・ヤー』。私に幸運を、前に進むための『勇気』を!」
『ヘイ・ヤー!良いぜカエデ、ゴー・ゴーダ!ソノ先ニ必ズ『希望』はアルンダゼッ!!』
ウルトラダンガンナビ!…と言う名の解説
今回はマガUキラーザウルスについて
転生魔王獣マガUキラーザウルス…ヤプールが自身の持つ『超獣生成能力』とマガイリスの『マガ転輪』を使い、ゼブブと自分自身をエネルギー源としてマガデストロイアとマガイリスを強引に融合させ、そこに『ヤプール』という概念を加えることで生み出した魔王獣。ゼッパンドンと異なり『合体』させた訳で無く、2体の魔王獣の持つエネルギーをUキラーザウルスという形に『作り替えた』ので、「転生魔王獣」という呼び名がついた。本来のUキラーザウルス以上の火力を持つだけで無く、受けたダメージを蓄積し、それを攻撃エネルギーに転換することで反撃と回復を同時に行う「マガ反射」という反則的な能力を持っている。これを突破する方法はただ一つ、マガUキラーザウルスが耐えきれないほどのダメージを一気に与えるしかないのだ。
ちなみに、79期生のスタンドですが
百田…ウィー・アー・ザ・チャンピオン
春川…ダンシング・クイーン
東条…オネスティ
天海…カルチャー・クラブ
真宮寺…ミー&マイ
入間…スキャットマン
キーボ…アイ・アム・ロボット
星…ザ・フー
茶柱…テイク・ミー・オン
夢野…ビー・ジー
獄原…ビートルズ
夜長…ニルヴァーナ
となっております。何故このスタンド名なのかはなんとなく分かる組み合わせもあるでそうが、色々と考えてやっているのであります
次回は…ちょっと未定です。どれを更新するのかも含めて…ではまた次回