仮面ライダーリミット   作:甘々胡麻ざらし

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放課後(なんの捻りもねぇ!)

午後の授業を終え、現在放課後。海は教科書を鞄に詰め込み帰る準備をしていた。忘れ物がないか確認を済ませたあと教室を出ると一夏とバッタリ出会った。

 

「あれ、まだ帰ってなかったのか?」

「そういう一夏こそ教室に忘れ物か?」

「ああ。あっ!そうだ!せっかくだし一緒に帰ろうぜ」

「良いけど一夏は自宅通学なのか?」

「いや、学園の寮に入ってるけど、海もだろ?」

「俺は自宅通学だけど?」

「え、なんでだ?」

「俺は男性操縦者じゃないから自宅通学でも大丈夫なんだよ」

「海だけ寮に入ってないとか不公平じゃないのか?」

 

海の立場を分かっていない一夏に海は少し呆れるとドアが開き担任の千冬が入ってきた。

 

「織斑先生どうしたんですか?」

「ああ、天地兄か。丁度良かった。お前の寮が決まったから鍵を渡しに来たんだ」

「え?自宅通学の話だったんじゃ」

「その事については部屋まで案内しながら説明する。織斑は先に帰っておけ」

「なんでだよ千冬姉。あたっ!」

「織斑先生だ馬鹿者。放課後でも学校では先生と呼べ」

 

千冬は軽く出席簿で一夏の頭を叩くと一夏は少し残念な顔をして教室を出ていった。千冬は海に行くぞと伝え寮までの道を歩く。

 

「…それで話ってなんですか?」

「ここで聴かれるのは不味い。私の部屋で話そう」

 

寮に着くと千冬の部屋に案内され、少し前とドアの前で待たされた。中からガタガタと明らかに片付けている音が聴こえしばらくすると入れと言われ中に入る。だが入った瞬間酒臭い臭いがし、一瞬飲んでもないのに酔った気分に陥った。

 

「…織斑先生酒飲み過ぎじゃないですか?」

「…すまない。少し換気をしよう」

 

千冬は窓を開け酒の臭いを逃がすと椅子を差し出し座れと言った。

 

「で、なんで寮生活なんですか?」

「IS委員会からの通達だ。表向きは特別編入生にIS学園を体験させるために寮生活と言われているが、実際は監禁並びにクロスドライバー等の製造方法を探ることだ」

「…帰っていいですか?」

「まてまて。今は同居人がいるがしばらくすれば一人部屋になる。それまで耐えてくれ」

「同居人…。はぁ…。わかりました」

「すまないな。これが寮の鍵だ。荷物は既にお前の親が用意してくれた。それと大浴場もあるがしばらくは部屋のシャワーで我慢してくれ」

「わかりました。では失礼します」

 

海は鍵を受け取り千冬の部屋を出る。鍵を見ると1000と刻まれたタグが付いており、寮の案内図を頼りにその部屋の前にたどり着く。

 

「同室は多分一夏だろうけど一応ノックしておくか」

 

コンコンとドアをノックすると部屋からはーいと女子の声が聴こえ、ガチャリとドアが開くと中から簪が現れた。

 

「あれ、どうしたの海?私部屋教えたっけ?あ、でも今日は同室の人が来るってお姉ちゃんが言ってたからまた明日でもいい?」

「…ちょっと待ってくれ」

 

海は再び鍵を確認すると部屋のネームプレートと同じ1000と刻まれており、海は頭を押さえてため息を吐き簪に鍵を見せた。

 

「ごめん、同室は俺だ」

「え!?」

「とりあえず入っても良いか?」

「あ、うん。どうぞ」

 

部屋の中へ案内されるとベッドが二つあり、奥の方の枕元に戦隊のフィギュアが置いてあることから恐らく奥が簪のベッドなのだろう。

 

「とりあえず座ったら?」

「そうさせてもらうよ」

 

海は手前のベッドに座るとここまでの経緯を話した。それを聴いた簪は気まずそうな顔を浮かべる。

 

「ごめん…。多分部屋割りはお姉ちゃんの指示」

「だと思うよ…。七海なら分かるのになんで簪にしてんだよあの人…」

「…やっぱり七海ちゃんの方がよかった?」

「そうじゃねぇよ。ただ、簪が迷惑するだけだろって話だよ」

「め、迷惑じゃないよ!」

 

簪が勢いよく立ち上がると海は一瞬驚くが、落ち着けと言い座らせた。

 

「とにかくしばらく一人部屋が出来るまでよろしくな」

「うん、よろしく」

「じゃあちょっとシャワー浴びてくるよ。今日変に緊張してたから汗かいたし」

「いってらっしゃい」

 

海はベッドの手前に置いてあった自分のボストンバッグを開けてジャージを取り出し脱衣場へと入る。そしてドアを閉めると床に座り込み頭を押さえた。

 

「(ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!マジか!マジで簪と一緒の部屋かよ!超嬉しいんだけど!)」

 

海は自分の顔を確認するため鏡を見ると耳まで真っ赤になっていた。

 

「(うわっ…。耳まで真っ赤じゃねーかよ…。簪にバレてないよな?それにしても楯無さん何考えてんだよ!ただでさえ久しぶりに簪に会っただけでも可愛くなっててドキドキしたのに、それに加えて同室とか超ありがたい!じゃなくて超ピンチだよ!くっそー!今度お礼と言って苦手な編み物セット送りつけてやる!)」

 

こうして海は火照った体を静めるために冷たい水でシャワーを浴びた。そして簪はというと…。

 

「(か、かかかかかかかか海と同室!?どうしよう!さっきからニヤニヤが止まらないよ!)」

 

海と同じく顔を真っ赤にして枕に顔を埋めていた。

 

「(ううー!顔が熱いよ…。海にバレてないよね?もうお姉ちゃん何考えてるのよ!久しぶりの海にかっこよくなっててドキドキしたのに、同室なんて…!それに今は海がシャワーを浴びてる…。ハッ!何考えてるのよ!もう!今度お姉ちゃんの苦手な編み物セット渡してやる!)」

 

こうして簪は高ぶった気持ちを静めるためにヒーローアニメを見始めた。

その後海がシャワーを浴び終え出てくると、簪は汗をかいてないか気になり自分もシャワーを浴びることにした。そして二人で夕飯を食堂で食べ終え眠ることにしたが、お互い緊張してうまく眠れなかった。

 

 

「どこだここ?」

 

空が紅く、全てが紅い世界を海は歩いていた。しばらく歩いていると七海の姿が見えて声をかけるが反応がなかった。再び近づくと七海は突然倒れ海は慌てて駆け寄った。

 

「おい、大丈夫か!七…海?」

 

七海の顔を見ると口から血を流し目は虚ろになっていた。

 

「七海…?いったいどうしたんだよ!」

 

何かを感じ周りを見渡すといつの間にかそこは紅い血の海へと変わっていた。本音、楯無、虚、誠也、他にもIS学園でのクラスメイトや自分の両親も所々から血を流し死んでいた。

 

「な、なんだよ…これ…!」

 

どこかで声が聴こえ海はその場から逃げるように立ち去り、声のする方へ向かった。そこには死体の山がいくつもあり、その上にはクロスドライバーを巻いた何者かが簪の首を掴み息の根を止めようとしていた。

 

「簪!てめぇ簪に何するんだ!」

 

海は走りだし手を伸ばした瞬間目の前に簪が現れた。

 

「…どう…して?ゲホッ!」

「…え?」

 

伸ばした手は簪の腹を貫き紅く染まっていた。足には人の感触。そして自分の腰には簪を殺そうとしていた者のクロスドライバーが巻かれていた。

 

「俺が…殺したのか…?」

 

海は足を滑らせ血の海に落ちる。そして見てしまったのだ。血の海に映る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面を着け、その奥で狂気に笑う悪魔(自分)の顔が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ(ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…。なんだ今の…?」

 

夢から目覚めると時計は午前5時を指しており、隣のベッドでは簪が気持ち良さそうに眠っていた。

 

「あんまり思い出せない…。すっげぇ嫌な夢だったってことは覚えてるけど…」

 

簪を起こさないようにゆっくりと部屋を出て外で軽く準備体操をしたあと日課のランニングを開始した。軽く5キロほど走ったあと基礎トレーニングを行っているとジャージ姿の千冬がやってきた。

 

「ほう、朝から鍛練とは精が出るな」

「おはようございます。織斑先生もトレーニングですか?」

「そんなところだ。そうだ、少し手合わせをしてみないか?」

「いや、世界最強に勝てるわけないじゃないですか」

「なぁに、手加減はしてやる。どうだ?元とは言え世界最強と戦えるなどまたとないチャンスだぞ?」

「…」

 

海は置いていたスポーツドリンクを飲むと、落ちていた木の棒を手に取り、千冬も木の棒を拾い上げ構える。

 

「さぁ、何処からでもかかってくるがいい」

「…行きますよ!」

 

 

「ふぁぁぁぁぁ…」

 

海がトレーニングに出掛けたあと、簪は目を覚ましあくびをしながら背筋を伸ばした。しかしキョロキョロと見渡すと明らかに自分のベッドが隣にあり、昨日のことを思い出す。

 

「海と一緒の部屋で寝ちゃった…」

 

簪はほんのり顔を赤らめしばらくボーッとしていた。

 

「しばらく一緒かぁ。このまま付き合ったりでもしたら…」

「ただいま~」

「うひゃ!」

 

邪な考えになりかけていた簪はビックリして変な声を上げてしまい顔を赤くする。しかし振り向いた先にはボロボロの海が立っており慌て始める。

 

「ど、どうしたの海!?ボロボロだよ!?」

「ちょっと世界最強と戦ってきた」

「世界最強って織斑先生と!?」

「トレーニングしてたら手合わせしてみないかって誘われて惨敗だよ…」

 

結果として海は千冬に惨敗だった。流石は元世界最強のIS操縦者。少し年齢を重ねようともその力は健在であった。

 

「次は一本喰らわせてやる!」

「もう…。あんまり無茶しないで」

「はいはい。あ、ところで簪。白騎士って知ってるか?」

「最初のISのこと?」

「いや、そっちじゃなくてこの前明が白騎士に気をつけろって言ってきたんだよ」

「…それってこれのことかな?」

 

簪がパソコンを操作してあるページをクリックするとそこには"ISを狩る白騎士!?これは今のIS操縦者達への挑戦状か!?"と書き込まれていた。

 

「海がここに来る前に各国でIS操縦者が襲われる事件が多発していたんだ。そして襲われた人の証言ではその姿は純白の全身装甲(フルスキン)で、まるで白騎士のようだったみたい」

「トロポス関連ばかり見ていたから気づかなかったぜ。なるほどな、だから明はIS学園に在学するならこの白騎士が学園に襲ってくる可能性があるから気をつけろって言ったのか。結局一夏とは何の関係もなかったか」

「一夏ってあの織斑一夏?」

「ああ、そうだけど知り合いか?」

「…彼の専用機は倉持が造ってるの」

「倉持…え、倉持が!?簪のISも造ってただろ?」

「この前電話が来て織斑一夏の開発に総員回すって連絡が来たの」

「はぁ!?勝手すぎるだろ!」

 

この前は勝手に造ると言い出し、今度は男性操縦者の一夏のためにISを造り、簪のは凍結。明らかに横暴だ。

 

「だから嫌がらせとISが可哀想だったから私で引き取ったの。実際無所属扱いになってるからどう造ろうとも私の自由」

「だったらそのISウチで造ってみるか?だとしても操縦者がなぁ…」

「それなら本音に渡してみる?」

「本音に?うーん…。そこは相談だな。あとで聴いてみるよ」

「じゃあ朝ごはんのときに聴く?本音と七海は同室だし」

「そうだな」

 

その後軽くシャワーを浴びて制服に着替え七海たちを誘って食堂へと向かった。その途中に楯無と虚に出会い楯無はニヤニヤしながら昨日何かしたか聴いてきたが特になにもなかったのでつまらなそうな顔をしており、手に持っていた扇子を開くと"このヘタレ"と書かれており、またしても虚に叱られていた。




IS学園に入る前に付き合わせるか悩んだんですけど、今後の展開を考えて今はこんな感じにしました。

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