仮面ライダーリミット   作:甘々胡麻ざらし
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リアルが忙しく更新が遅くなりすみませんでした。


集え!代表候補生たちよ!

朝食を食べたあと海は先に教室の窓から外をぼんやりと眺めていた。結局のところ本音に専用機を渡すかどうかについては楯無の助言から放課後に詳しく生徒会室で話そうと言うことになり、時間を持て余した海はこうしてぼんやりと外を眺めていたのだ。

 

「良い天気だなぁ…。海は綺麗だし、樹が茂っているし、お茶が欲しくなるなぁ」

「天地はなかなか古風な事を言うな」

「あ、篠ノ之さん。おはよう」

 

海に話しかけに来たのは昨日知り合った日本代表候補生の篠ノ之箒である。

 

「ああ、おはよう。箒で構わないぞ。むしろ下の名前で呼んでくれ」

「了解。俺のことは海で良いぞ」

「わかった。そう言えば先程簪たちと食事をしていたが仲が良いのだな」

「まぁね、簪たちとは中学からの付き合いだし」

「なるほど、道理で仲が良いわけだ」

「そういう篠ノ之…じゃなかった。箒はそういう中学からの友達とかこの学園に居るの?」

「中学からはいないな。小学五年の頃から引っ越しが多く、長い付き合いでIS学園での友人は一夏くらいだ」

「あ、ごめん…。なんか聴いちゃいけないこと聴いたな…」

 

しまったと思い海は頭を下げると箒は慌てながら頭を上げてくれと言った。

 

「そこまで気にしていないさ。今思えば仕方のないことだったからな」

「そっか。あ!そう言えば箒の名字って篠ノ之だよね?ということはもしかして!」

 

海は箒に何やらキラキラした目を向ける。

 

「箒って篠ノ之神社の娘なの?」

 

海がそう聴くと何故か箒や既に教室に居た生徒たちがズッコケタ。

 

「あれ?もしかして違った?」

「いや…合ってるが…」

「うおー!マジで!?あそこの神社俺好きなんだよ!祭りの日とかはよく行くんだ!」

「そ、そうなのか。ではなくだ!」

「え?他に何かあった?」

「…まさか本当に分からないのか?」

「何が?あ、もしかしてIS開発者の篠ノ之束博士と名字が一緒だから親戚とか?」

「普通そっちを聴かないのか?まぁ姉妹なのだが…」

「へー」

 

しばらく沈黙が流れる。そしてポクポクポクチーンとどこかで鳴りまたしても教室が騒がしくなる。

 

「そ、それだけなのか!?」

「え?それだけだよ?」

「いや、なにかこう…。驚きやリアクションはないのか?」

「ないよ?だって箒は箒じゃん。あ、驚いたと言えば代表候補生だってことかな?」

 

周りは口をあんぐりと開けまるで信じられないものでも見たような様子だった。すると箒は肩を震わせ突然笑いだした。

 

「え?ど、どうしたの?」

「あははははははは!いや…すまない…。あまりにも海の反応が予想の斜め上だったものでつい…。ククッ!」

「どういうこと?」

「私の姉を聴いて驚く奴は沢山居たが、無反応だったのは海が初めてだ(笑)」

 

今まで箒は篠ノ之束の妹ということで失踪した姉のせいで重要保護プログラムという保護並びに、束に対しての人質として家族と離れ離れになり、各地を転々としながらも周りからは"篠ノ之束の妹"として評価され、誰も自分を"篠ノ之箒"として見てくれなかった。結局色々あったものの、姉の心理を知るために代表候補生になってもそれは変わらなかった。この学園に入学してもまず名字の珍しさから束との関係を聴かれ、答えればやはりそう言う風潮になっていたが目の前の海は全く違っていた。自分を一人の人間として、"篠ノ之箒"として見てくれたのは家族を除き、一夏など数人居たが無反応だったのは海が初めてだったのだ。

 

「まぁなんにせよ、改めてよろしく頼むぞ」

「こちらこそよろしく」

 

キーンコーンカーンコーンとHRを告げるチャイムが鳴り海は箒にじゃあなと言い席に戻っていった。そして授業が始まるが一夏はうーんと悩みながらも何とか食らいついていた。授業が終わると海は一夏に元へ行く。

 

「大丈夫か一夏?」

「海か…。まぁなんとかな。というよりは海こそ質問しなくていいのか?後から聴いて恥ずかしくなる前に聴く方が良いぞ?」

「ご忠告どうも。生憎俺は特別編入生だからそれ相応の知識は持ち合わせてるよ」

「マジか!?」

「マジマジ。俺の家IS関連の仕事もしてるから少しは知識あるし、なんならさっきの所教えようか?」

「あーいや、後で箒に教えてもらうよ」

「そうか?というより七海たちから聴いたけどお前クラス代表なんだろ?なんか五月にクラス対抗戦があるらしいし、相手は二組の代表候補生で専用機持ち。ここで躓いていたら負けるぞ?」

「大丈夫さ!鈴には絶対負けない!」

「(その自信はどこから沸くのだろう…)」

「少々よろしいでしょうか?」

「あ、はい」

 

海が振り向くとそこにはフリルの付いたロングスカートを履き、金髪の縦ロール髪のいわゆるお嬢様が立っていた。

 

「はじめまして。(わたくし)はイギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ。以後お見知りおきを」

 

スカートを少し摘まみペコリとお辞儀する姿はまさに淑女と呼ぶに相応しかった。

 

「あ、どうも。ってセシリア・オルコット!?」

「ええ、そうですわ?」

「これはとんだご無礼を!」

 

海は騎士のようにその場に跪いた。その光景に周りはざわめく。

 

「おい海?お前なにしてんだ?」

「頭を上げてくださいな。その姿には感心しますが、ここでは一生徒として接してくださいな」

「…かしこまりました」

「敬語も結構ですわ」

「はい」

 

海は腰を上げて立つとセシリアはクスリと笑みを浮かべた。

 

「ふふ。面白い殿方ですわね。私のことはどうぞセシリアとお呼びくださいませ」

「かしこまり…じゃなかった。わかりました…でもなくて、わかったよセシリア」

「ところで先程のはいったいどなたから教えてもらったのですの?」

「知り合いに君の熱狂的なファンが居てさ。是非君に会ったときは無礼の無いようにって言われたんだよ」

 

海の頭の上では誠也が鬼のような形相で「絶対無礼のないように!」と訴えている姿が浮かんだ。

 

「まぁ、それは是非お会いしてみたいですわね」

「今度時間があればいいよ」

 

始業のチャイムが鳴り、セシリアは少し残念な顔をした。

 

「楽しい時間とはすぐに過ぎますわね。ではまた後で。ごきげんよう」

「ごきげんよ~」

 

その後も授業が進み、昼休みに一夏に誘われて食堂へと向かうと既に食堂には七海や箒たちがワイワイと話しており、席が二つほど空いていたが海は気を遣って他の席に行こうとする。しかし一夏はおーいと声をかけ相席良いか?とその女子の花園へと向かった。

 

「一夏か。私は構わないが皆はどうだ?」

 

箒がそう聴くと七海と簪は少し嫌そうな顔をするが海が居ることに了解した。

 

「なんかごめんな。ガールズトーク中だったのに」

「構いませんわ。せっかくですし私たちも貴方と友好を深めたいですわ」

 

よく見ると席にはセシリアもおり、席順は

 

一夏 箒 セシリア ツインテールの少女

 

海 簪 七海 本音

 

であった。

海は同席していたツインテールの少女を見ると少女はこちらに気づき口を開いた。

 

「あんたが特別編入生の七海の兄貴なの?」

「え?ああ。俺は天地海。好きなように呼んでくれ」

「あたしは(ファン) 鈴音(リンイン)。鈴で良いわよ。それと中国の代表候補生で二組のクラス代表よ」

「代表候補生ってマジかよ」

 

周りを見渡すと日本代表候補生が二人(簪と箒)イギリス代表候補生が一人(セシリア)中国代表候補生が一人()、そして企業代表が一人(七海)後の企業代表の候補が一人(本音)。更に世界で唯一ISを動かせる男(一夏)共学に向けた研究生が一人()とかなりレア過ぎる席となっていた。

 

「なんかこの席だけ豪華なメンバーだな」

「あ、確かにそうね」

「代表候補生ってそんなに居るのか?」

「うーん。居るっちゃ居るけど専用機持ちは少ないわね。コアが限られてるし」

「なるほど」

 

その後昼飯を食べながら話しているとどうやら箒と鈴は一夏の幼馴染みで鈴は箒の転校と入れ替わるように入って来たそうだ。一夏曰く箒がファースト幼馴染みで鈴がセカンド幼馴染みらしい。幼馴染みにファーストもセカンドもないだろうと海は内心ため息を吐いた。これで一夏にため息を吐いたのは何度目だろうと、少なくとも海の中で一夏の印象はそこまで良くはなかった。良い奴なのは確かだが、少しデリカシーが欠けているというのが海にとっての一夏の印象だった。

 

「ところで対戦相手同士がこんな所で一緒に食べててもいいのか?」

「うん?別に良いだろ?鈴とは友達なんだからよ」

「あたしも別に良いわよ。手札を見せてる訳じゃないし、ただ普通に喋ってるだけだもん」

「なるほど」

 

その後も色々と話していると女子特有なのか恋ばなへと発展し、何故か海と簪が付き合ってるのか質問された。

 

「で、実際どうなの?」

「あまみーとかんちゃんはラブラブだよ~」

「「本音、そんなことないから。ただの友達だよ」」

 

海と簪がそう否定するとお互いに小声でそうなのか…と落ち込み、箒たちからはそういうことかとニヤニヤしていた。しかしこれで終わるはずもなく海と簪はお返しに箒たちには居ないのかと聴いた。

 

「私は…そうだな。今は居ないな」

「あたしも居ないわねぇ。はぁ…どこかに良い出会いないかなぁ」

「私はいますわ」

 

セシリアの爆弾発言に海たちは一斉にセシリアに注目した。

 

「ずっとお慕いしている殿方なのですが、今はどこか旅に出ていますわ」

「旅?」

「ええ。ただ、その旅が終われば私の元へ戻ってくると仰っていたのでこうして待ってますの」

「どこかの貴族の人なの?」

「いえ、普通の一般人ですわ」

 

女子組はロマンチックだの身分違いの愛だのと盛り上がっていて、ふと一夏を見ると何やら少し苛立った顔をしていたので軽く足を蹴る。

 

「眉間にシワがよってるぞ」

 

そう一夏にしか聴こえない声量で言うと悪いと言い、いつもの爽やかな顔に戻った。

 

「もしかしてセシリアのことが好きだったのか?」

「いや、そんなんじゃねーよ。ただ、考え事していただけだ」

「そっか。まぁあんまり考えすぎるなよ?」

「ありがとな」

 

こうして昼休みは穏やかに過ぎていき、放課後。海は楯無の指示で生徒会室の前に来ていた。

 

「ここが生徒会室のかぁ」

 

コンコンとノックをすると扉の向こうからどうぞと声が聴こえ、ガチャリとドアを開けた。そこには七海たちが既に集結していた。

 

「ようこそ生徒会室へ。私が生徒会会長の楯無よ」

「私は会計の虚です」

「そして私が書記の本音だよ~」

「で、私と簪が二人で副会長をしてるよ」

「七海…。お前副会長っていうキャラだったか?」

「いいじゃん別に!」

 

七海は頬を膨らませムスっとすると海はその膨らんだ頬をムギュッと両手で潰した。

 

「なにするのよ!」

「いや、つい」

「はいはい、兄妹仲良くするのは後にして簪ちゃんが手に入れた倉持のコアについて話し合いましょう」

「そうですね」

「とりあえず海くんの考えを聴かせてくれないかしら?」

「はい。これは本人次第なんですが、俺はこのコアを使って本音に専用機を渡したいと思ってます」

「ほえ?私ぃ?」

 

本音は小首を傾げてポヤンとした顔をする。海はホログラムを展開するとそこにはISの設計図が記されていた。

 

「この機体は戦闘を目的としておらず、避難誘導やサポート用に設計したものです。今後トロポスの戦いがさらに激化するなら避難誘導も難しくなる。ならば一人でも多くの人を助けられる用にとデザインしました」

「なるほどねぇ。確かに本音ちゃんってパニックを抑えることは上手だし、この前の土竜のトロポスのときも迅速に避難させていたわね」

「あたしも本音なら大丈夫だと思うよ」

「私は反対です」

 

突然虚が手を上げ異議を唱えた。虚はキッと海を睨み付ける。

 

「今までは避難をさせるということでサポートしてきましたが、専用機を持たせるとなると話は変わります。専用機を持つということはISのコアを所持すること。つまりトロポスに狙われる危険性があります。私は大切な妹に更なる命の危険を晒したくありません。専用機を持たせるなら私に渡してください」

「確かに虚さんの言う通りです。でも虚さんは三年生。たった一年でトロポスとの戦いが終わるかなんてわかりません。俺も悩みましたけど悩んだ結果本音に渡すべきだと判断しました」

 

海と虚は互いの言葉ににらみ合い段々険悪な雰囲気へと変わっていく。

 

「まぁまぁ二人とも落ち着いて。ここは本音ちゃんに聴いてみましょ」

 

楯無の言葉に二人は一旦落ち着くと本音の方を見る。本音はしばらく考えると小さく口を開いた。

 

「私は…専用機を受けとるよ~」

「本音!自分が何を言ってるのかわかってるの!?」

「うん…。お姉ちゃんの気持ちは嬉しいし、正直ちょっと怖いよ…。でも、私はかんちゃんやあまみー達の力になりたいのだ!それに直接戦う訳じゃないし、これでも暗部の従者、布仏の娘だよ~?私も強くならなくちゃ!」

「本音…」

 

虚はおもわず本音を抱き締める。本音はわたわたと慌てるが、やがて抱き締め返した。

 

「くれぐれも無茶はしないでね」

「大丈夫大丈夫~」

「ええ。安心して虚ちゃん。本音ちゃんは何があっても海君が守ってくれるわ。ね?」

「はい!でも本当に無茶はしないで避難誘導を率先してくれよ?あと何かあったらすぐに連絡してくれ」

「了解なのだ~」

 

こうして無事本音が専用機持ちになることが決定した。ちなみに虚とは誓約書付きで本音を必ず守るということが約束された。少しでも危ない目に合わせたらフルボッコという約束で。




今回でかなり原作とは異なってます。


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