仮面ライダーリミット   作:甘々胡麻ざらし

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はい、という訳で第二話です!
まぁ多分次回辺りでエピソード0は完結すると思います。あとはゲンムの小説を完結させた後、本格的に連載をスタートします。


対流圏

簪は何故海がここに居るのかわからず、目を白黒させている。

 

「あれ~?あまみーはかんちゃんと友達だったの~?」

「いや、このクラスに居るのは知っていたけど知り合ったのは昨日だよ。ちょっと困っていたから手助けをしただけさ」

 

簪は海の言葉を聴いて何故昨日またねと言ったのかを理解した。それは既に同じ学校に在学していたためまた会うということだったのだ。

 

「改めて二年三組の天地海だ。よろしく更識さん」

「え、あ、二年四組の更識簪です。昨日はその…助けてくれてありがとうございました」

「あはは。同じ年なんだから敬語なんていらないよ。あ、それとも俺が馴れ馴れしかったかな?そうだとしたらごめんなさい」

「あ、大丈夫です!ちょっと驚いたので…。タメ口で大丈夫です」

「そう?じゃあ俺もタメ口で良いよ。」

 

そう言って海はニシシと笑う。明るい人だなぁと簪は思い、ふと昨日のことについて質問してみようとした。

 

「あの、昨日のことだけど…」

「昨日?ああ、助けたことなら気にしなくていいよ。あ、そうだ!もしよかったら今日の放課後空いてる?よかったら色々話さない?」

「あれ~?あまみーさっそくナンパ~?」

「違うよ。昨日の大空戦隊バードマンのヒーローショーについて語りたいなぁと思ってさ」

「お~!かんちゃん話してみたら~?あまみー結構特撮オタクだよ~。かんちゃんと話合うよきっと!」

「あ、うん。じゃあ放課後で…」

「じゃあ放課後に校門で集合!またね!」

 

そう言って海はチャイムが鳴る前に教室を出ていった。そして時間が流れ、放課後、簪は校門に向かうと海が既に待っていた。だがそこには七海も居た。

 

「やぁ、急な誘いを受けてくれてありがとう」

「ううん、大丈夫だよ」

「それで君が聴きたいのは昨日の事件についてだろ?」

「え、うん」

 

簪は自分の思っていたことを当てられて驚く。すると七海が簪をじーっと見ながら自己紹介をはじめた。

 

「私は二年二組の天地七海だよ。よろしくね」

「え!?二年生!?」

「ああ、俺と七海は同じ年なんだよ」

「そ、そうなんだ」

「ねぇ、ここで昨日のことを話すのは不味いでしょ?他の人に聴かれるかもしれないし」

「あー、確かにそうだな。じゃあ俺たちのアジトにでも行くか?」

「アジト?」

「秘密基地ってやつさ」

 

簪は秘密基地という言葉に少し魅力を感じた。そして海は特殊な形をした腕時計に紫色の四角錐《スネークTコア》を射し込む。すると腕時計が巨大化してスケボーに変わる。

 

「す、凄い!」

 

簪は目をキラキラさせながら海のスケボーをペタペタ触る。

 

「じゃあアジトに行くから乗って」

「え?う、うん」

 

海はスケボーに乗り簪に手をさしのべる。そして簪が乗ると足元が固定される。そして七海は色違いの腕時計に《スワローTコア》を射し込むと飛行機の羽のような形に変形して背負う。

 

「じゃあしっかり捕まっててね」

「え?」

「レッツゴー!」

 

海がスケボーを踏み込むとスケボーは地面から浮遊する。そしてゆっくりとスピードを上げながら空を飛び始めた。

 

「わ!わ!わぁぁぁぁぁ!」

「じゃあ私は先に行くねー」

 

七海はそう言うとスピードを上げ、あっという間に見えなくなった。

 

「大丈夫、更識さん?高いところ苦手だった?」

「ううん!すっごく楽しい!ねぇ、もっとスピード出せる?」

「え、出せるけど」

「じゃあお願い!」

 

簪の満面の笑みに海は思わずドキッとしたが、すぐに思考を切り替えて、スケボーのスピードを上げる。簪が気持ちいい!と喜びの声を上げながらそのままアジトへと向かった。

 

「さて、アジトに着いたよ」

「ここ?」

「そうだけど?」

「ええっと…」

 

着いた場所はアジトと言うにはまったく似合わない建物だった。何故ならファンシーな感じの建物で屋根の上には《ペットショップ天地(隣に動物病院もあるよ)》と書かれていた。海は入っていいよと言って店の中に入る。すると猫や犬などの一般的な動物からイグアナやヘビなどマイナーな動物が数多く居た。

 

「母さん居るー?」

「はいはーい。あれ?海君彼女連れてきたの?」

「違うよ!この子が昨日の話していた更識簪さんだよ」

「あー、君が更識ちゃんね。ちょっと待ってね」

 

そう言って店の店主と思われる女性がドアにcloseの立て札をかけ、店の鍵を閉めた。

 

「ここは狭いから病院の待合室で話したら?」

「うん。ところで七海は?」

「七海ちゃんならお父さんの所に行ったわよ?そろそろあれが完成するからって」

「わかった」

 

そう言って海は病院はこっちと書かれたドアを開けて、待合室の椅子に座る。簪もそれに連れられ椅子に座ると女性がいつの間にか用意したお茶を机の上に置く。

 

「あ、自己紹介しないと!あたしは天地渚。海君と七海ちゃんのお母さんよ」

「あ、更識簪です」

「かたっくるしいわねぇ。気軽に渚さんでいいわよ。じゃああたしは店の掃除行ってくるからごゆっくり」

「あ、はい…」

「さて、まずは君が見た化け物についてだね」

 

そう言って海はスマホのアルバムからいくつかの写真を見せる。そこには昨日見た化け物とは違う化け物が写っていた。

 

「こいつらは《トロポス》と呼ばれる怪人だ。人間に寄生して乗っ取る恐ろしいやつらさ。そして寄生されて狂暴性が増すのが第一段階(ステージ1)

第一段階(ステージ1)?」

「そう。その状態はまだ理性が少しだけ残ってるんだ。昨日のナンパ男たちが君を覚えていたのも第一段階(ステージ1)だったからなんだ。その程度ならまだ大丈夫なんだけど、厄介なのが完全に乗っ取られた状態を表す第二段階(ステージ2)だ。この状態だと第一よりも能力が格段に上がり、ある目的のために行動する」

「目的?」

「自分のISのコアを喰らうのさ」

「…どういうこと?」

 

簪は何故トロポスがISと関係あるのか疑問に思ったが、海の口から衝撃的なことを告げられた。

 

「トロポスはISのコアから産み出された化け物だ」

「え…?」

「ISが女にしか動かせないのは知っているよな?トロポスはその逆。男にしか寄生しないのさ。そして恐ろしいことにトロポスはISの天敵となる存在だ」

「ど、どういうことなの?」

「ISにはSE(シールドエネルギー)と操縦者を守るための絶対防御と呼ばれるエネルギーバリアがあることは知ってるよな?」

「う、うん。絶対防御がある限り操縦者は死なないよね」

「だがトロポスは絶対防御を無視して攻撃することが出来る。つまりISの唯一の強みが消えるんだよ」

「そ、そんな!」

 

ISことインフィニット・ストラトスは絶対防御と呼ばれるバリアによってあらゆる兵器が効かないことから女尊男卑が生まれた。そして全身装甲(フルスキン)の第一世代型から絶対防御があることから第二世代型からは装甲が余分と思われた一部の装甲が減り、現在開発が進められている第三世代型も第二世代型と同じく一部の装甲がないのだ。

 

「じゃあ今のISだったら!」

「ああ。装甲がある場所ならまだ多少の安心は出来るが、装甲がない所は裸も同然。刺されたり射たれたりすればひとたまりもない。特に一番重要な心臓の装甲もないしな」

「ねぇ、どうしてあなたがそんなことを知ってるの!?」

「…」

 

海は何も言わず、懐からクロスドライバーとホルダーショットを取り出し、机の上に置いた。

 

「…このクロスドライバーとホルダーショットは一年前、突然俺の元に届けられたんだ。それも設計図でな。その時の添えられていた紙にトロポスとこのドライバー等について色々書かれていたんだよ。そして父さんに事情を説明して造らせてもらった」

「じゃあどうして沢山造らないの?」

「造ろうとしたさ。でもドライバーが出来ても肝心のコアがなかった」

「コア?」

 

海は今度はホルダーショットからリミットライダーコアとハンズSコア、そしてヒューマンTコアを取り出して、簪に見せた。

 

「これがコアだ。このクリスタルの様なものはライダーコア。これがドライバーを起動させる鍵になる。そしてこの二つの四角錐はSコアとTコア。Sコアは武器や戦い方のデータ。Tコアは動物のデータが入っているんだ。そしてこれを組み合わせると」

 

そう言って海はリミットに変身した。

 

「こんな感じになる」

「それがリミット?」

「そう。まぁ造ったのは俺じゃなくて七海なんだけどさ」

「妹さんが!?」

「うん。七海はそういうの得意だからねぇ。俺も父さんの仕事を見て造ろうと思えば造れるけど、七海には負けるよ」

「妹さん凄いね…。ところでお父さんは違う仕事なの?」

「まぁね。天地コーポレーションって知ってるでしょ?ISの日本有数の会社。父さんがそこの社長なんだよ」

「ええ!?」

 

簪もかなりの家の者だが、目の前に居る海も中々の坊っちゃんだと言うことを知り、驚きのあまりしばらく口が塞がらなかった。そして海は変身を解除して椅子に座る。

 

「さて、話を戻すね。俺は七海や父さんの協力のお陰でトロポスと戦う力を得たんだ。そして俺は出来る限りの人をトロポスから守りたい。そう思った」

「そうなんだ。でもやっぱり不思議。トロポスについてテレビやニュースで何にも報道されていないのはどうして?」

「それは…なんでだろ?」

 

海の言葉に簪はガタッと椅子から落ちそうになった。

 

「し、知らないの?」

「ああ。俺は正体を隠す気はないけど、トロポスのことがニュースで出ないのは俺も不思議に思ってる」

「そりゃあ政府が隠蔽しているからよ」

「あれ、七海?」

 

いつの間にか居た七海は何故か大きな袋を背負っており、それを海に渡す。袋を開けると銀色の剣が入っていた。

 

「これはまさか!」

「そう。昨日のビートロポスのデータから針の構造を解析して完成したの!名付けてクロスソード!」

「おおー!ありがとう七海!お前は最高の妹だ!」

「ふふーん。そしてそのクロスソードを呼び出すための新作Sコアがこの銀色のソードSコアだよ。他のコアでも使えるようにしたかったけどソードSコアからしか呼び出せなかったの…」

「それでも十分だよ!いや~、正直素手と鞭だけだと戦法がさぁ」

 

キャッキャと話している二人を見ながら簪は仲違いした姉を思いだし顔をしかめた。それを見た二人は何を思ったのかあわてふためく。

 

「え、えっと更識さん大丈夫?」

「に、兄ちゃんが悪いんじゃ?」

「え、俺!?ご、ごめん更識さん!」

「え?あ!大丈夫!ごめんね、なんか変な空気にさせちゃって。話続けてくれる?」

「あ、うん」

 

海はこれ以上聴くのは野暮と判断し、話を続けた。

 

「えーっと、と言っても話すことは全部話したし…」

「じゃあひとつ教えて。どうして私にこの事を話したの?」

「えっとそれは…」

海は苦笑いをして視線を反らす。だがチラリと簪を見ると真っ直ぐこちらを向いていて、ため息を吐いて口を開いた。

 

「本音ちゃんから聴いたんだよ。君が日本代表候補生を目指してるって」

「それが何か関係が?」

「えーっと…」

「はぁ…。兄ちゃんハッキリ言ったら?代表候補生になったら専用機をウチで造らせてくれって」

「お、おい!」

「え?どうして?」

「…さっきのトロポスの特性についてはわかったよな?だからウチで対トロポスに対応したISを造らせて欲しいんだ。君がISの操縦者を目指している以上、君の専用機のコアから産まれたトロポスも君を狙う。君に今日のことを話したのもそのためだ。出来ればISに乗ってほしくないが、本音から君の努力を聴いてしまった以上それを無視することは出来ない。ならばせめてと思ったんだ…」

 

ああ、この人は私の好きなヒーローに似ている。この人は自分の出来る範囲で誰かを助けようとしている。簪はそう感じた。そして海の椅子に回り手を握り、海の目を真っ直ぐ見て。

 

「私もトロポスと戦う!だから代表候補生になった暁には専用機をお願いします!それで貴方が守れない場所を私が守る!」

 

そうハッキリと伝えた。




長い文だったのでトロポスについて簡単に説明

トロポス…(命名は成層圏(ストラトスフィア)と対をなす対流圏(トロポスフィア)から(もうひとつあるがそれは本編をお楽しみに))

ISのコアから産まれた存在。ネットワークの海を漂い自分ともっとも適合する男に寄生する。そして侵食率が上がるほど次の段階へと進む。

第一段階(ステージ1)…寄生され怪人の姿を得た状態。このときは理性が少しだけ残っている。

第二段階(ステージ2)…侵食が進みトロポスに乗っ取られた状態。狂暴性が増し、自分が産まれたISのコアと再びひとつになるため探し始める。

特徴…機械のISと対になるように怪人態は肉体が変化した状態。そして何かの動物の姿をしている。海は寄生したトロポスを抜き出して、七海の技術で採取したデータから新しいコアを造っている(この設定はビルドの戦兎と美空を意識)。そして絶対防御を無視して攻撃することが出来る(要するに常に零落白夜をしている状態)。

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