理由は作者の体調不良により執筆するほどの元気がなかったからです…
正直ノロかな?って思うほど苦しんでいました…
簪にリミットガジェットとサーチボードを渡してから数日後。未だに夏の日差しが照りつける中、海と七海は街の魚市場で買い物をしていた。
「アジ…イワシ…。あータチウオもいいなぁ」
「兄ちゃん悩みすぎ…。パパッと決めてアイス買おうよ~」
「何を言う!今日は旬の魚が沢山入ってきたって魚屋のおっちゃんから電話があったんだぞ!?これを買わずにいられるか!あ!トビウオもある!」
「はぁ…」
「がっはっは!相変わらず七海ちゃんは魚に興味がないねぇ!」
「あ、
七海たちに話しかけてきた男性はこの魚市場で魚を売ったりしている魚屋の坂又だ。漁師であり自分で釣った魚をこうして市場に卸したり、この魚市場では店を構えることも出来るため、そこの自分の店で売ったりしている。ちなみに海に連絡したのもこの人である。昔海が魚に関しての知識を七海に話していたところを坂又に見られそれ以降安く売ってくれたり、新鮮な魚が入れば連絡をくれたりしている。
「あ、おっちゃん。いや~ここの魚市場は良い魚が多くて迷っちゃうよ。オススメある?」
「おう!今日なんて暑い日はハモを茹でて、氷水で冷やしておろしポン酢でさっぱりいただくってのはどうだ?」
「おおー!良いなそれ!ってそう勧めてくるってことはおっちゃんの所にハモが入ったね?」
「察しがいいねぇ。安くしとくぜ?」
「おっちゃんも悪いねぇ」
「「あっはっはっは!」」
「はぁ…」
七海はこの光景にため息を吐くが、正直なところこの光景が嫌いなわけではない。むしろこうした楽しそうな雰囲気が好きであり、戦いの日々の中にあるこうした日常に安心感を抱いている。だが、そんな楽しそうな雰囲気を壊すかのように少し離れた所で女の怒鳴り声が聴こえた。少し様子を見てみると魚市場にある一つの魚屋で若い女が騒いでいた。
「さっさと寄越しなさい!」
「ふざけんな!値切るならともかくタダで魚を寄越せなんざ失礼にもほどがある!冷やかしなら帰れ!」
「なんですって!私は女よ!いい!?男なら女の言うことに従っていれば良いのよ!」
「チッ!女尊男卑のやつか。しかも俺の店じゃねーか。おい、お前!俺の店でなにしやがる!」
「あら、店長さん?だったら話が早いわね。この魚渡してくれる?」
「へっ!タダで魚を渡すもんか!こっちは生活のために貴重な命を頂いているんだよ。そんなこともわからない女に売る魚はねぇ!」
「なんですって!私が警察に通報してもいいのかしら?」
ISの影響でこのような女尊男卑の女たちが増え、この魚市場でもこのようなことがたまに起きている。坂又がどうやってこの女を追い返そうかと悩んでいると、向こうからこの魚市場には場違いな青いドレスを着た青髪の美しい女性が歩いてくる。その姿はまるで海から陸へと上がってきた人魚姫のようだった。
「ちょっとよろしいかしら?」
「あら?そこのあなたからもこの魚臭いおっさんに一言言ってくれないかしら?」
「ふざけたことを言うわね?あなた何様のつもり?」
「へ?」
自分を援護してくれると思っていた若い女は青髪の女性の言葉に驚く。
「まさか自分が偉いとでも思っているのかしら?」
「そ、そうよ!女は男より偉いじゃない!ISを動かせるのは女だけ。男なんて女より下!常識じゃない!」
「そう。なら今から男の格闘家でも呼んで生身で戦ってみる?」
「え…?そ、そんなの出来るわけないじゃない!」
「あら?男なんて女より下。つまり男より強いのでしょ?なら簡単に勝てるでしょ?」
「あ…えっと…」
「それにISがあるから男より強いなんて言っているけど、言い方を変えればISがなかったら男に女はだいたい負けるわ。それにISに勝つ方法なんていくらでもあるわ。そんなことも理解できないようなお馬鹿さんなのかしら?それにあなたどこかの代表候補生でもなくただの一般市民でしょ?あまり変な行動はしないで。同じ女性として恥ずかしいわ」
「っ!」
若い女は何も言い返せなくなり悔しそうに走り去っていった。その光景を見た周りの人たちからは拍手がされ、坂又は女性に頭を下げた。
「ありがとう!いや~助かったよ。この世の中にもあんたみたいな良い人が居るなんて!」
「私は女尊男卑が嫌いなだけですよ。それにこの市場は素晴らしいわ。どれも新鮮で皆さんの腕が良いことを証明していますね」
「いや~なんだか照れるなぁ」
「これも何かの縁。せっかくですしお魚を売ってくださいな」
「おうよ!」
その光景を見ていた七海はホッと胸を下ろすが海は不思議そうに青髪の女性を見ていた。
「いい人で良かったね、兄ちゃん」
「あんな見た目の人ほど女尊男卑が強いイメージだったけど、偏見はよくないな」
「そりゃそうでしょ」
青髪の女性が魚を買い終えると海たちとすれ違ったが、すれ違った瞬間海はとてつもない寒気を感じ振り替える。
「どうしたの兄ちゃん?」
「い、いや…。なんでもない…」
「?あ、ほら!ハモ買うんでしょ?」
「あ、ああ…。(なんだ今の底知れないプレッシャーは!)」
海は七海に手を引かれ坂又の元に行くが、チラリと後ろを見たとき青髪の女性がニヤリと笑っていたような気がした。
◇
「あ~今日も疲れたなぁ」
その日の夜、坂又は店を閉めて日課の散歩をしていた。暗い海に映り込む揺らめく月を眺めながら歩いていると、近くの茂みに誰かが倒れているのを発見し、慌てて近づく。
「おい!大丈…夫…か…。う、うわぁ!」
坂又が倒れている人を見ると、それは昼間の女尊男卑の女の死体であった。ただ、まるで海に溺れたように全身が濡れていた。
「と、とにかく警察に連絡を!」
「ダ・メ・よ」
「え?」
次の瞬間坂又は何者かに襲われ、現場には坂又の携帯が転がっていた。
◇
翌日、海は布団の上でゴロゴロと眠っていた。だが七海に叩き起こされ眠たい目を擦っている。
「兄ちゃん!起きて!」
「うーん…。なんだよ七海…。夏休みなんだから寝かせろよ…」
「トロポスが街で暴れているのよ!」
「なんだと!?」
「ほら、これ!」
流石の海も七海の発言に驚き眠気が吹き飛んだ。そして七海がテレビを点けるとそこには街で暴れているトロポスとそれを止めようとしているIS部隊だった。
「現場に向かおう!」
「うん!」
海は急いで着替えてサーチボードで七海と一緒に現場に向かうとそこにはシャチの姿をしたトロポス。"オルカトロポス"が五人のIS操縦者と戦っていた。
「ほらほらほら!」
「さっさと死になさいこの化け物!」
だが数の多さからオルカトロポスが押され、地面に倒れて動かなくなった。
「ふぅ。まったくISには勝てないのよ!」
「さっさと捕まえて調べましょ」
IS乗りたちがオルカトロポスに近づいた瞬間オルカトロポスの指がピクリと動き、海は叫んだ。
「不味い!さっさと離れろ!早く!」
「はぁ?何言ってるの?」
「いいから早く!」
だが次の瞬間オルカトロポスは起き上がり一人のIS操縦者に飛びかかった。そして次の瞬間IS操縦者の腕を爪で引っ掻いた。そしてIS操縦者の腕から血が流れ始める。その光景に他のIS操縦者は驚きを露にする。
「な、なんで血が!?どうして絶対防御が発動しないの!?」
「な、なんなのよこいつ!」
「ね、ねぇ。そう言えば前に怪物は絶対防御を貫通するって報告あったよね…?」
「う、嘘よ!あんなのデタラメだったはず!」
「ほら、やっぱり本当だったじゃない!」
そう、過去にもIS部隊がトロポスと戦った際にリミットに変身した海がそのことをIS委員会に伝えていたのだ。だがIS絶対主義の女たちはそのことを嘘だと思い信じていなかったのだ。
「ちっ!これだから女尊男卑は!」
海はオルカトロポスを蹴り飛ばし距離を取るとクロスドライバーを腰に巻き付ける。
《スタンバイ コア!》
ホルダーショットのトリガーを長押しして中にあるライダーコアをベルトに挿す。
《リミットライダーコア!》
そしてホルダーショットからハンズSコアとヒューマンTコアをベルトに挿し、変身ポーズをとって左右のボルトを押し込んだ。
「変身!」
《クロスアップ!ハンズ!ヒューマン!リミット ファースト!》
海はリミット ファーストシフトに変身してオルカトロポスにタックルする。
「あ、あれってリミットよ!」
「あんな子供がリミットだったの!?」
IS操縦者たちは驚きのあまりその場に立ち尽くしていた。
◇
『おらっ!』
場所を街中から港へ変えた海はオルカトロポスと戦っていた。オルカトロポスの眼は赤く輝き狂暴な様子へと変貌していた。
『赤い眼ってことは
オルカトロポスは雄叫びを上げると海へ飛び込み水中から勢いよく飛び出し海を襲う。
『うわっ!ぐはっ!ちっ!港に変えたのが間違いだったか!うわっ!』
まさに水を得た魚の如くオルカトロポスは海を翻弄する。さらに地面すらも水中のように潜りより一層海を翻弄する。
『このままじゃやられる…!』
オルカトロポスが再び水中から飛び出し、海に噛みつこうとした途端、横腹に何かが飛び込みオルカトロポスを吹き飛ばした。
『な、なんだ?』
オルカトロポスに突撃したのは尻尾が剣になっている機械のサイだった。それは簪にあげたリミットガジェットであり、海が後ろを見たとき向くと簪がサーチボードに乗っていた。
『簪!』
「間に合った!そのライノスTコア使って!」
『サンキュー!』
海はリミットガジェット"スラッシュライノス"の頭を折り、中に入っていたライノスTコアを取りだし、ベルトのヒューマンTコアと交換する。
《クロスアップ!》
『アームチェンジ!』
《ハンズ!ライノス!リミット パッチワーク!》
左腕が銀色に変化しサイの頭をした盾"ライノスシールド"が肩に装備された。
「『おおー!』」
海と簪が揃って声をあげるとオルカトロポスは再び水中に潜り攻撃を仕掛けるが、タイミングを合わせて海は肩からライノスシールドを外し、ガードをして先程スラッシュライノスが突進した所に右腕のフックを叩き込む。するとオルカトロポスは苦痛の声をあげ地面を転がる。そして潜る作戦をやめ、今度は水を固めて造り出したモリで刺してきた。海は再びライノスシールドでのカウンターを狙おうとするが、腕とモリではリーチに差があるため防戦一方になってしまう。さらには腕を変えようにも止まらない突きのせいで思うように変えることも出来ない。
『くそっ!さっきよりもピンチじゃねーか!』
海がどうするか悩んでいるとオルカトロポスに弾丸がいくつか被弾した。海が何事かと弾丸の飛んできた方を見ると先程助けたIS操縦者たちが居た。
『あ、さっきの!』
「さっきは助けてくれてありがとね!あたしたちが隙を作るから止めを頼むよ!」
海に声をかけたIS操縦者は先程オルカトロポスに腕を傷つけられた人であり、傷口には可愛らしいハンカチで止血がされていた。
『それって七海のハンカチ』
「ああ、あんたと一緒にいた子から止血してもらったよ。まったく、子供にこんな危ないことさせておいて大人が黙っていられるわけないわよ!」
『ありがたいけどあのトロポスの狙いはあんたのISのコアだ』
「じゃあ死なないように戦うよ!」
そう言ってIS操縦者はオルカトロポスに攻撃を仕掛ける。
『このチャンス逃すわけにはいかないな』
海はホルダーショットを抜き、トリガーを長押する。
《スタンバイ コア!》
そしてベルトからハンズSコアを抜きホルダーショットのソードSコアと交換してボルトを押し込んだ。
《クロスアップ!》
『アームチェンジ!』
《ソード!ライノス!》
するといつもとは違うメロディが流れ両腕が銀色に変化する。
《リミット ナイト!》
最後に音声が流れると背中に畳まれていた機械の羽が消え、銀色のマントに変わった。
『な、なんだこれ!力が溢れてくる!』
「姿が変わった!?」
「といってもちょっとだけだね」
『援護感謝します!あとは任せてください!』
海はマントを翻すとオルカトロポスに向かって走り、右手に持ったクロスソードでオルカトロポスを切り裂く。するといつもよりも遥かに上回るパワーで切り裂いた。
『つ、つぇえ…!いつも以上のパワーだ!』
オルカトロポスはモリで突いてくるがそれよりも早くライノスシールドでガードし、剣で弾き、盾で殴る。
『とどめだ!』
海はライノスシールドを肩に戻し、ベルトからリミットライダーコアを抜こうとすると、スラッシュライノスが肩に飛び乗る。何やらクロスソードをじっと見ている。
『なんだ?使えってことか?』
どうやら正解らしくスラッシュライノスは足を折り畳み、海の手に収まった。そして海はライダーコアを挿す窪みに顔が握り手にくるように挿し込み捻る。
《ライノスチャージ!》
クロスソードから音声が鳴ると肩に装備しているライノスシールドからエネルギーがクロスソードに流れる。
『ハッ!』
海は腰を少し落とし、ライノスシールドをブーメランのように投げ、オルカトロポスに当てるとライノスシールドがエネルギー状に変わり、オルカトロポスを拘束する。
《ライノスラッシュ!!!》
『ハァァァァァァァァァァァァァァ!』
海がトリガーを引くと音声が鳴り、そのまま走りだしオルカトロポスを切り裂いた。そしてオルカトロポスは爆発し、地面に倒れ込んだ。
『ふぅ。さて、回収回収』
海がデータを回収するとオルカトロポスが消え、中から坂又が出てきた。
『さ、坂又さん!?』
海は急いで駆け寄るが坂又は気絶しているだけで海はホッとした。その様子を見ていた腕にハンカチを巻いたIS操縦者が駆け寄る。
「知り合い?」
『え、あ、はい』
「ならそいつは君に任せるわ」
「ちょっと!あの化け物の正体を知るチャンスを振るの!?」
「この人が知っているかなんてわからないでしょ?それに正体なら君が知ってるのでしょ?」
『は、はい』
「なら正確な情報を頂戴。これでも私のIS委員会の一人だから。今回の件で女尊男卑のアホも理解しただろうしね」
そう言って懐から名刺を差し出した。海はそれを受け取り変身を解除した。
「あたしは
「天地海です」
「天地ってことは天地コーポレーション?」
「あ、はい」
「そう。君の正体は私たちの秘密にしておくから安心して。あとさっきの女の子にハンカチありがとうって伝えてね」
海が周りを見ると他のIS操縦者たちも頷いていた。そしてそのままISを纏って去っていった。それと同時に七海がやって来た。
「あ、七海」
「兄ちゃん!終わったみたいね。あ、簪に坂又さん…坂又さん!?」
「あのオルカトロポスの正体だよ。
「お見事。流石はリミットね」
「「「!?」」」
三人が振り替えるとそこには先日女尊男卑の女を追い払った青髪の女性だった。
「あ、昨日の人…」
「…あんたいったい何者だ?」
「ちょっと兄ちゃん!失礼でしょ!」
だが海の顔は険しく簪のスラッシュライノスも威嚇をしていた。
「あら?そこのお嬢さんたちにはわからないのね」
「あんたからトロポスと同じく力を感じる。いったいどういうことだ?」
「ふふ。トロポスはトロポスでも
そう言って青髪の女性は懐から水色の波の形をした機械を取り出した。そして眼が青色に光ると体を水が包み込み動物ではない"何か"の姿をしたトロポスに変わった。
「なっ!?女がトロポスに変わっただと!?」
「そ、そんな!トロポスは男にしか寄生しなかったはず!」
「しかも普通のトロポスと違う…!」
『その認識は"ほぼ"間違ってないわ。正確にはIS適正のない人間にトロポスは寄生するのよ』
そう、女の中にもIS適正が低く、ISを動かせない女も存在するのだ。
「つまりあんたは適正がなかったってわけか。一つ聴かせてほしい。さっきあんたは
『
「つまりお前が坂又のおっちゃんをトロポスにしたのか!」
『そうよ。元々する気はなかったけど坂又さんが私の殺した死体を見ちゃったから記憶消去を目的として寄生させたの。あとは坂又さんのこと気に入っていたから仲間になってもらおうかなって』
「…お前だけは絶対許さねぇ!」
海はクロスドライバーを腰に巻き付けたが女性は首を振り人間の姿に戻る。
『怒らせたのならごめんなさい。でも今日は挨拶だけだから。私の名前はウンディーネ。ついでに言っておくけど
そう言ってウンディーネは水と共に姿を消した。
「あんなやつが居たとはな…」
「兄ちゃん(海)?」
「…ひとまず坂又さんを安全な所に運ぼう。あとは帰って今までのデータの整理をしないとな」
「「う、うん」」
海の切り替えの早さに二人は戸惑ったが、すぐに表情を戻し坂又の元へと駆け寄った。だが、海の拳は強く握られ震えていた。
なっが!
7000近くのいったのはじめてだよ!
正直ゲンムより気合い入ってるだろ!って思っているかもしれませんが、キリの良いところまで書くといつもこうなんです!
あとは更新が遅くなったお詫びの気持ちです!
さて、今回は覇王龍さんからのトロポスです(一部設定変更。変更点は→です)
オルカトロポス
シャチのトロポス。地面→地面と水中を泳ぐように移動し、自慢の牙で噛みつく。また、三ツ又→モリの矛を持っている。乾燥が弱点→なし。
アンケートはまだまだ募集しております。あと仮面ライダーにおいて新フォームの活躍ってワクワクしませんか?