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その日、一つの歴史が終わった。ソビエト社会主義共和国連邦の二代目最高指導者ヨシフ・スターリンが没した。しかし彼の歴史は決して終わったわけではなかった。
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意識が浮かんでくる、重い瞼を開き起き上がる。どれだけ眠っていたのだろうか、まぁいい。だが当りを見渡すと最後に寝たはずの病室ではなく森林だった。緑の木々の葉の隙間からは太陽の日差しが透き通る。本当にここはどこなのだろうか。気温は寒くないどころかむしろ自分の服装もあってか少し暑いくらいだ。私の故郷では一般的に寒いのが普通だったな。そう思いこの景色を少し楽しみながら歩こうか。歩くと靴が地面に着地する音がする。私はまだ生きているんだなぁ。そうしてただただ歩道されてない道を歩き続けると大きな階段と神社なのだろうか?赤い鳥居が見えてきた。もしかしてここは日本なのだろうか、それなら我が故郷に帰ることができる――と考えながら階段を上っていく、長い段差を上り終えて神社にたどり着く。見渡すと赤と白の巫女装束に黒髪で赤い大きなリボンが特徴の少女が箒をもって境内を掃除している、そうしているとこちらに気づいたのか少女がこちらにやってきた。
「あら、参拝客かしらお賽銭箱ならそこよ」と賽銭箱へ指をさしながら言う。
「俺は無神論者なんだ、そんなのに興味はない。それよりここは日本のどこだ」
「日本?そんな地名聞いたことないわよ」
「じゃあどこなんだ答えろ!」
「貴方、外来人なのね」と面倒くさそうに巫女装束の少女が言う。
「ここは幻想郷。人間をはじめ妖怪や神などが暮らす場所よ」
なんとここはどうやら日本ではないようだ。それにしても妖怪や神なんてこの少女は頭がおかしいのだろうか。容姿や顔立ちはいいのに思考はとんでもなく残念なようだな――と思っていると疑った目をしてこちらの方を見ていた。
「あんた信じてないでしょうなら証拠を見せてあげるわよ」といって紫――と呼ぶととこから目の前に突然、空間が歪みスキマから少女が上半身だけ身を乗り出していた。
「こんにちはヨシフ・スターリンさん」とスキマから出てきた少女が言った。こいつがあの巫女装束の少女が言う通り妖怪というものなだろうか、しかしいまはそれどころじゃない。
「なぜ俺の名を知っているんだ」
「それはなにも二代目ソ連の最高指導者をやったものですもの知らないはずがないわ。勿論貴方のやってきたこともちゃんとは把握しているわよ」
「ちょっと紫、こいつと知り合いなの」
「あら、外の世界ではとても有名よ」
「私が外の世界のことを知っているわけないでしょ!」
「それでお前が妖怪なのか、人間にしか見えないが」
「あら、そうよ驚いたかしら」と胡散臭い笑みを浮かべながら言う。
どうやらここは俺がいた世界の常識が通用しないみたいだ。まぁいいどうせ故郷へ帰るのだから、帰れば党員は驚くだろう。そうすれば再び政権をとってソ連を支配してやる。
「どうでもいいことだ、それよりどうやったら元の世界に帰れる」
「それは無理よ」
「どういうことだ」
「貴方は既に外の世界では亡くなった人になっているのよ。それに戻ったとしても貴方の出番はないわ」
「俺の死後、何があった」
「フルシチョフが貴方のことを批判したのよ」とスキマ妖怪から宣告される。クソ、この修正主義者が!その後、彼女らから話を聞いた。まず、俺の死後フルシチョフが俺のことを『スターリン体制は個人崇拝だ』とかなんだとかで批判し、西側諸国と友好を築こうとしたらしい。その後はなんとソ連は解体し、今はロシア連邦となっているだとか。幻想郷では忘れ去られたものが流れ着くところでありその影響で妖怪や神などが幻想郷にきて暮らしているとか。因みに八雲紫によると俺は元の世界で忘れ去られたわけではなく、たまたま幻想入りしたらしい。
「で、あんた住むところあるの」と巫女装束の少女が言う。
「ない」
「霊夢、貴方のところに住まわせてあげれば」
「は?面倒くさいわよそんなの」
「別にいいじゃない」
「はぁ~しょうがないわね付いてきなさい」
といい、巫女装束の少女――博麗霊夢についていく。さすが境内が広いことがあってか本社も結構広かった。部屋に案内されるとここが当分は住む部屋として使っていいだとか。そんなところで腹の音が鳴ってきた。朝から、いや病気になってからあまり食べてなかったからな腹もすいたのだろう。
「何か食べるものを作ってくれ」
「そういえばそろそろお昼ね」と言い、台所へ向かう。ロシア料理を食べてみたいなと思っていたが、差し出されたものは和食だった。
「ロシア料理を食べたかっただが」
「仕方ないでしょ」
料理のメニューは初めて見るものばかりだった。お吸い物に煮物に複数の惣菜に漬物、白いご飯が出てきた。ロシア料理を食べられなかったのは残念だが、仕方ない与えられた料理を食べる。久しぶりに食事を味わった気がするとてもよく味つけされていててどれも美味しかった。和食ってこんなに美味しいのか。
食事を終えると畳に横たわる相当疲れがたまっていたようだ、そしてそのまま意識を手放した。
こうして彼の幻想郷での生活が始まった。