もう一つはぼちぼちやっていきます。
恋愛。それは、リア充にとって青春の一ページを彩るスパイスであり、象徴でもあるといえるもの。彼氏彼女が居るものは、どう相手を喜ばせるか悩み、居ないものは相手を作ろうと苦悩する。しかし俺こと比企谷八幡は彼女が欲しいとは思わない。実際彼女が出来れば俺の財布は薄くなり、アニメを見る時間も無くなり、彼女の機嫌をとるために精神力を削られる。そんなものを欲しいとは思わない。
嘘です。彼女欲しいです。
だって仕方ないだろ!アニメやギャルゲに出てくる女の子見てたら誰だってあんな彼女が欲しいって思うだろ!あんな屈託の無い笑顔見せられたら財布も緩くなるし、時間も惜しまないだろう 。機嫌だって喜んでとりに行こう。まぁ、できないけど。
まあいい。そんな俺は今なぜか女子と二人きりという状況になっていた。なぜそんな状況となっていたのかというと、帰る前に少しいつものベストプレイスでくつろぐためにそこに向かっていたら知らない女子が話しかけてきたのだ。
見た目は今時珍しい、ファッションなど全く気にしないフレームの大きい古臭い眼鏡をかけ、髪は無造作に一纏めにされていた。
えっ?なにこの状況。もしかして俺告白されちゃうの?なんて勘違いを俺はしない。無駄に経験値溜めてないからな。中学の頃の俺ならすぐに告白して振られていただろう。俺はやっぱり振られるんだな。
「ねぇ八幡君。聞いてる?」
はぁ。何でこんな事なってんだろ
「.....八幡君に、お願いがあるの」
え?八幡君?もしかしてこの人俺の知り合い?まず俺に女子の知り合いなんて居るのか?...いや、いないな...聞いたほうが早いか
「あの、俺君の事知らないんだけど、どっかで会ったことある?」
「えっ!?星川早少女だよ!同じクラスなんだけど、わたしの事知らない?」
「自己紹介の時は寝てたし、休み時間は音楽聴きながら寝たふりしてるからな」
「....わたしは.....わたしはずっと知ってたよ。ずっと...見てたから」
そう言いながら眼鏡をはずす
えっ?なにこの子。なに言ってんの?ストーカー?誰を?俺を?てか、眼鏡はずしたらめちゃくちゃ美人なんだけど
「それで、お願い聞いてくれますか」
「き、聞くだけなら」
くそ、いつもならすぐ断るのだが、へんな空気のせいで了承しちまった。
「わたしの.......彼氏になってください」
「………は?」
告白された?今まで彼女どころか、友達すらまともに出来たことがない俺が?こんな可愛い子に?正直凄い嬉しい。俺は別に彼女がいらないわけではない。人並に欲はあるし、出来るものなら彼女は欲しい。もし彼女が本当に俺の 事を好いてくれているのなら俺は喜んで彼氏になろう。いや逆にこちらからお願いしたいぐらいだ。もう俺の答えは決まっている。俺のこたえはもちろん....
「ノーだ」
あたりまえだ。こんな可愛い奴が俺なんかに告白してくるはずが無い。それに今まで話したことの無いことに加え、俺は休み時間はいつも寝たふりをしていて、誰とも喋っていない。そんな暗い奴を好きになる奴など居ないだろう。寝たふりやめようかな....。
まぁなんにせよ、どうせ罰ゲームでもさせられているのだろう。いちいち相手にするのも馬鹿らしい。
「え!?どうして?」
どうしてって、なんでオーケーする と思ってんだよ...
「どうしても何も、一度も喋ったことのないお前が俺を好きになる道理がないいからな」
「それは、一目ぼ...」
「もし、一目惚れなんてことを言うならなおさら信じられん。一目惚れなんてものは、ただの一過性に過ぎない。実際に話してみるとこんな人だったんだとかいって相手を拒絶する未来が見えている。そんな関係を作っても後悔するだけだ。俺は後悔したくないんでな、俺の事をよく理解し、その上で俺を養ってくれる人を探す」
「はぁ...ほんとは穏便に済ませようと思ってたけど、仕方ないね」
え、何言ってんのこの娘
「もし、わたしの彼氏になってくれないのなら.....」
ピッ
え?ピッ?
『ほんとあのアラサー教師何?俺に恨みでもあんの?あんな性格だから結婚できねぇんだよ』
はぁ!?
「これを先生に聞かせるから」ニコ
「やめろ、俺が殴られる未来が容易に見える」
おいおい。この娘笑顔で人の事脅してきてんだけど。てかさっきと性格全然違ぇんだけど。もう俺この娘苦手だわ。
「じゃあ、ボクの彼氏になってくれる?」
急にボクっ娘になったよ。どれだけキャラ作れば気が済むんだよ
「はぁ、まずなんで俺なんだ」
「観察の結果、かな?....去年、同じクラスになってからずっと八幡君を見てたの」
まじで?この娘俺の事好きすぎじゃね?
「入学式の日、あの日八幡君事故にあったでしょ。あの時、あそこにボクもいたの」
「え?」
「すごいよね。あの時犬を助けるために道路に飛び出したでしょ。あの姿を見て八幡君に興味を持ったの。それから同じクラスってわかって観察するようになったの」
「観察の結果はまぁまぁかな?恋愛にはそこそこ興味あるみたいだし」
「...その心は?」
『あ~、なんで俺ってモテねぇの?勉強は数学以外できて運動も幼馴染のおかげで人並み以上にはできる顔も目以外はそこそこいけてると思うのに。結構ハイスペックと自負しているがそれをすべて台無しにする俺の目ってある意味凄いと思う。あ~彼女出来ねぇかな』
「これかな?」
え~、俺あんなこと口走ってんの?この子のせいで俺の黒歴史が増えていくんですけど。……独り言控えよ…
「で、本当の目的は何だ?俺みたいな奴を好きになった、なんて馬鹿なことは言わないだろ」
「やっぱりばれちゃうか。...ちょっとした事情でね。ボクはどうしても彼氏を作って、恋愛というものがどういうモノなのか、どんな気持ちになるのかを知らなきゃいけないの」
そんな事をさっきとは打って変わって真剣な表情で話す
人は基本信用できない。だがこの時の星川の目は誰かを騙したりしようとしているようには見えなかった
だからだろうか、俺が星川に手伝えることがあるのなら、少しぐらいはいいか、と思ってしまったのは。中学の頃は話し相手すら居なかった俺を、初めて頼ってくれた星川に協力してもいい、と思ってしまったのは。
「...はぁ。わかった。その代わり、ちゃんとさっきのやつ削除しろよ」
捻デレ言うな
「ほんと!?ありがと!あれは全部終わったら削除するから。あと、彼氏って言ってもニセだから。そこのところよろしくね♪」
ま、そうだろうな。目的のためとは言え、本当の彼氏 彼女になる必要は無いからな。キスしたりなんかもってのほかだろう。べ、べつにキスしたいわけじゃないんだからね!.....キモイな
「わかってるよ」
「ならよかった。あ、もう4時半か」
なっ!
「もうそんな時間か!いそがねぇとバイトに遅れちまう」
「意外だよね。八幡君がバイトしてるなんて」
「俺もそう思う。小町が居なかったら絶対やってない」
ほんと、あの時は何やってくれてんだよって思ったよ
――――回想――――
「お兄ちゃん 知ってる?」
「なにをだ?」
「お兄ちゃんがいつも行ってた喫茶店のマスターが年のせいでもうすぐやめるんだって!」
「マジで?」
「それでね、このまま続けるには従業員が足りないんだって」
「おい、まさか」
「うん!もう電話しちゃった!面接とかはいいから明日から来て欲しいだって」
は?
「おい。俺の意見は。俺は絶対行かないぞ」
「はぁ。まったくこのゴミいちゃんは」
「ごみいちゃん言うな。泣くぞ」
「お兄ちゃん。学校でも女の子との関わり無いんだから、バイトでもして女の子と仲良くならないと、将来結婚できないよ」
「俺は小町さえいれば何もいらないからな」
「も、もう!またそんな事言って!」///
小町カワイイ。もうまじで小町に養ってもらえばいいんじゃね?
「とにかく!お兄ちゃんは明日『純喫茶・甘露』に行ってもらいます!」
「え~」
「お兄ちゃん。小町欲しいものがあるの」チラチラ
「親父に買って貰えばいいだろ」
「小町お 兄ちゃんがいいの」ウルウル
「待ってろ!お兄ちゃんが金溜めてきてやる」
小町可愛すぎ。もうほんと小町以外いらない
――――回想終了――――
って事があったんだよ。比企谷家は小町にさからえないからな。小町が絶対
「いってらっしゃい!明日からよろしくね!」
その言葉に軽く手を上げ俺は元純喫茶・甘露に向かった
どしどし感想もらえるとうれしいです。