簡単に終わるかも?
桜咲く坂道からは徐々に桃色の花びらが姿をけし、目に優しい緑が増える頃。
俺たちの通う文月学園では今年度最初の行事『清涼祭』の準備が始まりつつある。
祭りというからには、お化け屋敷や喫茶店などはもちろん。
この学校の最大の特徴『試験召喚システム』についての展示会をやるクラスもあるようだ。
そんな中、俺たちFクラスは………、
「明久!かかってこいっ!」
「いくよ、雷夜!」
「お前の球なんか、大気圏外まで飛ばしてやるよ!」
準備?清涼際?なにそれ?おいしいの?とでも言うかのように、
校庭で野球をして遊んでいた。
「雷夜ならできそうだから、怖いよ!」
俺は明久の球を見極めるために集中する。
どんな球が来ても打ってやる!!
明久もキャッチャーの雄二とサインでやり取りをしているようだ。
明久がモーションに入った。
勢いよく腕を振り、
その手首のスナップで、
カーブがかかった球は一直線に、
俺の頭に吸い込まれるように向かってきた。
が、
「オラァ!!」
カキーン!!
と、心地よい音を立てながら宣言通りに大気圏外まで飛んで行った。
明久と雄二もあのコースで打たれるとは思わなかったのか、硬直している。
あ、ヤバい。今の音で鉄人に見つかったようだ。
「貴様ら、学園祭の準備をさぼって何をしているか!」
早々に、逃げさせてもらおう。
俺は気配を完璧に消し、その場を後にして教室に戻った。
後ろから鉄人と明久のやり取りが聞こえるが無視した。
教室に戻ってしばらくすると、鉄人がFクラスのメンバーをつれて戻ってきた。
「あ!雷夜いつの間に」
「俺は最初からここにいたぞ?」
「嘘つけ!ずっと野球をやってたじゃないか!」
「吉井、バカ言ってないで、座れ。さて、あとは坂本に任せる。俺はやることがあるのでな」
ガラガラ、ピシャ。
「さて、Fクラスの出し物のことだが、とりあえず、実行委員を決めてそいつに全権を任せる」
いや、適当すぎるだろ。あいつやる気がないな?
仕方ない俺が焚き付けてやるか。ま、霧島を出せば簡単にやる気を出すだろ。
「おーい、雄二~」
「ん?なんだ雷夜か。どうした?」
「ああどうにも学園祭へのやる気が感じられないからな。
俺が焚き付けてやろうと思ってな」
「何をする気だ?」
「具体的には言えないが、霧島に協力してお前に対しての最大限の嫌がらせをする」
「よし!学園祭の出し物を決めなきゃな!
その後も、いろいろ準備をしなきゃな!忙しくなるぞ!」
「やる気を出してくれて何よりだ」
「覚えてろよ、この野郎」
「はっはっはっは」
これで学園祭の出し物のほうは大丈夫だろ。
後は、教頭の陰謀だったか?
ま、陰謀はばれてたら陰謀じゃないな。
あの先輩方と、不良どもを捕まえて吐かせればいいだろ。
一応話してるところも録音させてもらうか。
あ、婆にも接触しなきゃだめか?
今回の祭りはやることが多くて忙しそうだな。
退屈は、しなさそうだ。
アドバイスや変なところがあったら
指摘してください。