異聞 ドラゴンクエストⅪ ~遥かなる旅路~   作:シュイダー

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Level:7 信じる心

 鍋を前にして頭を抱えている姉の姿に、セーニャは首を傾げた。

 鍋から具を(よそ)い、ひと口、口に入れた。少し、しょっぱいだろうか。

 今晩の料理の味付けをしたベロニカが、顔を上げた。

「ごめん、セーニャ。失敗したわ」

「失敗と言うほどではないと思いますけれど。ちょっとしょっぱいですけど、そこまでひどいものではありませんし」

「そう言ってくれるのはありがたいけどねえ」

 はあ、とベロニカがため息をついた。思いやり強く、しかし厳しさを持った姉のことだ。失敗は失敗だと、そう言いたいのだろう。

 不意にベロニカが頬をかすかに赤らめ、それを振り払うかのように小さく首を横に振った。どうしたのだろうか、とセーニャはさっきとは違う意味で首を傾げた。

 女神像のあった野営地から、およそ半日。出発したのが昼を幾分過ぎたころだったというのもあり、ホムラの里には辿り着けず、今日も野宿となった。

 野宿することは、特に嫌ではなかった。なるべくなら落ち着いた場所で躰を休めたいという思いはあるが、ないものねだりをしてもしょうがないし、実のところ野宿自体は好きだった。

 セーニャは、旅が好きだ。旅の中で見る、さまざまな空が好きだ。

 空は、どこまでも同じ空が繋がっていて、しかしそれぞれの地でちょっとずつ違った空が見える。それぞれの空の下で、さまざまな人の営みがあり、いまを生きている。命を繋いできた、歴史がある。旅は、それを感じ取れる。

 この、ホムラの里に続く火山地帯は、サマディーの砂漠地帯とはまた別種の暑さがあり、高地であるラムダで育ったセーニャには、少々つらい環境ではある。それでも、ここで生きている人たちがいて、その人たちがどんな営みを続け、命を繋いできたのか、そのことに思いを()せると、やはり愉しさのようなものが胸に湧き上がってくるのだった。

 それはともかく、今日もベロニカは、どこか様子がおかしかった。

 顔を不意に赤らめたかと思うと、慌てた様子で首を横に振る。そんなことが、幾度となくあった。昨日感じていたという胸騒ぎはもうないと言っており、それを嘘だとは思わないが、どうしたのだろうかと気にはなる。料理でちょっとした失敗をしてしまったのも、多分それが原因なのだろう。

 昨夜、二人で祈り続け、セーニャから胸騒ぎがふっと消えたと同時、ベロニカは意識を失った。慌ててベロニカを寝床に連れて行き、軽く検診を行なって、特に大事ないことを確認すると、セーニャも眠りに()いた。

 翌朝、日がいくらか昇ったところでセーニャは眼が醒めた。ベロニカは、眠ったままだった。

 ベロニカがセーニャより遅く起きるのは滅多にないことで、昨日、姉がどれだけレヴンを心配していたのか、よくわかるようだった。

 念のため、再度ベロニカの躰の検診を行なったが、やはり疲労によるものだと感じた。双賢の姉妹の片葉、癒し手として、この手のことに関してはそれなりの知識と自負がある。特に悪い感じは受けなかった。

 ただ、ちょっとだけ気になることがあった。

 途中、ベロニカがうなされたのだ。とても苦しそうな表情だった。

 慌てて起こそうとしたが、彼女は眼を醒ましてくれず、セーニャが焦りを覚えたところで、突然ベロニカが穏やかな寝顔になった。幸せそうな寝顔だった。それから少しして、ベロニカは眠りから醒めた。

 眼を醒ました姉は、ずいぶんとスッキリした様子で、いつになく元気だった。それは悦ばしかったが、それから時々、思い出したかのように、恥ずかしがるような仕草を見せるようになった。

「あの、お姉様、大丈夫ですか?」

「え、な、なにが?」

「その、時々顔を赤くしたりして」

「あ」

 バツが悪そうに、ベロニカが頬を掻いた。

「心配かけてごめん。大丈夫。調子はすこぶるいいわ」

「ほんとうですか?」

「ええ。自分でもよくわからないけど、力が(みなぎ)ってるってぐらい。ただ、こう、なんていうか」

 ベロニカが、恥ずかしそうに口ごもった。なにも言わず、次の言葉を待った。

 ベロニカが息をつき、口を開いた。

「その、なんか、すごく恥ずかしいことをしちゃったような気がして」

「恥ずかしいこと?」

「いや、あたしもよくわからないんだけど、なんとなくそんな感じが」

「はあ」

 ベロニカの言葉に、ちょっと考えこむ。ふっと思い出すのは、うなされていたことと、そのあとの幸せそうな寝顔。

 ハッと、ひとつのことが頭に思い浮かんだ。

「もしや、夢の中でレヴン様と逢ったとか」

「え」

 ベロニカが、不意を衝かれたかのように声を上げた。

「実は今日、お姉様がお眠りになっている時、うなされていた時があったんです」

「うなされて?」

「はい。すごく苦しそうな御顔でした。すぐに起こそうとしたんですが、お姉様は眼を醒まされなくて。ですが、そのあと、お姉様が幸せそうな寝顔になられたんです。ほんとうに、すごく幸せそうな寝顔でしたよ」

「そ、そう」

 なにかに思い至ったかのように、ベロニカの顔がかすかに赤くなった。

「ひょっとしたら、お姉様の夢とレヴン様の夢が繋がったのかもしれませんね。夢の中で、危機に陥ったお姉様をレヴン様が助けたとか」

「い、いや、確かにレヴンの夢を見たような気はするけど、だからってあたしとレヴンの夢が繋がったのかもなんていうのは、いくらなんでも発想が飛躍し過ぎでしょ。夢っていうのは、あくまでも個人の見るものでしょ?」

「そうでしょうか。長老様の『夢見』のような力もありますし、お姉様とレヴン様なら、そんな不思議なことがあってもおかしくないのではないかと思いますけど」

「あたしとレヴンなら、ね」

 ベロニカが、なにかを見定めるようにしてセーニャの眼を見つめてきた。真っ直ぐに見つめ返す。

「ねえ、セーニャ」

「はい」

「あんた、この前、レヴンのことを運命の人って言ったけど、それって」

 ベロニカが、言葉を止めた。

 ベロニカはちょっとだけ考えこむ仕草を見せると、息をついた。

「やっぱり、いまはいいわ。レヴンと再会したら、改めて訊くことにするわね」

 そう言って、ベロニカがニッと笑った。

 

***

 

 レヴンとともに建物を見上げる。成金がやるような悪趣味さは感じられず、どこか落ち着いたような、立派な外観の建物に思えた。

 あたりはもう暗くなっているが、扉に作られている窓からは、まだ明かりが見えた。

 下宿から出たあと、城下町の方に行くための方策を考えることにした。門番をどうにかしなければならない。

 最もわかりやすく確実なのは、賄賂を使うことだったが、できればそれは避けたいところだった。賄賂を贈るとなると、少なくない金額を渡さなければならないのだ。お尋ね者と言える立場であるため、街で仕事を受けての安定した収入は見こめない。魔物退治で金を稼ぐことはできるが、それも限度があるだろう。今後のことを考えるとやはり、あまり金は使いたくないところだった。

 その次に、偽の恋文で門番を誘い出すという案を考えた。門番は、スラムにいるダイアナという踊り子にご執心らしいのだが、彼女の筆跡と女将(おかみ)の筆跡がよく似ているという話を聞いたのだ。女将に頼み、一筆書いて貰えれば、おそらく騙せることだろう。

 しかしこれは、レヴンが難色を示したため、断念することにした。

 反対されたわけではない。それしか手がないのなら、と理解は示していた。ただ、顔がなんとも言い難い表情になっていた。

 怒った顔だとかいうわけではないが、人前に出たら、どうかしたんですかと心配されてしまいそうな、そんな顔だった。本人に自覚は無いようで、根本的に嘘をつける(しょう)(ぶん)ではないというのがよくわかった。

 ならば、と犬を(けしか)けることにした。門番をしている兵士は犬が大の苦手であるらしく、近づかれただけで恥も外聞もなく逃げ出すぐらいだという話だ。レヴンも(やぐら)の上からその現場を見ていたそうなので、間違いないだろう。

 スラムを歩き、一頭の犬を発見した。ひとりの少女と一緒におり、彼女の愛犬のようだと推察された。

 犬を貸してくれるよう頼むと、彼女は条件を出してきた。『レッドベリー』という果物と、『せいすい』が欲しいとのことだった。

 レッドベリーは、教会からスラムに来る道中で、木に()っていたのを見つけて()っておいたため、手元にあった。『せいすい』もスラムで調達できたため、必要な物はすぐに集まった。

 それらを少女に渡すと、最初は驚かれたが、彼女はすぐに気を取り直してレッドベリーを愛犬と分け合い、『せいすい』をその犬にかけた。彼女の愛犬は、街の外に出るのが好きらしいのだが、そのたびに魔物に襲われては怪我をして帰ってくるらしく、それを防ぐためだという話だった。

 頼みを聞いてくれたので、愛犬と遊んでいいと言われた。礼を言い、その犬を連れて門番のところに行った。

 門番は最初、高圧的な物言いでカミュたちを追い払おうとしたが、犬を見ると表情が一変し、怯えたものとなった。

 犬が門番に近づいた。門番があと退(ずさ)った。犬が駆け出した。門番が逃げ出した。

 あとには、カミュたちだけが残った。

 門をくぐり、人目につかないところで、夜になるのを待った。スラムに着いたのが夕刻近くだったのもあり、そこまで時を待つことなく、あたりは暗くなった。

 城下町の方に行くと、どこかピリピリした空気が漂っていた。

 厳戒態勢に入っているというのは間違いないようで、暗くなっているのもあるだろうが市民の姿は少なく、代わりに兵士の数が多く見えた。彼らの眼に入らないようにして移動し、富裕層を目指した。途中、レヴンがなにか気にしている様子が見受けられたが、特になにか言ってくることはなかった。

 富裕層に行くための大階段は、どこも兵士が警備していた。富裕層の区画は、一般層などよりも高所にある。階段を使わずに行くとなると、建物の屋根からロープを張って、それを伝っていくという手段などしかない。

 ロープを張るのに手頃な場所を探すため建物の屋根に登り、慎重に移動していると、教会の(しょう)(ろう)から富裕層にかけて、一本のロープが張られているのを見つけた。

 洗濯物を干すためのものではなく、国旗などを張るためのものだろうか。ロープはかなり頑丈で、カミュとレヴンが乗っても千切れることはなさそうだった。

 ちょっとだけ考え、そのロープを伝って行くことにした。高所であることと夜の暗さを考えれば、見つかる可能性はそこまで高いものではない。運が絡む部分はあるが、それは賭けだ。

 そして、こうして無事にデクの店に辿り着くことができた。あとは、中に入って、デクに事情を確かめる。

 窓から中を見ると、仕立てのいい服に身を包んでいる小太りの男が、ひとり見えた。ほかに、人の姿は見えなかった。

「よし、入るぜ」

「うん」

 静かに扉を開け、中に入った。男は、品物の確認をしているようだった。扉を閉める。

 男から二、三歩ほどの距離に近づいたところで、カミュたちは足を止めた。

「へえ、なかなかいい店じゃないか」

「いらっしゃい。うちの品は」

 背中越しに返事をした男が、言葉の途中で弾かれたようにふりむき、カミュの顔を見たところで固まった。

 男の顔を見ながら、カミュはニヤリと笑った。

「よお。繁盛してるみたいだな、デク?」

「ア、アニキ?」

「ああ、そうだ。久しぶりだな」

 茫然とした様子の男、デクにそう言った。

 どんなふうに話を切り出すかと少し悩んだところで、デクの眼が潤んだ。

「アニキー!!」

「うおっ!?」

 唐突に抱きつかれた。考えこんだ瞬間に動かれたのもあり、反応できなかった。

「カミュのアニキ、お化けじゃない、本物のアニキだー!」

 デクの腕に力がこめられた。カミュの躰が、軋むような音を立てている気がした。

「無事でよかったっ。ずっと心配してたんだよー!」

「離れろ、むさ苦しい!」

 顔を押しのけ、デクを引き剥がした。再びこちらに抱き着こうと構えたデクに、人差し指を伸ばした手を突きつけた。

 デクが、ピタッと動きを止めた。

「正直に答えろ。おまえ、オレを裏切ったのか?」

「それはさすがに直球過ぎるんじゃないかなあ」

「裏切る?」

 レヴンが呆れたように呟き、デクがキョトンとして言った。

 少ししてデクが、なにかに思い当たったかのようにハッとしたあと、首を勢いよく横に振った。

「裏切るわけないよーっ。アニキのことは一日だって忘れたことなかったよーっ。この店も、アニキを助けるためにはじめたんだから!」

 独特の口調に、懐かしさを感じた。身なりは変わっても、この口調は変わっていないのだなと、そんなことを思った。

「オレを、助ける?」

「城の最下層の牢にぶちこまれたって聞いて、なんとか命だけでも助けられないかって、いろいろ考えたのよー。放っておいたら、どんな酷いことされるかわからなかったし。だからワタシ、オーブを拾ったって嘘ついて、王様にオーブを返したのよ。それで報酬金を貰って、そのお金を元手に商売はじめたのよー」

 デクが、一度息をついた。

「ワタシ、盗みの才能はなかったけど、商売の才能はあったみたいよー。それで、必死になって稼いで、その金を城の兵士にばら撒いて、アニキが早く出てこられるように手を回してたってわけ!」

 デクの言葉に、ひとつ思い当たることがあった。

「そうか。途中から監視が緩くなったのは、そういうことだったわけか」

「監視が?」

 レヴンが言った。

「ああ。あの牢にぶちこまれて最初のころは、監視が厳しくてな。とても脱獄なんてできる状況じゃなかったんだ。それが、いつのころからか、ちょっとずつそいつが緩くなっていってよ。気になってはいたんだが、多分、デクがばら撒いてくれた金のおかげだったんだろうな」

「牢から脱出する直前に気にしてたのって、そのこと?」

「ああ」

「でしょでしょ?」

 デクが、得意気に笑った。

 デクにむきなおり、頭を下げた。

「すまん、デク。疑って悪かった」

「誤ることなんてないよー、アニキ。疑われても仕方ないことだったし。わかってくれたなら、それで充分よー」

 デクに明るく笑いながら言われ、カミュの胸が痛んだ。

 カミュを助けようとしてくれていた、助けてくれていた相棒のことを、疑ってしまったのだ。

「そういえば、そのオーブっていうのが、カミュが言っていた?」

「ああ、そうだ。デルカダールの国宝、『レッドオーブ』だ」

 (かい)()の念を抱きながらも、それを表に出さないようにして、レヴンに答えた。

 カミュの答えにレヴンが、なんとも言えないような表情を作った。

「国宝って。よくそんなもの盗めたね」

「苦労したのよー。いろんなところから情報を集めてねー。でも、盗み出したのはアニキの腕よー。デルカダール城から盗み出すなんて、ほかの誰にもできないよ、きっと」

「つっても、結局、捕まっちまったけどな」

 自嘲するようにして言い、(かぶり)を振った。

 デクが金をばら撒いていなかったら、おそらく脱獄などできなかっただろう。あの牢獄で朽ち果てるしかなかった。それほどまでに、監視は厳しかったのだ。

 報酬金で店をはじめたと言ったが、どこの馬の骨ともしれない男が、富裕層の一角に店を構えたのだ。並大抵の苦労ではなかっただろう。

 考えてみれば、富裕層の一角に店を立てることができるほどの報酬金である。カミュのことなど放っておいて、その報酬金で遊んで暮らすことだってできたはずだ。もしくは、もっとのんびりと商売ができるような場所でもよかっただろう。

 デクは、ほかならぬカミュのために、手を尽くしてくれたのだ。そんな男を、疑ってしまったのだ。

 穴があったら入りたいほどに、自分が情けなくなった。

「なあ、デク。なんで、そこまでしてオレを助けてくれたんだ?」

 そんな言葉が、口を衝いて出ていた。言ったあとに、自分が言った言葉に気づいたが、撤回はしなかった。

 デクが、不思議そうに首を傾げた。

「なんでって、相棒だからよー」

「相棒――」

「そうよー。それにワタシ、アニキと出会わなかったら、どこで野垂れ死んでてもおかしくなかったよ。アニキと組んでからもヘマばっかりで、足を引っ張ったことも一度や二度じゃきかないぐらいやったし。でもアニキ、ワタシのこと、見捨てなかった」

「それは、そうかもしれねえけどよ」

「ワタシ、アニキには返しきれないほど恩があるのよー。これぐらいなんてことないよー」

「そう、か。ありがとよ、デク」

「どういたしましてよー」

 デクが笑顔で言い、カミュは苦笑した。

 これ以上、言うべきではないのだ、と思った。こだわる方が、きっとデクを侮辱することになる。

 しかし、とカミュは腕組みした。

「そうなると、オーブは行方知れずか」

 一度盗まれた以上、保管場所が変えられていてもおかしくはない。変えていない可能性もあるが、それも調べなければわからないことだし、警戒は間違いなく強くなっているだろう。保管場所を突き止めることだけでも、たやすいことではない。

 そう思ってのカミュの言葉に、デクがニヤッと笑った。

「フフフ、それなら大丈夫。安心しちゃってよー、アニキ」

「なに?」

「オーブの行方も調べておいたんだよー。アニキが気にかけてたからね。オーブは、グレイグ将軍がデルカダール神殿に保管したみたいよー」

「グレイグ将軍が?」

 デクの言葉に、レヴンが反応した。デクがレヴンに顔をむけ、頷いた。

「グレイグ将軍やその麾下(きか)には、さすがに賄賂なんて通じないけど、ほかから情報を集めるくらいはできるからねー。ちょっとした目撃情報とか、兵士の噂話とかかき集めてみたのよー。それで、ある時期におかしな動きをした部隊があって、それからデルカダール神殿の警備が厳しくなったみたいなのよー」

「デルカダール神殿っていうと、デルカコスタ港の近くだったな」

「イシの村から東に行ったところでもあるね。例のところに行く通り道でもあったはず」

 ちょっと考えこむ様子を見せたあと、レヴンが続けた。

「そうか。なら、ちょうどいいかもな。警備ってのがどれほどのものかはわからねえが、行ってみてもいいか、レヴン?」

「うん」

「よし。デク、おまえも来るか?」

 カミュが言うと、デクは一瞬眼を輝かせたが、すぐにハッとした表情を見せたあと、首を横に振った。

「誘ってくれるのは嬉しいけど、行けないよ。ワタシ、商売はじめたあと、嫁さん貰ったのよー。ワタシのこと支えてくれる、すごくいい(ひと)なのよ。それに、店のことも放っておけないよ」

 申し訳なさそうではあったが、その眼には強い光があった。己のいる場所を思い定めた、男の顔だった。

 不意に、寂しさのようなものを感じた。カミュのうしろをついてきていた弟分は、いつの間にか一端(いっぱし)の男になっていたのだと、いまだに(くすぶ)り続けているカミュよりもよっぽど立派な男になったのだと、そんなことを思った。

「そういや、おまえは昔から、商売やりたいって言ってたもんな。わかった、達者でな。嫁さんのこと、大事にしろよな」

「アニキ」

 不安気なデクに、笑いかけた。

「心配すんな。やることやって落ち着いたら、一緒に酒でも呑もうぜ」

「うん、とっておきの酒を用意しておくよー。お元気で、アニキ。あと、お連れの人も。ワタシの分も、アニキのこと、よろしく」

 レヴンにむけてデクが言うと、レヴンがコクンと頷いた。

「んじゃ、行くか。正門の方は警備が厳しいし、スラムに戻るとしようぜ」

「あ、ちょっと待って、アニキ」

「ん?」

「いろいろと渡したいものがあるのよー。ちょっとついて来てよー」

 デクが、店の奥にむかって行った。レヴンとともに首を傾げながらも、カミュたちはデクのあとを追った。

 

***

 

 扉を軽く叩く音に、レヴンの意識が覚醒した。

 (まぶた)を開くと、あたりはまだ暗かった。呪文を唱え、弱めの明かりを生み出す。部屋の内装などは、質素を通り越している印象があるが、シーツやベッドなどは、それらにそぐわないぐらいには質の良いものだった。カミュが世話になった、女将の下宿の一室である。

 ベッドから降り、廊下に顔を出すと、女将がいた。起こしてくれたらしい。

「おはようございます」

「おはよう、って言うにはまだ暗いけどねえ。まっ、おはようさん。カミュちゃんは、もう下に行ったよ」

「わかりました」

 寝間着から旅装束に着替え、荷物を持つと、部屋を出た。

 階下に降りると、玄関脇の椅子にカミュが腰掛けていた。カミュが眼をむけてくる。

「おう。おはようって言うにはまだ暗いが、おはようさん」

「うん、おはよう。荷物は?」

「そろそろ来るころだよ」

 答えは、うしろから来た女将が返してきた。

 カミュが頭を掻き、顔を(しか)めた。

「しっかし、あんたも人が悪いよな。デクと商売してるんなら、言ってくれりゃあよかったのによ」

「ははっ、悪かったねえ。でも、このスラムじゃあ、あまり他人に吹聴できないことだからねえ」

 涼しい顔で女将がそう返し、カミュがため息をついた。

 デクの店で彼から案内されたのは、店の倉庫だった。食料や水も含め、旅に必要な荷物を選ぶように言われたのだ。さらには、旅に必要だろうと、お金まで渡された。かなりの額だった。

 ためらっていると、あげるのではなく、貸しだと言われた。いつか、うちの店でその額以上の買い物をしてくれたらいいと。必ずまた、店に来ると約束して欲しい。そう言われた。

 無事に再会しようと言っているのだと、わかった。

 思い直し、デクの気遣いに甘えることにした。必ずまた店に来ると、約束した。

 必要な物を選びながら、はたと気づくことがあった。レヴンたちは、ここに来るのにロープを伝って来たが、それを伝って戻る場合、多くの荷物を持っていくのは難しい。

 そう言うと、女将の下宿に配達すると言われた。女将は時々デクの店に顔を出し、いろいろと買い物をしていくのだそうだ。デクとしても、世話になった女将への恩もあり、格安で品物を提供しているらしい。今日、女将が城下町の方に行ったのも、その買い物が理由だとのことだった。

 スラムに、城下町の方から大荷物を持って来るのはいささか危険なため、デクの店で雇っているという配達員が、夜明け前に配達しに来るのだそうだ。ちょうどいいので、一緒に運んでくれるように頼んでおくと言われた。いまの厳戒態勢に入っているデルカダールでは危険なのではないかと思ったが、そのあたりの根回しはしっかりとやっているため、大丈夫だと言われた。

 すぐにでも出発するつもりだったが、躰を休めるのも大事だとデクに言われ、荷物が来る直前まで、女将の下宿で休むことにした。デクの店から提供されている寝具は質がよく、思っていた以上に躰を休めることができた。

 ああ、そうだ、と女将が思い出したように言った。

「配達に来てくれる人だけどね、見ても驚くんじゃないよ?」

「なんだ。有名なやつなのか?」

「そういうのじゃなくってね、ちょっと顔がこわい人なのさ。ただ、いいひとなのは間違いないからさ、こわがらないでやっておくれ」

「ふうん。まあ、いいさ。わかったよ」

「顔がこわいけど、いい人、か」

 昨日の、強面(こわもて)の男を思い出した。顔はこわかったが、あの少女のために、誰かのために、他人に助けを求められる人だった。そのために頭を下げられる人だった。

 あの人も、あの少女も、改めてレヴンに会ったら、やはりこわがるのだろうか。それとも、気にしないと笑ってくれるのだろうか。

「どうした、レヴン?」

「いや、なんでもないよ」

「そうか。ん、来たか?」

 カミュが、扉に顔をむけて、言った。レヴンも意識を切り替え、気配を探る。人の気配が、外から近づいて来た。

 扉を軽く叩く音が聞こえた。女将が扉に近づき、なにか言った。合言葉だろうか。外から声が聞こえてきた。どこかで聞いた声に思えた。

 女将が、扉をちょっとだけ開けた。

「どうも。配達に来やしたぜ」

「おつかれさん。今日もこわい顔だねえ」

「生まれつきでさあ。直るもんじゃありやせんよ」

 聞き覚えのある声に、思わずハッとした。

 女将が扉を開け、外に出た。レヴンたちもそれに続く。

 荷物を運んできたという男を見て、レヴンは()(ぜん)とした。

 あの、強面の男だった。

 

***

 

 もうじき明るくなるだろうという時間、荷物を載せた二頭の馬を曳いてスラムの街を進む。暗くはあるが、ランタンの灯りはあるため、歩くのにそれほど苦労はなかった。

 スラムに行くのは、雇い主からの依頼によるもので、行き先は『赤髪の女将』のところだ。雇い主は、富裕層の一角で立派な店を構える男なのだが、店を構える以前、女将に世話になっていたらしい。

 荷物は主に、食料や水、敷布(シーツ)などの寝具。これだけなら、女将の経営している下宿で使う物だろうが、旅で使う道具などもあった。スラムから城下町の方に来れない者たちに売っているのだろう。

 自分が(おも)に任されているのは、荷物の配達、運搬だった。

 昔から、顔がこわいと言われて怯えられた。その顔が理由で、柄の悪い連中に突っかかられることも少なくなかった。柄の悪い連中の相手をしているうちに、腕っぷしはそれなりに強くなっていた。

 荷物の運搬、配達を任されている者は、自分のほかにもいるが、スラムに運ぶのを任されているのは、自分だけだった。昼間は、自分もほかの者たち同様の仕事をするが、スラムの方に配達を行うのは、自分だけである。

 なぜ自分だけなのか、雇い主に訊いてみたことがあった。顔はこわいけど真面目だから、という答えが返ってきた。腕っぷしも買われた理由らしい。

 弱そうな者では、スラムでは絡まれる可能性がある。だからといって、信用が置けない者に配達を任せるわけにはいかない。見た目が強そうでいて、実際にそれなりに強く、信用の置ける相手として、自分が選ばれたらしかった。

 正直なところ、そう言われた時は嬉しかった。

 顔がこわいというのは、昔から言われてきたことで、いまはもう聞き慣れた言葉だ。気にしてはいない。だが、顔がこわいと言いながらも、怯えた様子もなく言ってくる雇い主に、なんとも言い(がた)い感謝の念を感じたのだ。その信頼を裏切るわけにはいかないと思った。

 現在、デルカダールの街は厳戒態勢に入っているが、根回しはしてあるらしい。それに、スラムに届ける荷物は、スラムの近くに作ってある倉庫に用意されているため、特に見咎められることなくスラムに行くことができた。

 今日運んでいる荷物は、いつもより多かった。昨日の夕刻、女将が雇い主の店に来て、いつもの注文をしたらしいのだが、個人的に運んで欲しい荷物ができた、と雇い主から言われたのだ。

 渡す食料や水、旅に使う道具などが、いつもより多くなっていた。なによりも違うのは、曳いている馬だった。一頭は、いつも曳いている荷馬だが、もう一頭は城の兵士、それも騎士が乗るような、しっかりと調練された上等な馬だった。

 かなりの馬だが、昨晩に見たあの馬と比べるといくらか見劣りするな、となんとなく思った。良し悪しが語れるほど馬に詳しいわけではないが、あの青年の馬だという黒馬からは、見ただけでハッとするような空気を感じた気がしたのだ。

「――――」

 小さく、ため息をついた。

 猫を助けてくれたあの青年のことが、頭から離れなかった。

 グレイグ将軍から、あの青年が脱獄したと暗に告げられ、ほっとしたものの、彼がその後どうなったのかは、まったくわからない。新たな通達がなされてない以上、捕まってはいないのだろうが、それは彼が無事であるのと同義ではない。

 心配しながらも、自分にできることなど、なにもなかった。せいぜいが、彼の無事を祈ることしかできない。歯痒さを覚えながらも、それしかできなかった。

 青年が脱獄して、まだ一日程度しか経っていないというのに、いや、だからこそなのか、心配は尽きることがなかった。

 それでも、日々の営みを止めるわけにはいかなかった。生活があるのだ。生きていくためには、仕事をしなければならない。日々の(かて)を得なければならない。

 そんな自分に浅ましさを感じながらも、スラムを進んで行く。

 まだ、大半の者は眠っている時間だ。それでも視線はたまに感じるが、物怖じすることなく馬を曳いて行く。むしろここでは、こわがった方が危険なのだ。堂々としていれば、そうそう手を出してくる輩はいない。被ったフードの下から覗く顔がこわいことも、理由のひとつではあるようだが。

 目的地、女将の経営する下宿に着いた。小さく(おとな)いを入れた。

 少しして、女将の声が聞こえた。合言葉として定められている言葉を言うと、扉がちょっとだけ開いた。女将が、そこから覗きこむようにして顔を見せた。

「どうも。配達に来やしたぜ」

「おつかれさん。今日もこわい顔だねえ」

 軽く笑いながら言われ、こちらも軽く笑い返した。

「生まれつきでさあ。直るもんじゃありやせんよ」

 この女将も、この顔をこわがらないでくれる人だった。

 女将が扉を開け、外に出てくると、二人の男が続けて出てきた。どちらともフードを被っており、顔はよく見えないが、ひとりは見覚えのある装束を纏っていた。

 思わず眼を見張ると、その男もこちらを見て固まっていた。

「あんちゃん、か?」

「あなたは、あの女の子と一緒にいた」

 女将ともうひとりの男が、呆気にとられたような仕草を見せたあと、ハッとした。

 もうひとりの男が、青年に近づいた。

「知り合いか?」

「うん。少し、話がしたい」

「わかった。それなら、中で話せ。荷物はオレが確認しておく。いいか、女将?」

「構わないよ。さっ、二人とも中に入りな」

 女将に促され、青年と二人で建物の中に入った。女将は、もうひとりの男と一緒に荷物を見ておくとのことだった。

 お互いにフードをはずすと、改めてむき直った。

「聞き覚えがある声だとは思いましたけど、ほんとうにあなただとは思いませんでした」

「デクって旦那の店で働いててな。この下宿にも、たまに配達に来るんだ」

「そうだったんですか」

「よかったよ、無事でいてくれて」

 青年が、どこか思い悩む仕草を見せた。

 少しの間を置き、青年が意を決した様子で口を開いた。

「こわく、ありませんか?」

「ん?」

 青年の言葉に、首を傾げた。

「こわいって、なにがだ、あんちゃん?」

「僕は、悪魔の子と言われています。こわくはないんですか?」

「ああ、そのことか」

 得心がいき、頷いた。

「こわいって、なにをこわがりゃいいんだい?」

「悪魔の子は、災いをもたらすと言われています。あなたに、災いが降りかかるかもしれません」

「けど、あんちゃんはあの嬢ちゃんを助けてくれたよ」

「それは」

「俺には、悪魔の子だとか勇者だとか、難しいことはわからねえ。だけど、これだけは言える。あんちゃんは、あの猫を、嬢ちゃんを助けてくれた。あんちゃんは、災いをもたらす悪魔の子なんかじゃねえ。誰がなんと言おうと、俺はそう信じてる」

 青年が、顔を歪ませた。いまにも泣き出しそうな顔に見えた。

「そうだ。名乗るのが遅れたな。俺は、ゴーディってんだ。名前を教えて貰ってもいいかい、あんちゃん?」

 青年が、頷いた。

「僕は、レヴンです」

「レヴンか。かっこいい名前だな、レヴンのあんちゃん」

「ゴーディという名前も、強そうな名前だと思います」

「ありがとな」

 青年、レヴンと笑い合う。胸のつかえが、すっと取れたような気がした。

「あんちゃんは、これからどこに、いや、訊かない方がいいかい?」

「はい。なにかを知っているせいで、疑われるような事態になる可能性もあります。なるべくなら、なにも知らない方がいい、と思います」

「そうか」

 そんなこと、俺は気にしない。そう言ってやりたかったが、ほんとうにそうなってしまった時、この青年はきっと、自分のせいでゴーディが不幸になったと思ってしまうだろう。それは嫌だった。

 重荷を背負わせたくない。ただ、ひとつだけ言っておきたいことがあった。

「あんちゃん。突然すまねえけど、頼みがあるんだ」

「頼み?」

「ああ。いつか、あんちゃんが悪魔の子だっていう誤解が解けて、この街にまた来れるようになったら、俺とあの嬢ちゃんに会いに来てくれねえか。あの時できなかった御礼をさせて欲しいんだ。大したことはできねえけど、飯でも奢らせてくれ」

 無事に、また逢おうぜ。そういった意味をこめて、言った。

 レヴンが眼を見張り、恐る恐るといった様子で口を開いた。

「あの子は」

「あの子は、あんちゃんが捕まって、泣いてたよ。お兄ちゃんはメアリーを助けてくれたのに、ってさ」

「そう、ですか」

 レヴンがまた、泣き出しそうな表情になり、うつむいた。

 少しして、レヴンが顔を上げた。真っ直ぐにゴーディの眼をみつめてくる。力強い瞳だった。

「わかりました。いつか、必ず」

「絶対だぜ。男の約束だ」

「はい。約束です」

 どちらともなく手を差し出し、握手した。力強い、しかし優しい手だと思った。

 握手を解き、外に出た。男と女将が、ゴーディが運んできた荷物を確認していた。

「カミュ」

 レヴンが小さな声で呼びかけた。カミュと呼ばれた男がふりむいた。

「話は終わったのか?」

「うん。そっちは?」

「ひと通りは見た。出発するか?」

「うん。雷刃のところに、ん?」

 レヴンが、顔をよそにむけた。

 どうかしたのかと見ていると、足音のようなものが聞こえてきた。人ではない。馬の(ひづめ)の音だった。

 ちょっとだけ待つと、見覚えのある大きく立派な黒馬が、通りのむこうから現れた。

「雷刃?」

「迎えに来たのかよ。まったく、大した馬だぜ」

 レヴンが呟き、カミュが呆れたように言った。

 雷刃と呼ばれた馬が、レヴンの傍らに立った。レヴンが雷刃の首を撫でると、馬が耳を動かした。

「かっこいい馬だな、あんちゃん」

 ゴーディが言うと、レヴンが頷いた。

「はい。自慢の友だちです」

「友だちか。なんか、いいな。その馬もよ、宿の(うまや)で暴れていたよ。あんちゃんのところに行かせろってばかりにさ」

「もしかして、ゴーディさんが出してくれたんですか?」

「いや、グレイグ将軍さ」

「グレイグ将軍が?」

 レヴンだけでなく、カミュも女将も、唖然とした様子だった。

「ああ。馬一頭程度、逃がしてやれ、って兵士たちに言ってたよ」

「そうですか」

 レヴンが、拳を握り締めた。

「グレイグ将軍と、闘うのかい?」

「いずれ、そうなると思います。きっとそれは、避けられない」

「だけどよ、グレイグ将軍はこの国、いや世界でも五本の指に入るって言われるぐらいの実力者だぜ。勝てるもんじゃねえ。逃げたって、恥じゃねえよ」

「そうかもしれません。けど、僕は、逃げたくない。いや、違う」

 レヴンが眼を閉じ、大きく息をついた。

 少しして、レヴンが眼を開いた。ハッとするような強い光が、瞳に灯っているような気がした。

「僕は、あの人に勝ちたい」

 呟くようにして、レヴンが誰にともなく言った。

 不思議な力強さを、その声から感じた。二十にも満たないであろう若者が、世界有数の戦士であるグレイグに勝ちたいと言う。

 身のほど知らずだと、一笑に付されてもおかしくない言葉のはずだ。しかし彼の声からは、笑い飛ばすことをためらわせる、強さを感じさせた。眩く光輝くような、決意を感じた気がした。

 きっとグレイグは、レヴンにとっての目標となったのだ。男が男として成長するための、そんな目標になったのだ。

「そう、か。負けるなよ、あんちゃん。応援してるぜ。それと、約束、忘れないでくれよな?」

「はい。ありがとうございます。必ず、約束は守ってみせます」

「おう」

「気をつけて行きなよ、二人とも」

「ありがとうございます。女将さんも、お元気で」

「世話になったな。じゃあ、行くか」

 レヴンが、雷刃に鞍と荷物を乗せ、曳いて行く。カミュも、ゴーディが連れてきた馬を曳いて行く。

 彼らのうしろ姿から、不思議な輝きを感じた。まだ日は出ておらず、あたりは夜の闇に包まれている。それなのに、その光は不思議とはっきり見えた気がした。

 大いなる闇を打ち払う。グレイグが言っていたその言葉が、ゴーディの頭に浮かんでいた。

 




 
また、お待たせしてしまいました。次はもっと早く、とか言うとまた遅くなってしまう気がするので、なるべく早く、ぐらいに留めておこうと思います(弱気)。
ゴールデンウィーク? なにそれ? って状態じゃよ――。

 
イシの村の復興後、なんかものすごい武具を売ってくれる男、デク。そのケイオスブレードとかどこから調達した。

強面の男こと、ゴーディ。名前なしでいくか迷いましたが、いろいろと考えた結果、つけることにしました。
強面→強→ごう→ゴー→ゴーディとかいう感じで。だいぶ無理がある気がしなくもない。
 
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