ポケットモンスター 幼馴染の受難~スクールライフ~(リメイク版)   作:座敷童

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始業式

「そんじゃ、ここで一回お別れだな」

 

「んじゃ、また帰りにな」

 

 俺達は下駄箱で上靴に履き替えると左右にある階段にそれぞれ別れて歩き出す。

 

トウカ校は四階建ての校舎になっており、一階が一年の教室、二階は職員室や移動教室で使う教室、三階は二年の教室、四階は三年の教室になっている。

 しかし、三・四階には丁度校舎を半分に遮る壁がある。この壁は設立当時、バトル科とコンテスト科・治療科の仲が悪く、三・四階の廊下で騒動がよく起こったため教師がバトル科と二つの科を遮る為に作ったものらしい。

 その為、校舎の右側の階段をバトル科が、左側の階段を治療科とコンテスト科が利用するのが暗黙のルールになっている。

 

 三階に着いた俺は治療科の教室に向かって歩く。治療科は中心の壁のすぐ傍にあるのは事前に知っていたので真っ直ぐ教室に向かう。

 二部屋の前を通り過ぎるとすぐに『治療科 2-A』と書いてあるプレートがぶら下がっている教室の前に着き、開けっ放しのドアから中に入る。

 中には何人かの生徒がおり、黒板には『9時から始業式なので荷物を置いたらすぐに体育館へ』という文字と座席表らしきものが書かれていた。俺の席は窓側から二列目の後ろから二番目の結構いい席だった。

 俺は荷物を自分の席に放るように置きさっさと体育館へ向かった。

 

~☆~

 

 体育館に着くと結構な数の生徒がすでにおり、俺は『治療科 2-A』と書かれている立札の所で待っているとすぐに教師から背の低い順に並ぶように指示が出たのでそれに従う。

 それから数分後。

 

【静かにしてください】

 

 司会らしき教師からの指示で徐々にざわめきが小さくなる。

 

【これより、始業式を始めます。最初に校長先生のお話】

 

【え~、皆さん。春休みは如何でしたか?生活リズムを崩したり・・・】

 

 校長の話に興味はなく、俺は少し眠ることにし目を閉じて夢の世界へ旅立った。

 

~☆~

 

「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」

「「「「「きゃああぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」

 

「うおぅ!な、何!?」

 

 周りの叫び声で一気に現実に引き戻された俺は小さく周囲を見渡すと、壇上に見知った奴が立っていた。

 

【皆さん、今年生徒会長になることになった立花レンカです】

 

「・・・ああ、それでこの叫びか」

 

 このトウカ校の生徒会長は二・三年から生徒達の人気投票で決定され、その中で最も人気の高い者が選ばれる。他の役員は生徒会長が直接スカウトするか、その生徒の所属クラスの半数から推薦されるかがあり、期間はこの三日後にある入学式から二週間以内。役員自体は一年からなれる為、その為の期間らしい。

 

「・・・ま、俺には関係ないか」

 

【それでは私からは以上です】

 

【次に、編入生のお知らせです】

 

「編入生?」

 

 珍しい事から生徒たちの間でざわめきが起こる。

 

【静かにして下さい。彼女は本来なら一年ですが、成績が優秀な為二年生での入学が許可されました。白織(しらおり)ユキハさんです】

 

 先生の紹介で壇上に上がったのは長い銀髪の青い瞳の小柄な少女。無表情だがそれがかえって彼女の美しさを際立たせている。レンカとは全く違ったタイプの美少女。例えるならレンカが【炎】であの子は【氷】。

 

【・・・白織ユキハです。よろしくお願いします】

 

 澄んだ声に生徒は息をのむ。

 そんな中彼女は何かお探すように生徒達を見渡し、やがて俺と目があった。

 

「・・・見つけた」

 

「・・・へ?」

 

【白織さんは本人の希望で治療科に・・・って白織さん!?何処に行くんですか!?】

 

 何かを呟くと彼女はさっさと壇上から降り、司会の教師の声を無視して歩き出す・・・真っ直ぐこっちに(・・・・)向かって。

 彼女を避けるように生徒達は道を作り、俺もそれに習うようにすると彼女はこっちに(・・・・)軌道を修正し、やがて俺の前で立ち止まる。

 

「・・・え~っと?」

 

 彼女はじっとこちらを見続け、やがて

 

「・・・やっと見つけた・・・!」

 

「・・・へ?」

 

 そう言って俺に抱きついた(・・・・・)

 

「「「「「ええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」」

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