フェイト~キアラがママっ?!   作:罪袋伝吉

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 悪は滅びた。

 すごいぞケツァル・コアトル!正義のルチャ・ドーラー!!

 という感じの光景が繰り広げられた。

 関節技はマーリンの関節をギシギシと痛めつけ、打撃技はマーリンの身体をぶっ飛ばし、空中殺法は容赦なくマーリンをマットに沈める。

 はい、実況はここ、カルデア特設リングからお送りしております。

 解説は冬木の虎……もとい、アマゾンのジャガー、ジャガ村先生と、弟子一号……もとい、魔法少女イリヤちゃんの解説でお送りいたし……ません。

 ※こっちは前書きですしおすし。

 いつも誤字脱字修正ありがとうございますm(__)m


殺生院キアラの貴重な授乳シーン

 

「あなたぁ、おっぱいにします?母乳にします?そ・れ・と・も、ミルク?」

 

 キアラが訳の分からないことを言い出した。

 

 マーリンがケツァル・コアトル達に連れて行かれ、ホームズが「調べ物がある。ちょっと失礼するよ」と言って出て行ってモリアーティ教授が入れ替わりにやってきた辺りで不覚にも俺は疲労からか睡魔に襲われて意識を失うかのように眠りに落ちてしまったのである。

 

「ふむ、仕方ないネ。精神は大人でもまだ身体も頭脳も産まれたての赤ん坊だからネ。ふむ、まぁ後は任せたまえ、マスター君。赤ん坊は寝て育つものだヨ」

 

 寝落ちする前にモリアーティ教授は苦笑しつつもそう優しい言葉をかけてくれたが、正直赤ん坊の身体と脳みそというのはあまり融通が利くものではないようだ。

 

 まるでブレイカーが強制的に落ちるみたいに俺はストンと眠りに落ちてしまったというわけだ。

 

 で、寝て起きて、今ココなわけなのだが。

 

「何を言っとるのだキアラさん?」

 

 目を開けようとしたが、ああそうだ、産まれたばかりでまだ俺は目がまだ発達してないので見えない。

 

 抱っこされているのがわかるが、匂いと声と雰囲気で、これはキアラだな、とわかる。

 

……なんだろう、こう、嗅ぎ慣れた匂いと聞き慣れた声という感じがして、なまら安心してしまうんだが、いやいや先程のキアラの発言は安心出来ない。

 つか元ビーストIIIでアルターエゴな殺生院キアラに安心感を抱くなんてどういうことだよおい。それはあれか?赤ん坊はお腹にいるときに母親の声とか匂いとか覚えてしまっている、ってアレって事なのか?!

 

「いえ、おっぱいの時間かな、と思いまして。産まれてからまだおっぱいあげてませんし?」

 

 言うまでもないが、俺は赤ん坊になっている。つまり通常の食事の摂取はまだ無理であり、摂取出来るものはミルクのみだ。それはわかるが……。

 

『……何故に、新妻風に言うかな?』

 

「いえ、なんとなく」

 

 なんとなくでやるんじゃねぇ、と俺は思って念で心眼の回路を開ける。キアラのお腹にいるときに魔力を与えられてしまった作用なのか、そういう力が備わってしまった。

 エレシュキガル曰わく〈まだ人間の範疇〉だそうだが、比較対象が〈生きてた頃のギルガメッシュ〉なので全く安心できない。

 それはどうなんだよとか思わなくもないのだが、今の不自由なこの身においては非常に便利な能力なのだ。ありがたく使わせてもらっている。

 なんせ心眼を使わないと産まれたて故に周りがちゃんと見えないし、会話も念話を使わないと意思を伝える事もできないのだ。

 

 だが、心眼を開いてぶほぉっ?!と俺は噴いてしまった。

 

『ちょまーーーっ!!』

 

 そう、俺の心眼が捉えたものは。目の前にあるそれは全く安心できないものだった。

 

「では、改めて言い直します。はーい、マスターちゃんママのおっぱいでちゅよ~?」

 

『いやいやいやいや、ちょっと待てーーーっ!!』

 

 迫るキアラのおっぱいは赤ん坊の今の俺にはかなり大きく見えたが、それだけではなく、なんというか張っており、よりその大きさを増しているようにも見えた。

 

「しかしマスター、お腹が空いているはずで御座いますわ。なにしろ新生児の胃には何も入っておりませんし?』

 

 困った赤ちゃんでちゅねぇ?などと言いつつキアラはおっぱいを離して苦笑しつつ……というかその赤ちゃん言葉やめい。

 

『いや、そういう問題ではない!つか……ナニその格好?!』

 

 おっぱ……いや、距離が離れた事でわかる。見える。いや、見ちゃいかんと思うような、キアラのそのコスチューム。

 

 授乳しようとする事もそうだが、俺はその格好ををツッコんだ。

 

『なんで裸エプロンやねーーーん!!』

 

「ええー?戸籍上の関係と事実上の関係を考慮して、やはり新妻ママとしましてはこうかな?と」

 

『考慮すなーーーっ!!つかどんな関係やねーーーん!!つかなにを拗らせたらそうなんだよぉぉーーっ!!関係を混ぜるなっ!危険っっっ!!』

 

「はぁ、戸籍の上ではマスターの後妻で御座いますし、産んだ身としては母親ですのでどちらの立場で接したら良いのかと模索してみようかと思いまして」

 

『んな試みいらん!!つか後妻で母親ってありえねーーーーっ!!』

 

「まぁ、ややこちいけどちかたないでちゅねー?」

 

『いや、その赤ちゃん言葉やめい』

 

 そんな倒錯した関係いらぬぅぅっ!

 

「というか、まぁおふざけはこれぐらいにいたしまして。母乳の役割について説明致しましょう」

 

 キアラは妙に真面目な、きりっ!とした顔をすると俺を諭すように話しかけた。

 

「まず、女性は妊娠し出産致しますとそれが引き金となり、母乳分泌を促すホルモンが出て、おっぱいからお乳が出るので御座います。そう、現在私のおっぱいにはいっぱいおっぱいが蓄えられているのです。そう、おっぱいいっぱいいっぱいぱい、なのです」

 

『……いや、おっぱいをいちいち強調せんでもよろしい』

 

 というかマジかよ。出るのかよ。俺はまさか出るわけ無いと思っていたのだ。なんせ宝具でお腹の中に納められたのでそれはあるまいと高を括っていた。しかし、見れば……いや、見ちゃならねぇのはわかっているのだが、キアラの胸はパンパンに張っており、しかも先から少し漏れて来ている。

 

「ごほん。それはともかくとして。女性が最初に出す母乳には赤ちゃんにはとても大事な大事な免疫成分が含まれているのです。この最初の授乳こそが、今後の赤ちゃんが健康に成長出来るかどうかを分けるので御座います」

 

『……そうなのか?」

 

「これはドクターロマニに聞いていただこうがドクターパラケルススに聞いていただこうが、育児サイトで調べていただこうが、医学的に正しいので御座います」

 

『そ、そーなんだ』

 

「そう、あのように苦しみに耐えキチンと産んだのもこのおっぱいを出すため。そして初乳こそが大切。ですので躊躇わず、それこそママのおっぱいを貪るようにちゅーちゅーしてたぁっぷりと甘えながらメイドインママなミルクを飲んで健やかに育つのでちゅよ?マスター」

 

 ぐいぐいっ!

 

 俺の口元に押し付けられるおっぱい。不意を突かれて防御が出来なかった。つか、おくるみの布にくるまれているので手も足も出ないとはこの事か。

 

『せやからおっぱい押し付けんなぁぁぁぁっ!!』

 

「押し付けてんのよ!さぁっ、レッツトライ!!」

 

『トライ出来るかぁぁぁっ!!つか、漏れてる、漏れてるからっ、押し付けたら、ミルクがぁぁっ!?』

 

 ふんぎゃあああああああああああっ!!

 

 ミルクからは……逃げられなかったよ。

 

 口を閉ざせど、顎の筋肉も口の筋肉も発達しておらずしかも歯の無い赤ん坊の身である。

 

 乳首を差し込まれ、出てくる母乳を飲むしか無かった。飲まねば息が出来ぬほどの大量の母乳だった。

 

 つか母乳で溺れるんじゃないかなんて思うほどだったのだ。

 

 母乳は甘かったけど、屈辱の味だった。おっぱいに負けたゼロ歳児、それが俺だ。

 

 つかこれって児童虐待になるんではなかろうか?とか思わなくもないが、腹は膨れた。

 

『げぷっ……』

 

 キアラに背中とんとんされてゲップを出させてもらったが、頼むから次からは粉ミルクに………。

 

「却下で御座います」

 

 言う前に却下された。ちくせう。




 おおーっと、マーリン選手に掟破りの凶器攻撃、メディア選手のルールブレイカーが炸裂だぁ~っ!!起き上がれません!これは起き上がれません!!そのままマットに沈んだぁ~!!

カーンカーンカーン!!

 ここでゴング、試合終了です!!

 
 キアラさんが授乳していたその頃、マーリンはリンクに沈んでいた。

 決まり手はルールブレイカーである。

 担架で円卓勢がなんとなく嫌そうな表情で(特にアグラヴェインさんとか)マーリンを運んで行ったのだが、まぁ、まだ生きているようだしどうでもいいか。
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