フェイト~キアラがママっ?!   作:罪袋伝吉

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思い込んだらママへの道を、行くがキアラのど根性~。

思い込みだけで母性菩薩になったキアラ。しかしその本性はやはり魔性ですかねぇ。

風邪で寝込んでしまい、更新遅くなりました。

今回、グダグダです。

なお、キアラ様来ました。パッションリップも。裸教恐るべし。風邪引きましたけど後悔しない。


魔性ママ菩薩とは。

 運命というものは非常にわからぬものである。

 

 例えば、こっちの世界では善良だった殺生院キアラが魔神柱のゼパ……なんとかに無理矢理、他の世界のとてつもなくとんでもない殺生院キアラと繋げられ、変質し魔性菩薩として覚醒させられたり。

 

 その殺生院キアラが海洋油田施設SE.RA.PHにおいてマスター達と戦い、そして心残りゆえにサーヴァントとしてカルデアに召喚されたり。

 

 善良だった頃の自分をある程度取り戻す事に成功し、そしてカルデアに来て約80年。

 

 マスターを生き長らえさせる為にアミデュって胎児にして自分の子宮に宿し、そして出産。

 

 確かにかつて人であった頃、普通の女の子……まぁ、海洋施設セラフィックスでセラピストやってたときは成人だったがまだ若かったのだ。他の世界のキアラはどうか知らないが、まだ20代!!しかし何故年上に見られたのか。自己評価ではまぁ、ゲフンゲフン……が、夢見る、優しい旦那様と結婚していずれは可愛い赤ちゃんを産んで育てて幸せな家庭を、と思っていた。

 

 旦那様とか結婚とかあれだが、戸籍上マスターと結婚した事になっており、現在は表向き後妻の未亡人で、それはそれでこう、妖しげでちょっと陰のある美女感が増す感じで良いかもとか思わなくも無い。

 

……歌にもあるではないか。ちょっと振り向いてみただけの未亡人。あれ?あれは未亡人だっけ?違法人だっけ?違法な人ってなんだ??

 

 などとうろ覚えだったりするキアラであるが、そんな昔の歌はどうでもよろしい、とマイペースなキアラさんはそう思う。いや、何が言いたいんだあんたは。

 

 まぁ、マスターは死んでおらず赤ちゃんになっているわけであり、全ては偽装なので悲しくともなんともない。むしろマスターを助けられてホッとしているのだ。むしろマスターを再生させて赤子として産むと決めたら、すんなりとそれが一番良い事だと腑に落ちてしまったのだから不思議なものである。

 

 それどころかこれが自分の有るべき姿であるようにすらキアラは思ってしまい、さらにはある種の悟りのようなものまで会得してしまった。

 

 則ち、魔性菩薩の行き着く先はママであり、快楽の先は私ががママになるんだよぉぉ!な感じで魔性菩薩もやがては母性菩薩に至るのだ、と悟ったのである。

 

 超暴論である。

 

 殺生院キアラには誰が何を言ってもマイペースにとことん前のめりに突き進むような存在である。

 

 キアラはあえて言う。「懐妊せずして何が魔性菩薩か!」と。そして「胎蔵とは胎に蔵めると書くのだ。孕んでなんぼなんじゃい!!」と開き直った。

 

 もうその辺りでかなり変であった。変であったがそれがもっと変になったのはマスターを産んでからである。

 

 産まれたマスターを一度抱けば、もはやキアラの心はママ菩薩、我が子を見ればもう止まらない。愛がずっきゅーんと来てたまらない。

 

 元々、殺生院キアラは思い願うだけで己を聖人にも魔性菩薩にもビーストIIIにも成れるような人物であった。そんな存在なのである。

 

 何が厄介かと言えば、思い込みだけで殺生院キアラは魔性菩薩から自らを進化させてしまい、母性菩薩と成り果て、変成してしまった事であろう。

 

 マイペースも極限まで行けばおかしな悟りに至るということだろうか。

  

 我が子がお腹を空かせていると感じたならば、もうおっぱいが張って、衝動的に母乳を与えたくて仕方が無くなる。我が子のオムツが汚れていると感じたならすぐさま取り替えてその不快感を取り除きたくなる。我が子が安らかに寝ていたならばもう、見守るだけで幸せだし、我が子を抱いたならもう、頬ずりしたりキスしたりしたくなる。

 

 食べちゃいたいぐらいに可愛いのだ。食べたりはしないけど。大人になったら食べちゃうかもだけど(意味深)。

 

 中身がマスターで老人?そんな事は関係ない。いや、マスターだからこそなのか。主(あるじ)たるマスターを腹に宿し、生み出し、おっぱいあげたり抱っこしたりオムツ替えたり、オムツ替える最中に幼いぞうさんを見てキャーッ!としたり愛でたりすりすりしたり、なんにせよ我が子ラブ。子煩悩、ムスコン、ベイビーマスターラブ。なんとでも言うが良い、もうメロメロなのだ。

 

 そう、もう誰かにこの気持ちを分かってもらいたい!むしろ盛大に自慢したい!!

 

 と、言うわけでキアラはカルデアに来てから親しくなった知人の一人であり、いろいろと相談を聞いてくれる友人のメディアに言った。

 

「もう、可愛くて可愛くて仕方ないので御座います!」

 

 キャーっ、と満面の笑みを浮かべて。だが友人の顔は困惑の表情だった。

 

 おそらく、メディアがマシュを連れてベビールームにやって来たときになされていたキアラの授乳とかが原因なのだろう。

 

 もはやレイプのように行われていた授乳の時のマスターの念で発せられた『みぎゃーーーっ!!』というある種悲痛な叫びがマスターの無念さを表していた。

 

 けぷぅ、とげっぷと共にしくしくしくしく。

 

 というか、本来ならば微笑ましいはずの授乳でしくしく泣く赤ん坊。異常である。

 

 キアラにベビーベッドに寝かされつつも嘆くマスター。

 

『……100歳近く生きて、授乳……。ほ乳瓶でええやんかぁ……』

 

 何故か関西弁で嘆くマスターである。

 

「ま、まぁ、母乳の方が健康に良いと言いますから」

 

 そんなマスターをフィギュアサイズのマシュがマスターをなだめる。

 

 マシュはキアラの授乳を仕方ない事だと思っているようである。

 

 マシュはマスターの妻であり、また、二人の間に子供を考えていたのだ。残念ながら授かることは無かったが、いざという時に備えて彼女は育児に関する知識をかなりの量で調べて得ていた。それ故であろう。

 

「それは仕方が無いのです。普段はさほど出ないので搾乳器で絞ってもストック出来ないので御座います。授乳の時間が来ないと出ませんし、飲んで頂かねば張って痛いですし、授乳が終わるとお乳が出なくなりますので……」

 

 キアラはそう言いつつ頬に手を当てて困った顔をした。

 

「キアラさんは〈差し乳〉なのですね。意外です」

 

 マシュはふむふむ、とキアラのおっぱいを見つつ言う。

 

 差し乳とは、授乳期の女性のお乳の分泌のタイプの一つであり、授乳の際には母乳が出るがそれ以外では分泌が少ないタイプのおっぱいの事である。

 

 逆に、常にお乳が分泌し続けて溜まって行くタイプもあり、それを溜め乳とか溜まり乳と言うのである。

 

 どちらの体質が良いか悪いかは別として、そういう体質がある。

 

「授乳する時に、一気に分泌しますので足りないという事は無いのですが、吸っていただけないと辛いので御座います。というか、ほ乳瓶に移し替えるよりは直接が早いですし、愛情的にもそちらの方がいいと思うのですが……」

 

「うーん、キアラのお乳は一般的な差し乳では無い気はするけど、出ない訳じゃないし充分な量なら直接が手っ取り早いのはたしかね。マスター、ワガママは言わない事ね。授乳期の間は嫌がらずお飲みなさいな。赤ん坊なら当たり前の事なんだから」

 

 メディアはかつては子を持っていた事もあり、授乳に関しても経験がある。それに女性の体質的な悩みや育児の悩みもよくわかる。

 

『……粉ミルクで……』

 

「「「ダメ(です)!!」」」

 

 キアラとメディアとマシュにダメ押しされる。

 

「お乳の栄養には充分気遣っております!」

 

「母乳で胸が張ると痛いんだからっ!それにお乳が出るなら粉ミルクなんて必要ないわっ!!」

 

「きちんと吸ってあげないと辛そうです!」

 

 何だろう、これではマスターが一方的に悪いような感じである。しかし羞恥心もあるのだ。中身が老人なのだ。喜んでおっぱいに吸い付いたら変態だと思われかねないのだ。これでもカルデアのマスターなのだ。体裁というものがあるのだ。

 

『うううっ、俺は……老人なんだよ?中身。おっぱい飲むって、なんかやっぱり抵抗あるんだよ。想像してみてよ。よぼよぼのお爺さんがおっぱいに吸い付いてる所を。なんか変態的じゃないか?』

 

 だが、そんなマスターに大きな声で叱るように言う、マッチョメンが現れた。

 

「だらしねぇなぁ!」

 

 と、筋肉ムキムキ、ドリル状の大剣カラドボルグを担ぎ、堂々と女三人と赤ん坊一人の部屋に入って来る男。

 

 フェルグスの兄貴である。

 

 そしてフェルグスは大きな声で断言する。

 

「マスター。男はなぁ、女の乳吸ってなんぼだっ!!」

 

 どぉぉぉん!!と、効果音が聞こえそうなほどに胸を張り、力説する。

 

「良いかぁ、赤ん坊の時から男って生き物は女の乳に生かされ、そして女の胸に帰るもんだ。時には女の尻を追いかける時もあるが、抱き合うときは正面と正面だ。つまり、おっぱいから男は離れてはいけない!!間違うんじゃねぇ、おっぱい吸うのに年齢なんざ関係無い!!いいじゃないか、おっぱい。というわけで、どぉれこの中で俺におっぱいを吸わせてくれる……」

 

 女はいないか?とフェルグスが言おうとしたその時、キアラのエクストラアタックが無情にもフェルグスに襲いかかる。

 

「応供・四顛倒!」

 

 ずどーーん!ずどーーん!!

 

 強烈な気を込めた打撃がフェルグスを部屋から文字通り叩き出した。

 

 殺生院キアラは格闘技や体術においても達人クラスであり、その技の入りは例え歴戦の勇者であるフェルグスでさえも見切れず、一瞬の隙に数発重いのを入れられ吹き飛ばされた。

 

 フェルグス轟沈。

 

「おととい来やがりませ」

 

 キアラは何事も無かったかのように、静かに無表情でドアを閉めて、また部屋の中へと戻った。

 

「……そう、赤ちゃんなのですからおっぱいで育つのは道理で御座います。医学的に考えてもそれ以外の栄養源は無いので御座いますし、何より私が吸って頂けねばおっぱいが張って痛いのですし。ここは目を瞑って甘受して下さいまし……と、皆様どうなさいました?」

 

「「……いえ、ナンデモナイデスヨ?」」

 

(そう言えばキアラってめちゃくちゃ強かったんだ……)

 

 メディアとマシュは久々に見たキアラの強さにゾーッと顔を青ざめさせていた。キアラも伊達や酔狂でラスボスは張っていなかったのだ。その強さは今も現在である。

 

『……容赦無さ過ぎだ、キアラ。というかフェルグスの兄貴は何しに来たんだ?』

 

「さぁ?まぁ、そのような事はどうでもよろしいです。とにかくママのおっぱいは栄養!わかりましたね?マスター」

 

 キアラはマスターにそう言いつつも、内心ニンマリとほくそ笑んでいた。

 

 そう、おっぱいから突破口を開き、マスターから甘えさせるように持って行こうとキアラは思っているのだ。

 

 マスターを自らの手の平にしっかりと捕まえ、そして甘々のママ生活を送る。そのために、今から教育を施して行く。

 

 ママ菩薩となっても殺生院キアラの本性はさほど変わらない。愛する我が子を第一にしつつ、その我が子を絡め取って離れられないように。

 

 魔性ママ菩薩。

 

 その恐ろしさをまだマスターは知らないのであった。

 

……とはいえ、マスターが果たして気づくかどうかはまだ別の話であり、多分、平常のまま過ごして平々凡々としているのに違いないような気もするのだが。

 

 





 マーリンに続き、フェルグスの兄貴まで轟沈させられたわけですが、ランサーさん、ここで一言。

「……歪みねぇな!」

 ビリーの兄貴は天国の神様の所までパンツを取りに行ったんだと私は思っております。ご冥福をお祈りします。ビリーの兄貴が亡くなったのはショックでした。

 来日の時に見に行ったんですよ、私。そっちの趣味は私にはありませんが。

 
 
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