フェイト~キアラがママっ?!   作:罪袋伝吉

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 立香たん、着ぐるみ撮影会。ヌードもあるでよ?(赤ん坊だが)。

 


撮影とご開帳。

 さて、着ぐるみベビー服の撮影にはお馴染みゲオルギウス先生と百貌のハサンが来ていた。

 

 周りはギャラリーが集まり、その中には今まで面会禁止だった面々まで来ている。

 ジルドレ(キャスター)やらなんか最近見なかったメフィストフェレス、ネロにエリちゃんに、オペラ座の怪人、エリザベートなどなど、もはやまるで見世物のようである。

 

「フォウ、フォウ、フォウ!」

 

 フォウさんは立香のベビーベッドの上まで来て、なにか嬉しそうだが、しかし立香はとても赤ん坊とは思えぬ、この世の苦痛と恥辱を体現するかのような表情を浮かべていた。

 

 クマたん着ぐるみベビー服。

 

 100歳超えて、クマたん着ぐるみ。

 

「……あんたはまだ良いぜ、マスター。それを脱げば人間の赤ん坊なんだから。俺なんざ英霊ん座に還えるまで、このみょうちきりんなクマなんだぜ?」

 

 まさかオリオンに諭される日が来ようとは思わなかった立香だったが、だからといってそれでこの恥ずかしい格好がマシになるでもない。

 

『……ええ歳して、クマたん着ぐるみは無いと思うんだ、俺』

 

「それ、オレに喧嘩売ってる?つかわからなくもないけど!」

 

 そんなやりとりをしているが、ゲオルギウス先生はバシャバシャとカメラのシャッターを切り続けている。

 

「はい、マスターとオリオン、こっちを見て笑って下さい。ああ、フォウさんも良い感じです。ええ」

 

 フォウさんはなんかノリノリである。

 

 仕事なんや仕方ないとマスターは無理矢理笑った。オリオンも笑った。ああ、俺達頑張ってるよな、となんとなく立香とオリオンは分かり合えた気がちょっとだけしたが、

 

「あ、用意が出来たそうです!お母さん入りまーす!」

 

 百貌のハサンの人格の一人がそう言い、キアラがノリノリで入って来る。キアラの格好はクマたんのフードの付いた、着ぐるみというよりは、パーカーに近い格好だった。胸の所にクマたんの刺繍がしてあり、クマたん着ぐるみベビー服を着た赤ちゃんと合わせて母親用にデザインされたものだろう。

 

「はい~、次はお母さんと赤ちゃんの撮影です、キアラさん、マスターを抱っこして~!」

 

 パタパタパタ、とキアラがベビーベッドにきた。

 

『……フード以外は普通だよなぁ、それ』

 

「ええ、フードは普通のフードとクマたんのと、ジッパーで付け替えれるようになってますわ」

 

『……こっちの着ぐるみベビー服は頭のとこ、外せないのにな』

 

「赤ちゃん用だと、ジッパーやマジックテープで取り外し式にすると、首の所がすれてしまうんでござる。それは仕方ないでござるよマスター」

 

 黒髭が苦笑しつつそう言い、いろいろ考えたんだけどね~これが解決案出なかったのよ、とうーん、と唸る。

 

『……まぁ、デリケートだからな、赤ちゃんの肌は』

 

 立香も肌がすれたりするのはやはり無い方が良いかと思う、というかリアル赤ちゃんなので実感している。

 

 結構不快というか辛いときあるからなぁ、とかそんな事を思っている間にすっとキアラが立香をベビーベッドから出して抱っこしてきた。

 キアラの抱っこは危うげな所が無く不安感が全くしない。というか立香を産んでから得たスキルのせいだろうか。むしろ立香が安心してしまう程に自然だった。

 

「ああ、良いですね。とても様になっています。そのまま、そのままです」

 

 バシャっ、バシャっ、とゲオルギウス先生がまたシャッターを切る。

 

 こうして見ると殺生院キアラはまるで聖母の如く見える。というか何か後光でも放っているかのように美しく見える。クマたんフードを被っているのに。

 

「うん、とても良い。記念に写真を引き伸ばして飾りましょうかね。はい、マスター、もっと笑って下さいね」

 

 しかし、立香とすればそんな写真残されたら、しかも飾られたりなんかしたら、黒歴史を見さされ続けるじゃないか?!と思った。

 

『ゲオルギウス先生、飾らなくて良いです。ええ、そりゃあもう』

 

「はぁ、とても微笑ましいのに』

 

 なおもゲオルギウスはバシャっ、バシャっ。

 

「はい、次は抱っこベルトを付けます。キアラさん、ちょっとマスターを抱え上げて下さい」

 

 キアラが立香の脇を両手でもってたかいたかいの姿勢を取ると、百貌のハサンが綿のクッションの入った布製の、赤ん坊を抱っこする為の器具をキアラに取り付けていく。

 

「はい、マスターの足をここに通して取り付け完了です。ええっと、マスター苦しく無いですか?」

 

『ああ、大丈夫だが、こんなモンまでラインナップに入んのか?』

 

「ええ、トータルファッションとして統一できるベビー用品がコンセプト……だそうで。ええっと、発案はコロンブスさんで、黒髭さん他、様々な英霊がデザインと制作をなさってますね。ああ、メディアさんの守りのルーンの意匠も取り入れてあります」

 

 百貌のハサンは抱っこベルトをチェックし、問題が無いことを確認すると、また離れて行った。

 

『……コロンブスが、ねぇ。やっぱり売れると踏んだんだろうなぁ。全く、抜け目が無いなぁ』

 

 転んでもコロンブスただでは起きず、儲け話を掴んで走り出す。

 

(まぁ、その商魂のおかげもあって初期のカルデア商会も何度か助けられた時もあったんだけどなぁ)

 

 コロンブスも悪いことばかりをしていたわけではない。カルデア商会を立香が立ち上げた頃には彼の金儲けに関する嗅覚で資金難を逃れたり、ヒット商品を売り出せたりした事もあった。

 ただ、コロンブスが見つけてきた儲け話の大半は大抵がトラブルだらけだったのは推して知るべし。

 

「はいはーい、マスター、笑って下さ~い!」

 

 いかんいかん、と立香は努めて笑顔を作る。

 

『とは言え、笑顔も疲れるんだよ?赤ん坊には』

 

 そう言いつつ、スマイルスマイル。

 

 バシャッ!バシャッ!カメラのシャッター音は鳴り止まない。

 

 まだまだ、撮影は続く。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 ようやく休憩である。抱っこベルトを外されキアラの腕に抱えられつつ立香はようやく息をついた。

 

 抱っこベルトは快適だったものの、やはり撮影と言うのは疲れるものだと立香は思った。それに撮影用の照明は熱く、立香は汗をかいており、それをやや不快に思った。

 

「は~いマスターちゃん、着替えましょうねぇ?汗かいてちょっと気持ち悪くなっちゃったものねぇ?」

 

 キアラがそのスキル【清らかなる児衣〈コス・チェンジ〉】で、立香が汗をかいて不快になっていることを察知し、甘々な口調でそう言う。

 

 【清らかなる児衣〈コス・チェンジ〉】とは、やはりキアラが出産後に得たスキルである。

 マスターの服の着替え時期を察知し、そして強制的に着替えさせられるというママスキルである。

 また、オムツが汚れたタイミングもバッチリ解るという、世のママさん達垂涎のスキルであるが、マスターにとっては、時として辱めとなったりする事もある。

 

「はい、キアラさん、これが次の撮影用のベビー服です!」

  

 百貌のハサンがタイミング良くベビー服をキアラに渡し、そして新商品の赤ちゃんマット(床に敷いたり出来る、ふわふわのスポンジとモコモコの毛布状の抗菌繊維のついた肌触りの良いマット。クマたんの絵付き)を床に敷き、

 

「どうぞっ!それも撮影しますので!」

 

 と、ニコニコ顔で言った。

 

 キアラはにっこりと笑うと、そっと立香をそこに寝かせた。

 

 やはり、カメラのシャッター音が響く中、

 

「はーい、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ?」

 

 キアラは手をワキワキさせつつ、

 

『やめっ、ヤメロォーっ!』

 

 さっと黒髭が着ぐるみベビー服の脱がせ方を説明する。

 

「拙者の作ったクマたん着ぐるみベビー服は着替えも楽々!襟元のリボンについたボタンを外して」

 

 プチっ。←キアラがクマたんの飾りリボンのスナップボタンをはずす。

 

「クマたんのお腹の白い所の柔らかマイクロマジックテープをぺりぺりっと剥がして」

 

 ぺりぺりぺりっ。←キアラがマジックテープをさささっと剥がす。

 

「おててとあんよを出したら、ほーら脱ぎ脱ぎ完了ですぞぉ?」

 

 すぽっ。←キアラが手と足を抜き、いとも容易く脱がされオムツ姿にされる立香。

 

「ほーら、ぱっ、ぱっ、ぱっ、のスリーステップでいとも容易く脱がせることができるんですお?」

 

『い~やぁぁぁっ、どんだけ楽々に脱がせてんだよぉぉっ?!』

 

「はいはい、オムツの中も蒸れちゃったわねぇ?」

 

 キアラがいつの間にか取り出したシッカロールのポンポンを手に持ち、オムツのサイドギャザーに手をかける。

 

 周りの見学に来ている群衆(サーヴァント達)が周囲に集まり、そして。

 

 ぺりぺりぺりっ!とオムツがキアラの手によって剥ぎ取られた。

 

「御開帳~っ!」

 

 露わになる、マスターの前しっぽ。

 

「「「キャーーーーッ!!」」」とか、「「「かーわいい!!」」」とか、「「「ちっちゃい!」」

 

 などという女性サーヴァント達の黄色い声や、

 

「「「おおおおお~っ」」」とか、「「「これはこれは!!」」」とか、「「「お家も安泰ですな!!」」」

 

 などという男性サーヴァント達の声が巻き起こる。

 

 中には、「宝具・マスター前しっぽ!!」などというワケの解らない声もあったが。

 

『い~やぁ~っ!!やめて見ないで、つか摘まむなぁ~っ!!』

 

 キアラが前しっぽを指で優しく摘まみ、シッカロールをポンポンしていく。

 

「摘ままないとシッカロールを満遍なくポンポン出来ませんし?うふふふふ、ほぉら、可愛いたまたまもこれこの通り、股の間もキチンとパフパフと!」

 

『公衆の面前で、俺の股を開くなぁぁぁっ!あとたまたまをサワサワするなぁぁぁっ!!』

 

「ほ~ら御開帳~っ。大丈夫で御座いますわ?これは汗疹にならないための大切なケアです。ですよね?ナイチンゲールさん」

 

 ぐっ!と何故かナイチンゲールがサムズアップして微笑んでいた。婦長さん御墨付きの手際の良さでキアラはシッカロールを立香にはたいて行く。

 

 公衆の面前で、御開帳シッカロール。前しっぽやらたまたままで、みんなに見られて汗疹ケア。

 

『…………しくしくしくしく』

 

 もはや陵辱を受けたが如く、立香は泣くしか出来なかったが。

 

 その間中、サーヴァント達はデジタルカメラやビデオカメラをずっと撮り続けていたとさ。

 

 




 みんなに見られちゃったよ、立香たんの前しっぽ。

 頑張れマスター、負けるな立香たん。

 大丈夫、大人になったらおっきくなるさ。

 キアラさんに狙われるかも知れないけど!(危険)
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