フェイト~キアラがママっ?!   作:罪袋伝吉

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リヴォルヴァーじゃないよ?ペッパーボックスだよ?

いえ、ナイチンゲールさんの使っている銃をよく見てみたらペッパーボックスかな、と。

しかしナイチンゲールさん相手だとなかなかギャグを入れられないなー、と。

誤字脱字、キャラ崩壊、あとキャラの口調などおかしい部分もありますが、ノリで書いてますので間違っている事もあります。ご了承下さいm(__)m


ペッパーボックス・ナイチンゲール

 さて、時間はマスターがキアラのお腹の中で目覚める約8ヵ月ほど前に遡る。つまり、マスターがアミデュられたすぐ後、キアラに吸い込まれてその胎内に着床した直後のことである。

 

 マスターの叫び声を聞いていち早くフローレンス・ナイチンゲールはマスターの部屋に到着した。

 

 彼女はマスターの介護についての話があると言われてパラケルススに呼ばれ、そしてパラケルススが悪の計略に加担しているとも夢にも思わずに延々とその話を聞いていたのだが、しかし患者の声ならばたとえ数十キロ離れていても聞き取る地獄耳を持つ彼女である。

 

 ナースコールなど鳴らずともマスターの叫び声を聞きつけマッハの速度で突っ走り、マスターの部屋へと向かう最中の他のサーヴァント達をバーサーカーのパゥワーで吹き飛ばし、ついでにマスターの部屋のドアもぶち破って到着したのである。

 

 誠に彼女は看護士の鑑であろう。というよりナースオブザナース、看護士の母とも言われるフローレンス・ナイチンゲール女史にとってはそれは当然の事である。

 

 そして、状況をいち早く見てマスターの姿がベッドから消えていること、そしてマーリンや他のサーヴァント、さらにはそこに殺生院キアラがいたことを確認すると、大声で「フリーズ!!」と叫ぶように言って、おそらくはこの事態の元凶であろうマーリンの額に彼女は凶悪な銃である『ペッパーボックス』を突きつけた。

  

 病巣を確実に見抜く彼女である。その判断は概ね正しい。下手な医師などよりも確実的確、そして正確であった。まぁ、マーリンがいたならば悪いのはマーリンであるのは誰の目にも明らかだとカルデアの英霊達は大抵思っているわけなのだが。

 

 さて、彼女の持つ『ペッパーボックス』はリヴォルヴァー式の拳銃の前身のような銃であり、その銃身はリヴォルヴァー式のシリンダーをそのまま伸ばしたような、前から見ればレンコンの断面図のような形をしている。またその形状から胡椒を挽くミルに似ているためにその名がある。

 

 この銃の凶悪なところはその銃の弾の口径でも威力でも無い。彼女が『治療』をしている場面を見た事がある方ならわかると思うが、彼女はこの銃を高速で連射している。だが、本来このペッパーボックスは構造上あのように連射出来る銃ではない。単発式なのである。

 

 しかしこの型の拳銃には構造上の欠陥があった。

 

 その欠陥とは、一発撃ったらその火薬の火が他の弾倉に飛び火して暴発しかねないというものである。

  

 幸いな事にリヴォルヴァー式とは違い、弾倉と銃身が一体となった多銃身であり、暴発しても銃が吹き飛んだりせず弾が一度に全部飛んでいくだけなのである。

 

 そう、あのチュチュチュチューン!!とぶちかまされ速射される銃弾の正体はチェーンファイアと呼ばれる暴発であり、彼女はワザとチェーンファイアさせて敵……いや、『病巣』にぶちかまし早く的確に『施術』しているのである。もしくは『殺菌』とも言うが。

 

 なんともバーサーカーらしいというか、彼女がバーサーカーである由縁というのかバーサーカーだからそうなってるというのか。

 

 そんな危険な『治療道具』を突きつけられてはさしものマーリンとは言えたまらない。

 

 両手を上げて「待ちたまえ、話を聞きたまえ!!」と言うしか出来はしない。

 

 だが、彼女はぐっと『ペッパーボックス』をマーリンの額に押し付け、冷ややかに言った。

 

「マスターをどこへやったのです?雑菌、いえ癌細胞」

 

 ナイチンゲールは冷静に冷徹に怒りを込めて、あの伝説の魔術師を癌細胞呼ばわりした。

 

 ある意味正しいようにも思えるが、彼の起こして来た散々な災いにもかのアーサー王、いやアルトリア・ペントラゴンですら何も言えなかったというのに、彼女はお構いなしである。

 

「いや、雑菌って酷くないか?!というか癌っ?!」

 

 無駄口を開くなとばかりに銃身をぐりっ。

 

 ナイチンゲールは非情に冷酷に絶対零度の眼差しで銃口を押し付け、さらに左手でもう一丁ペッパーボックスを素早く、しかし静かに取り出すとマーリンのこめかみにもそれを押しつけた。

 

「雑菌は殺菌・滅菌せねばなりませんがー、しかしマスターはどこですか?」

 

 『菌』であると認定したならば如何なるものでも彼女にとっては排除対象である。それをしないのは肝心のマスターの行方がわからないからだけなのである。

 

「だからマスター君を死なせないために僕は来たんだよ、本当だ!これはあんまりじゃないか?!」

 

「だとしても、マスターのお姿がありません。マスターはどこですか?」

 

 ぐりぐりぐり。

 

「待ちなさい、フローレンス女史、それは私が説明しましよう!」

 

 と、彼女を追いかけてやっとこさ来たパラケルススが息を切らせながら慌てて彼女にそう言ったが。

 

 ヂャキッ!

 

 パラケルススにも、凶銃が向けられた。

 

 迷いなく、パパパパパパン!!一斉に暴発する『ペッパーボックス』。

 

「ひぃぃっ?!」

 

 いち早く入り口から壁に引っ込んだが、それが遅れていたならばパラケルススは蜂の巣になっていただろう。

 

 医者に対してですらこうである。そこに痺れるあこがれる!!だがナイチンゲールのいる病院には入院したくない!!

 

「こ、ここは野戦病院じゃありませんよ!?というかなんて事するんです?!」

 

「意味のない介護カンファレンスで私を引き止めて、何を企んでいたのですか?マスターをどこにやったのです、ドクターパラケルスス!!」

 

 マーリンを素早く銃のグリップでぶん殴って物理的に気絶(スタン)させると、ずか、ずか、ずか、と下手って座り込んでしまったパラケルススの元に歩いて行き、その首根っこを掴んでナイチンゲールは吊し上げた。

 

「ぐっ、マスターはそこに、ほら、キアラのお腹の中です……。もう一度、赤子として彼を再生させるという方法で寿命を一気に長らえさせるという処置をですね……」

 

「…………」

 

 ナイチンゲールはキアラの方を見ると、パラケルススを掴む手を離した。

 

「……マスターが、あなたのお腹に?」

 

 キアラはナイチンゲールの冷たい視線にも動じず笑って頷き

 

「ええ、マスターは確かにこの私のお腹の中に。今、私の術式で無事着床した所です」

 

 と、その腹を愛おしそうに撫でさすった。

 

「……なるほど。確かにマスターが殺害されたり亡くなったならば我々も存在出来ず英霊の座に還らざるを得ないですから確かに。冷静になれば生きているのは確かですね。とはいえ、マスターを赤子としたとして、その人格は?記憶は?一体どうなるのですか?」

 

「と、いうかそれは僕も聞きたいね。何か久々にすごい騒ぎが起こっているなと来てみたら、これはどういう事だい?」

 

 入り口から白衣を来たドクターロマ二が入って来て少し間延びしつつもやや緊張感ある声で言った。

 

 ドクターロマニは現在はサーヴァントになっている。それもかなりの強さのサーヴァントであり、その正体を隠しながら昔同様にこのカルデアの医療責任者兼所長代理を勤めている。

 

 なお、現在の彼は名をロマニ・アーキマン三世と名乗っており、戸籍上はロマニ・アーキマンの孫という事になっている。これは老いることの無いサーヴァントの彼が人間のカルデア職員達に自分がサーヴァントである事を隠すためである。

 

 非常に面倒だと本人は思っているが、正体を知られるわけにはいかないので仕方なくそうしているのである。

 

 もっとも、カルデアの英霊達はその正体を皆知っていた。

 

「ソロモン……!」

 

 そう、このドクターロマンの正体はソロモン王である。彼の本体は消滅したが、こうしてサーヴァントとして顕現し、またカルデアで働いているのである。

 

 とはいえ、昔のままのソロモンではない。サーヴァントとしてのソロモンは英霊としての存在も何もかも消滅させてしまった。

 

 だが彼は約10年の間、聖杯に願って人間となっていた。その期間、彼の存在は当時の世界の記憶に刻まれていた。

 

 今の彼はそのロマニ・アーキマンという存在のイフ、つまりは世界の可能性によって残された、ロマニ・アーキマンになったソロモンという立ち位置で顕現した英霊である。

 

 なにが厄介かと言えば、限定的だがソロモン王の力を使える点である。何しろ消滅した指輪も全て彼の手に戻ってしまっているのだから。

 

 さらに性格は全くのドクターロマンである。ダ・ヴィンチちゃんに『うわぁ……』と眉をひそめて白い目で見られたぐらいなのである。

 

「イヤだなぁ、ロマンって呼んでくれよ。というかだいたい見れば分かっちゃったけど……。なるほどそこに気絶しているヒキコのロクデナシ魔術師の差し金かぁ」

 

 気絶しているマーリンを見据えて、はぁーっと溜め息を吐く。

 

「で、どうなの。まぁ、マーリンの事だからかなり前から企んでたんだろうけど。その術式だと、マスターの記憶や人格は保たれるんだよね?」

 

 キアラは頷いた。

 

「もちろんでございます。ただ、赤子として再生するだけでマスターはマスターのままでございます。ただ私の中に宿った際に多少、いろいろと強化されてしまう所もありますが人の範疇からは逸脱はいたしませんわ」

 

「……君の言う『人』って言うのがとても気になる所だけど、君はあの『マスター君』が好きだったからね。変質変容した『マスター君』を望んでいないだろうから、その辺は……まぁ、大丈夫かな」

 

 ロマンはあっけらかんとして楽観的に言った。キアラという女は善性を誰なのかわからないが何者かにより消去されてしまっていた。マスターと接した年月の間にかなり取り戻しているようだが、そのせいなのか元々なのか『人は我一人』という思想を持ち、他の人間は『塵芥である』と思っていたらしい。いや、今でもそう思っているのかも知れない辺りがやたらと物騒ではあるのだ。

 

「無論、皆様『人』でございます。私とてアルターエゴとして顕現した身。その辺はわきまえてございますわ?」

 

 どうやらサーヴァントになったから多少は思想が変化したらしい。

 

「精神等に変化は起きないように慎重に子宮の状態は調整しております。それに流産やその他から守る術式やストレス回避の為の精神安定の術式等も完備しておりますわ」

 

「……では、マスターは死ななくても良い、そう判断していいのでしょうか?」

 

 ナイチンゲールはいつの間にか銃をしまってキアラの股間をじーっと見ていた。

 

「はい、細胞レベルで若返る事になりますので、また上手く行けば100年は生きるかと……」

 

 ナイチンゲールはふむ、と頷くと何やらポシェットから取り出すと、キアラに渡した。

 

「妊娠検査薬です。まだ出ないかも知れませんが何個か後で用意しておきますので。あと、胎内の状態の検査等をしなければなりません。あなたの食事等の栄養チェック、体調管理も今日から始めましょう。とりあえず……」

 

 ナイチンゲールはまくしたてるようにそう言いつつ、キアラに向かって手を差し伸べた。

 

「床に座ったままでは、腰が冷えます。早く立ちなさい。あと、パンツも履いて、服も露出の無いきちんとしたものに着替えなさい」

 

 相手が妊娠したと解るや否や、テキパキ。婦長さんはやはり婦長さんなのである。

 

 そうして、キアラはナイチンゲール主導の元、手厚く妊婦として扱われる事となったのである。

 

 なお、医者達ガン無視である。

 

 ちなみにアンデルセンとシェイクスピアはとっくに逃げて自分達の部屋に退散していた。

 

 後に元三女神同盟な三柱やマスター大好きママ第一号さん、清姫さん、その他女性サーヴァントの皆様による制裁が下ったようであるが、その後の彼らがどうなったのかは誰も知らない。

 




 ナースというと。

 ワイルダー星人かな、と。

 次回、出産だよキアラさん!(嘘)

 まだ考えてません。
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