Re:2人で始める素晴らしくも険しい異世界生活に祝福を! 作:キリンビールR
この話はリゼロ成分薄いです
あとカズマさんは書籍の方の設定です
俺は今どこかも分からない街中にいた。
何故こうなったのか、理由は分かっていてもあまりに理不尽な出来事に取り敢えず叫びたかった。
「こんのクソったりゃあぁァァァァ‼」
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時は数時間前に遡る。
今日も昼まで惰眠を貪り、ダラダラし、飲みに行くという平穏な日常を送るつもりだった。
だが、そんな俺の素敵で平和な日常は、朝早くに壊された
「クエストを受けに行くぞ!」
「何だまた藪から棒に」
「何だとは何だ。本来冒険者とは、街周辺のモンスターを倒し、治安維持を行うべき職なのだ。それがお前ときたら!金があるからと毎日のようにダラダラダラダラ!」
これもまだ日常の範囲内だった。こうやってダクネスが俺をクエストに行かせようとして、それを俺が断ろうとちょっとした戦いになるのは最近じゃよくあることだ。ちなみに今のところは全戦全勝の負けなしだ
「だから何度も言ってるだろう?俺はもう危ない事をせず、弱いなりに安全な場所でブルジョアで優雅な生活を送るって」
「なにが弱いだ、いつもは魔王軍の幹部を倒したと自慢し回っているくせに、いいからさっさと起きろ!」
こいつも学習しないやつだ。ダクネスが布団を俺から取り上げようとしてくるので、そっと首筋に手を伸ばし
「『フリーズ』」
「ひゃうぅぅぅん‼」
「プークスクス、ララティーナお嬢様ってば「ひゃうぅぅぅん‼」ってば可愛い声出してちゃってー、可愛いですよーララティーナお嬢様ー」
「貴様ァ、ブッ殺してやる!」
「ぐえっ、この、お前力ずくとか卑怯だぞ!自分より弱いものを力で抑えつけて、貴族として恥ずかしくないのか!」
「何を今更!普段からお前なんか簡単に倒せるとか言っているのはどの口だ!」
ダクネスが力ずくて組み伏せようとしてくるため、俺はいつもの如くダクネスの手を掴み
「くっそ、『ドレインタッチ』!」
「ッ!ーーフッ、もう体力を吸われるのには慣れた!吸われきるより先にお前を組み伏せてやる!」
無駄に変な耐性つけやがってこのやろう、そんな耐性つける前に攻撃スキルの1つでも取れってんだ!
「な、ぐえっ、悪かった、俺が悪かったから、すみませんでした!許してくださいララティーナお嬢様ァ!」
「ふぅ、やっとその気になったか!ならさっさとベッドから出て着替えろ」
ふっ、だからお前はいつまでたってもチョロネスなんだよ!俺は着替えを取りに立ったフリをして特注のミスリル製のワイヤーを手に取り
「誰がいつ行くっていった?『バインド』!」
「な、まだ抵抗するつもりか!この男は!」
「はっ、あまいな、この程度で俺が諦めるとでも思ったのか?」
「っ、……なぁ、そんなにクエストを受けるのが嫌なのか?」
「な、なんだよ、そんな目で見たって俺は行かねぇぞ!」
どうせ演技だろ?その手には引っかからねぇぞ!
「……そうか、そうだな、悪かった…」
「っ、やけに物分りがいいじゃねぇか」
バインドで縛られたまま戻っていくダクネスの姿は少々おかしかったが、寂しそうに見えた。
なんだよ、俺が悪いのか?俺が悪いってのか!?
……………うん、客観的にみたら悪者は俺だ。なかなかにクズだな、俺。
くそっ、コイツわかってやってやがんのか?
あー、もう
「しょうがねぇなぁ!」
「行く気になったか!」
やっぱりこいつはわざとやっている気がする。まあ釈然としないけどしょうがない。たまには体を動かして終える1日も悪くないしな。いってやるか
と、そんなこんなで外に出た俺達だが、少し用事があったため少しウィズの店に寄らせてもらった。
ウィズの店に入ると
「いらっしゃいませ!普段は男女平等を掲げ悪態をつくが女の涙を見ると折れてしまう小心者の男よ!」
「べ、別に折れてなんかねぇし?!」
扉を開けた途端いつもの用に、人を真っ向から煽りにきては、その時に生み出される悪感情を美味とする悪魔、バニルが接客してきた。
何か、いつもより店が狭く感じるような…
いや、明らかに狭い。つーか
「何だこれ」
そこには、店の天井まで届きそうな程大きな、某ネコ型ロボットがポケットから出しそうなピンク色のドア、のようなものがあった。
「いらっしゃいませ。あ、それはですねカズマさん、なんと、異世界に行けるという扉です!」
「異世界?とはなんですか?」
「異世界と言うのはですね…」
めぐみんと一緒に、アクアとダクネスも興味を示しだしてウィズに色々と聞き始めた
「異世界って、ほんとにそんなことが可能なのか?」
「ふむ、確かに稼働しているところを見たことがなければ、誰かが扉を開けたところを見たことがあるわけでもない。だが説明書にはこう書いてある。どこでも異世界ドア。使い方は簡単行きたい異世界を想像して扉を開けるだけ、とな」
「説明書なんてあるのかよ、第一行きたい異世界を想像って、そんなん、異世界を知っているやつしか使えないじゃないか」
「そうだな、だからこそ製作が可能だった、と言えるのかもしれんな。あのポンコツ店主が言うには、あれは神器によって産みだされ、また、あれ自身神器クラスの魔道具なのだとな。聖なる力を帯びているためこの吾輩にも見通せぬのだが。可能性が無いとは言い切れん。異世界に行ける扉、という胡散臭いものを持ってきたときは、また焦げ店主にしてやろうかとも思ったが、本当に神器によって産みだされたものなのだとしたら、もしかしたらもしかするかもしれぬぞ、
「ほう、て言うことはあれか、これがあれば我が安住の地、日本に⁉」
「そうはやるでない。我輩は可能性が無いわけではないと言っただけだ。どうやっても稼働せず、扉を通ったところで何も変化はなく、ただの扉でした、というオチもあれば、稼働はしたが十全に機能が発動されず、運悪く空間の狭間に落ち、そこで永劫の時を過ごすことになることだってあり得よう」
「う、使うにはリスクが高すぎるか。というか、こんなものどこで見つけてきたんだ?」
「それはですね、紅魔の里で譲り受けたんですよ」
「紅魔の里に?前行ったときはそんなもの聞かなかったけどな」
「はい、私も里にそのような物があるとは一度も聞いたことがありません」
「以前、シルビアさんが紅魔の里に攻めいったときがありましたよね?その際に封印を解かれた謎施設の中にあったようでして。いつも贔屓にして頂いてる魔道具職人の方の、家の壊れた扉と取り替えてみたらしいんです。ですが押しても引いても開かないので外そうとしたところ、そこで説明書が見つかり、凄そうなので私に譲ってくださると」
つまりゴミを押し付けられただけでは?
「だがしかし、いつもなら開かずの扉なんて喜びそうなものなのにな。あそこの連中」
「里の皆さんは開けようと試したあとだったようです。商業効果も見込めなさそうと言っていましたから」
試してはいるんだな…。まあ確かに、この世界の住人に異世界、なんて言ってもさっきのめぐみんたちのような反応が返ってきて終わるだろう。ってやっぱりゴミを押し付けられただけじゃねぇか
「カズマさん、カズマさーん、それの説明書なんだけどね?後半の文字は日本語っぽいわよ?」
まじでか、そういえば紅魔族は例の転生者によって造られた一族だったな。その里にあった神器製の魔道具だ、この扉もあいつが造ったものであるのが道理だな
「どれ、見せてみろ」
その内容は、前に見た書記のように、製作中を記録したようなものだった。そしてその文面を見て確信した。やはりあいつだ。内容は省くが
要約するとこうだ
・魔力を流しながら行きたい異世界を想像し、ノブを回せば扉は開く
・異世界への転移は天界の規制だかなんだかで失敗に終わった
使い方はさっき聞いた通りだが。失敗したことは日本語でしか書いてないようだ。
「ふーん、魔力を流しながら想像すればいいのね?」
「アクアは異世界というものを知っているのですか?」
「もちろんよ。なんてったって私は女神なんだからね。女神からすれば余裕よ、余裕」
こいつさては説明書の最初の方だけを読んで理解した気になってすぐ動かそうとするタイプだな?まずい、止めなければ。こいつがこういうことをするときは大抵いい事にならん!
「馬鹿、お前やめろ、それは使えねぇんだよ無理に使おうとすんな!またやっかい事起こす気か!」
「ふふん、カズマってばそうやってまた独り占めする気ね?そうはさせないわ!先に日本に行くのは私なんだから!そこでアクシズ教を広めて私を敬い崇めてもらうんだから!」
「あ、ズルいですよ!2人だけ異世界に行こうとして!こうなったら私も最高の異世界を想像して先に!」
異世界を想像って、めぐみんのやつなんか勘違いしてないか!?
「ば、お前らほんとにやめろ!ドアを開こうとすんな!魔力も流すな!」
アクアとめぐみんが魔力を流し開こうとノブを掴み引こうとする。
なんとしても阻止する!そう思いを決めドアを思いきり押すと
開いた、開いてしまった
「押戸かよぉぉぉ!」
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そして今に至る。
短くてすいません
思ったより難しかったんです!はい!すみませんでした!
あと、ダクネスが少しキャラ崩壊していたかもしれません。すいません