Re:2人で始める素晴らしくも険しい異世界生活に祝福を!   作:キリンビールR

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第2話 この心優しい少女に救済を!

 スバルside

 

「そこまでよ!悪党!」

 

 透き通るような声だった、然程大きい声ではないのに、しっかりと芯まで届くような、強い意思の籠った美しい声。

 その声の主だと主張するような強い意思を込めた目でこちらを見る少女は、声に違わない美しい少女だった。

 その意思が自分への敵意だとしても、見惚れてしまうような美しい少女。

 菜月 昴はその時、まるで時が止まっているかのような感覚に陥った。

 

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 カズマside

 

 な、なんだ?悪党?誰が?俺か?いやいやいや、悪いことなんて俺は何もしてない。なら俺は違うな、うん

 チラッ

 

 気絶したチンピラ達

 

 いやいやいやいや、違うからね?あれは正当防衛と言うやつであって何も悪いことではない!だから俺じゃない!

 

「あなた達よ!盗んだものを返しなさい!」

「違うんだこれは!正当防衛と言うやつで!って、、え?このチンピラ達のことについて怒ってたんじゃないの?」

 

 盗んだものってなんだよ、俺こっちの世界では盗みなんて働いてないぞ?

 

「?そこに倒れてる人達の事は知らないわ、それより盗んだものを返して!あれは大事な物なの!」

「俺じゃないですよ?それ、誰かと間違えてませんか?…はっ、まさか、お前が?!」

「いや、俺も違いますよ?!ものを盗むなんて度胸俺にはないって!」

 

 こいつも違うならやっぱり人違いか何かだろう

 

「シラを切ろうとしても無駄よ!この路地に入っていくのは見たわ!あなた達が黒幕だって事は全部全てスリっとまるっとお見通しなんだから!」

 

 どこかで聞いたことあるような決め台詞で可愛らしくこっちを指差す少女

 

「いや、ほんとに悪いけど俺達じゃないっすよ?」

「そんな訳「いや、どうやらこの人たちの言ってることは本当だよ?リア」へ?嘘?「ホントだよ」ホントに?「うん!」…」

 

 突然現れた小さな猫のようなものと、そんなやり取りをしながら赤面する少女……な、なんだ、この可愛らしさ、これが、常識のある美少女の破壊力なのか?!

 そんな事を考えながら少女を見ていると

 

「ご、ごめんなさい!わ、私の、早とちりで!」

「ホントにゴメンねぇ?悪い子じゃないんだ、許してあげて欲しいな、僕からも頼むよぉ」

「いやいや、こんなとこにいた俺達も俺達だしな、特になんかされた訳でもないし気にしなくていいよ、お前も別にいいだろ?」

「ああ、それはいいんだが、猫が喋って飛んでることについてはツッコまないんですか?!」

 

 何言ってんだコイツ

 

「いや、なんで俺が何言ってんだコイツみたいな目向けられてんの?!俺がおかしいのか?!そうなのか?!」

「何を今更、猫が喋って飛んだくらいで、俺の世界では火を吹いたり飛んだりして、邪神の半身だった猫だっているんだぞ?」

「「「そんな猫いる訳ないだろ(ないよ)(ないわよ)」」」

「いや他2人はまだしもお前がそれを否定するか?!」

「あはは、まあその話しは置いといて、紹介が遅れたね、僕はパック、猫じゃなくて精霊さ!」

「「精霊?」」

 

 精霊、精霊かぁ…その言葉を聞くとあまり思い出したくはない記憶が蘇る

 

「そう、僕はこの子に使役されている精霊なんだよ!」

「精霊?!精霊って言うとあれだろ?魔法の定番!つまり君は精霊使いか!」

「え、ええ、でも、精霊使いじゃなくて精霊術師と言うのだけどね、そっちのあなたは思ってたより反応が薄い?みたいだけど」

「あ、ああ、精霊って聞くとちょっとトラウマがあってな…」

 

 そう言って自嘲気味に笑う。

 精霊って聞くと未だに首のあたりがゾクゾクするな

 

「ああ、そういうこ、と、か」

 

 ドサッ!

 

 なんかいやな勘違いされた気がする

 

「って、大丈夫か?!」

「ボロボロじゃない!今治癒魔法をかけるわ!」

 

 そう言いながら少女は手から光を放ち倒れた男にかざした。おお、凄く治りそう、どこかの馬鹿とは段違いの神々しさ

 

「そっちもなにか急いでるようなのに、優しいんだな」

「これはあくまで勘違いで疑ってしまったことへの謝罪の気持ちよ、だから、気にしないでね?」

 

 少女は、俺達に気負わせないようにするためか、そんな些細な事を理由に治癒を続ける

 

「それでもさ、ありがとな」

 

 〜数分後〜

 

「ん、ぅ」

「お、起きたな、大丈夫か?」

「あ、ああ、もう、大丈夫だ、ありがとう」

「よかった、もう大丈夫なら私は行くわね?改めて言うけど、勘違いで疑ったりしちゃってごめんね」

 

 まだそんな事を言うか

 

「別にこっちに実害はないし、コイツの怪我も治してくれたんだし、謝ることはないよ」

「ほんとだ、傷が治ってるし痛みも感じねぇ!これをやってくれたのか?ありがとう!」

「ううん、これは証拠も無いのに疑ってしまった事への謝罪の気持ちなんだから、お互い様なの!」

 

 ほんとに、優しすぎるだろ

 

「じゃあ、ほんとにもう行くわね!」

「待ってくれ!大事なものをを盗られたんだろ?なら、俺に手伝わせてくれ」

「これ以上あなた達に迷惑をかける訳にはいかないわ、これは私の問題だから」

 

 まあ、この子なら、こんなにも優しい子なら、そう言うよなぁ。俺達のせいで時間を取らせちゃったわけだし、助けてあげたい、つーか罪悪感が…でも、それを言ってもさっきと同じような事を言って断ってくるだろうし…

 

「じゃあ、俺達が勝手に手伝わせてくれ、それなら俺達にも迷惑がかからないんだから、問題ないだろ?」

 

 おお、確かにそれなら問題ないな、うん。

 

「ああ、そうだな、それがいい。あくまで、手助けするのは()()()、だからな!」

「もう、わかりました!じゃあ、それでいいわよ、変わった人たちなのね」

「あははは、彼女もお人好しだけど、君達もなかなかだねぇ」

 

 

 こうして、俺達は心優しい少女を助けることになった




カズマさんとスバルの口調の書き分けが難しくて分かりにくいかもしれません。すいません文章力が無くて(泣)
あと、エミリアの話し方もおかしいかもしれません。ほんとうにすいません文章力が無くて(泣)
でも、やっとエミリア達とカズマさんが協力する流れになりました!理由を作るのが結構難しくてちょっと無理矢理感がありますがどうかご了承ください。
では、これからもどうかよろしくお願いします!

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