GOD EATER ─the ORIGIN─   作:ジャージ王子

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第1話 極東支部配属

実験室へと向かう通路から外壁の内と外の景色が見える。内側には小さな集落がいくつもあり、外側はどこまでも荒野が続く当たり前の景色。

昔、この島国が“日本”と呼ばれていた時代は、今この景色を見ている建物と同じかそれ以上の大きさの建物が空を隠すように立ち並んでいたらしい。

そう考えるとこの時代も悪い事ばかりではない、と彼は思う。

なぜならこんなに綺麗な青空が広がっているのだから。きっと昔の人はここまで壮大な空を見たことはないだろう。

どんなに辛く、険しい状況でも、必ず良いことはある。

それが彼の、神薙ユウの考え方だった。

 

「では次。神薙ユウ、中へ」

 

「あ、はい!」

 

 

 

 

 

GOD EATER ―the ORIGIN―

 

 

 

 

───アラガミ。

アラガミとは2050年頃に突如として現れた怪物である。その身体はオラクル細胞によって構成され、捕食した対象の特徴を模倣することで、新たな姿へと急激に進化する特性を備えており、あらゆる環境に対応することで出来る。その結果、僅か数年の内にアラガミは地球全土にその脅威を広げていったのである。

人類はアラガミの繁殖を阻止する為に行動を起こしたが、兵器を喰らい進化を続けるアラガミの前に敗退を余儀無くされた。その6年後、人類はオラクル細胞を使った兵器、“神機”を開発。その力は同じオラクル細胞を持ったアラガミへの有効策となり、神機、更にはそれを使用する“ゴッドイーター”達は人類の切り札となることとなる。しかし、神機には1つの欠点があった。それはオラクル細胞を含んだ兵器故に、使用者もまたオラクル細胞を投与しなければ制御出来ないということだった。これにより人類は神機を使うことが出来る適合者の発見が神機を開発した組織“フェンリル”主導の下で行われ、生き残った人類を守る為オラクル細胞を使用した防壁を開発。人々は壁の内側でひっそりと息を潜めながら生きるようになった。

 

そして月日は流れ2071年、神薙ユウ18歳。彼は現在、フェンリル極東支部にいる。昔の彼ならここに自分がいるなんてことは想像もしなかった。あの日を迎えるまでは・・・。

 

 

 

 

 

 

*****

 

1年前のユウは、極東支部の周りに存在する居住区と呼ばれるエリアで暮らす普通の少年だった。彼自身、自分はこうして守られながら生きていくのだろうと思っていた。しかし、周りを見てもそれが当然のことだったし、自分には家族がいて、彼らと共に暮らしていけるならばそれ以上に望むことは何もなかった。

 

ある日、彼は極東支部に配給を受け取りに出かけた。ユウも17歳になり彼の住む居住エリアで力仕事を任せられるようになっており、彼の穏やかな性格もあって居住区の人々から慕われる存在となっていた。

 

全ての配給品を荷台に乗せ終えうとしていた頃、その時は突然やってきた。

 

アラガミによる居住区の侵入。

 

警報が鳴り響く中、ゴッドイーター達がアラガミの討伐に向かう。幸い極東支部の目の前にいたユウはそのまま避難しようとしたが、偶然情報を聞いた彼は驚愕する。

 

─侵入された居住区はB32─

 

B32地区はユウと、彼の家族が住んでいる地区。

聞いた瞬間彼は走り出していた。後ろから聞こえてくるフェンリルの女性職員の声を振り切る。自分に出来ることなんてないかもしれない。でも、走り出したこの足を、この焦りを止めることが出来なかった。

 

「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

 

ユウが着いた時にはアラガミはゴッドイーターにより倒され黒く霧散していた。辺りを見回すと生存者の保護を行っている場所を見つけ、一目散に向かう。人の集団を掻き分けながら家族を探す。しかし、どこを探しても父も、母も、妹も見つからない。

ふと、無意識の内に見ないようにしてきた犠牲者の担架が目に映った。

顔を見なくても、その3人で並べられている亡骸が誰だか分かる。

心で否定しながらその足が3人の元へ向かって行く。

 

「・・・そだ・・・」

 

顔に掛かった布に手を伸ばす。

 

「・・・嘘だ・・・」

 

布の下から現れた顔は紛れもなく自分の妹だった。

 

「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

 

 

 

アラガミの侵入が鎮圧されたから程なくして、B32地区の住人達は一時期の間フェンリルに保護されることとなった。

家族がいなくなった後もユウは普段のように明るく振る舞った。家族が好きだと言ってくれた自分を消したくなかったから。それが家族にしてやれるただ一つのことだから。

そんな時、保護された当初に受けた身体測定からユウは自分が神機の適合者であることを知る。

 

もう二度と大切な人を失わない為に。

 

彼はゴッドイーターになることを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

扉を抜けると、円柱を丸々くり抜いたような巨大な空間が広がっていた。

 

「・・・!」

 

ユウがその大きさに圧倒されているとスピーカーから男の声が聞こえてきた。

 

「長く待たせてすまない。これより新型神機の適性試験を行う」

 

少し上を見ると窓ガラスが見える。おそらくあの場所からこちらを見ているのだろう。

 

「準備が出来たら中央の機材の前に立ってくれ」

 

「・・・」

 

少しの間、目を閉じて今までのことを思い返す。

 

(よし・・・!)

 

覚悟を決め、機材の前に立ち、そこに置いてある神機に手をかける。

 

その瞬間上に設置してある装置と腕を置いていた部分に降下し腕が挟まれる。

 

「ぐぁ・・・!うっ!」

 

突然の激痛とともに体の中に何かが入ってくる。

耐えること数十秒。装置が外されると右腕に違和感を感じた。

 

「赤い腕輪・・・」

 

この腕輪が神機を制御するのに必要なパーツであり、ゴッドイーターの証である。

 

「おめでとう。君がこの支部初の新型ゴッドイーターだ」

 

祝福の言葉を受けながら、自分の物となった神機を持ち上げる。

 

「僕が、ゴッドイーター・・・」

 

神機を見上げながら呟いた言葉は、他の誰にでもなくユウ自身の胸に強く響いた。




どうも、ジャージ王子です!
遂に始めました、GOD EATERの二次創作!
えー、あらすじにも書いてありますがこの小説の主人公神薙ユウはメディア展開された作品で登場するプレイヤーキャラポジのキャラです。
更に言えばこの小説は、もし神薙ユウが原作にいたらという、彼が登場する作品の前日談のような扱いで書くつもりの蛇足小説です。
しかし、GOD EATERを知っている人や、知らない人でも楽しめるような小説にしようと思っていますので、どうか生暖かい目で見守ってやって下さい。
以上、長文で失礼致しましたm(_ _)m
ジャージ王子でした、ではでは( ・_・)ノシ
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