織田信奈の野望~戦国皇国軍~   作:疾風海軍陸戦隊

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美濃のマムシ

「・・・・・暇だな」

 

「またですか大佐?」

 

俺は今清州城城下の長屋に寝ころんでいた。俺だけではない辻やまほ大尉も含め歩兵、戦車兵、砲兵、補給隊など総勢297名が暇を持て余していたり、銃の手入れなどをしていた。ん?なぜ俺たちが月島基地じゃなく織田家本拠地である清州城にいるかって?それは同盟締結から3日後のことだ。急に信奈から

 

『あんたたちはここで暮らしなさい。いちいち行ったり来たりするのは大変でしょ?』

 

と、そう言われたからだ。確かにここから月島基地までは半日以上かかるし、車で行こうにもそんなに燃料がたらふくあるわけではない一応、基地地下には石油油田があるがその石油も無限ではない。そのため俺は北郷や山下と相談し、俺率いる歩兵隊と戦車隊、砲兵隊に輸送部隊が信奈のいる清州城の城下に向かった。まあ、ただでさえ小さい航空基地に戦車やら歩兵のトラックやらぎゅうぎゅうになってたからちょうどいいだろう。無論航空隊や守備隊は月島基地にいる。だって滑走路がある広場はあそこしかない。まあ、その後俺は信奈に城下の近くにある平地を借りて第二の航空基地や歩兵たちの兵舎や園舎倉庫を作っているところだ。因みに俺たちはある足軽…ここで言う下士官や兵が住む兵舎を借りて今、生活している。戦車隊の戦車やハーフトラックは今、仮の小屋の中にある。俺がのんびりのそべって隣には辻が四式小銃の手入れをしながらのんびりしていると

 

「・・・・・正宗いる?」

 

「おお、犬千代じゃねえかよどうしたんだ?またウコギ鍋のお誘いか?」

 

そこへ犬千代がやって来た。犬千代は信奈の小姓で俺たちが住んでいる長屋のお隣さんでいろいろと教えてくれるいい奴だ。それに歳が近いのか宮藤伍長と仲がいい。それに犬千代がたまにおすそ分けしてくれるウコギ汁あれは上手い。垣根の葉っぱがあんなにうまいだなんて知らなかったな~俺がそう思っていると犬千代は首を横に振り

 

「違う・・・・姫様が呼んでいる」

 

「信奈が?わかった・・・・・辻、留守を頼む」

 

「あいよ。行ってきな」

 

俺の言葉に辻はそう言い辻はそう元気に返事をする。そして俺は犬千代に連れて行かれ城に向かった。そして歩いていると

 

「ねえ、政宗?」

 

「ん?なんだ?」

 

「この前・・・・物の怪の森で政宗が言っていたことほんと?」

 

と、きょとんと首をかしげて言う犬千代。たぶん俺たちが400年後から来た人間っという話のことだろう

 

「ああ、本当さ、俺たちは未来の日本から来た。まあ、信じてもらおうとは思ってないけどな」

 

俺がアハハっと笑うと犬千代は

 

「犬千代は信じる・・・・政宗と芳佳、嘘つかない・・・・・」

 

「芳佳?ああ、宮藤のことか?随分と仲がいいんだな」

 

「うん。芳佳は親友・・・・だから親友の芳佳が信じる政宗を犬千代は信じる」

 

と、そう嬉しそうに言う、

 

「そうか・・・・サンキューな犬千代」

 

「……産休? 犬千代は、まだ生娘。おぼこい」

 

「サンキューってのは英語・・・・・南蛮の言葉で『ありがとう』って意味だよ」

 

「南蛮……信奈さまは南蛮の話が大好き。政宗も?」

 

「俺の世界では、日本人なら誰でも学校で南蛮語を勉強してるからな」

 

「……ぺらぺら?」

 

犬千代の瞳が、ちょっとだけ潤んだように見えた。もしかして俺、期待されてるのか?

 

「まあ・・・・・・大体3か国語くらいは喋れる」

 

因みにに俺は士官学校で英語の他フランス語やロシア語も喋れる、あと中国語は・・・・日常会話程度くらいならできる。まあ士官や将校だったら普通に英語くらいは話せる

 

「政宗すごい・・・・」

 

と、犬千代は感心したように言う。すると

 

「おや?どなたかと思えばこれはこれは信奈さま。お散歩ですかな?すっかり大きくなられたのう~」

 

と、目の前に老人が現れた。確かこの人って・・・・

 

「……違う。犬千代」

 

「あ、浅野のじいさん・・・・」

 

俺たちの前に現れた老人は浅野さん。俺たちが宿舎している長屋の大家さんだ。するとじいさんはふぉふぉふぉっと笑い

 

「おうそうかそうか、犬千代じゃったかのう。この前まではめんこい柴犬じゃったのに、すっかり人間に化けてしもうたのう?それといつもの傍にいたかわゆい豆狸ちゃんはいないのかの?」

 

「……元から人間・・・・それにあれは豆狸じゃなくて芳佳どちらも人間・・・・」

 

「おお、そうかそれは悪かったの~それよりも犬千代。わしももう長くないでのう。わしの孫娘をのねねを嫁にしてはくれんかのう?」

 

「無理・・・・犬千代は女」

 

「そりゃ残念じゃー。おとといまで立派な男じゃったのにのう。よく庭で一緒に小便の飛ばしっこをして遊んでやったもんじゃ」

 

「・・・それ人違い///」

 

そう言い犬千代の顔が赤くなる。さすがに恥ずかしいのだろう。まあ当然だが。っていうかこのじいさん。相変わらずというかなんというか・・・・いろんな意味で心配だ。すると浅野のじいさんは俺の方へ向き

 

「おう、これは村雨殿。相変わらず凛々しいの~どうじゃわしの孫娘をもらってはくれぬか?」

 

「俺は村雨じゃなくて政宗だ・・・・で、じいさん?その子の歳は?」

 

「数えて八つじゃ」

 

「アウトだ。俺は幼女趣味なんてねえぞ・・・・・」

 

「そうか。『あうと』という意味は分からんが残念じゃの~のう、ねね?」

 

と、爺さんがそう言うとじいさんの後ろからひょっこりと小柄な少女が出てきた。そう彼女がじいさんの孫娘のねねだ。

 

「ねねにござる!政宗殿!よろしゅう!」

 

「お、おう・・・」

 

と、元気よく挨拶するねねに俺は一瞬驚く、あれ?ねねって確か藤吉郎のおっさん・・・・秀吉公の奥さんだったよな?まさか・・・・秀吉公って実はロリコンだったんじゃ・・・・俺がそう考えているとねねはじ~と俺の顔を覗き見る

 

「な、なんだ?俺の顔に何かついているか?」

 

俺がそう訊くと

 

「・・・・全然サル似じゃないのです」

 

「・・・・は?」

 

「城下の噂で変な格好を着た軍団を引き連れたサルがやって来たっというのを聞いたのですが、サルというには凛々し過ぎますな……。もっと変なサル顔を予想していたのですが……」

 

サル?さっきから何を?そう言えば最近、信奈が変なサルを連れて来たって言う噂を聞いてはいたがてっきり信奈が外国から珍しいサルをペットにしたのかと思っていたがまさか自分のこととは・・・・・

 

「俺はサルなんかじゃないよ。ちゃんと桐ケ谷政宗って名前があるんだ。」

 

「わかりましたぞ。これからは政宗殿とお呼びしますぞ」

 

と、そう元気にそう言う。少し生意気な口調だが素直でいい子だな…俺はその子の頭を撫でると、彼女は少しびくっとした

 

「あ、ごめん嫌だったか?」

 

「い、いえ、少しびっくりしただけですぞ///」

 

と、ねねは顔を赤らめてそう言う。すると・・・・

 

「いててててッ!!!」

 

急に犬千代に膝を抓られる。てか、犬千代このまだ12,3歳ぐらいの歳なのに力強っ!肉がもぎ取られる!?

 

「痛いからやめ!い、犬千代何すんだよ!?」

 

「辻ならきっとこうすると思ったから代わりにやった・・・・・それともうそろそろ城に行かないと・・・・・姫様が待っている」

 

「おっと、そう言えばそうだったな・・・じゃあ、爺さんまた」

 

そう言い俺は爺さんにそう言うと犬千代と一緒に城へと向かうのであった。そう言えば犬千代はさっき辻のこと言ってたがどういう意味だろう・・・そう疑問に思ったのであった。そしてしばらくして城にたどり着き、拝見の場へ座る。その席には勝家に長秀そして他の家臣団がいた。そして長秀、勝家以外の奴は俺を見てはヒゾヒソと何やら話す。聞こえはしなかったが何となく変な目で見られているのはわかる。するとそこへ信奈がやってきて

 

「美濃のマムシと同盟を結ぶわよっ!!」

 

信奈のこの一言で家臣団は騒然となった。まあ、そりゃあそうだろう美濃のマムシ・・・・つまり斎藤道三は長年織田家とは宿敵同士の関係だ。それをいきなり同盟を結ぶっと言われ驚かない奴はいないだろう。

 

「しかし姫様、美濃とは宿敵の間柄の筈では……?」

 

長秀さんがそう言うと信奈はふっと笑い

 

「いや、そうでもないわよ」

 

「な、なにうえですか?」

 

「だって私が組むとしたら蝮しか居ないと思っていたもの」

 

「そうか・・・・なるほどな」

 

「なるほどって・・・・・何がなるほどなのですか桐ケ谷殿?」

 

と、長秀が首をかしげて言うと

 

「今のところ織田家は斎藤家、今川家という強豪国に挟まれている。ましては現在織田家は今川家と戦争状態寸前。だから今川家との脅威に備えて後顧の憂いを絶っておきたい。・・・・そうだろ信奈?」

 

俺がそう言うと信奈はニヤッと笑い

 

「へ~あんた、結構頭が切れるのね。さすがだわ」

 

と、満足げに言う信奈

 

「・・・・で、信奈。俺を呼んだ理由はなんだ?ただの同盟の話なら、客将であり同盟国である俺たち日本軍を呼ぶ理由はないんじゃないか?」

 

「あんたを呼んだ理由は、今回の同盟の随行護衛人として来てほしいのよ。無論あなたの持つ鉄の車も一緒にね」

 

俺はその言葉で信奈が何を言いたいのかわかった。

 

「・・・・なるほど、プロパガンダってやつか」

 

「ぷろぱ・・・・・なに?」

 

俺のその言葉に勝家たちは首をかしげる

 

「いや、こっちの話だ。わかった引き受けよう。ただし護衛人数と車両数はこちらで決めさせてもらう。いいか?」

 

「いいわよ」

 

「じゃあ、俺はすぐに辻たち呼んで、護衛隊の編成をする。・・・・・で、同盟会見の場所である正徳寺はいつ行くんだ?」

 

「え?政宗、あんた何を言っているの?」

 

「いや、だって会見場所は正徳寺なんだろ?」

 

「何たわけたこと言っているの?まだどこで会うか決めてないけど?」

 

俺のその言葉に信奈を含め、家臣達は皆、訝しい表情をしていた。すると使者に出ていた少女が部屋に入って来た

 

「申し上げます!ただいま美濃に会見場所を伝えに参りました!」

 

「え?どこ?」

 

信奈は真剣な目でそう言うと使者の子が

 

「はっ!・・・・正徳寺にてとのことです」

 

『っ!?』

 

その使者の言葉に全員が驚いた。

 

「なっ!?馬鹿な・・・・」

 

「これは驚きです90点」

 

「政宗!?どうしてわかったのよ!?」

 

信奈がそう訊くと俺は

 

「わかったていうか知ってただけさ・・・・・・じゃあ、場所もわかったことで俺は隊の編成に戻るよ」

 

そう言い俺は部屋を出て信奈は信じられないっという顔をするのであった。そして俺が長屋に戻った後至急、辻やまほ少佐たちを呼んで護衛部隊の編成を立てるそして話し合いの結果、信奈の護衛につく編成は小銃や短機関銃を持った歩兵20人、重機関銃を装備した装甲車1輌、そしてまほ大尉の乗るティーガー戦車となったのであった。

 


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