織田信奈の野望~戦国皇国軍~   作:疾風海軍陸戦隊

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正徳寺と信奈の変身

翌日、俺たちはすぐに準備をし、会見場所である正徳寺に向かう。そして先頭は織田軍鉄砲隊500人と、俺たち日本軍20名、最初は信奈は『たったの二十名?』と、小ばかにしていたが。その奇麗な隊列で並んでいる兵士たちと特にまほ少佐の乗るティーガー戦車や装甲車に度肝を抜かれた

 

「何だこれは・・・・鉄の化け物だ・・・・」

 

「なんて大きいのでしょうか・・・・」

 

「ねえ、政宗、これは何なの!?」

 

と、信奈ははしゃいで言うと俺は信奈に説明した

 

「戦車だ。戦の車とかいて戦車。簡単に言えば自走大砲だ」

 

「じ、自走!これ自走するの!?すごいじゃない!」

 

と、信奈が驚くと、そこへ戦車隊隊長である西住まほ少佐と副官である逸見襟華中尉がやってきて俺に敬礼をし、

 

「大佐、戦車及び装甲車の点検が終わりました。いつでも出れます」

 

「ご苦労、まほ少佐。逸見中尉。今回の護衛よろしく頼む」

 

「ええ、お任せを、賊や熊が出てきてもこいつの88ミリか装甲車の12・7ミリで吹っ飛ばしますよ」

 

「そうか、そう言われると心強い・・・・よし、それじゃあ、行くとしますかな?」

 

「え、ええそうね・・・・・それじゃあ出発!」

 

そう言い、俺と信奈の軍は出発し、今に至る。そして信奈は

 

「どう?政宗。500人の鉄砲隊はすごいでしょ!」

 

「まあ、確かにこの時代なら、かなりのすごい軍だな」

 

「でしょ?マムシに見せびらかそうと思ってね。それにあの…戦車だっけ?あれを見たきっと腰を抜かすわね」

 

「まあ、戦車なんて見たこともない時代の人が見たらだれでも驚くさ」

 

と、俺はなぜか信奈の隣を歩いていた。すると、政宗はふっと立ち止まり

 

「(・・・・・そう言えば斎藤道三は会見をする前、織田の当主である信長の様子をどこかで見ていたはずだな・・・・)」

 

「どうかしたの?」

 

「いや、なんでもない」

 

「変な政宗。・・・・そう言えば政宗あんた背中に変わった鉄砲を持っているけどそれは何なの?」

 

「え?ああ、これか。これはSTG44突撃銃という南蛮にあるドイツっという国の鉄砲だ。30発連続して撃てる代物さ」

 

「れ、連発して!?すごいじゃないじゃあ、辻たちが持っているあの少し変わった種子島も連発できるの?」

 

「四式半自動小銃か・・・・・・・ああ、あれは10発撃てる」

 

「すごいわね・・・・未来の世界って、ねえそれ売ってくれる気は・・・」

 

「ない。同盟条約でそう決めただろ?まあ触るくらいならいいけどな」

 

「そう、なら、それで我慢するわ。」

 

と、こんな話をしていると胸ポケットに入れていたインカムから

 

『大佐、今、双眼鏡で捜索中、2時方向崖の上に多数の人影が見える。どうしますか?』

 

と無線から装甲車の車長がそう言う。

 

「(おいでなすったか・・・・恐らく斎藤家の偵察部隊だろう)」

 

そう言い、政宗は崖の方を見る。そしてその崖の上では・・・・・

 

「いっそここで信奈を討ち取れば尾張は斎藤家の者です」

 

と金柑の髪飾りをした黒髪の少女が笑って言うとそばにいた貫禄のある老人が南蛮渡来の望遠鏡で織田軍の様子を見て

 

「果たしてうまくいくと思うてか?」

 

「もちろん。準備万端です♪」

 

とそう言い彼女たちの後ろには槍や刀を持った完全武装をした兵士たちが待機していた。すると老人は

 

「ふむ・・・・・それにしてもあの織田軍の後ろにいる奇妙な格好をした足軽・・・・見たことがないほどきれいな隊列で歩いておる。それにその背後にあるあの鉄の大きな車も怪しい・・・・馬なしで動いておる。」

 

「きっとあの箱の中に馬が入っているのでは?それにあの数からしてたったの20人くらい大して脅威ではないでしょう」

 

「ふむ・・・・じゃが、あの先頭にいる鉄の車の頭みたいなのについている鼻のような長いもの・・・・あれは噂に聞く南蛮の大砲っというやつかの?」

 

「ですが道三さま自走する大砲などと訊いたことがありません」

 

そう言い老人と少女は再び織田軍の様子をうかがう。そして織田の方では政宗が信奈の方に向き

 

「信奈!」

 

「な、ちょっといくら同盟相手とは言えいきなり呼び捨てにするなんて失礼よ!」

 

と、政宗の言葉に信奈がそう言うが

 

「んな事いいから、鉄砲隊の火縄に火をつけとけ」

 

「なっ!?あんた何言っているのよ!暴発したらどうするのよ!」

 

「あんたの所は練度の低いへたくそばかりなのか?」

 

「なっ!?そんなわけないでしょ!たとえ時代が違くても私の兵はあんたたちの兵とは違うわよ!なめないでちょうだい!!」

 

と、そう言い信奈は足軽に命じて鉄砲隊の火縄に火をつけさせた。すると政宗はそれを確認すると無線でまほ大尉に呼びかける

 

「こちら政宗から装甲車や戦車へ、3時方向崖の上にいる人影に一式12・7ミリ重機関銃及び88ミリ砲で威嚇射撃。合図があるまで撃つな。それと戦車の砲弾は空砲で頼む」

 

『了解!』

 

『こちらも了解した』

 

そう言い後方にいた装甲車や戦車の砲塔はその場所に向けるのであった。場所は再び

 

「ひい~!!!大変です!ありえないです!!」

 

と、少女が驚いて望遠鏡を投げるそれを拾った老人は望遠鏡でのぞき込むと、そこには鉄砲の火縄に火をつけたまま行軍する織田への姿であった

 

「ほほう・・・やるのう。暴発も恐れず火をつけさせるとは・・・あるいは」

 

と、感心していると

 

「ど、道三さま!あ、あそこ!!」

 

と、少女が指さしたところを見ると先ほどの変わった服装の兵士たちの後ろにあった鉄の車の頭みたいなのがこちらに向けており、そして

 

ダダダダダダッ!!!!!

 

ドォーン!!!

 

いきなり火を噴きすさまじい炸裂音が響いた。それを聞いた老人の他兵士たちは驚き、中には腰が抜ける者もいた。そしてその音を聞いて先ほどの少女がさらに驚いた。

 

「ひぃぃ!!な、なんですかあれは!?あの鉄の車いきなり火を噴きましたぞ!?」

 

「のわ!・・・・まさか気付いておったか・・・それにしてもあの鉄の車に変わった服装を着て変わった兵隊、そして連発する種子島・・・・・驚きの連続じゃな・・・・これはますます織田の姫との会見が楽しみじゃのう」

 

そう言い、その老人の集団は森の中へ消えたのであった。そして、政宗や信奈たちのはそのまま会見場である正徳寺へ向かうのであった。因みになのだがその後政宗は信奈に機関銃についていろんな質問攻めをされるのであった。

 

 

 

 

そして、その後織田軍は斎藤家との会談場所である正徳寺へと着く。そして寺の中では岐阜・・・・・いやこの時代だと美濃か。その美濃の当主斎藤道三とその護衛らしき黒髪でミカンの髪飾りをした少女がそばにいた。時たま目が合う時が会って軽く挨拶はしたがあまり話はしない。それはそうだろう今の現状織田と斎藤家は敵対関係。そんな相手と会話なんてあまりないだろう。まあ、俺は織田の同盟相手であって配下じゃないが・・・・・まあそれはともかく現代俺はというと犬千代と宮藤伍長とともに本堂から丸見えになっている広い庭に正座して待っている。ほかの兵たちは外で待機させているので庭にはいない。まほ少佐率いる戦車隊も寺の外で待機している。すると宮藤が・・・

 

「あ、あの・・・・・大佐。よかったのですか?辻中尉ではなく私だけで大丈夫なのですか?」

 

「大丈夫。大丈夫。辻には万が一の為にとある場所で待機してもらっているし、それに怪我をしても衛生兵であり診療所の娘で医者の卵である宮藤軍曹なら万一の時怪我人が出たら対処できるし大丈夫だろう」

 

と、小声で話していると隣にいた犬千代に

 

「政宗、芳佳・・・・私語厳禁」

 

「おっとすまねえな犬千代」

 

「ご、ごめん。犬千代ちゃん」

 

犬千代に注意されちまった。まあ、それはともかく本堂の中にいる老人。あれが「美濃のマムシ」と恐れられた斎藤道三か・・・・何というか船坂軍曹と似たような気配っというか覇気でその男がどんな修羅場を超えてきたのかわかる。まさに歴戦の戦国大名波の貫禄だ。だがそんな彼の格好は軽い略服の姿であった。すると先ほどの道三の護衛の少女が

 

「道三さまやはり外交の席でこの格好はやはりまずいです」

 

と、なにやら小声で言っている。すると道三が

 

「むこうも同じじゃろうが。余計な気遣いをさせないのも器というものよ」

 

と、余裕たっぷりの顔で扇子を仰いでそう言うと・・・・・

 

「しかし、信奈とやら、遅いのう」

 

と、若干退屈そうにそう言う。俺は腕時計を見る。ここについてからもう45分すぎている。確かに遅い。大事な会見で信奈は何をしているのだろうか・・・・・俺がそう思ていると

 

「待たせたわね。マムシ!」

 

と、そこへ本堂の奥の襖から信奈が勢い良い良く開けて入って来た。そして道三や俺はその姿を見て驚く。本堂に入って来た信奈はいつものうつけ姫と言われてもしょうがないだらしのない服装ではなく。髪を下ろしそして豪華な着物姿で現れたのだ。そう言えば史実の信長も道三と会談をする前はいつものうつけ姿であったが会談が始まると正装をして現れ今みたく道三を驚かせたっけ・・・・

 

「う……うおおおおおおっ? な、な、な……なんという……美少女っ!?」

 

と、道三はそう言う。まあ、確かにそれは否定しない。俺は隣にいる宮藤を見ると

 

「はわ~信奈さん奇麗です・・・・・」

 

と、目をキラキラさせてそう言う。すると信奈は道三に微笑み

 

「ふふっ。度肝を抜かれちゃった?」

 

と、そう言うと道三はコクコクと頷く。すると信奈は満足そうに

 

「デアルカ」

 

「し、しかし信奈殿。なぜ着替えを?」

 

「美濃のマムシに会うんですもの。いつもの格好じゃまずいでしょ?」

 

「・・・・なるほど」

 

と、道三は信奈の言葉を聞き満足そうに笑みをする。なるほどあの二人、道三は信奈を気遣い、信奈は道三に敬意を表したってわけか・・・・すると道三は広げていた扇子をパチンッと閉め

 

「さて・・・・これで役者もそろったようじゃし・・・・問答を始めようとするかの」

 

と、そう言うのだった。こうして信奈と道三の同盟を決めるか否かの正徳寺会見がここに始まるのであった。

 

 


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