死んだ・・・・あの豊臣秀吉が・・・・俺は今の状況を理解することはできなかった。ここは戦場だ兵士が死ぬのは当たり前のこと。そう思ってたが目の前にいる、この足軽は違う。今俺の目の前にいるのは後の関白であり天下を統一した英雄であるあの豊臣秀吉だ・・・・だがこの男が秀吉といわれて俺は納得した。猿のような顔に相手を引き付けるような人の好さ。まさしく今目の前で死んでいるのは豊臣秀吉その人だ・・・・
「…‥一体どういうことだ?歴史と違うじゃないか・・・」
俺が、そう呟くと・・・・
「大佐殿っ!」
「辻!?」
草むらから辻が現れたそして後ろには俺の部下にそして戦車隊のまほ大尉たち戦車兵がやって来た。辻の話によると俺がはぐれたっという知らせを聞いてこっちに来てくれたらしい。因みに中嶋らの部隊は途中報告をするためいったん基地に戻ったという。
「やっと見つけました!怪我はありませんか!?」
「あ、ああ・・・・俺は大丈夫だ・・・けどな・・・」
「大佐・・・・この足軽の人は・・・」
宮藤軍曹がそう言うと・・・
「この人は・・・・・木下藤吉郎・・・・・のちの豊臣秀吉だ・・・俺のせいで死んでしまった」
「「「っ!?」」」
その言葉に部下たちは驚く
「豊臣って…‥大佐どういうことですか!?」
船坂軍曹が驚いて俺に訊く。それで俺はこれまでのことをみんなに話す・・・・
「俺が間違って戦場のど真ん中に迷い込まなければ・・・・」
「大佐。それは大佐のせいではありません。たまたま運が悪かっただけです。それに今、我々がいる時代は戦国時代。たとえ秀吉が大佐に出会わなくとも結果は同じだったと思います・・・・」
「私もだ。人はいずれは死ぬものだ。だから大佐が気に病む必要はない」
「・・・・すまない。おやっさん…まほ少佐」
しばらくみんなが沈黙する。すると
「木下氏が死んだか……南無阿弥陀仏、でござる」
「「「っ!?」」
いきなり誰かの声が思みんなが周りを見ると、鎖帷子と忍者服で全身真っ黒の忍びが腕を組んで立っていた。
「だ、誰だ!?」
歩兵の一人が四式小銃を彼女に向ける。
「待て、子供に武器を向けるな」
「しかし辻中尉!」
「武器を下ろせと私は言っているのだぞ?命令が聞けぬのか?」
「は・・・・わかりました」
辻にそう言われ歩兵はしぶしぶ銃を下ろす。
「・・・・で、あんた何者だ?」
俺はとにかくその少女に訊いてみた
「拙者の名は、蜂須賀五右衛門でござる。これより木下氏にかわり、ご主君におちゅかえするといたちゅ」
「「「噛んだ」」」
少女は名乗るがその際噛んでしまい、みんながつっこむ。すると少女こと五右衛門?ガ顔を赤くする
「や、失敬。拙者、長台詞が苦手ゆえ・・・・」
「蜂須賀・・・・・ねえ、ちょっと訊いてもいい?」
と、宮藤が五右衛門に訊く
「な、なんでござるか?」
「さっき蜂須賀って言ったけど。五右衛門ちゃんの父親や親戚に蜂須賀正勝って人いる?」
「いや、拙者の親と親戚にはそのような名前の者は居らんでごじゃる」
「そうですか・・・・」
「・・・・であんた秀吉……じゃなくて、藤吉郎さんの娘か妹か?」
「相方にござる。足軽の木下氏が幹となり、忍びの拙者はその陰に控える宿り木となって力を合わちぇ、ともに出世をはたちょう、そういう約束でごじゃった」
「なるほど・・・・藤吉郎のおっさんが言ってた会い方って言うのは君か・・・・それより、三十文字ぐらいが限界なんだな」
「でも可愛いね~」
「う、うるさい。ご主君、名をなんと申す?」
五右衛門の言葉にみんなの視線が俺に向く。
「ん?もしかして俺?」
「そうでござる。ご主君でござる」
「ああ、・・・俺の名は桐ケ谷政宗だ。階級は大佐…てもわかんないか」
「後ろの変わった兵を見ると桐ケ谷氏はどこかの国の兵士でござるのか?」
「まあな。まあ、今は漂流みたいな状態だがな?」
「ふむ。そうでござるか・・・・・・それはさておき拙者、ただいまより郎党“川並衆”を率いて桐ケ谷氏にお仕えいたす」
「え?まあ、ここいら辺の詳しいやつが、ついてくれるのはありがたいが・・・・・・正直言って俺たちは漂流者だぞ。金とかそう言うのは・・・」
そう、金っといっても俺たちが持ってるのは現代のお金・・・五右衛門に渡してもこの時代ではなんも価値がない
「いつか仕官した時に払ってもらえばいいでごじゃる。」
「え?それでいいのか?だったら別にいいが・・・・」
「契約成立でござるな。桐ケ谷氏。すまぬが髪の毛を一本いただくでごじゃる」
そう言って五右衛門は俺の頭から髪を一本引き抜くと、胸元から取り出してきた藁人形の中にその髪を詰め込み始めた。それを見た歩兵たちは
「藁人形だ・・・・」
「初めて見た・・・」
などと、ざわめきだし俺はおどろいて
「あの・・・それってなに?まさか俺を呪う気?」
「これは我が宿主になっていただく契約でござる」
「あ、そうなの・・・・」
なんか不安だな・・・・
「それでは桐ケ谷氏。何か用があればいつでも呼んでください。では・・・」
そう言って五右衛門は煙のように消えて行った・・・
「な、なんだったんだろうな・・・・あれ?」
「さあ?まっ夢じゃないのはわかったけど・・・で、どうするんですか大佐」
堀曹長が俺に訊く
「とにかく。藤吉郎のおっさんを野ざらしにするわけにはいかない。埋葬しよう」
「はっ!」
俺たちはその後、藤吉郎のおっさんを埋葬し、そして
「捧げ-銃!!」
辻の号令で皆銃をあげ、そして前にいる歩兵たちが、空に向かって空砲を撃ち黙祷をささげた。そしておっさんの黙祷が終わると俺たちはこれからのことを考えた
「・・・で、どうする大佐。いったん基地に帰りますか?」
「いや、俺たちはこのまま織田陣に行こうと思う」
「織田陣にですか?」
「ああ、いろんなことがあったが三英傑の一人である秀吉公が死んだ。もしかしたら信長公もここで戦死する可能性がある。そうなればもう歴史の修正はできない」
「もし、戦死しなかったら?」
「それならそれでそのままこの空域を離脱する。」
「大佐・・・・わかった。私はあんたの指示に従うよ」
「ありがとう辻」
「いいって、初陣からの仲じゃないか。で、どうするんだい?」
「まずは織田本陣に行く。それで様子を見よう。まほ少佐は砲兵がいないから戦車で後方支援で頼む。で、俺が合図したら・・・・」
「わかった」
少佐は俺の言いたいことが分かったのか頷く。そして歩兵部隊はそばに置いてあったハーフトラックに乗り、まほ少佐率いる戦車兵は戦車に乗る。俺は藤吉郎のおっさんの墓のほうを見て
「・・・・おっさん。いや、秀吉公。貴殿の思い。確かに継いだぜ…靖国で安らかに…そして俺たちのことを見守ってくれ・・・」
俺はそう言い辻たちの乗る。ハーフトラックの方へと向かうのであった。そして、その後、政宗たちの乗るハーフトラックとその後ろにまほ大尉の乗る戦車3両は織田陣営へと向かう。そして織田陣営の近くにつくと、歩兵たちは半数が織田陣の偵察、もう半数は残りの半数と戦車ハーフトラックで戦車隊も合図があるまで待機していた。
そして草むらの陰で政宗たちは双眼鏡で様子を見ていた。
「どこもかしこも戦だな・・・・・映画とかでよく見たがまさか生で見ることになるなんてな・・・・」
「私もだ・・・・」
「少佐!中尉!あれを見てください!」
「ん?どうしたんだ伍長?」
「少佐。あれを見てください11時の方向です」
「11時の方角?」
辻と桐ケ谷は宮藤が指をさす方へ見るとそこには・・・・
「皆の者! 勇気を奮い起こせ、あと一押しだ!」
馬に乗った鎧武者が、前線に出て敵兵を倒しに突撃していた。しかもその武者は
「辻・・・・あの武者・・・」
「女ですね・・・・」
そう、宮藤が見た武者は女性だった。
「この時代は女も戦に出てたのか・・・・」
「大佐。それを言うなら今もそうじゃないか?私も女だぞ。なあ宮藤軍曹?」
「わ~あの女武者、おっぱいが大きい・・・・」
「軍曹?」
「あ、いえなんでもありません中尉!」
「まあ、いいわ。それよりも本陣は・・・・・・」
と、辻は双眼鏡で織田本陣を探す。すると
「大佐。あそこ・・・」
「どうした辻・・・・・・て!?」
俺は辻が指さす場所を見る。確かにそこには織田本陣があった。確かにあったのだが一つ問題があった
「おいおいおい!本陣がら空きじゃないかよ!」
そう織田本陣には大将はいるもの護衛の兵はだれもいなかった。どうやらこの戦勝ち戦だと思い手柄をあげるため全兵が出てってしまったらしい。するとその隙をついて今川の兵士たちが押し寄せた。
「まずいです中尉、大佐!秀吉公に続いて信長公までも死んでしまったら、日本の未来はぐちゃぐちゃになってしまいます!」
「わかってる!政宗」
「ああ、全軍。信長公を守れ!」
『はっ!』
織田本陣
「とうとう追い詰めた!幸い護衛の兵はいないみたいだしな!」
「こいつの首差し出せば今川の姫さんから褒美がもらえるぜ!」
「織田の大将!覚悟っ!!」
「っ!?」
今川の足軽たちが槍で突き殺そうとすると
ダダダダダッ!!!
急な炸裂音とともに足軽たちが倒れ、そしてそこから鉄の車が現れる。そしてその鉄の車の上には南蛮風の変わった格好をした兵士が乗っており、そこから変わった形の種子島を撃ってくる
「な、なんじゃっ!?」
「鉄のバケモンだ!?」
始めてみるそれに今川軍たちが腰を抜かす。そして鉄の車らしきものから変わった格好を着た兵士らしきものが種子島をもって敵を撃つ。しかも普通の種子島と違って連発している。
「な、なんんじゃありゃ!?」
「れ、連続して撃ってる!?伴天連の軍隊か!?」
あまり突然なことに今川の足軽たちはうろたえる。するとその兵士の一人が
「大佐!これ以上は弾丸が・・・」
「戦車隊も援護射撃しているらしいですが、弾が・・・・」
と、わけのわからないことをしゃべっていた。するとぼむ、ぼむ、と破裂音を立てながら、足下で煙幕が広がった。そしてその煙の中から悲鳴が聞こえたかと思うと煙が消え、辺りには敵の足軽たちの死体があった。すると背後から馬が駆けてくる蹄の音が聞こえてきた
「ご主君、戦はお味方の大勝利です! ご無事でしたか!」
家臣である女性武者が私にそう言うと。
「お怪我はございませんでしたか?織田信長公?」
と、先ほどの謎の兵士の一人が私にそう言うのだった。
「大佐・・・・先ほどの煙は・・・・・」
「おそらく五右衛門がやってくれたんだろう。危うく弾が尽きるところだった。助かったな」
今回俺たちは偵察に来ていたため弾薬も護身程度しか持ってなかった。まあ、弾が尽きれば銃剣で戦えばよかったんだが、まあ、五右衛門に感謝だな。すると・・・・
「ご主君、戦はお味方の大勝利です! ご無事でしたか!」
と、先ほどの女武者がやって来た。
「やっぱおっぱいでかいな・・・・・」
宮藤がその女武者の胸を見てキラキラとした目で見る。あいつ・・・おっぱい星人だったのか?すると女武者はその視線を感じたのか
「な、なんだ貴様はっ? こ、こ、小娘の分際で、あたしの胸をじろじろと!?」
そう言って軍曹を睨む。すると
「やめなさい六。この者たちは一応わたしの命を救ったんだから、褒美をあげなきゃ」
そう言い、大将らしき人物が俺たちのところに来る
「そ、それは誠ですか!?」
「ええ、連発ができる変わった種子島を使って今川の兵から私を助けたのよ」
と、大将が女武者に説明する。
「お怪我はございませんでしたか?織田信長公?」
俺は大将こと信長にそう言うが、いきなり顔面に蹴りが打ち込まれた
「ぐわっ!」
「「「た、大佐!?」」」
いきなりのことで俺の部下が驚く。そして俺を蹴った織田の大将は・・・・
「はあ? 誰よ、信長って? わたしの名前は、織田信奈よ。の・ぶ・な」
・・・・・・は?女の子?