TSして最強美少女になった俺の恋姫無双道楽 作:たぬたぬたぬき
はじめに。
実際の客将とこのお話の客将は異なる場合がありますので、ご注意下さい。
客将。
普通は将軍なんかは勢力に属していて、つまり公孫瓚さんの部下であり忠誠を誓っているものなのである。
ところが客将というのはお客さんなのである。
つまり兵士なんかのトップだけどその上司に、頼むからやってくれよ、とお願いされて地位に着いているのだ。
野球における外人選手、親会社からの出向社長、 雇われ店長なんかがニュアンス的に近いだろう。
物凄く乱暴に言うと人でなく金とか生活の保証に忠誠を誓っているもの様なものだな。
いつぞややっていた派遣のドラマみたいなもので、太守はスキルを、客将は金とかを求めている。
戦国時代としては浪漫のろの字もない話だがそう簡単に忠誠を誓える人に会える訳でもないのでありとしては普通にありだ。
これもまた現実的で夢の少ない話だが。
「もう一声!もう一声!」
「ちょ、本当に勘弁してくれ!」
という訳で契約というのは大事なのである。
これが普通の文官武官、じゃーお前らまとめてこれ位ね、と言われる様なら逆にしない方が良い値上げ交渉。
武は天下無双、頭はぼちぼち、一軍も何故か率いることが出来る現在の俺の能力を省みての行動だ。
「俺みたいなの滅多にいないよ? だったらもっと出してもいい筈!」
「それはそうなんだけどさ! 客将にこれ以上は出せないって!」
「んな建前よりも能力に応じた賃金を望みます」
「ぬぬぬぬ………」
「ほらほら、俺をこの値段でこき使っていいのかにゃー」
「人聞きが悪いことを…!」
「ふふん、俺の給料低いわーって言いふらしちゃうぞ」
「本当に止めてくれ…というかお前の為にもやるなよ」
確かに。
雇われて太守に直接賃上げ交渉して、上げてもらったのに安いわー安いわーと言いふらすのはあまりにも人聞きが悪い。
既に交渉したのは多めに見てもらってもいいだろう。
ほら、1回目だし、ある程度自身のある人は誰だってやってる気がする。
「少なくとも、私はこんなにしつこくてやり難いのは初めてだな」
「下手に能力があって自重してないからなぁ」
「自覚はやっぱりあるんだ……」
脱力して机に突っ伏す公孫瓚さん。
前までの普通に平凡な能力値で、特にずば抜けた努力もしてない凡人の頃より超スペックだから。
ナチュラルに世界最強と言ってもあながち間違ってなさそうな今。
ろくに法もなく単純かつ有効な暴力が推定トップなのだからそりゃタガも外れるってものだ。
「ま、いつまでも粘っても仕方なし」
「ついに決める気になったか!」
ここで相手に決定を委ねているような姿勢は太守としてどうなんだろうか。
立場は上なのだからこれで決めろとか……最初の方に言ってた気がするな。
「ん、ここはばっさり切って、ついでにちょっと引いてこれで」
「おー……これで小言に少しでも言い返せる…」
やはり余り高いと財務担当?の人とかに言われてしまうのか。
偉いと言っても万能に上の立場になれる訳ではないらしい。
お金は偉いと世知辛いことを再確認してから立ち上がり部屋を出る。
「で、引いたんだから変わりに偶にでいいからお願い聞いてね」
「ちょ」
「宜しく」
「あーもうっ、あんまり無茶なのは無しだからな!」
そこで駄目だとか言わない辺りいい人だなぁと思う。
やったぜとガッツポーズで返事をしてから公孫瓚さんと別れる。
さて、何をしようか。
公孫瓚さん曰くサボりすぎなければいい、極論出かけた時に武功を上げればそれで構わないという。
流石に本当に武功だけだと不味いから一般兵の指導などもやってくれと言われているが。
身体を動かす系ではないものも一応あるが、外様にわざわざ重要な案件を任せる筈もなくきちんとやらなくてもすぐに済むものだ。
であるならば必然と訓練に参加するとなるのだが…。
「やや、これはこれは……悠殿ではありませんか」
「どうも、趙雲さん」
「折角会ったことですしどうですかな?」
何故か何時でも戦場に赴けるレベルで気合いから整え、武器もちゃっかり用意している趙雲さんに会ってしまった。
槍を掲げ軽い誘い文句の言葉とは裏腹に響きや目が絶対に逃がさねぇと言っている。
この人、微妙に苦手なんだよな……。
ちなみに悠は俺の名前。
女になっても通用する響きだからそのまま使っている。
「ささ、そうと決まれば早速参りましょう、時は待ってくれませんぞ」
俺はまだ何も返事してぬぇ。