TSして最強美少女になった俺の恋姫無双道楽 作:たぬたぬたぬき
「まだですかな?」
「もーちょい待ってー」
俺は目の前の趙雲さんが割と苦手である。
正しくは苦手であった。
というのも第一印象が、あー何か話しにくいかもというだけであるが。
普通ならそこである程度距離を置いて話しやすい人の方に流れていくと思う、俺は。
だがしかし俺にけちょんけちょんにされた趙雲さんは何故か俺によく絡んできてくれて、俺はほいほいと仲良くなったのである。
いつの間にか話しにくいのもなくなっているのは俺のコミュ力の高さか、あるいは趙雲さんのコミュ力の高さか。
「ん、っと」
少し散らかっている訓練用の武器郡から槍を選び出して軽く振る。
多少古いけど一番バランスが良くて扱いやすい。
普通に持ったり指の上に尻の部分を載せたり真ん中ら辺を指に載せてヤジロベーじみた事をやって確認する。
最後に数度突き払ってから槍を支点に飛び上がり地面に向かって叩きつける。
気を通し通常時より遥かに優れた頑丈さを持っている槍は深く地面を抉る。
舞い上がった土煙を一息で蹴散らすと準備完了だ。
「じゃあどうぞ」
「では……参る!」
隙は少なく構えた型から吶喊してくる趙雲さん。
地を蹴った後ほとんど間を置かずに突いてくる。
わざと読みすぎることなく一手ずつ突きの軌道を予測しては避け柄で逸らしていく。
力は込めすぎず丁寧に。
突きが終われば払い次々打ち込んでくる攻撃を流して捌く。
良すぎる目と圧倒的なセンス、無尽蔵に動いてくれる身体が淡々と趙雲さんの槍をいなすことを可能にしてくれる。
息も乱さず捌いていると頃合。
受けに徹していればまぁまず有効打を受けることがないと分かっているはずだろうに焦れる趙雲さん。
仕切り直そうと思い、こちらの柄が向かって来る穂先に接触する瞬間に押し返す力を叩き込む。
「っつぅ…!」
暴れる槍を見事に抑え込む趙雲さんを後退する様に連続して力を発する。
苦悶の声と共に槍でも届かない距離に押し帰っていった趙雲さんは何とか勢いを殺して再度構える。
「お見事です」
耐えた趙雲さんへと今度はこちらから踏み込んで行く。
「そろそろ終わりましょっか」
「はぁ、はぁ…は、はい……」
息も絶え絶えに返事をしてくれる趙雲さんの返事を聞いてから汗を拭き水分を取る。
キンキンに冷えたなんてのは到底出来ないものの温くても運動後の水は美味い。
一気に飲みで軽く腹をちゃぽらせてから趙雲さんに近付く。
「お疲れ様です」
「ははは……そんなことないですぞ、と軽口を言えればむぷっ」
飄々とした趙雲さんは俺との手合わせの後は大抵余裕がなくなっている。
大の字で寝転んだりはしないものの膝を付いたり地面に座り込んだりして一歩も動こうとしなくなる。
本当に疲れ果てているのが分かる様相だ。
なので新しいタオル代わりの布を顔に押し付けてもみもみと汗を拭ってあげる。
当然布は透明でもないので顔が揉まれて歪む所は見えないものの好きな様に弄られる趙雲さんというのが既に面白い。
唯一の抵抗として声を上げるも変な声になるように俺がわざと布を押し付けるので無抵抗になったしまったのも面白い。
男特有のむらむらはなくなったものの女性への興味はなくなってないからこういうのが凄く楽しい。
今は同性だから遠慮しなくていいし。
性欲がなくなったんだからこれ位いいよね。
「きれいきれい……」
「……」
「きれいきれい……」
「……」
「ほい、出来上がり」
「あの、本当にもう勘弁してくれ下され」
布を退けた下の趙雲さんの顔は結構赤い。
今までのやり取りでこういうのならいいかなぁと思ったんだけど。
前とか小脇に抱えて自室まで連れて帰ってあげたりしてたんだけど。
駄目だったかなぁと謝る。
「ごめんごめん」
「分かって下されば良いのです」
「にしてもこういう趙雲さんも中々…」
「くっ……動きの鈍い自分の身体が憎い……!」
手足が震えて子鹿の様な趙雲さんの顔を弄りまくる。
ほっぺを揉んだり耳朶を弄ったり。
一応抵抗してくるが、体力を最後まで絞り出す様にじっくり戦ったので無いに等しい。
「……後で酷いですぞ」
「………」
「あ、ちょ、なにを……!」
基本的にからかい的な意味でたちの悪い趙雲さんの後での仕返しは怖いが。
やったものは仕方ないので開き直るとしよう。
強引に肩車をすると城の中を駆け回り始める。
俺も多少恥ずかしいが普段クールを心掛けている趙雲さんの方がダメージでかいはず。
公孫瓚さんの所は勿論欠かさずに確りと趙雲さんの勇姿を披露して回った。