インフィニット・ストラトス ~唐変木に疲れる苦労人~   作:さすらいの旅人

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久々の投稿の為、少々気分転換を兼ねて本編とは関係ない番外編を書きました。

今回はフライング投稿とさせていただきます。

それではどうぞ!


番外編 和哉の一日 前編

 平日の月曜日。いつも通りの時間に起床、いつも通りの朝練、いつも通りの朝食、いつも通りの授業、そしていつも通りの修行。

 

 これ等の事を月曜日から金曜日に通じて全く同じ事をしている日常。人によっては退屈な物だと思われるだろうが、俺にとっては生活の一部なので全く気にしてない。

 

 今週も頑張ろうと思いながら朝練をしてると、運良く千冬さんが来て組み手をしてくれて幸運だった。一人でやるより誰かとやった方が有意義だからな。

 

「織斑先生、今日はいつもよりキレのある一撃ですね。はっ!」

 

「ふっ! 少し難易度を上げようと思ってな」

 

 千冬さんから繰り出す拳の速度が上がってる事によって何とかギリギリで躱す俺だったが、今度の回し蹴りでは防御せざるを得なかった。

 

 片腕で防ぐも、千冬さんの攻撃は相変わらず重い。無論蹴りだけじゃなく拳も相当な威力だ。剣術だけじゃなく武術も出来るって本当に恐ろしい人だ。

 

 俺が負けじと反撃するも、千冬さんは難なく躱そうとする。躱される事に少しムッとする俺だったが、心を静めながら攻撃を繰り出す。千冬さん相手に感情を表に出せば最後、負けるのが明白なのを充分理解してるから。

 

「ところで神代、布仏と喧嘩でもしてるのか?」

 

「はい? 別に喧嘩なんかぶっ!」

 

「隙を見せたな」

 

 変な質問をされた所為で俺は一瞬気を抜いてしまい、千冬さんから頬に拳を受ける事になってしまった。

 

 どっちかが一撃当てたら終了する事になってる為、今日の組み手はこれで終了。

 

「ててて……いきなり何言い出すんですか、織斑先生」

 

 頬を擦りながらしかめっ面で言う俺に、千冬さんは気にも留めてない様に言おうとする。

 

「なに、ここのところお前と布仏が一緒に行動してるのを見てなくてな。普段から呆れるほどにイチャついてるお前らに何か遭ったんじゃないかと思って訊いてみた」

 

 イチャついてるって……俺じゃなくて本音がいつも勝手に引っ付いてきてるだけなんですけど。

 

「別に喧嘩なんてしてませんよ。本音が友人の付き合いとか生徒会の仕事で偶々すれ違ってるだけです」

 

 俺も俺で一夏達の修行や黒閃のメンテで色々とかあるし。

 

 因みに黒閃は調整中により、現在俺の手元にはない。いつも待機状態にしてるブレスレットはラボへ預けている。俺がラボから出ようとする時に黒閃が寂しそうな目で見ていたが。

 

「そうか。喧嘩してる訳じゃないんだな」

 

 理由を聞いた千冬さんは納得したようにふむふむと頷いている。

 

「と言うか何で俺と本音が喧嘩してるって事になってるんです?」

 

「昨日、布仏が一人で元気の無い顔で歩いているのを見かけて、もしやお前と喧嘩でもしたのかと思ってな」

 

 元気がない? いつも元気でありながらも、のほほんとしているあの本音が? 珍しい事もあるんだな。

 

「それで俺と喧嘩したって……飛躍しすぎじゃありませんか?」

 

「思わずそう考えてしまったんだ」

 

「と言うか、俺と本音はただの友人関係なんですから、そこまで深い関係じゃ……って、何で溜息吐いてるんです?」

 

 俺が言ってる最中に千冬さんは何やら呆れた顔をしながら溜息を吐いた。

 

「……神代、お前はいつまで布仏と友人だと言ってるんだ? 私から見たらお前と布仏は恋人同士にしか見えないぞ」

 

「恋人同士って……俺と本音はそんな関係じゃないですよ」

 

 発展しすぎにも程があるだろうと抗議したかったが、朝食の時間が迫ってきた為に出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 放課後。

 

 学校の授業が終わると、クラスメイト達はそれぞれ部活やISの特訓をする為に教室を出て行こうとする。

 

「和哉、この後の修行は――」

 

「悪いが俺は今日不参加だ」

 

「………え?」

 

 いつものように一夏が特訓の話をしてくるも、俺は空かさずに断った。俺の台詞が意外だったのか、一夏が面を食らったかのような顔になる。

 

「ど、どうしたんだ和哉? もしかして調子が悪いのか?」

 

「違う。ちょっとやる事があって参加しないだけだ」

 

「やる事って何だ?」

 

「………まぁ、ちょっと個人的な事だ」

 

 流石に内容が内容だけに言えないので敢えて濁すと、一夏が急に心配そうに訪ねようとする。

 

「何だよ和哉。俺には言えないの事なのか?」

 

「別にそういう訳じゃないんだが……」

 

 どうやって誤魔化そうかと考えてると――

 

「どうしたの二人とも。まだ行かないなんて珍しいね」

 

 鞄を持ってるシャルロットが不思議そうに尋ねてきた。

 

「あ、シャル。実は和哉が――」

 

「シャルロット、ちょっと良いか?」

 

「え? な、なに?」

 

 一夏が理由を言おうとする前に、俺はすぐにシャルロットを連れて一夏から少し離れる。

 

 そして一夏に聞こえないよう小声で話しかけようとする。

 

「なあシャルロット、突然で悪いがこの後の予定は?」

 

「予定って……いつも通りISの特訓だけど」

 

「そうか、じゃあちょっと予定を変えてくれないか?」

 

「え? どうしてなの?」

 

 いきなり予定を変えろと言う俺の台詞に、シャルロットは少し眉を顰める。

 

 代表候補生にとってISの特訓は重要だから、放課後に予約したアリーナをキャンセルさせようとするのは失礼にあたる行為だ。その為にシャルロットは不機嫌な顔をしている。

 

「いくら和哉でもそれはちょっと……」

 

「今日は一夏とトレーニングルームで修行する予定なんだが、ちょっと用事があるから俺の代わりにシャルロットが一夏の相手をしてくれないか?」

 

「ぼ、僕が一夏と?」

 

「ああ。因みに今日のトレーニングルームは誰もいないから、一夏と二人っきりになれるぞ」

 

「! そ、それ本当!?」

 

「本当だ。シャルロットにとっては悪くない話だろ? もうついでにこの事を箒達には教えてないから、一切の邪魔は入らないぞ」

 

「……………い、一夏と、二人っきり……でも……」

 

 多分彼女の頭の中では、誘いに乗っちゃダメだと拒否する代表候補生のシャルロットと、一夏と二人っきりになろうと賛成する恋する乙女のシャルロットが必死に戦ってるんだと思う。

 

 シャルロットは未だに凄く迷っている様子だが、あともう一息といったところだ。

 

「まぁそれでも断るんだったら、箒達の内の誰かにでも頼んで――」

 

「っ! だ、ダメ! 僕がやる! 僕がやるから箒達に教えないで!」

 

「じゃあ交渉成立って事で」

 

 どうやら勝負の結果、恋する乙女のシャルロットが勝ったようだ。

 

 修行の代行を頼む事に成功した俺は内心笑みを浮かべた。

 

 シャルロットに限った話じゃないが、一夏ラヴァーズは一夏関連の事となるとすぐに乗ってくれる。

 

「で、でも本当に一夏と二人っきりになれるの?」

 

「それは安心しろ。だから今の内に一夏を――」

 

「おい和哉、シャルとなにコソコソ話してるんだ?」

 

 俺がシャルロットとコソコソと話して痺れを切らしたのか、一夏がしかめっ面で言ってくる。

 

「悪い悪い一夏。今日の修行なんだが俺の代わりにシャルロットがやってくれる事になった」

 

「え? シャルが? けどシャルは今日ISの特訓が――」

 

「だ、大丈夫だよ一夏! あ、後で予定を変えておくから!」

 

「……そ、そっか」

 

 勢いあるシャルロットの台詞に少し気圧され気味の一夏。

 

 一先ず一夏の事はシャルロットに任せておくとしよう。

 

「って訳で、今日はシャルロットの相手を頼む。それじゃ俺はこれから行く所があるから」

 

「あっ、ちょっと待てよ和哉! 俺まだ参加しない理由を――」

 

 一夏に追求されるのを回避する為、俺はすぐに鞄を持って教室から出た。

 

(シャルロット、一夏と二人っきりの時間を楽しめよ。)

 

 俺はそう思いながら教室を出てすぐに寮へ戻り、そして一夏と共同で使ってる部屋に入ってすぐに準備を始めようとする。

 

 用意したのは冷凍パイシートに砂糖、バターに卵黄、最後はリンゴだ。

 

 これ等の材料を用意してやる事と言えばただ一つ。それはアップルパイを作ること。

 

「さて、久しぶりに作りますか」

 

 これを作る理由は、久しぶりに本音に食わせてやろうと思ったから。

 

 今朝に千冬さんから本音が元気ないと聞いて考えた結果、俺が作るアップルパイで元気付けさせようと決めた。それで元気になるかどうかは分からんが、やらないよりはマシだ。

 

 あ、そう言えば本音は放課後早々に生徒会に行ったんだったな。出来れば出来たてのアップルパイを食わせたかったが……仕方ない。少し面倒だが、生徒会室へ直接持っていくとしよう。生徒会長の楯無さんや(うつほ)さんは許してくれると思うし。




内容がグダグダですいません。

次回は本音とのイチャイチャ話になるので、ブラックコーヒーを用意しておいた方が良いかと思います………なんて嘘です。そこまで甘い話になる予定ではありませんので。
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