インフィニット・ストラトス ~唐変木に疲れる苦労人~ 作:さすらいの旅人
翌週の月曜。セシリア・オルコットの対決の日。
「なあ和哉、俺たち大丈夫かな?」
「この一週間、補講と基礎訓練の繰り返しをやったんだ。お前もそれなりの体力が付いたろ?」
「確かにそうだけど……」
一夏とゲームをした翌日、朝練をした後、山田先生に補講をしてもらうよう頼んだ。山田先生は『生徒を指導するのは教師の役目ですから』と言って嬉しそうに承諾してくれた。
「山田先生の補講は分かりやすくて良かったんだが……俺や一夏を見て途中から変な事を呟いていたな」
「俺、あの人本当に大丈夫かって何度も思ったぞ」
放課後の教室で俺と一夏と山田先生しかいなかったから、山田先生って男相手に大して慣れていないからああなったんだろう。それに加えて俺と一夏がいるとなると尚更だ。山田先生の妄想の極め付けは『織斑くんと神代くんに強引に迫られたら私……』なんて言ってたからな。あれは正直ドン引きした。俺が思わず『山田先生って男に飢えてるんですか?』と言った途端、山田先生は即座に違うと否定していたが。
ま、そんなギャグテイストな補講と基礎訓練を交互に行って、間に合わせの知識と(一夏だけ)体力が見についた。
本当だったらISを使って操縦練習もしようと考えていたが、一夏のISは未だに届いておらず、訓練機の無期限貸し出し許可を与えられている俺一人だけでやるのは流石に気が引けたので敢えてやらなかった。もし俺一人だけで練習してたら、アリーナで練習していた女子達が一斉に俺を見て、数名が何かしらの理由を付けて絡んだ上に甚振ろうと容易に想像出来た。別にそうなっても全力の『睨み殺し』を使って動けなくさせて練習すれば良いんだが、一夏が補講と基礎訓練してる最中に俺だけISの操縦練習する訳にはいかないからな。
「それと今更何だが………何で箒まで俺達と一緒にやっていたんだ?」
「気にするな、一夏」
一夏の台詞に近くにいた篠ノ之が何でもないように言い放つ。
「いや、気にするなって言われても」
「元はと言えば和哉が勝手に一夏を連れて行くから、私は急にやる事が無くなったんだ」
「そ…それはすまなかったな」
箒の台詞に俺は謝る。途中から箒も一緒に補講と基礎訓練に参加してこの一週間、一夏と箒はお互いに名前で呼び合う仲に戻っていた。そして篠ノ之が『神代、これからは私の事を箒と呼んでくれ。私もお前の事を和哉と呼ぶから』、と言われたので俺も篠ノ之とは名前で呼び合う仲となっていた。妙にライバル宣言な感じがしたけど。
「まぁ三人で訓練するのは結構楽しかったからな。俺は嬉しかったぞ、箒」
「う、嬉しい?」
「ああ、六年前に一緒に剣道した事を思い出したよ」
「そ、そうか。私と一緒にいて嬉しかったか……そうかそうか」
「………………………」
あ~~俺の気のせいかな~? 一夏と箒の周りからラブラブオーラが流れているような気がするよ。と言ってもそれは箒だけで、一夏本人は全然自覚してないだけだ。試合前だってのに甘ったるい空気を醸し出されたら流石にちょっとな。
「一夏、また和哉と訓練する事があるなら私も一緒に良いか?」
「おお、いいぜ」
「じゃ、じゃあその時は私が弁当を作って……」
「ゴホンッ! ゴホンッ!」
「!!!」
「ん? どうしたんだ和哉?」
俺が咳払いをすると箒は漸く俺に気付き、一夏は不可解な顔をしながら俺を見た。
「あ~すまん。ちょっと咽ちゃってな……」
「? 何で咽たんだ?」
「そ、それより! 一夏のISはまだ来ないみたいだな!」
俺の台詞に一夏が原因を聞こうとしたが、箒が話題を変えようと少々叫びながら言った。箒はちゃんと分かっていたみたいだな。
「やれやれ、試合当日だってのに学園は何やってるんだか」
箒の台詞に俺も便乗して学園の対応の遅さについて言う。事情があってごたついているのは聞いているが、こんなに遅かったら愚痴りたくもなる。
因みに俺は今ISの訓練機である打鉄を既に身に纏っている。見た目は武者鎧のような形態だ。使うのは二回目だがそう大して違和感は無い。
「って事はもしかして今日、試合が出来ないんじゃ……?」
「となると今回は俺一人でオルコットと試合する事になりそうだな」
試合は『神代和哉&織斑一夏 VS セシリア・オルコット』となっている。相手がオルコットだけでは俺達が一番有利と思われるだろうが、そう上手くは行かない。何しろ俺と一夏は素人で、オルコットは玄人だ。それを考えるとオルコットが俺たち二人に挑んだところで何の障害にもならない。オルコットも当然それが分かっており、2対1で構わないと了承しているのだ。アイツの事だから一人ずつ倒すより、纏めて倒したほうが効率的で良いと考えているに違いない。聞いた話だとオルコットのISは対複数戦用だとか。
俺がそう考えている最中に駆け足でこちらに向かって来る音が聞こえた。
「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」
第三アリーナ・Aピットに来たのは三度も一夏を呼ぶ山田先生。本気で転びそうで、見てるこっちがハラハラする足取りだ。だが今日はいつもよりさらに輪をかけて慌てふためいている。
「山田先生、どうか落ち着いてください」
「そうですよ。はい、深呼吸」
「は、はいっ。す~~~~は~~~~、す~~~~は~~~~」
俺が山田先生を落ち着かせようとすると、一夏が深呼吸するように言った。
「はい、そこで止めて」
「うっ」
一夏が悪ふざけでそう言ったら、山田先生は本気で息を止めた。おいおい一夏、お前は何をやってるんだよ。
「……………………」
「っておい一夏、まだなのか?」
「……ぶはあっ! ま、まだですかあ?」
いや、一夏の言う事を素直に従う山田先生もどうかと思うんですけど。
「目上の人間には敬意を払え、馬鹿者」
パアンッ!
おおう、弟の一夏を殴る事に容赦無い千冬さんも登場した。相変わらずこの人は神出鬼没なことで。
「千冬姉……」
パアンッ!
また一夏を殴ったよこの人。
「織斑先生と呼べ。学習しろ。さもなくば死ね」
「(ちょっと聞いたか和哉?)」
「(ああ。とても教育者とは思えない言葉だった)」
千冬さんの台詞に一夏が俺に小声で話しかけると俺も頷く。一夏の事だから内心、美人の割に彼氏がいないのはあんな性格だと思っているだろう。
「ふん。馬鹿な弟にかける手間暇がなくなれば、見合いでも結婚でもすぐできるさ」
あらま、俺だけじゃなく千冬さんも読んでいましたね。向こうがそう来るならコッチも。
「なあ一夏。織斑先生がああ言うならいっその事、俺が師匠に頼んでお前を弟子にするよう頼んでおこうか?」
「は?」
「!」
俺の台詞に一夏は素っ頓狂な声を出し、千冬さんは物凄い反応をして俺を見る。
「師匠ならお前を一人前にする位どうって事無いぞ。そうすれば織斑先生も心置きなく……っ!」
突如殺気を感じた俺は即座に構えて……。
ガシッ!
織斑先生が本気で打ったパンチを両手で受け止めた。その事に一夏、箒、山田先生は驚愕する。俺がISを纏っていると言うのにパンチするなんてな。
「いきなり何ですか? 織斑先生」
「神代、余計な事はしなくていい。これは私と織斑の問題だ。貴様は口を出すな」
「俺は単に織斑先生の負担を減らそうと……」
「二度も言わせるなよ?」
「………はいはい、分かりました。出すぎた真似をして申し訳ありませんでした」
「なら良い」
千冬さんが発した低い声に負けて俺が謝ると拳を引っ込めた。
全くこの人は。素直に『私の大事な弟は自分が一人前にする』って言えば……やば。千冬さんがまた睨んできたから考えるのは止そう。
「明日を楽しみに待ってるんだな、神代」
あらら。もうどの道逃げられないか……。まぁ良いや。千冬さんとの組み手が確約出来たと思えば安いもんだ。
「和哉……お前生きろよ」
「死ぬなよ和哉。私たちは影ながら応援してる」
「神代くん、どうか無事に帰ってきてください……」
おいおいアンタ等、人が死地に行くような暗い雰囲気を出さないでくれよ。別に死にはしないから。
「お前たちも一緒にやるか?」
「「「遠慮します!」」」
千冬さんの発言に俺を除く一夏達は即座に断った。まぁ千冬さんと組み手なんか誰も好き好んでやりたくないだろう。
「そ、そ、それより織斑くん! 来ました! 織斑くんの専用IS!」
山田先生が話題を変えて一夏の専用機が来たことを言い出した。
「織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
「はい?」
千冬さんの台詞に一夏が素っ頓狂な声を出している。
「この程度の障害、男子たるもの軽く越えて見せろ。一夏」
「え? え? なん……」
未だに戸惑っている一夏に……。
「「「早く!」」」
山田先生、千冬さん、箒の声が重なった。
「(なあ和哉、何で俺の周りにはこういう異性しか……)」
「(お前がハッキリしないからだろ)」
小声で話しかけてくる一夏に俺は思った事を言う。少しは状況を理解して欲しいもんだ。
俺がそう思っていると、ごごんっ、と鈍い音がして、ピット搬入口が開く。斜めに噛み合うタイプの防壁扉は、思い駆動音を響かせながらゆっくりと向こう側を晒す。
そして目の前に『白い』ISがあった。
随分と飾り気の無い白色だな。いや、純白と言った方が正しいな。
「これが……」
「はい! 織斑くんの専用IS『
一夏の専用機『白式』……か。俺から見れば佇んでいるようにしか見えないが、一夏は何かが違った。まるで待っていたかのように。
「体を動かせ。すぐに装着しろ。時間が無いからフォーマットとフィッティングは実戦でやれ。できなければ負けるだけだ。分かったな」
織斑先生が催促すると、一夏は白式に触れる。
「あれ……?」
「どうした一夏?」
「いやさぁ。試験の時に、初めてISに触れた時に感じたあの電撃のような感覚がないんだ」
「何?」
そう言えば俺もだったな。この打鉄を纏った時は……ただ、馴染む。理解出来るって。
「背中を預けるように、ああそうだ。座る感じでいい。後はシステムが最適化をする」
千冬さんに言われたとおり、一夏は白式に体を任せた。その途端、装甲が一夏の体に合わせて閉じた。
かしゅっ、かしゅっ、と言う空気を抜く音が聞こえる。そして白式が一夏と融合したかのように見えた。
お、一夏のISのハイパーセンサーが動いたな。
「見えるか一夏。セシリア・オルコットのISの情報を」
「ああ、見えるぜ」
俺の問いに一夏は問題無く答える。
因みにセシリア・オルコットのISは『ブルー・ティアーズ』。戦闘タイプ中距離射撃型で、特殊装備有りだそうだ。
「ISのハイパーセンサーは問題なく動いているな。一夏、気分は悪くないか?」
さっきまで黙っていたんだが、このハイパーセンサーによって相手の微妙な声の震えまで知覚出来る。千冬さんは一夏にぶっきら棒な言い方をしていたが、実際は若干震えていて心配していたのだ。
「大丈夫、千冬姉。いける」
「そうか」
おやおや? 一夏が『千冬姉』って呼んだのに、呼ばれた千冬さんは叱咤しないとは。こりゃ相当一夏の事を心配していた証拠だな。良い情報をゲットしたな。後で一夏に教えるか。
「神代、言ったらどうなるか分かってるだろうな?」
「滅相もありません」
くそっ! 抜かりなく俺の心を読んでいやがったか。さっきまでの心配そうな声が一気に無くなって棘が含んでるし。
「箒」
「な、なんだ?」
「行ってくる」
「あ……ああ。勝って来い、一夏」
「ちょっと箒さん、俺には何も無いのかい?」
一夏と箒のやり取りに俺が突っ込むと、箒が気付いたかのようにコッチを見る。
「あ………お、お前も頑張れよ、和哉」
「今更そんなついでみたいに言われてもねぇ……」
「…………すまん」
「冗談だ。そんじゃ俺も行ってくるよ」
謝る箒に俺は笑みを浮かべた後、すぐに真剣な顔になって一夏を見る。
「一夏、俺が試合前の前日に言った事を覚えてるな?」
「勿論だ」
「よし、では行くぞ」
「おう!」
俺と一夏はピット・ゲートに進んでいると一夏のISから妙な音が聞こえた。
ちきちきちきちきちきちきちき
「さっきから気になっていたんだが、その音は一体何だ?」
「ああ、これか? 白式が俺の体に合わせて
「なるほど。そう言われれば確かに白式の表面装甲が徐々に変わっているな」
千冬さんが実戦でやれって言ってたのはこう言う事だったのか。となると、これは前日に言った通りの事をしておかないといけないな。
お? 考えてる内にゲートが開いたみたいだな。
「あら、逃げずに来ましたのね」
オルコットがふふんと鼻を鳴らす。また腰に手を当てたポーズを取るとは……本当にアレが好きなんだな。ところでアイツ、この間俺が挑発して怒っていたのと言うのに今は冷静だな。
ま、そんな事よりオルコットのISの形状を見ておかないと。
う~ん……『ブルー・ティアーズ』の外見は、特徴的なフィン・アーマーを四枚背に従えてるみたいに、王国騎士みたいな気高さを感じるな。
それとオルコットの手には二メートルを超す長大なライフル……これは検索してっと……六七口径特殊レーザーライフル《スターライトmkⅢ》と一致……か。ISは元々宇宙空間での活動を前提に作られており、原則として空中に浮いている。それにより自分の背丈より大きな武器を使うのは大して珍しくも無い。
もうついでに、このアリーナ・ステージは広いな。確か直径は二〇〇メートルだったか。
「織斑一夏、最後のチャンスをあげますわ」
俺がアリーナの広さを目だけで確認してると、オルコットは腰に手を当てた一夏の方に、びっっと人差し指を突き出した状態で向けた。左手に持っている銃は、余裕を表しているのか砲口が下がったままである。
「チャンスって?」
「わたくしが一方的な勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというのなら、許してあげないこともなくってよ。……ですが神代和哉、あなたは謝ったところで許しませんわ」
一夏にはオルコットは目を笑みに細めていたが、俺を見た途端に憎らしげに見て言い放つ。ありゃ相当俺に恨みを持っているな。その証拠にアイツは俺に砲口を向けてる。ISのハイパーセンサーからでも『警戒、敵IS操縦者の左目が射撃モードに移行。セーフティのロック解除を確認』って情報が流れてるし。
あれで俺に殺気を放って威嚇してるつもりなんだろうが、あの程度など然して問題無い。
「そういうのはチャンスとは言わないな。仮に俺がそんな事して退いたら、お前は和哉を甚振る気なんだろ? 友達を見捨てて一人だけ助かる気なんて微塵も無いからな」
「いつまでも御託を並べてないでさっさと来い。前から思ってたが、貴様は前置きが長過ぎていい加減ウンザリしているんだ」
「そう? 残念ですわ。それなら――」
オルコットが本格的に構えると、ハイパーセンサーから『初弾エネルギー装填』と表示された。
キュインッ! キュインッ!
耳をつんざくような独特の音が出た。それと同時に走った閃光が刹那、俺と一夏の体を撃ち抜こうとする。
「避けろ一夏!」
「うおっ!?」
俺は咄嗟にかわし、一夏は直撃は免れたものの左肩の装甲が吹き飛ぶ。なんて威力だ。直撃じゃないとは言えアレ程とはな。
「一夏、大丈夫か?」
「ああ、平気だ」
何でもないように言う一夏だったが、それとは逆に顔を顰めていた。恐らく左腕に受けたダメージが、神経情報としての痛みを走らせているんだろう。だが今はそんな事を気にしている場合じゃない。
あの女、驚いている俺たちを余裕そうな笑みで見てやがるし。
「もうついでに聞く。ほんの一瞬だったが、白式の反応に追いついていないように見えたが?」
「悪い。実を言うとそうだ。くそっ。こりゃ和哉に言われたとおりもうちょっと体を動かせば良かったな」
「今更そんな事を言ったところでどうにもならんぞ」
さて、今回このISバトルは相手のシールドエネルギーを0にすれば勝ちだったな。だが、先程の一夏のようにバリアーを貫通されると実体がダメージを受ける。さっき一夏が喰らったビームによってシールドエネルギーが減ってる筈だ。そして受けた破損個所は大なり小なり後の戦闘行為に影響を与えてしまう。
そして操縦者が死なないように、ISには『絶対防御』と言う能力が必ず備わっている。あらゆる攻撃を受け止める条件として、シールドエネルギーを極端に消耗するのだ。だが一夏が受けた肩には『絶対防御』が展開されていなかった。それはISが『吹き飛ばされても平気』と言う判断を下して作動しなかったんだろう。充分命に関わると言うのに随分と中途半端な代物だな。
「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる
「! 散開しろ一夏!」
「おう!」
オルコットが撃つ前に俺が叫んで動いたと同時に、オルコットが持つ銃から弾雨の如き攻撃が降り注いだ。二人相手だと言うのにも拘らず、交互に俺と一夏を狙うとはな。
俺は弾雨を何とかギリギリで避けているが、一夏の方は掠っていた。お互いに思うように動けなくて四苦八苦している。
確か打鉄の装備は近接ブレードの刀だけだったな。俺には拳と足があるから不要だが、それでも盾ぐらいにはなるか。
一夏の白式の装備が気になっていたが……。
「げっ! 白式の武器って近接ブレード一個しかないのかよ!」
おいおい、俺と同じ装備なのかよ。まぁ今の一夏に武器は必要だから、この際どうこう言ってられない!
「よし一夏! 先ずは第一段階から始めるぞ! 良いな!?」
「了解だ! だがその前に!」
一夏がそう言うと右手から光の粒子が放出され、それが手の中で形となって片刃のブレードを出した。
「中距離射撃型のわたくしに、近距離格闘装備で挑もうだなんて……。おまけに神崎和哉は何も出さずに……笑止ですわ!」
すぐにオルコットが射撃を繰り出す。そうだ、そうやって撃ち続けると良い。
今の俺達はお前に近づく気なんて一切無いからな。
「第一段階と言ってたから何をするかと思えば、ただ逃げてるだけではありませんか!」
挑発しながらもオルコットは撃ち続けているが……。
「その逃げている俺達に全然直撃してないじゃないか。アンタの射撃は意外と大したことは無いみたいだな、オルコットさんよ!」
「相変わらずの減らず口……すぐに叩けなくしてやりますわ!!」
俺が挑発返しをすると更にバカスカと撃ってくれた。
「一夏! 俺がもう良いと言うまで突進するなよ!」
「分かってるって!」
俺と一夏は必死にオルコットの弾雨を逃れていた。
因みに俺が言った第一段階とは……ISの動きと反応速度に慣れる為、必死に回避行動を取ることだ。
IS操縦経験が無い俺と一夏には先ずこうやって体に慣れなければ意味が無い。オルコットは俺達の行動に何の疑問を抱かずにひたすら撃ち続けている。
さあオルコット、お前のご自慢の