インフィニット・ストラトス ~唐変木に疲れる苦労人~   作:さすらいの旅人

55 / 133
今回は早めに更新することが出来ました。


第52話

「残念だったな、シャルル。距離さえ保ち続ければ何とかなると思っていたようだが、それは大間違いだ」

 

「う、うう……和哉……君は一体、何を……?」

 

 俺の『飛燕脚』で吹っ飛ばされたシャルルは何とか体勢を立て直そうとするが、体に直撃した為、すぐに起き上がる事が出来ないようだ。

 

 宮本流奥義『飛燕脚(ひえんきゃく)』。足を高速で振り上げ、衝撃を発生させる遠距離専用の技。分かりやすく言えば拳で繰り出す『破撃(はげき)』と同様に脚に変えたものだ。だが『飛燕脚』は『破撃』と違って威力が異なる。理屈では足の力は腕の三倍あるから、『飛燕脚』の方が威力は高い。以前鈴に食らわせた『破撃』の3倍以上のダメージをシャルルが負っているから、すぐに立ち上がることが出来ないと言うわけだ。

 

「何をしたのかは後で教えてやる。取り敢えずシャルルは……これで終わりだ!」

 

「っ!」

 

 再び『飛燕脚』を使う為に片足を上げ、それを見たシャルルは避けようとするが反応が遅い。

 

 今のシャルルには避けきれまいと思いながら、脚を振り上げようとする俺に、

 

「やらせるかよぉ!」

 

「!」

 

 背後から一夏が『瞬時加速《イグニッション・ブースト》』を使って突進してきた。

 

「はあああっ!」

 

 そのまま一夏は俺の背後に雪片弐型を使っての斬撃を繰り出そうとするが、

 

「甘いっ!」

 

 

 ガギンッ!

 

 

「な、なにぃっ!?」

 

「そ、そんなっ!?」

 

 俺が『飛燕脚』を使うのを止めて両足で立って後ろも振り向かずに、右手に持ってる刀で斬撃を防いだ事によって若干俯きながらも、一夏とシャルルは驚愕の声を発した。

 

「ふうっ。今のはちょっとやばかったぞ一夏。だが折角のチャンスに声を出したのは不味かったな。そうしなければ俺に一撃を当てれただろうに」

 

 まぁ実戦慣れしてないIS操縦者なら当たっていたかもしれんが、と言って首だけを動かしながら一夏を見る俺。

 

 もし一夏があのまま声を出さずに斬撃を繰り出されていたら、俺はある程度のダメージを負いながらも『疾足』で一夏から距離を取っていた。

 

「く、くそっ……!」

 

「この場で一つの教訓として覚えておくんだな、一夏。俺に中途半端な攻撃は効かんっ!」

 

「ぐふっ!」

 

 俺が左腕の肘打ちで腹部に攻撃すると、喰らった一夏は雪片弐型を握っている力が弱まった。その隙に右手の刀を上に振り上げると、一夏は雪片弐型を手放す。

 

 刀を手放した一夏を見た俺は、刀を収納してすぐに両手で一夏の右腕を掴み、

 

「はあぁぁぁぁ~~!」

 

「うわわわわわっ!」

 

 そのままジャンプして空中で止まり、ジャイアントスイングの要領で一夏を振り回し、

 

「そらぁっ!」

 

「うわああぁぁぁぁ~~~!!!」

 

 シャルルがいるところへと投げ飛ばした。

 

「い、一夏っ! うわぁっ!」

 

 一夏を受け止めようとするシャルルだったが、体勢が悪かった為に一夏と激突し、土煙を放ちながら一緒に吹っ飛ばされて、ダアンッ! と、アリーナの壁にぶつかった。

 

「っと、いかんいかん。思わずシャルル目掛けて投げ飛ばしてしまったな」

 

 ポリポリと指で頭を掻く俺だが実は嘘。本当はシャルルにダメージを与えるために、一夏を飛び道具代わりとして使った。投げ飛ばされてる一夏にシャルルが回避しないで、そのまま受け止めるのは分かっていたからな。で、それを喰らったシャルルは物の見事に激突してダメージを食らい、シールドエネルギーも消耗しているだろう。

 

 狡賢いやり方だと思われるだろうが、これは本来タッグ戦。一対一の戦いだったら大して気にする必要はないが、もし下手に一夏だけ集中していたら、シャルルがその隙にアサルトライフルで狙い撃ちされる可能性があったからな。ちゃんと周囲全体を見て戦わないと、ボーデヴィッヒのような目に遭ってしまう。

 

「いててて……だ、大丈夫かシャルル?」

 

「う、うん……何とか」

 

 壁に激突して、シャルルが一夏を受け止めてる状態で下敷きになっていた。

 

「わ、悪い。すぐに退くから」

 

「一夏。相棒を気遣う前に、目の前にいる敵を集中した方が良いぞ?」

 

「「!!!」」

 

 シャルルから離れた一夏に空中にいる俺が声をかけると、二人はすぐに此方を見る。

 

 そんな二人に空中で構えてる俺は、

 

「すぅぅぅぅ~~~……宮本流奥義……『乱撃(らんげき)』!!」

 

「危ない一夏!」

 

 深呼吸をした後に奥義名を言った直後に、一夏とシャルルがいる方へと両拳を繰り出す。それを見たシャルルは一夏を庇うかのように押し倒す。

 

 

 ドドドドドドドッ!!

 

 

「あああっ!」

 

「しゃ、シャルルっ!」

 

 見えない衝撃がシャルルの背後に当たるだけでなく、一夏とシャルルの周囲の地面にも何かに当たったかのように抉れて、また土煙が舞い始める。

 

 宮本流奥義『乱撃(らんげき)』。『破撃』を連続で繰り出す派生技。集中して一発で当てる普通の『破撃』とは違って威力は劣り、命中率も多少低い。だが何発も喰らえば『破撃』以上のダメージを与える事が出来る。相手が動けなくなった際、遠距離で追撃するには最適な技でもある。特にシャルルの様な厄介な奴には。

 

「はぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!」

 

 土煙で二人が見えなくなっても、俺は気にする事無く両拳を繰り出し続ける。それにより何かに当たっている音しか聞こえない。

 

 そして何十発も撃ち続けた事により、少し息が上がり始めた俺は繰り出していた両拳を止めた。 

 

「ふうっ。ちょっとやり過ぎたか」

 

 息を整えて正常な状態に戻した俺は地上に降りながら、一夏が手放した雪片弐型を右手で拾い、盛大な土煙が舞っている方を見ている。

 

「…………ふんっ!」

 

 

 ダアンッ!

 

 

 未だに土煙によって、一夏とシャルルの姿が見えなかったから、俺は『飛燕脚』で撃ち払うと壁に激突する音が聞こえた。

 

 それによって土煙が晴れると、そこには一夏を覆い被さるかのように、うつ伏せになって倒れているシャルルがいた。二人の周囲の地面には穴だらけになっている。

 

「う、うう………ご、ごめんね一夏。もうシールドエネルギーが無くなっちゃった……」

 

「シャルル、お前……俺なんかの為にどうして……?」

 

 苦笑しながらリタイア宣言をするシャルルに一夏が痛ましい顔をしながら、シャルルから離れて介抱する。

 

「つい体が動いちゃってね。大丈夫。それほど酷い怪我はしてないから」

 

 よく見てみると、シャルルのISの所々には罅が入っていて機体維持警告域(レッドゾーン)寸前だった。

 

 どうやら本当にやり過ぎてしまったようだ。くそっ。ボーデヴィッヒが鈴とセシリアにした事を俺がやってしまうとは。試合が終わった後でシャルルに謝っておかないとな。一先ずは目の前の試合に集中するとしよう。

 

「シャルルはリタイアのようだな。これで余計な邪魔が入らずに済みそうだ」

 

「和哉、テメェ……!」

 

 俺が雪片弐型を持ったまま二人にある程度近付くと、一夏はシャルルを壁際に寄りかからせるように座らせながらコッチを睨む。

 

「いくらなんでもコレはやり過ぎだろうが!」

 

「何を言ってる? 戦うからには全力を出すのは当然だろう」

 

「だからと言って、あそこまでやる事は無いじゃないか! 下手したらシャルルが大怪我するところだったんだぞ!?」

 

「じゃあ何か? 俺はシャルルを気遣いながら全力を出せと? いくらなんでもそれは難しい注文だぞ」

 

「俺が言いたいのはそうじゃなくて……!」

 

 ったく。コイツは誰かが傷付くと、すぐ頭に血が上る。少しは冷静になって欲しいもんだ。

 

「戯けた事を言う暇があるなら、さっさとかかって来い。っと、コレは返すぞ。そらっ!」

 

 そう言って俺は雪片弐型を一夏に向けて投げると地面に突き刺さる。それを見た一夏は手に取って再び構える。

 

 もしこれが実戦だったら、一夏は確実にやられてる。戦いの最中に取った敵の武器を態々返すお人好しなんかいない。考えが甘いな一夏は。あの様子だと全く気付いてない。どうやらアイツには戦いの現実と言うやつも教える必要があるな。ま、取り敢えず今は一夏を追い込んで強くさせるとしよう。

 

「今回ばかりは流石に頭に来たぜ和哉! 何が何でも絶対に勝つ!」

 

「はいはい。出来るものならやってみな」

 

 呆れながら溜息を吐いて人指し指でチョイチョイと挑発行為をする俺に、一夏はカチンとしたかのように突進してきた。

 

「はぁぁ~~~!!」

 

「やれやれ。こんな見え見えな挑発に簡単に乗ってくれるとは……愚か者が!」

 

 少々怒り気味に怒鳴る俺は渇を入れるかのように『破撃』を使って一夏に当てようとするが、

 

「もうそれは見切ったぜ!」

 

「なにっ……?」

 

 一夏は俺が振る瞬間に回りこんだ。

 

 それによって俺の『破撃』を回避すると、外した『破撃』の衝撃はそのまま壁に激突してドンッと音を鳴らす。

 

「これは驚いた。まさかアレをああも簡単に避けられるとは思いもしなかったぞ」

 

「あの『破撃』って技は直線でしか撃てないんだろ? なら和哉が振る瞬間に別の方向に移動してしまえば良いだけだ。鈴の衝撃砲とは違って、お前の技は動作が必要だからすぐに避けれるさ!」

 

「ほう」

 

 剣先をコッチに向けながら言う一夏の台詞に感心する俺。まさか数回見ただけで『破撃』の回避方法を掴んでいたとは……これは正直本当に驚いた。

 

 そう言えば一夏は以前に鈴の衝撃砲を受けた事があったな。確かにアレと比較すれば避けやすい。経験者は語るとは正にこの事だな。

 

「だから、もうその技は俺に通用しない!」

 

「そうかい。ま、そこは素直に褒めておくよ一夏。だがな、『破撃』を避けれるだけで調子に乗ってもらっちゃ困る。お前を倒す方法なんて(スッ)……まだいくらでもあるんだからな」

 

「っ!」

 

 ここで一夏を調子に乗らせない為に、俺は『砕牙』を放つ構えを取る。それにより一夏は再び構えた。

 

「今度は『砕牙・零式』か。あんなのをマトモに食らったらアウトだ……!」

 

「勘違いするな。これはただの……突進技だ!」

 

 そう言って俺は空中に上がり、一夏の方へと高速で急降下する。

 

「はああっ!!」

 

「や、やばっ!」

 

 一夏は『砕牙』をギリギリで避けると、俺の拳はそのまま地面にズドンッ! と、激突して少し大きめの穴が出来上がった。

 

 外した俺はすぐに右手で刀を展開し、そのまま一夏に斬撃を仕掛ける。

 

「おらぁっ! 気を抜くな一夏ぁ!」

 

「うおっ!」

 

 

 ガギンッ!

 

 

 俺の斬撃を防ぐ一夏だったが、

 

「そらそらそらそらぁっ!」

 

「うっ! ぐっ!」

 

 

 ガガガッ! ガギンガギンッ!

 

 

 連続斬撃をする俺に防戦一方になってきた。

 

 俺が攻撃の手を休めずに仕掛け続けると、一夏はボーデヴィッヒとの零距離の高速格闘戦で慣れていた為か徐々に上手く回避できるようになっていた。それにより俺は更に左拳、両足の攻撃も加える。

 

「少しはマシに動けるようになったなっ!」

 

「俺だっていつまでもやられっぱなしじゃない! はあっ!」

 

「!」

 

 何と一夏が俺に反撃をしてきた。横からの斬撃に俺は思わず刀を両手で持って防御に専念した。

 

「……やるな。この俺に防御を集中させるとは……」

 

「言った筈だぜ和哉。いつまでもやられっぱなしじゃないってな」

 

「そうだったな」

 

 一夏の台詞に思わず笑みを浮かべる。

 

 さっきまでは俺に翻弄されてて無様にやられていたと言うのに、今のコイツにはそんな面影が見当たらない。恐らく相棒のシャルルがやられた事により、実力以上の力を発揮しているのだろう。やはりシャルルを先に倒して正解だったな。追い込むほど実力が更に上がっていく。

 

「だがその程度で俺を倒すのは……まだ早い!」

 

「うわっ!」

 

 ほう。回し蹴りまで避けられるとは意外だった。これは更に面白くなりそうだ。

 

 俺がそう思っていると、一夏は俺から距離を取って武器を構えている。

 

「はあっ……! はあっ……! はあっ……!」

 

 ふむ。あれだけ息が上がっていると言う事は、相当体力を使った証拠だな。ま、俺が戦う前にはボーデヴィッヒと戦っていただけでなく、俺の攻撃を何度も喰らっていたから疲れるのは無理もない。

 

 因みに俺も一夏ほどではないが、少しだけ息が上がっている。とは言っても、まだまだ充分に動けるがな。

 

 う~む……このまま続ければ一夏は体力切れでバテてしまい、そこで完全に試合終了になるだろう。だが俺としては一夏にはもうちょっと頑張ってもらいたい。今の一夏は波に乗っているというのに、もしこれで終わってしまったら味気ない。さてさて、どうすればアイツを更にその気にさせれるのやら……。お、そうだ。いっその事、千冬さんネタで試してみるか。

 

「随分とお疲れのようだな、一夏。もうバテたか?」

 

「だ、誰がっ……! まだ終わりじゃない! はあっ……! はあっ……!」

 

「やれやれ。俺程度でそんなに疲れるようじゃ、千冬さんを守るなんて無理なんじゃないか? お前がいつまでもそんなんだと、俺が千冬さんを倒してしまうだろうな」

 

「何…だと?」

 

 お? 食いついて来た。もうちょっとやってみるか。

 

「和哉、お前……千冬姉を倒すって……どう言う事だ?」

 

「決まってるだろ? 俺は千冬さんを倒す事を目標にしている。ただそれだけだ」

 

「だ、だけどお前、『IS学園最強』になるのが目標だと言ってた筈じゃ……?」

 

「まぁ確かにそうだが、俺の目標は……世界最強の千冬さんを倒す事だ」

 

「んなっ!?」

 

 俺の台詞に一夏は驚愕を露わにし、同時に会場全体もざわめいていたが無視して続ける。

 

「くくっ。随分な驚きようだ。俺はなぁ一夏。お前と違って誰かを守る為に強くなるんじゃなく、誰かを倒す為に強くなるんだ。もし千冬さんと言う強者がいなかったら、俺は今頃適当な理由でIS学園を退学して師匠との修行に没頭している。お前も薄々感づいている筈だ。この学園では俺と本気で渡り合える相手がいないのに、どうしていつまでも此処に居続けるのだろう、ってな感じで」

 

「…………………」

 

 一夏の顔を見る限り、どうやらそう思っている節があったようだ。アイツとは中学からの付き合いだから、俺の性格を知ってる筈だからな。

 

「ま、俺の本来の目標は師匠を倒すことだから、千冬さんは師匠を倒す為に俺が強くなる踏み台の一つに過ぎない」

 

「!」

 

 踏み台と言った瞬間、一夏はガクンとして顔を伏せる。

 

「順を追った俺の目標を教えてやろう、一夏。先ず最初に此処で『IS学園最強』を目指し、その次は元世界最強の千冬さんを倒し、更には各国IS操縦者代表全てを打ち倒し、俺は本当の意味での世界最強になる!」

 

 俺は左手を掲げ、人差し指を上に向かって指した。それにより、俺は全ての国のIS操縦者に喧嘩を売ってしまった事を後日知ったのであった。

 

「そしてその後は師匠を倒すって訳だ。分かったか?」

 

「………だと……?」

 

「ん? 何だって?」

 

 一夏が小声で言ったので再度聞こうとすると、突然グンッと顔を上げて激昂しながら言う。

 

「自分が強くなる為に千冬姉を倒すだと!? ふざけんじゃねぇ和哉!!」

 

「おおっ……」

 

 突然の一夏の怒鳴り声に俺は思わず後ずさった。

 

「テメェのそんな自分勝手な目的の為に千冬姉を踏み台にして巻き込むなんざ、俺が許さねぇ! テメェなんかに絶対千冬姉はやらせねぇぞ! 千冬姉は俺が守る!」

 

「………千冬さんを守る、か。ふっ、笑わせる。あの人の実力の半分も満たしてないお前が守れるのか? 益してや俺にここまでやられているようじゃ、千冬さんを守る事なんか出来やしないぞ」

 

「うるせぇ! 千冬姉を守る為に俺は強くなる! だけどその前に先ずはテメェをぶっ飛ばす!」

 

 まさか一夏がここまで激昂するとは予想外だった。それにさっきまで疲れていた顔が嘘みたいに消えて、ギラギラとした目で俺を睨んでいる。同時に構えもさっきまでとは違って、更に洗練されている。本気で俺を倒そうとする様子だ。

 

「……く…くくくくっ……ははははははっ!!」

 

 これは更に面白くなってきたぞ。俺をここまで高揚させたのは久しぶりだ。今までは師匠や千冬さんとは実力差があり過ぎて、目標として倒すだけしか思っていなかった。だが今は違う。俺と互角に渡り合える相手を漸く見つけた事により、今の俺は気分が良い。一夏はまだ未熟な部分が目立っているが、近い内に俺と互角の強さを持つかもしれない。

 

「何がおかしい和哉!?」

 

「はははははっ……悪い悪い。おかしいんじゃなくて、嬉しいんだよ」

 

「嬉しいだと?」

 

「ああ。今のお前だったら、俺の本当の意味での……本気を出せそうだ!」

 

「っ!!」

 

 俺は笑みを浮かべながら殺気を全開にして一夏を見る。それにより会場全体に重苦しい雰囲気を出し始めた。

 

「一夏、絶対に気を抜くなよ? 俺は今最高に気分が良いんだ。失望させるような事をしたらタダじゃ済まさないからな! でなけりゃいずれ千冬さんを倒す!」

 

「そんなことさせねぇ! 俺は千冬姉を守って、お前を倒す!」

 

「くくくっ! その意気だ!」

 

「和哉! テメェのそのふざけた根性は俺が叩きなおす! 覚悟しやがれ!」

 

 そう言って一夏は全身からオーラを発した。

 

 あれは零落白夜か。この土壇場で使うとは……中々乙なことをしてくれる。

 

「お前がそう来るなら……俺も最高の技で挑むとしよう!」

 

 師匠が使っていた奥義を盗み見た……『(しゅん)(けん)(さつ)』を。それは本来禁じ手の奥義で武道をやっていない相手に使ってはいけないのだが、俺と互角に渡り合えようとする一夏にそんなのは無用だ。

 

「さあ、覚悟は良いか一夏?」

 

「上等だ」

 

 構えて問う俺に一夏は中段の構えで俺に挑もうとする。

 

 会場全体が重苦しい雰囲気の中、ジリジリと距離を詰めて間合いに入ろうとする俺と一夏。

 

 そして、

 

「「はああああ~~~~っ!!」」

 

 同時に突っ込む俺達はお互いに最高の技で決着を付けようとする。

 

「ああああああっ!!!!!」

 

「「!!!」」

 

 しかし、突然ボーデヴィッヒが身を裂くような悲鳴を上げた事によって中断せざるを得なかった。




折角の決着に水を差すような展開になってしまいましたが、原作沿いに進めていくので、どうかご了承下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。