インフィニット・ストラトス ~唐変木に疲れる苦労人~   作:さすらいの旅人

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お久しぶりです。

まず最初に、更新遅れて申し訳ありません。

こんなに遅くなった理由、もとい言い訳は………ちょっとした気分転換で古いゲームをやってて、見事にはまって遅れてしまいました。

因みにやってたゲームは昔やってた聖剣伝説ⅡとⅢです。今でもⅢやってます、はい。

言い訳は以上です。


第89話

「んで、この前の臨海学校では色々な事がありすぎて……」

 

「はははは、それは災難と言うか何というか」

 

「しかも帰り間際にアメリカ代表がいつの間にか目に付けられているわ、テスト操縦者にはいきなりキスされて傷物にされた責任を取れと言われて……。轡木さん、俺は一体どうすれば良いんでしょうか?」

 

「前者は頑張って下さいとしか言えませんが、後者に関しては今の段階では無理ですね……」

 

 臨海学校を終えた数日後。

 

 俺は昼休みを利用して、竜爺の友人である男性用務員の轡木さんに会っていた。突然の訪問にも拘らず、轡木さんは待っていたかのように笑顔で迎え入れてくれて、俺の話(主に愚痴と相談)を聞いてくれていた。

 

 悩みや相談については担任の千冬さんや山田先生にするべきだと思うが、俺としては年上の男である轡木さんのような人が話しやすい。別に異性に相談するのは苦手ではないのだが、相談に関してはやはり同じ男の方が気兼ねなく話せる。

 

「何故無理なんです?」

 

「竜さんに相談した場合の事を考えてみてください。あくまで私の予想ですが、竜さんは多分こう仰ると思いますよ。『自分が起こした問題を最初から他人に縋らずに、先ずは自分で考えて解決せよ』と」

 

「………ああ、そう言われれば」

 

 轡木さんの台詞に思わずガクンと頭を下に向けた。

 

 確かに轡木さんの言うとおり、絶対に竜爺がそう言いそうだな。何も考えずに最初から他人に甘えてたら、あの竜爺の事だから一喝すると思うし。

 

 けれど、そもそも何故ファイルスさんは俺にあんな事をしたのかが全然分からん。あの人にはそれなりの理由があると思うんだが、冷静になって考えても全く検討が付かない。と言うか俺、まともな会話すらしてないんだが………何でだろう?

 

 まぁ今そんな事考えても分からんから、取り敢えず今度ファイルスさんにまた会った時どうするかを自分なりに考えてみますか。それでも難しい場合は助言を求めるが。

 

「納得されましたか?」

 

「………ええ、まあ。轡木さんの仰るとおり、先ず最初に自分で考えてみます。けれど、どうしても無理だと思ったその時には助言を求めても良いでしょうか?」

 

「ええ、構いません。いつでもお待ちしています」

 

 どうやら助言はOKみたいだな。でも俺の事だから、絶対すぐ轡木さんに助言を求めそうな気がする。

 

「それにしても、君は入学してから今でも話題に事欠く事がありませんね。生徒の殆どが君の噂ばかりしてますよ」

 

「噂って言っても、どうせ俺に対する陰口でしょう?」

 

「まあ確かにそれらも含まれていますね。ですが、ちょっと妙な噂が流れていますよ」

 

「妙? どう言った噂ですか?」

 

 疑問に思った俺がすぐに訊くと、轡木さんは淡々と説明し始める。

 

「何でも神代くんはここ数日独り言が多くなって挙動不審な行動をしているとか、学園の生徒でない綺麗な女性と一緒に歩いていると言う噂です」

 

「………あ、ああ、それですか」

 

 よりにもよって黒閃の噂かよ。臨海学校が終わってまだそんなに時間が経ってないってのに。

 

 けどまぁ、やっぱり俺や黒閃がどんなに警戒してても、必ずどこかしらか漏れてしまうみたいだ。と言うか、この学園ってすぐに噂が広まるんだな。

 

「その反応から察するに、やはり本当なんですか?」

 

「ま、まぁ当たらずも遠からずと言うか……」

 

 仕方ない。陰口を叩く女ならいざ知らず、轡木さんには変な誤解をされたくないから、真実を話すとしよう。

 

「轡木さん、今からとても信じられない事をしますが、誰にも口外しないと約束出来ますか?」

 

「え? ええ。私はこれでも口は堅いほうですので」

 

「そうですか、なら………姿を現せ、黒閃」

 

『了解しました』

 

「ん? 今、女性の声が聞こえたような――っ!?」

 

 俺の左手に身についてるブレスレットが光り出した事に轡木さんが驚き、

 

「お初にお目にかかります、轡木殿。私がマスターのIS“黒閃”と申します。以後お見知りおきを」

 

「こ、これは……!?」 

 

 人間化した黒閃が姿を現すと再び驚いて目を見開いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 少なくとも表面上はな。

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん………何か引っ掛かるなぁ……」

 

『よろしかったのですか、マスター?』

 

「ん? 何をだ?」

 

 轡木さんに黒閃の紹介を済ませて粗方の話しを終えた俺は、用務員室を後にして教室に戻っている最中に少し考え事をしていると、廊下の周囲に誰もいない事を確認した(ブレスレット状態の)黒閃が問いかけてきた。

 

『先ほどの用務員の件です。いくらマスターの知り合いだからと言って、あんなにあっさりと私の事を教えるのは些か軽率だったのではないかと』

 

「構わないさ。昨日の夜、仕事を終えて帰ってきた千冬さんが“黒閃の事は後日各国に公表する”って言ってたろ? 遅かれ早かれ分かる事だ」

 

『確かにそうですが……』

 

 一応納得の反応を返してくる黒閃。

 

 因みに俺は先の臨海学校で独断行動をした事により、千冬さんに監視と矯正されると言う名目で、現在千冬さんの寮長室で同居中である。普通は懲罰部屋で過ごすんだが、千冬さん曰く『懲罰部屋では監視にならないから暫くは私の部屋にいてもらう』だそうだ。

 

 当然それを聞いた一夏が真っ先に猛反対していたが、結局は千冬さんに逆らう事は出来ずに渋々従ったのは言うまでも無い。けど俺が千冬さんの部屋に行く際、一夏が『和哉、もし千冬姉に変な事したらただじゃおかないからな』って釘を刺すかのように警告された。それを聞いた俺は呆れながらスルーしたけどな。

 

 んで、寮長室である千冬さんの部屋は…………以前コッソリ覗いた織斑家にある部屋と全く同じと言うほど酷かったよ。監視と言う名目とは言え、あんな散らかった部屋で過ごすのは無理があるので、千冬さんから許可を貰って掃除させてもらった。普通、男の俺が女性の部屋を掃除するのは不味いと思うが、部屋の主である千冬さんは散らかしている自覚があったのか、俺が掃除する事に何の文句言う事無く一緒に手伝ってたし。まぁ流石に衣類やゴミに関しては抵抗感があるので、そこは千冬さんが片付けてくれたけど。

 

 とまあ、話が少し脱線してしまったが、さっきも言ったとおり、昨日の夜に千冬さんは黒閃の事を公表するとは確かに言ってたが、決して口外するなとは言われてないので、別に話しても問題ないって事だ。

 

『織斑千冬はマスターがそう簡単に喋る事は無いだろうと思って、敢えて言わなかったのでは?』

 

「もしそうだったら甘んじて千冬さんの説教を受けるよ」

 

 そこまで俺を信用していればの話だが、と付け加える俺。

 

「まぁそれはそれとして、今回の相談で轡木さんが実は相当な食わせ者だって事が分かったし」

 

『? どう言う事です?』

 

 いまいち分からないように訊いてくる黒閃。

 

「あの人、黒閃が姿を現して確かに驚いていたが、一夏達と違って心底驚いたって様子じゃなかったんだよ。その後からは何事もなくすんなり受け入れるかのように笑顔でお前と話していたし」

 

 ISが喋れたり人間の姿になったりする事は本来あり得なく、最初は一夏達のように驚き戸惑う筈だ。けど轡木さんは驚いても、戸惑いが一切無かった。

 

『……それはつまり、あの用務員は私の事を予め知っていたと言う事ですか』

 

「そう言う事。ま、それはあくまで俺の推測に過ぎないけど」

 

『だとしても、その推測には些か疑問があります。仮にマスターの推測通りだとしても、あの用務員は私の事をどうやって知り得たんですか? いくら学園関係者とはいえ、現段階での私は重要機密扱いされていますから、用務員である彼がそう簡単に知れ渡るとは思えませんが』

 

「そうなんだよなぁ……」

 

 確かに黒閃の言うとおり、用務員である轡木さんがどうやって黒閃の事を知ったのかが今でも分からない。

 

 轡木さんの黒閃に対する接し方を一通り思い出すが、どう考えても黒閃を前以て知っているような素振りだったから疑問を持たざるを得ない。

 

「もしかしてあの人、用務員は仮の姿で実際はIS学園の最高責任者だから黒閃の事を知ってたりしてな」

 

『……………マスター、いくらなんでも、そんな都合の良すぎる考えは無理がありますよ』

 

「…………ですよね~」

 

 黒閃の呆れた指摘に頷く俺だった。




久々に書いたせいか、凄い調子悪くてつまんない話になってしまいました。

次回も一応閑話となっていますので、あしからず。
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