続きです!!
「コタロー、無事か?」
「な、何とか……」
オカ研メンバーの嫉妬の報復を受けた瑚太朗はボロボロだった。
今は放課後。
静流の誘いを受けて、彼女に連れられている訳だ。
彼女には目的地があるらしく、付いていくだけである。
傍目からはデートに見えるだろう。
「そろそろ向こうの準備も整う」
「って、事は近い内に合流だな」
いきなり振られた話題が何か分からなかった。
だが、それがミドウ達の事だとピンと来た。
「しかし、いきなりそっちの話題か」
「話しておかなきゃいけない事がある」
静流はこちらを向かずに言った。
「咲夜が黒篝の動向について」
「黒篝の? 何か分かった事があるのか?」
「そこは本人に聞いて欲しい」
あくまで話の内容を伝えられたようだ。
詳細に関しては咲夜が直接言うそうだ。
かなり大事な話なのだろう。
「って、事は今は咲夜の所に向かうのか?」
「その前に寄りたい所がある」
その言葉から数分も経たずに目的地へ着いた。
「ここって、フォレスト」
ガーディアンの江坂が経営しているアンティークショップだ。
「入ろう」
静流が迷いなくフォレストに入った。
瑚太朗もそれに続く。
「いらっしゃいませ~」
来店の挨拶をしたのは、メイド服を着たルチア――ではなくてアカリだ。
この時間に働いているようだ。
クラスメイトが来てルチアと勘違いするのを回避する為なのだろう。
「あっ、こ、瑚太朗。それに静流も」
「ようアカリ」
「こんにちは」
来客が瑚太朗達と分かるや、少し照れている。
ルチアの記憶を一時的に保有していた事から、こういった事に羞恥はあるようだ。
その割には、以前にノリノリで瑚太朗の前でメイド服を着てはいたが。
「これアカリ君。いくら客が居らず、知り合いが来たからと言って私語は感心しないな」
「ご、ごめんなさい」
アカリが注意されて慌てて謝罪した相手は江坂だった。
「じい、連れてきた」
「やあ静流君。天王寺君も来てくれたんだね」
静流の発言から察するに、どうやら江坂が瑚太朗を連れてくるように頼んでいたようだ。
ここへ連れてこられた時点で何と無く察しは付いていたが。
「えと、江坂さんが俺に用があると?」
「そうなんだ」
江坂は少し難しい顔をする。
「すまないがアカリ君。今日はこれで店仕舞いだ」
「わ、分かりました」
告げると店の鍵を閉めた。
どうやらここからは内密なお話になるらしい。
瑚太朗は無意識に息を呑む。
「すまないね。君に来て貰ったのは他でもない。君がいつの時点で記憶を取り戻したのは最近だと聞いているが間違いないかね?」
「え? は、はい」
「つまりは……“戦いの知識も思い出したと?”」
江坂の見透かそうとせんばかりの視線。
瑚太朗は誤魔化そうかどうか悩んだ末――
「……はい」
結局は肯定した。
なるほど――と、江坂は目を閉じて納得する。
「では、静流君と模擬戦をしてはくれないか?」
「えっ!?」
突然の用件に瑚太朗は戸惑う。
模擬戦自体は構わない。
だけども、何故今になってそんな質問を?
「実は静流君から君の戦闘関係の話を聞かれてね。いっそのこと、戦わせてみてはと思ったのだ」
思い付きで突拍子もない事をさせてくれる。
「静流は良いのか?」
「構わない。それに私の今の実力を知っていてもらいたい」
静流は乗り気なようだ。
と言うよりも、今後の為に瑚太朗に実力の程を確認して欲しさ故に言っている節が垣間見えた。
アカリはハラハラと見守っている。
彼女にしてみれば、親友と想い人が戦う姿を見てしまうのだ。
「大丈夫だ。これはお互いの実力を知る為のものなんだからさ」
不安そうにするアカリの頭を瑚太朗は軽く撫でてやる。
安心したのか、顔を赤くして俯かせて「うん」と呟いた。
「…………瑚太朗。早く準備する」
「お、おう。悪い」
それを見て不機嫌になった静流。
同時に放たれる不機嫌オーラに押されてしまう瑚太朗。
「では、こっちだ。付いてきなさい」
唐突な申し出ではあったが、模擬戦が始まる。
ガーディアンの現最強の戦士――中津静流との対戦である。
如何でしたでしょうか?
今回はある意味で章題の「Strange fantasia」回収です。
静流と瑚太朗の対戦……というよりは2人を行動させたかったんすよね。
彼女の家族の件は話してあったのにずっと放置してましたから
次回は3週間後の予定です!!
ではまた!!